Mm番外編「名付け」

あれから、エレメント4人は勇者の店に居座っているらしい。

あの4人が店にいるなんて苦労するだろうなと考えていたアロンだが………

アロン「!!」

自分も大きな問題を抱えていることを思い出す

アロン(そういえばゴーレムに名付けようと思って、数ヶ月近く忘れてた………)

アロン「………ん?待てよ?そういえば………」

………

ゴブリンクイーン「はぁ?わらわ達の名前じゃと?」

アロン「そう、今まで気にしてなかったけどお前たち女性型モンスターはほぼ種族呼びだけど、その、自分の名前っていうのは」

ゴブリンクイーン「無いぞ」

ゴブリンクイーン「そもそもモンスターには名前という習慣はない」

アロン「それ……誰か呼びたい時不便じゃない?」

デッドファラオ「ファラオ達は命令すれば誰でも来る立場じゃからのー」

アロン「そういえばそうだ……でもデッドファラオやデスメイドは元人間だろ?」

デスメイド「ご主人様にこの生命を吹き込んで貰った以前の記憶はありません」

デッドファラオ「ファラオも暫く眠っていたからな………国のこと以外は何もわからん」

アロン「………よし、分かった!」


アロン「思い切ってここのメンバー全員に名前付けよう!」

ゴブリンクイーン「は!?」

デッドファラオ「まぁいいではないか?実の所お主、もうゴブリンの女王じゃないだろ?」

ゴブリンクイーン「だ、黙れっ!わらわは今でもゴブリンの長なのじゃ!」

ゴーレム「デハマスター、オネガイシマス」

……

アロン「ゴーレムは確か前々から考えてたはずなんだよな」

ゴブリンクイーン「前々から考えていたのに言わなかったのか?」

アロン「言うのを忘れてたんだよ……確か、目の色が何かに似ていると思って…」

ゴーレム「私ノ瞳ハ、トパーズトイウ宝石ヲ加工シテ作ラレマシタ」

アロン「そう!それだ!トパーズ!」

アロン「ゴーレムはトパーズだ!」

ゴーレム「………ハイ、アリガトウゴザイマス」

………

アロン「次はゴブリンクイーンだけど」

ゴブリンクイーン「おい、まさか本当にわらわ達の分まで名付ける気か!?」

アロン「俺としても言いにくいんだもん、ゴブリンクイーンって」

ゴブリンクイーン「うぬ……仕方ない、変な名前にしたら許さぬからな?」

アロン「大丈夫だって。えっとね……」

ゴブリンクイーン「どうした?早く決めてくれ」

アロン「………………」

アロン「うん、決めた。お前の名前は『ゴブ子』だ」

ゴブリンクイーン「ゴブ子!?わらわ明日からゴブ子なの!?」

デッドファラオ「ハハハ!ゴブリンの女王がゴブ子か!」

ゴブリンクイーン「笑うなぁ!!」

アロン「えーと次は……」

ゴブリンクイーン「おいアロン!何をゴブ子で確定させようとしている!」

アロン「え?いやだって1番しっくりきたし」

ゴブリンクイーン「わらわゴブ子とかいやじゃ!!!かっこ悪いし!」

アロン「はい次ー」

ゴブリンクイーン「無視するでない!!ちょっと待って!」

………


アロン「うーん、デッドファラオ………」

アロン「何か自分の名前に関すること、本当になにか覚えてない?」

デッドファラオ「いや全然」

アロン「困ったな………」


デッドファラオ「ファラオは寛容じゃ、お前の名前ならある程度受け入れるぞ」

アロン「うーーん………黒、確かボスのデッドファラオは特殊な黒い母乳が出たんだよな」

アロン「ブラックミルク……」

アロン「クミル!」

デッドファラオ「ははは、ファラオは今日からクミルというわけじゃな」

アロン「……クミル何世?」

デッドファラオ「確かファラオは15番目のファラオじゃ、なら15世じゃな」


…………

アロン「で、残りはデスメイド……」

デスメイド「私もご主人様が名付けてくれるならなんでも」


アロン「中身は普通の人だ、こっちは無難に決めよう」

ゴブリンクイーン「ゴブ子なんて名付けたやつの言う言葉か?これが」


アロン「エミリーで」

デスメイド「はい」

ゴブリンクイーン「おい待て!」


ゴブリンクイーン「他はなんかいい名前貰えたのに、何故わらわはゴブ子なんじゃ!」

ゴブリンクイーン「ゴブ子以外になんか無いのか!なんか!」

アロン「うーーん…………」


アロン「デカちちゴブ子」

ゴブリンクイーン「もういい!もうゴブ子でいい!」

デスメイド「あっ、拗ねちゃいました」
最終更新:2022年10月23日 22:51