小豆の通信簿イベント

小豆「こんにちは〜♡響原く〜ん♡」

創「なんだ斎藤、松尾が居るだろ……色目を使うな」

創「言っておくが、俺に財産の類はないぞ」

小豆「……はい?ちょっと言ってることが分からないかなー」

創「映画監督を舐めるなよ、俺は数百人という人間を見て、映画に合うようにその人間のタイプは推測出来るようにしているんだ」

創「お前の本性なんてものは入学時の自己紹介の時点で分かっていた」


小豆「………」

創「どうせ、松尾に近づいたのも金目当てだろう?小悪魔」

小豆「チッ………ムカつく………全部分かったような気になって……」

小豆「男ってのは単純で、面変えてニコニコしてるだけで簡単になびくんだから……特にあいつみたいな大柄の海のバカは」

創「松尾を貶すのはやめろ」

創「こんなこと言ってやろうか、俺は松尾に対しては割と応援していたんだ」

小豆「へー?じゃあ私があいつに響原君に酷いこと言われたって言ったらどうしようかなー?」

小豆「一体どっちの方が信用されると思ってるわけかなー?」

創「さあな、やり慣れてるほうだろう」

小豆「あはははっ、じゃあ私じゃん!」


小豆「お金が大事で何が悪いの?人生で生きていく上で不可欠なものでしょ!」

小豆「それを………こねこねこねこねこねと、たった1個作る為に何時間もかけるっていうの?」

小豆「ほんと、パティシエとかやってらんない!どんなに派手に菓子作っても1個で数百円ちょっとにしかならないじゃない!」

小豆「あたしがこの菓子つくるのにどんだけ気合い入れてデコレーションして、客に媚び売らせてると思ってるんだよ!!」

小豆「何が物価だ!クソ!!」

小豆「ああ………イライラしてきた、アンタのせいよアンタの」

創(………勝手に話しかけてきておいて、勝手な言い分だ)

創(松尾も随分厄介な女に愛されてしまったな)

小豆「あーあーあー………しんどい」

小豆「松尾に大粒のダイヤモンド買ってもらって慰めてもらおーっと」

創「こんなところで金使えるのか?」

小豆「あっはははは!なんにも知らないんだァ、お小遣いあげたらモノクーロンがなんでも用意してくれるんだよ!お金は……もちろんあるから!」



小豆「おい、響原!」

創「なんだお前か………いいのか?皮被らなくて」

小豆「皆と同じように振舞ったところで、どうせグチグチ言うだけなんでしょ?」

創「皆の中の例外が俺1人とは限らないがな」

小豆「………っ!本当にムカつく……何があっても金なんか借りないから!」

創「なんだ、借りてたつもりだったのか?松尾からも」

小豆「っ……んなわけない!あいつは私のために精一杯恵んでくれてる!」

小豆「今日だって、私の為に服一式ぜーーーんぶ買ってくれたんだから!!」


創「………」

創「素人目線だが、パティシエというものはそんなに面倒な仕事なのか?」

小豆「素人目線で、映画を作るのと同じくらい面倒な仕事よ」

創「俺は映画を作るのが好きだから面倒と思ったことは無いな」

小豆「じゃあ私は菓子を作るのが特に好きじゃないから面倒ってわけね………」


小豆「あー………やんなっちゃう、さっさとここに出られないかな……」

小豆「ここに居たところでチヤホヤはされても好きに生きられないし、男共は揃いも揃ってろくな奴いないし………」

創「よくもまぁ……こんな極限生活でここまで贅沢が言えるものだな」

小豆「言っとくけどアンタがそのろくでなしの頂点だからな」

創「ああ、そうか…………」

小豆「ぬぬぬ………本当ならあたしは、パティシエとしてここでエリート扱いされて、イケメンが寄り付いて、チヤホヤされて………」

創「パティシエがそんなにすごい仕事なのか?」

小豆「当たり前でしょ!!あたしがパティシエやってるのなんてね、女の子っぽくて凄いみたいな感じの馬鹿な男釣るための餌でしかないのよ!」

創「そんな理由で超高校級になれるとは、神は一体何を考えてこんな奴に才能を与えたんだろうな」

小豆「さあ?私は金持ちのイケメンさえ見つければ逆玉して、さっさとパティシエなんてやめるつもりだったから無駄な才能だったけど………」


小豆「はぁ……その結果がこれ、こんなんだったら無駄な努力なんてしなければよかった」

創(話せば話すほどコイツの甘さが見えてくるな………)

創(……松尾にはなんと言ってやればいいのか)



小豆「あーっはっはっは!響原創!」

小豆「今のところあたしの人生は爛漫よ!」

創「またお前か………何の用だ、自慢か」

小豆「それ以外にあると思う?」

小豆「今日はね、モノクマ学園長が用意した高級料理を松尾と食べに行くんだから!!」

小豆「もちろん払うのはアイツ!」

創「…………」


創「よくもまぁそんな大事な時に俺と会話出来るな」

小豆「仕方ないでしょ、ここから出られないんだから嫌でも顔を見ることになるの」

小豆「共犯者じゃ、肝心なあたしは出られないし………」

創「………」

小豆「何よその顔、本気してるの?」

創「いや、お前という人間の観察だ」

小豆「そ。」

小豆「あなたも随分暇してるのね、ダラダラしてる暇があるならあたしの為に脱出の手立てでも考えたら?」

創「呑気に食事してる人間に暇とは言われたくないな、あと少なくともお前の為では無い」

創「俺はお前みたいな人間を見てきたが常々疑問だった、何がそんなに金に執着するんだ?」

小豆「なんでって、人生楽に生きたいからに決まってるでしょ?」

小豆「結婚なんて人と人が重なり合ってとか国語の先生は言うけど、結局は男が子供が、女はお金が欲しいだけでしょ?」

小豆「少なくとも私はそうよ、シンデレラだって王子と結婚したら絶対豪遊する自信があるわ、それと同じよ」

創「シンデレラもお前みたいな奴におかしな偏見を持たれていい迷惑だろうな」

小豆「何よ、じゃあアンタは結婚とかどう考えてる訳?」

創「結婚を検討したことは無い、映画を撮ることで家族の迷惑になるなら俺は一生独身でいい」

小豆「映画と違ってつまらない男」

創「知っている、つまらないからこそ他の奴を観察しているんだ、超高校級をな」

創「…………ここまで露骨なやつも、学校なら1人や2人居てもおかしくないか」

小豆「あら、もしかしてこれもあたしだけだと思ってる?あたしには分かるわよ〜似たような奴、あんたのお気に入りの……」

創「…………」

創「失礼する」

小豆「……」

小豆「アンタ、意外と現実見れないんだ………まあ、いずれ理解しないといけなくなるんだけど、バーカ」



小豆「………響原」

創「なんだ、こっち来るな」

小豆「うるさい」

ボカッ!!


…………


創「………ここは?」

小豆「あたしの部屋よ」

創「く、遂にやったか、お前……何となく予想は出来ていたが」

小豆「は?何言ってるの、殺すわけないじゃない、というか殺さないように手加減したのよ」

小豆「死んだらあたしはここで終わりじゃないの」

創「じゃあ何のために俺を殴って、ここに拉致した?」

小豆「決まってんでしょ………」


小豆「金を出せ………!!」


創「呆れた、こんな所で強盗騒ぎか」

創「ここに警官も居ることを忘れたか?」

小豆「甘いわね、あたしの男たらしこむ力を舐めるんじゃないわよ、ここに来る前からそういう人達とは仲良くしてきたんだから」

創「お前、なんでパティシエやってるんだろうな………」

小豆「前にも言ったでしょ!男からカワイイと思われるからよ!!あんなのただのキャラ付けよキャラ付け!!あたしがそんな苦労しかないような仕事、するわけないでしょ!」

創「自分自身すら否定するか、余程金が無いか」

創「一応聞いておくが、松尾真心は?」

小豆「捨てたわ、金なくなったし」

小豆「………しかも海の馬鹿なせいでここに居たらアイツは稼げないし、だったら乗り換えよ!」

小豆「映画くらいだったら、くっつくつだけで勝手に稼いでくれるでしょ」

小豆「でもアンタは結婚しない、だから………」

創「財布だけ奪いに来たか」

創「馬鹿だな」

創「言っておくが今の俺は無一文、映画に金はかけていないから撮ってきた映画はお前に言わせれば基本的に赤字だ」

小豆「………」

創「他の相手を探すか?こうしてやり続ければ醜い本性がいずれ世間の目に晒され、自分が醜態を晒すのみになるのは時間の問題だ」


創「ここは閉鎖空間、お前が本当はどんな奴なのか………嫌でも明らかになるぞ」

創「………さて、改めて俺をどうする気だ?」


小豆「っ………くっ………!!」


小豆「…………分かった」


小豆「これからもずーーっと☆私と仲良くお願いしまーす!」

創(葛藤の末がこれか………何回か話して分かった)

創(何があってもこいつに心を許してはならない)
最終更新:2022年09月01日 18:34