「おい、ちょっとアンタ……俺の名前を言ってみてくれ」
創「なんだ、どこぞの悪役の真似か?」
「いやちげーわ、てかどんな悪役だよ………あー、クソっ、お前もダメか………」
創「どうした?お前もここに来たからには超高校級なんだろう?」
「超高校級?いや、なんだそれ………ていうか、他にも分からないことは多いんだが……」
創「………なんだ部外者か?いや、それなら校門を越えられることも無いか、お前はなんだ?」
「…………分からねぇ」
創「何?」
…………
創「記憶喪失か」
「俺の鞄にこの学校の招待状があったから、俺がその例の超高校級ってのは分かった」
「けどどこにも名前は書いてないし……俺だけ生徒手帳もない、俺は一体何者なんだ?どうしてここに?」
創「………入学早々からフィクションみたいな事が起こるとは、先が思いやられるな」
「他人事じゃないよなぁお前も、クラスメートだもんなー」
創「………空白」
空白「え?」
【空白(クウハク)】
空白「それってひょっとして俺の事言ってる?」
創「そうだ、今のところ名前すらわかっていないから、お前のことは今は空白と呼ぶ」
空白「なるほどな………はいはい、分かりましたよ」
空白「それで、俺ってここにいていい訳?映画監督さんよ」
創「まぁ、少なくともお前が何かしらの超高校級なのは確定しているんだ」
空白「その何かしらが分かんないのが困るんだよなぁ………俺、いったい何ができるんだよ、才能あってもそれが分かんないんじゃ持て余しちまうよ」
空白「俺、もしかしたら超高校級の学者だったりしてな〜、なんて」
創「馬鹿なこと言ってないで他の生徒にも声をかけたらどうだ?俺よりは何かを知っているかもしれないぞ」
空白「いや、残念なことに話しかけたのはお前で最後だ」
空白「空白、なんて仮名をつけられたのは今回が初めてだけどな」
創「とすると全員が当てなし………生徒手帳にもそれらしき人物は載っていない」
創「………お前は一体、何者なんだ?」
空白「そのセリフ、いっっっっっちばん俺が直接俺に言いたい言葉だよ」
空白「誰か俺が誰なのか教えてくれよーーーー!!!」
最終更新:2022年09月04日 14:19