口蹄(こうてい)疫に感染した疑いのある牛が再び見つかった宮崎県。終息の期待は一気にしぼみ、県内では高校野球の地方大会や各種イベントの関係者に動揺が広がっている。高校野球は、観客を入れない「無観客試合」も検討されるもようだ。11日に投開票を迎える参院選の候補者陣営でも落胆や不安の声が上がった。
「高校球児や野球ファンのことを考えると、何とか大会を開きたい」。宮崎県高校野球連盟の猪俣整理事長は切実に語った。感染拡大を防ぐため、甲子園の宮崎県予選の開幕日を10日から16日に延ばし、球場を増やして日程を短縮する計画を組んでいた。ところが、新たな発生で見直しを迫られ、関係者は頭を抱えている。
同連盟は6日に対応を話し合うが、「無観客試合」を検討するほか、発生地に近い球場は使用できないため、予定にはなかった別の球場を借りることも協議するとみられる。
宮崎県で8月1日に開会する予定の「全国高等学校総合文化祭」でも、関係者は気をもんでいる。県下の市や町で演劇や音楽、芸術といった文化活動の成果を披露する大きなイベントで、全国から約2万人の高校生・関係者が訪れる。宮崎での開催が2005年に内定してから準備を続けてきた。事務局の野辺文博次長は「子どもたちが大変努力して参加してくる。今後の発生がないように祈っている」と語る。
今後も感染が続くと開催に支障が生じるが、会場の変更などは難しい。過去の大会で中止になった例はないという。
参院選では、ある陣営のスタッフが「選挙カーの行動がさらに自粛を求められるようになり、困っている」とぼやいた。終息を見越して計画していた大規模な集会を中止した。
別の陣営幹部は「これまでも慎重にやってきたので基本的には変わらない」と選挙活動への影響は少ないという。ただ、支援者が投票を控える可能性が指摘されることに対し、「心配している。若干、影響するのでは」と不安をのぞかせた。(2010/07/05-19:50)
最終更新:2010年07月19日 03:09