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 宮崎県内で口蹄疫(こうていえき)の発生が確認されてから約1か月。

 18日には家畜の殺処分頭数が11万頭を超え、東国原知事が非常事態を宣言した。感染の拡大が続き、その影響は、畜産業界だけでなく、観光業など様々な分野に広がりつつある。

 みやざき観光コンベンション協会(宮崎市)によると、鹿児島県の小、中学校3校が県内への修学旅行や遠足をキャンセルした。感染拡大の防止のためとみられる。

 同協会は7、8月、観光客を県内に呼び込む大々的な観光キャンペーンを実施する予定だったが、人の往来が感染拡大につながる恐れもあるため、計画を中断。担当者は「海水浴など、これからが観光シーズンなのに……」と不安を募らせている。

 県観光推進課によると、宮崎市で4月24、25日に開かれる予定だった「情熱!みやざき食と農の祭典」など、少なくとも21市町村で62のイベントが中止されたほか、7市町村の8イベントが延期されている。

 発生が集中している川南町では、130台ほどの軽トラックなどの荷台に、農水産物を並べて販売する毎月恒例の「軽トラ市」を4月から中断している。毎回、県外などから1万人ほどが訪れる名物イベントだっただけに、主催する町商工会は「とても残念」とショックを受けている。

 宿泊業や飲食業にも影響が出始めた。宮崎市青島の青島パームビーチホテルは4月の宿泊者数が約8800人で、前年同月より約900人増えたが、5月以降は団体旅行など4組(約130人)のキャンセルが出るなど、ホテル担当者は「全体的に低調」と説明。ここ数日、口蹄疫問題がさらに拡大していることから、担当者は「今後影響が広がる可能性も否めない」と指摘する。

 また、県産ブランドの宮崎牛を扱うレストランを展開する「ミヤチク」(本社・都城市)によると、県内の店舗は大型連休明けから客足が落ちているという。

 一方、新たに感染が発生した新富町では、座論梅ゴルフクラブで予約のキャンセルが入り、客数も減っているという。

(2010年5月19日20時14分 読売新聞)
5月 イベント 二次被害

最終更新:2010年07月18日 04:28