魔術とモンスターが当たり前のように存在するファンタジーの世界。
ひとつ違うことは、モンスター達の中には人間の女性によく似た姿をしているものも多く存在していること。
人間たちはモンスターと戦うため、冒険者となって立ち向かいながら懸命に生きている………
………
アロン「……え、何これ?俺が……剥奪?」
そしてここに居るのは『
アロン・マッカローン』
この物語の主人公であり、たった今冒険者の資格を剥奪されたという知らせが届いた所だ。
アロン「なんで!?」
彼は思わず叫んでいた。
無理もない、ついこの間まで勇者御一行の冒険者として名を馳せていた男だった、
それがいきなり剥奪とあっては………
受付嬢「あの、すみません。あなた様のお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
アロン「え?アロン・マッカローンだけど………」
受付嬢「マッカローン様………少々お待ちください」
そう言うと受付嬢はどこかへ行ってしまった。
しばらくして戻ってくるとその手に何かの資料を持っていて、それを読み上げた。
受付嬢「貴方は『商売人』が適していると……」
アロン「……はい?商売人?」
商売人、冒険者と違い街に滞在して物を作ったり、それを店に売り出したりする者達の事である。
商売人の4割が冒険者を引退したか、あるいは素業が悪くて剥奪されたものでアロンのように『冒険者より適している』なんて例は今までなかった
アロン「……それ、褒められてると言っていいの?」
受付嬢「恐らくは」
アロン「う、うーん……適してるって言われたら怒ろうって感じもしなくなってくるな」
………
ひとまずアロンは剥奪を受け入れ、商売人としての道を歩む事になった
幸いなことにあの受付嬢がそれなりに大きい空き家を用意してくれたので、店を開ける準備はいつでも出来る
問題は内容だ。
アロン「どんな物を売ればいいんだろ?」
そもそもアロンには商品がない。
剣や鎧といった武具もないし、ましてや薬などの知識があるわけでもない。
いや、元冒険者の商売人が持っていた道具や薬を売る店なんてありふれている。
商売人もまた皆何かしらオリジナリティを出さないと生きていけない厳しい世界だ。
と、ここでアロンは思い出したことがあった。
これまで長いこと冒険して、アロンにしか気付いていない事が一つだけあった、それは………
女性型モンスター達は皆、哺乳類のように母乳を持っていることだ。
そして、アロンのいるこの街は酒場のような冒険者達の憩いの場がない………
アロンは決心した
アロン「モンスター達のミルクを提供するミルクバー!これなら俺でも作れる!」
こうして、アロンの初めての挑戦が始まったのだ。
その日の夜、早くもミルクバーの看板が出来上がった。
文字はそのままで"ミルクバー"と書かれているだけだが、代わりに看板に描かれた牛の絵とミルクバーを表すマーク、我ながらよく出来ている。
あとは店に売り出すモンスターのミルクだが、問題は無い
アロン「モンスターの場所は全部把握している」
これでも勇者の仲間として戦ってきたアロン、魔物の居る地域の隅から隅まで移動してきた為モンスターの生息地はしっかりメモしてあり、転移の石によってすぐに行きたいところに向かえる。この石を使って他の場所へ移動する事を『テレポート』と呼ぶ。
アロン「さて、早速明日の開店に向けて準備を進めないとな」
こうして、アロン・マッカローンの新しい人生が始まった。
アロンは店の奥の私室を兼ねた研究室で、これまで見てきたモンスター達から最初の売り物を考える
アロン「ミルクといえば、最初はこいつだな」
そう言って女性モンスターの絵を、『今日の目標』と書かれた紙に貼り付ける
【ミノタウロス】
牛の要素が所々に見受けられるモンスターで、体は人間の2倍近く大きく筋肉質でとんでもない力を持っている
そして女性型は乳牛の要素もあるのか上記の要素に加え、胸がとても大きいのが特徴的だ。
しかし、そんな大きな体なのに人間と変わらない大きさの性器がついているという不思議な種族である。
アロン「ふむ、やっぱり大きいおっぱいには需要があるかな?とりあえずミノタウロスのミルクが売れれば十分だし……よし、決めた」
アロンはテレポートを使い、ミノタウロスの生息する地域へと一瞬で移動するそして、そこにいた普通のミノタウロスに話しかけた。
アロン「こんにちはミノタウロスさん、ちょっと聞きたい事があるんだけどいい?」
ミノタウロス「ブモォ?」
突然目の前に現れた男に首を傾げるミノタウロス。
アロンは気にせず質問を続ける
アロン「なんかこう女性型……俺……じゃなかった、人間によく似た奴って何処にいるか知らない?」
ミノタウロス「モッモッ」
ミノタウロスは気前よく場所を指さしてくれる
アロン「あーありがとう、助かった」
……
アロン「危ねぇ………この魔法無かったらとてもこの仕事出来ないわ」
『カモフラージュ』
アロンが得意としている魔法の1つで、これを使うことでモンスター達に自分を仲間と錯覚させることが出来る。つまり人間にとって危険なモンスターを騙して攻撃させないようにする事が出来る優れものだ。
しかもそれだけではない、モンスターの使う言語は全て理解できるし、話す事もできる
要するにアロンはモンスター側に立つことで、命の危機なく行動出来るのだ。
アロン「さて、次の目的地へ行こう」
そして、また別のミノタウロスの生息地へと向かうアロン。
アロン「ここら辺にいそうな気がするけど…………お、いたいた」
アロンの予想通り、少し離れた所に女性型のミノタウロスがいた。
ミノタウロス「……なんだ?お前は見たことない形をしているな」
女性型は人間によく似た姿をしているものが多くてか、人間と同じ言語を喋る物も少なくない。
アロン「お、おお………」
そしてアロンは改めて見る女性型のミノタウロスに釘付けになる
今までは戦いの毎日だった為じっくりと見ることは出来なかったが、こうして見ると本当に綺麗な女性にしか見えない。
アロンが見上げないといけないくらい背は高く、筋肉はそこらの戦士より硬く………そして、それが気にならなくなるくらい大すぎるおっぱい。
アロン「すげぇ……」
思わず声に出てしまうアロン。
そんな彼に対してミノタウロスは尋ねる
ミノタウロス「私はもうすぐ繁殖期に入るのだが、お前は何用でここに来た?」
アロン「その……アレ、あるじゃないですか、胸から出るの、あれが欲しくなって」
ミノタウロス「あんなモノが欲しいのか?随分物好きだ」
女性型モンスター達は母乳が出るものの、大体のモンスターは生まれてすぐ肉や野菜を食べられるためほぼ無縁な代物であった、基本的に彼女からすれば『出る』だけで使ったことは無いだろう。
ミノタウロス「まぁいい、どうせもうすぐ繁殖期だからな。だが、ただでは渡せんぞ」
アロン「えっ!?」
まさか断られるとは思わなかったアロンは驚く
ミノタウロス「いずれまた人間達が来る、繁殖期が来たら休む暇もなく種を増やさなくてはならない」
ミノタウロス「お前もミノタウロスなら、私と交尾しろ」
アロン「えっ!?」
アロンは驚いた、たしかに今はカモフラージュで自分は彼女達に同じモンスターに見えているが、そんな事したら一発でバレるんじゃないかと思ったからだ。
しかし、ミノタウロスはアロンの心配をよそに話を進める。
ミノタウロス「私と交尾すれば、その時は好きなだけ飲ませてやる。それに繁殖が終わった後でも私が満足するまで相手をしてもらうがな」
そう言ってミノタウロスは腰に巻かれていた布を外す……モンスターでありながら人間によく似た形をした性器が現れた。
アロン「……………………」
アロンはゴクリと唾を飲み込む、正直言って彼の性欲は限界を迎えていた。
目の前には自分よりも遥かに大きいおっぱいがぶら下がっている。
そして、繁殖期の影響か既にミノタウロスの性器は濡れてヒクヒクしていた。
アロン「わかった、じゃあ俺が満足するまで相手してくれよ?」
そう言い、アロンはミノタウロスを押し倒した。
ミノタウロス「んっ……んん……ちゅぅ……はぁ、んぐぅ」
アロンはミノタウロスの大きな体に張り付き、男性器を出して女性器と擦らせる。
大きな胸を揉みながら、唇を貪るようにキスをする。
アロン「ああっ、はぁ……すごい、気持ちいい」
ミノタウロス「んっ、ふぅ……ちゅぱ、はむ、じゅる」
舌を絡ませる度に、ミノタウロスは甘い声を漏らす。
アロン「くっ……!出すぞ!!」
ミノタウロス「うむ、いつでも来い……」
アロンは絶頂に達し、ミノタウロスの女性器へと精液を出す。
ドピュッドピュッと何度も出し、ミノタウロスのお腹は精液で満たされていく。
ミノタウロス「んっ、んあぁ……はぁ」
アロン「はぁ、はぁ…………」
息を整えて、アロンはミノタウロスから離れる
アロン「ほら、やったので……母乳を貰うよ」
ミノタウロス「ああ、約束だからな………」
アロン「じゃあ行くぞ……『スクイーズ』!」
ミノタウロス「うっ!?」
何故今になっても女性型モンスターから母乳が出ることが知られていないのか、それは簡単な事だ
普通に絞ったり揉んだりして出てくるものでは無いからだ。
アロンが唱えた『スクイーズ』という魔法、これは女性型モンスターの前でおっぱいを揉むような動きをすることで、触れずにモンスターの胸に溜まっている魔力を刺激して………
アロン「出た!!」
ミノタウロスの胸からミルクが溢れてくる。
ビューっと激しく力強く大量の母乳が吹き出される、ミノタウロスなだけあって凄い量だ
。
アロン「おっと、いけない」
アロンはすかさず瓶を取り出しミノタウロスの母乳を注いでいく……余りにも沢山出ることからあっというまに溢れてしまう。
アロン「よし、こんなもんかな」
そして、ある程度注いだところで蓋をして、ポケットへしまった。
アロン「これで当分は大丈夫だろう、ありがとうな」
ミノタウロス「……別に、そんな物が欲しければいくらでも………」
アロン「わかってるよ、それじゃまた」
………
こうしてアロンはミルクバーに戻ってきた。
モンスターの母乳は長持ちするので自分が寿命で死ぬくらい時が経っても鮮度を保ち続けているし、魔法でいくらでも複製出来るのでまた取りに行く必要も無い。
アロン「あとは、ちゃんと売りに出せるかどうか」
最後の一手間、客に与えても問題ないものか味見をしないといけない
アロンはミノタウロスの母乳瓶を複製し、その1つを飲んでみる。
アロン「美味しい………」
牛のモンスターなので当然だが味はほぼ牛乳そのもの、だが人間が育てる牛の物よりずっと濃厚で甘かった。
アロン「これなら、売れるかも」
そう思い、アロンは早速ミルクバーをオープンさせた。
【数日後】
アロン「今日も繁盛してるなぁ」
ミルクバーは大盛況、いつものようにお客さんが行列を作って並んでいる。
モンスターのミルク(世間には母乳と明かしていない)を売るという斬新な手法が人々に受けているのだ。
こうして、アロンのモンスターミルクバー伝説は始まったのだった。
最終更新:2021年11月02日 08:25