柑橘類が主人公だったりするSS他置き場です。
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店先で負けたため投下された柑橘類様×萃香ちゃんSS
神社の酒蔵にあるのは二つの影。
一つは人間。整った顔立ちをだらしなく崩した黒髪の男。
もう一つは、頭に二本の角を持つ幼女の姿をした、鬼。
両者の力関係は歴然。肉体の強さだけでなく、酒の強さ、知識、頭脳、経験。人間の男が勝っているところといえば、悪知恵と、せいぜい身長体重くらいしか存在しない。
……いや、もう一つあったか。
「本物の萃香ちゃんだ! あぁー神様俺はなんて幸福なんだ! 萃香ちゃんぺろぺろちゅっちゅしたいよー」
「ウザッ! キモッ! てか蜜柑臭い! 近寄るな変態! 変態! 変態!」
その勢いと頭に広がるワンダフルワールドは、鬼のそれは遠く及ばないだろう。
男の手が萃香の服の端を掴む。反射的に萃香は指に力を込め
(省略されました。続きを読むには俺を
最弱決定戦で優勝させてください)
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↑の完成版
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神社の酒蔵にあるのは二つの影。
一つは人間。整った顔立ちをだらしなく崩した黒髪の男。
もう一つは、頭に二本の角を持つ幼女の姿をした、鬼。
両者の力関係は歴然。肉体の強さだけでなく、酒の強さ、知識、頭脳、経験。ごく一部を除き、鬼と人間との間には、種族という壁に遮られた、越えることの出来ない差が存在する。
人間の男が勝っているところといえば、悪知恵と、せいぜい身長体重くらいしか存在しない。
……いや、もう一つあったか。
「本物の萃香ちゃんだ! あぁー神様俺はなんて幸福なんだ! 萃香ちゃんぺろぺろちゅっちゅしたいよー」
「ウザッ! キモッ! てか蜜柑臭い! 近寄るな変態! 変態! 変態!」
その勢いと頭に広がるワンダフルワールドは、鬼のそれは遠く及ばないだろう。
男の手が萃香の服の端を掴む。反射的に萃香は指に力を込めた。
吹き飛ぶ男。重力に逆らった身体は酒蔵の梁に激突し、上にいたネズミを逃げ散らかしながら地面に落ちた。
「やばっ……やりすぎたかな」
その結果を生み出したのは、萃香が弾いた指によるものだ。
攻撃と呼べるようなものではない。が、鬼の指パッチンには人間ならば3回は死ぬことができるほどの力がある。
無論、今回は手加減されているが……衝撃で吹き飛んだ男に意識があるはずがない。
「おーい、生きてるかーい?」
萃香が男の頬をぺちぺちと叩く。あまりの行動に度肝を抜かれたが、殺すつもりは毛頭ない。博麗神社の酒蔵で人殺しなどしては、霊夢に何をされるのかわかったものではないからだ。
衝撃で伸びている男の顔は、しかし、とてもとても幸せそうだった。これ以上の笑顔を浮かべることは、人間にはできまい。人間が浮かべることのできる最上級の笑顔が、その顔には浮かべられていた。
「まあ、性格はあれだけど……」
頭の裏を掻きながら、萃香が独りごちる。
「あんたみたいな人間も、たまには面白くていいかもね」
ことの発端は、この男……そことなく漂ってくる匂いから柑橘系の男とでも呼ぼうか。その柑橘系の男が、突然開いた時空の隙間から落ちてきたことによる。
例のごとく博麗神社の酒蔵に忍び込んできた萃香は、丁度その時間に鉢合わせた。別にあの女の気まぐれは今に始まったことではないので、男が振ってきたことそのものにはそれほど驚くこともなかった。
しかし、目を覚ました男の行動には、流石の萃香も度肝を抜かれたようだ。
その一部始終が、上に記されたひと時の情景である。なんのことはない、柑橘系の男は重度の変態であり、ロリコンあった。
「そして、あんたは萃香に飛び掛って、返り討ちにあって気を失った……理解できた?」
「はあ、なんとか」
布団を体にかけた状態で、柑橘系の男が呆けたような声を出す。彼の目の前にいるのは小柄な鬼ではなく、紅白の衣装を纏った巫女。巫女ではあるが、この神社の主である博麗霊夢、その人だ。
「そう。まあ、明日には傷は治ると思うから、それまではここに置いてあげるわ。感謝しなさい」
「すみません、感謝します」
そう言って、柑橘系の男が頭を下げる。先ほどとは天と地ほどに違う応対である。どのようなことであれ、その道を極めた者たちは、その本質を表に出すことがほとんどない。この男も同じだろう。
多分。
「では、明日は人里に向かうとします。できれば、方角などを教えて貰えると助かるのですが……」
「人里? 何を言ってるの。あなた外の人間でしょう? 送り返すんだから、もう外に出ることはないわよ」
それを聞いた柑橘系の男の目が、明らかに動揺の色を浮かべた。あまりに予想外な霊夢の言葉に、頭の整理が追いつかなかったらしい。
「え、ちょっと、それって?」
「だから、あんたは明日外の世界に送り返すから。紫の考えてることなんて興味ないし。管理者としての責任もあるから」
「いや、そうではなくて……」
「というわけで、早くその傷、治しちゃいなさい。大丈夫。別に特別なことなんてないから。目を閉じて、一瞬後にはそこは元の世界よ」
「人の話を……」
「それじゃ、もう遅いから私は寝るわね。あなたも早く寝ちゃいなさい」
「…………」
有無を言わさず、襖が閉められる。残された柑橘系の男は、むなしく空をかく自らの右手を見て、ほんの少し切ない気持ちになった。
幻想郷の夜は長い。
電気などという便利なものは、少なくともこの博麗神社には存在しない。あるのは蝋燭と行灯の僅かな光。日が沈めば活動時間の停止を意味し、日が昇れば再び活動を始める。幻想郷の人間とは、そういうものだ。
だから、この時間まで起きている人間など、彼の他にも数えるほどしか存在していないのだろう。
「僕は、幻想郷にいる」
呟く。現在の状況の確認。夢にまで見た、この世であってこの世でない場所。その場所に彼は立っている。
だが、明日になれば、霊夢によって元の世界に戻されるという。
それは、どうなのだろう。
帰りたいという気持ちはある。レポートはまだ2枚しか書いていないし、就職活動の準備も進めなければならない。現状で把握している自らの特徴が変態ということしかないようでは、雇ってもらうのは難しいだろう。それ以前に、友人達に別れの言葉も言っていないし、家族だっている。
だが、それでも……
「この世界には、萃香ちゃんがいる」
その時点で、選択肢は存在しない。
幻想郷には萃香がいる。元の世界にはいない。ならば答えは一つしかない。
立ち上がる。巫女はすでに寝ているはずだ。幸い服は外出時のまま。夜の幻想郷を歩くことに不安はあるが、それでも決行するには今しかない。
布団をゆっくりと体から引き剥がす。おもむろに立ち上がり、襖に手をかけようとして、柑橘系の男はその動作を中断した。
巫女か? いや、違う。この匂いは酒の匂い。忘れるはずがない。これは……
「ストップ。さっきみたいに変な事しようとしたら、また気絶させちゃうよ」
彼の背後には鬼がいた。反射的に振り向き、服を脱ぎ捨てながらルパンダイブする動作までをシミュレートしたが、萃香の言葉で最後の自制心が働いたようだ。
ゆっくりと、目線と顔を動かす。目の端に、彼が追い求め続けている少女の姿が映った。
「あんたのことだから、多分ここを抜け出そうとしてたんだろうけど、それは駄目だよ」
幻想郷とは、忘れ去られた者たちが集う場所。この世に居場所のある者が、存在していい場所ではないのだ。
そのような者が幻想郷に迷い込めば、それはすなわち存在自体の矛盾となる。最悪、『世界』によって、男の存在は抹消されることも考えられるのだ。
「でも、向こうの世界じゃ萃香ちゃんに会えない」
精一杯の自制をきかせて、柑橘系の男が答える。
それは譲れないものだ。人間には譲れないものというものがある。愛とは、その典型的な感情。まして男の愛は、他の誰よりも深いという自信がある。
「人間ってのは我侭なものさ。より大きな幸福があれば、行動はそちらへと傾く。萃香ちゃんには、わからないかもしれないけど」
「わかりたくもない。変わらないね、人間は」
不機嫌そうに呟かれた萃香の言葉に、柑橘系の男が悲しげな顔をする。萃香に嫌われる、そう思った瞬間、すぐにでも前言を撤回したくなった。
だが、できない。当たり前の話だ。自らの譲れないものを、自ら曲げる。そんなことが一瞬でできるのならば、それにこそ問題があるだろう。
柑橘系の男の表情を見たのか、萃香がその表情を戻した。萃香はおもむろに男に近付くと、その背に小さな手を置く。
「でも、あんたみたいな人間は嫌いじゃない。見ているぶんには面白いし、度胸もある。鬼はそういった人間を好むんだ」
その言葉を聞いて、柑橘系の男は一瞬虚空を見上げ、整った顔の頬をぽりぽりと掻いた。
「参ったな……」
「どうしたの?」
新しい反応に、萃香が尋ねる。
「あまりにも光栄すぎて、感謝の言葉が思いつかない」
柑橘系の男の答えに、萃香はくすりと笑った。やっぱり変な男だと、そう呟く。
「……また会おう。いつの日か。私は、待ってるよ」
そう言って、萃香は柑橘系の男の背から手を離す。
次の瞬間、その姿は虚空へと消えていた。
「萃香ちゃん……」
残ったものは、カシスオレンジの香り。
男の手には……
A.D. 2008 August XX
目を開けると、そこには見慣れない都会の姿があった。
目の前には、人だかりと巨大なビル。サンシャインシティ、だったか。どうやらここは東京のようだ。後ろからは、ゲームセンターの喧騒が聞こえてくる。
幻想郷からの帰還はまさに一瞬だった。霊夢に額を弾かれたと思ったら、気がつけばここにいた。東京は家から大分離れているが、一応金は持っているので、帰り着くことはできそうだ。
再び目を閉じる。蘇ってくるのは、たった一日の、それでもとても貴重な体験。
あれは夢ではない。幻想郷は、確かに存在していた。
「いつか……」
握っていた拳を、開く。
そこにあるのは、一筋の金色の髪。
「いつか、また行くね。萃香ちゃん」
そう言って、男は開いた拳をそっと閉じ、とりあえず駅の場所を聞くべく、そこにいる人に適当に声をかけた。
Fin
萃香の髪って萃香になるよね。念のため。
長文すまん。今日はもう書き込まないから許してくれ。
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型月風の柑橘類SS。誤爆のフリをしてスレの流れを止めようとしたため投下することに。
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「はぁ…はぁ…はぁ!」
俺は逃げていた、暗い路地裏をどぶを這いずる鼠のように汗でどろどろになりながら駆けていた。
おかしい、何かがおかしい…そう”アレ”がここにいるはずは無いのだ、”アレ”は幻想の生き物…こんな町にいるはずが無いのだ。
息が上がる心拍数が上がる肩が上がる、だが足は上がらない。
そして俺は…三方が壁に囲まれていることに気づく…まさに袋の鼠だ。
「あれ?もう鬼ごっこはおしまい?あっけないねぇ」
後ろから声がする、鉛のような体を反転させて振り向くとそこには―――――
―――――鬼がいた。
「おかしい!嘘だ!こんなの夢だ!おまえは確かに俺に――――」
「――ぺろぺろちゅっちゅされたはず?」
にやりと笑う”ソレ”の表情にぞくりとする。
「あんなのは単なる分身、わたしの疎だよ、あんなのでわたしをペロペロしたつもりだなんてちゃんちゃら可笑しいわ」
チャリ…と”それ”につけられた鎖が音を立てる。
一歩一歩こちらに近づいてくる”ソレ”俺は固唾をなんとか呑む。
「馬鹿な!」
「わたしは嘘はつかないよ、人間と違ってね」
”ソレ”は既に手に届く範囲に迫っていた、俺は後ずさろうとして―背中を壁に引っ付ける。背後の壁に惨めな汗の染みがついた。
「どう?この距離なら…ちゅっちゅできるかもよ?試してみる?」
「う、うわああああああああ―――――」
逆上した、逆上して逆上して飛びついて今すぐに目の前の”コレ”を組み伏してちゅっちゅしてやろうとした。
餓えた熊のように飛び掛る…が次瞬身体は”コレ”に逆に組み伏せられていた。
いったいいつの間に、そう考えるまもなく俺に重く重くのしかかってくる。
「あんたみたいな人間ごときが鬼をちゅっちゅしようなんて百年は早いのよ、最もその根性は買うけど―――」
じゃりと鎖がなった。
「――――認識が甘かった」
鎖でがんじがらめにされて俺はしゃちほこのように吊り上げられた。
「ぐあぁっ!」
「そうね、とても甘いよ、甘い甘いモンブランよりも一等甘い」
ニヤリとほくそ笑むソレは俺の目を見てそう言った―――――そう刷り込んだ。
「あんたは蜜柑――柔らかく甘く酸い果実、熟れた蜜柑よ」
俺は――俺は――――俺――――――は――――――――――
目が覚めた、ひどく寝汗をかいている…何か悪い夢でも見たのだろうか?
だが…何故だろう、悪い気分ではない、それよりもとても素晴らしい気分だ。
身体が軽い心も軽い―――――まるで何かを欠落してしまったかのように。
「ふん、いい調子だね、それじゃあはじめようか――――幻想の弾幕を」
その声―――――マイプリンセスハニーの言葉にうなづく。
そして俺はパッドを手に取った。
「証明してみせるよ、俺は君への愛を――――」
マイプリンセスハニーが満足げにうなずいたのがわかる。
「俺は――――君に捧げられた蜜柑だから―――――。」
そう証明してみせる証明してみせる、そして手に入れてみせる。
俺のマイプリンセスハニー―――――しかし
「ああ、何で気づかなかったんだろう」
今夜はこんなにも―――――萃香ちゃんが――――――――――
綺麗―――――だ―――――
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最終更新:2008年08月28日 17:36