鹿児島県は20日、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」感染の危険から「鹿児島黒牛」「かごしま黒豚」の県ブランドを守るため、一括管理している種牛や凍結精液、種豚(しゅとん)の一部を離島の県施設などに移動・分散させると発表した。
移動させる牛は、県肉用牛改良研究所(曽於市)で管理する種牛とその候補の雄牛計53頭のうち、若い2-6歳の12頭。喜界町(喜界島)の畜産農家の空き牛舎と、西之表市(種子島)の県農業開発総合センター熊毛支場に設置する仮設牛舎に6頭ずつ分散する。
同研究所が管理する凍結精液も、計2万4千本(1本0・5CC)を県内の家畜保健衛生所に移す。
一方、県種豚改良協会(霧島市)が管理する「サツマ」「ニューサツマ」「サツマ2001」の3系統の種豚と種豚候補計約150頭を、県農業開発総合センター熊毛支場と県立農業大学校(日置市)に移動させる。
凍結精液は21日、種牛や種豚などは早いもので24日から搬送を開始し、遅くとも今月中に完了させる。伊藤祐一郎知事は20日、記者団に「口蹄疫が落ち着くまでの措置。鹿児島の次代の畜産を守るため、危機管理上やむを得ない」と述べた。
最終更新:2010年07月19日 02:27