口蹄疫(こうていえき)の問題が深刻化し、黒毛和牛の子牛の取引が急激に落ち込んでいる。
独立行政法人・農畜産業振興機構によると、5月の全国での黒毛和牛の子牛取引(頭数ベース)は前年同月の4割程度にとどまる見通しだ。全国の取引シェア(占有率)の約6割を占める九州での取引が停止しているためだ。同機構に報告された今月1日から17日までに取引された子牛(3537頭)の平均価格も、前年同期比12・5%高い39万9262円となり、「子牛の供給不足で、取引価格が一段と高騰する恐れがある」(流通関係者)という。
食肉の輸出に対する悪影響も懸念されている。政府はウイルスの拡散を抑えるためのワクチン投与を決めたが、米国などがワクチン投与国からの輸入を見合わせれば、宮崎県産以外の食肉の輸出にも支障が出かねないためだ。
最終更新:2010年07月19日 01:33