2010年6月1日 20:14
鳩山由紀夫首相は1日、家畜伝染病「口蹄疫」の感染拡大が続く宮崎県を訪問した。県庁で東国原英夫知事や畜産農家と意見交換し、「農家の再建に政府として万全を期す」と強調、感染拡大防止や被害農家支援に全力で取り組む姿勢を示した。感染疑いが初めて確認された4月20日以降、首相の宮崎入りは初めて。
意見交換には東国原知事のほか、最大の感染集中地域である川南町の畜産農家2人も出席。鳩山首相は「わが子のように育てた牛や豚を殺処分しなければならない農家の気持ちはよく分かります」と語る一方、「厳しい措置だが、口蹄疫を撲滅させなければならない」と、ワクチン接種後の殺処分への理解を求めた。
東国原知事は「国、地方自治体、地域住民と一丸になり、終息に向けて全力を尽くしたい」と応じた。
意見交換後、鳩山首相は記者団に対し「精いっぱい努力したが、結果として感染を拡大させたことには責任がある」と国の責任を認めた。その上で、ワクチン接種費用や、接種後に殺処分する家畜の補償負担には「法的に(殺処分を)義務付けることになるのだから、国がしっかり面倒を見るべきだ」と前向きな考えを表明した。
東国原知事は午後の記者会見で、鳩山首相にワクチン接種費用の全額国費負担のほか、農家の経営再建対策の拡充や感染経路の早期解明などを要望したことを明らかにした上で、「総理の『万全を期す』との言葉は重たい。国が全面的に責任を持って補償していただくと理解した」と述べた。
=2010/06/01 西日本新聞=
最終更新:2010年07月16日 01:15