ライミが
任天堂世界に送り込まれて一日が経過した。
自身の能力の元になったゲーム、『動物番長』……その世界に赴いたり、ゲームの情報を調べてある程度の事は分かった。
今、自分は人間の中に生えている『ニク』を捕食して糧にすることが出来る、この方法でしか空腹感は満たせない。
「しかし……どうも……」
食事を終えて彼女はため息をつく、この世界で生きていく為に仕方がない事とはいえ、やはり抵抗があった。
何より問題なのは、人間から出てくる『ニク』を食べると体が火照って変な気分になることだ。
だが、食べないとまた極度の飢餓感に苛まれてしまう。それは嫌だった。
人間を襲わなくても『ムシ』というニクだけで出来た生物もいたが、名称的に生で食べるのを躊躇っていた。
「一刻も早く……この世界から出なくては……」
そう思いながらも何の手がかりもない、下手に動けばまた命が危ない。
今はとにかく、身を守る為に自身に与えられた能力を有効活用するしかない。
そしてこの世界には様々な作品のキャラクターが存在している。
『動物番長』は野生を支配する動物番長やその配下を倒していき、ニクを喰らって成り上がっていく弱肉強食の物語。
今はまだ物語序盤のようかもの、主人公ライミは野生の世界に足を踏み入れて、少しづつ強くなるしかない
「……ここは?」
辺り一面に広がる草原、見たこともない全てが四角で出来た風景が広がっている。
勿論何の意味もなくここに来た訳では無い。
野生の世界を歩いている体の全てが板状にはっている……ドーブツを狩り、そのニクを貪る。
ひたすら、ただそれだけを繰り返す。
すると……ライミの肌がやや黄色くなっていく。
「……説明書の、通りだ。」
ーーーーー
実は、ライミは歩いている途中偶然にも『動物番長』の取扱説明書を拾ってゲームの内容を少しずつ覚えていたのだ。
このゲームは敵のニクを奪い、少しずつ成長していく、そして……色が肝心である。
黄色いドーブツを沢山喰らえば黄色くなり、赤いドーブツでは赤くなる。
そして色によって得られる力が違う。
「つまり、ドーブツを食べることで、力が、手に入るのか。」
そう呟いた瞬間だった。
「ぎゃあああああ!!」
悲鳴が聞こえた。声の方向に向かってみるとそこには緑色の肌をした人間が立っていた。
「なんだあれは?人なのか?」
「だが……見ないで済ませる訳にもいかない、軽く終わらせよう」
ライミは助走をつける。
少し足が遅くなったがこれが黄色いドーブツの特性なので気にする訳にはいかない。
「当て逃げだが………失礼する」
ライミはまるで迫り来る闘牛のように、緑色の人っぽいものを押し飛ばす。
このゲーム唯一の攻撃方法、それがタックルである。
だが緑の人間はすぐに起き上がり、こちらを見つめて怒り出す。
(なんという耐久力だ…)
すぐに距離を取ろうとしたライミであったが……。
その前に緑色の人間はライミに抱きついてきた!! 緑色の人間は体を密着させてくる。
ライミも負けじと押して、離そうとするがなかなか離れず焦燥感を覚える! さらに緑の人間の顔が迫ってきて思わず殴り飛ばした!
「っ!」
緑色の人間はよろけながらも、立ち上がり、再び突進してきた!!
「くそぉ!」
2度も同じ手は喰らうまいと今度は横に飛んで避ける。
「……」
ライミは後ろを見る、先程悲鳴をあげた人間はとっくに避難を終えたようだ。
(今の奴は助かった……後は私が上手くこいつを撒くだけだが……)
そう思った矢先であった。
背後から何かが近づいてくる音が聞こえる。
振り返ると、さっきまで戦っていた緑色よりも更に濃い緑……いや、黄緑色の人間がいた。
黄緑色の人間はそのままライミに体当たりをする。
ライミは吹き飛ばされ、地面に倒れこむ。
そのまま意識を失い…気がついたらまた草原にいた。
「……なるほど、今のはただのエネミーだったのか」
襲っていたのは単なるゲームキャラの模倣であった。
元々ドーブツしかいないゲームで人間はいないが、自分達のように人間が足を運んで以上が起きてもおかしくはない、ましてや突然変異が珍しくないヤセイの世界なのだ。
むしろゲームキャラに負けるようではまだ未熟。
色合い的に草食も相手にならないようでは生きていくこともままならない。
「まだ………足りない……」
力が必要だ、自分自身を守るためにも。
……
その後も何かしらドーブツを食べて、肌の黄色い部分が濃くなった後……また取扱説明書を見て強くなる方法を確認する。
『モテムシ』というピンク色でハートマークのついたニクを摂取する必要があるということだ。
ニクを手当り次第集めていたので、その中にはモテムシも大量に混じっている。
「よし……」
ライミは手元にあるモテムシを全て貪った、だが……
「………っ!?」
体に大きな異変が訪れる、肉付きが太くなり、胸や尻が少し肥大化て服を圧迫する。
「これは……」
自身の変化に戸惑いながらも、能力を確かめる。
まずは嗅覚、鼻の感覚が鋭くなり遠くの臭いを感じ取れるようになった。
次に聴覚、耳がよくなって小さな音でも聞き逃さない。
そして視覚、視力が上がり、遠くの景色を鮮明に見ることが出来る。
動物としての本能が強くなったのだろう、獲物の位置を正確に把握出来る。
またニクを喰らうことで身体能力が向上している。
「これで私自身の能力が向上したということ……か」
この世界に来て得た経験。
「これで少しは変わっていればいいが……」
……
だが、妙な事も起きた。
最初にここに迷い込んだ時のように、頭が回らなくなってきた。
人を見ていると変な気分になるが、あの時のように飢餓感があるわけではない、それに男達も視線が妙だ。
「熱い…体が……変な気分だ……」
揺れゆく意識をはっきりさせながら、取扱説明書の続きを読む。
そこには信じられない物が書かれていた。
『モテムシを食べると、モテやすくなり、コウビがしやすくなる。』
コウビ……交尾。
そう、動物番長は交尾して子供を産んで強くなる概念がある。
流石に実際に売られているゲームは子供向けの為表現は誤魔化されているが、今まさに自分に起きているのはそういう事だ。
「……っ!」
ライミの頭に電流が流れるような衝撃が走る。
身体中からフェロモンが放出され、目の前にいる男が全員ライミに襲いかかろうとする。
「ぐぅ……あぁ……っ!」
ライミはなんとか理性を保ち、その場から離れようとする。
「はーっ……はーっ……」
ライミは呼吸を整えながらその場を離れようと走り出すが、突然足を止める。
「……囲まれてる」
いつの間にか周りを複数の男たちに囲まれていた。
「……なんだお前達は?」
ライミが問いかけるが誰も答えない。
だが1人の男は口を開く。
「俺らさ、アンタみたいな女好きなんだ、ムッチムッチのデカパイとかよ」
「分かるぜ、俺ら童貞だからさ」
「そうそう、そんな感じの女が欲しかったんだよ」
男達がライミに群がって、ライミを押し倒す。
「うおぉ、マジすげぇ!!」
ライミの胸元は大きく開かれ、サラシ越しに豊満に膨らむ胸と腹筋が見えており、股下も切れ目の入ったスカートで見えそうで見えないようになっている。
抵抗しようとするが、いつものように力が入らない……
というより、そもそもライミ自身がこの状況を望んでいるようにも見えた。
「やめろ……私は……っ!」
ライミは拒絶するが、その言葉とは裏腹に体は正直に反応してしまう。
「はははっ!いいじゃねぇか!おい、サラシの上からデカ乳首ビンビンじゃねえか!」
「こっちもマンコ濡れてんぞ!」
「やれ!ヤレ!犯せ!」
「やめて……くれ……っ!」
ライミは必死に抵抗するが、無駄だった。
「ほ〜ら、気持ちよくさせてやるから大人しくしろ〜」
この世界にモラルもルールも警察もない。
ライミはまた無法者に捕まり、今度は身ぐるみを全て剥がされた上で両手両足を開いて拘束されてしまった。
「……っ」
「へへっ、綺麗な体してんじゃん」
「俺はマンコ見てみたい」
「じゃあ、いっちょやりますか」
男の一人がズボンを脱ぎ、イチモツを取り出す。
「いや……やめろっ……」
「やめろだぁ?こんなにマンコヒクヒクしてぐしょ濡れで誘っといて何言ってやがる」
「違う……これは……肉を食ったせいで……」
「はいはい、言い訳はあとで聞いてやるからよぉ……いくぜ……おらぁ!」
「あっ……ああああっ!」
ライミの秘所に男のモノが挿入された。
ライミは苦痛の表情を浮かべながらも、甘い声をあげ始める。
一方的にレイプされているというのに、満たされているように感じてしまう。
(コウビ……私は、本当にコウビしているのか……)
「おっ、締まるっ……」
「やべっ、もう出そうだ……」
「くっ……中に出すんじゃない……外に出せっ……」
「嫌だね、全部出してやらァッ!」
ライミの中に大量の精液が流し込まれる。それと同時にライミの体に変化が訪れる。
体がさらに大きくなり、筋肉質になり、体毛が濃くなる。
同時に胸と尻が更に肥大化し、体全体が丸みを帯びた体型へと変わる。
『butarappu mode』
「なんだ?急にムチムチしだしたぞ、まるでメスブタだな」
男達の言う通り、ライミの姿は雌豚と呼ぶに相応しい物へと変貌を遂げていた。
腕と脚には太く毛深い毛が生え揃い始めた。
そしてなにより、ライミは男達に輪姦されても快楽を感じてしまっていた。
男達はその姿の変化を見て、興奮してライミに襲い掛かる。
「うっ……ああっ!」
ライミの口から喘ぎ声が漏れる。
「うひひっ!もっと鳴けよオラァッ!」
「おほっ!すげえ締め付けだなオイ!」
「出る……孕ませてやるよ……オラッ!」
ライミの中で二人の男が果て、ライミの子宮に子種を流し込む。
ライミはその刺激に絶頂を迎え、膣を収縮させる。
するとライミに覆いかぶさっていた男達も射精する。
周囲に濃い雄の臭いが充満し、それに当てられたライミは更なる快感を求めて自ら腰を振り出した。
「んっ……ふぅっ……はぁっ……」
「へへっ、自分から求めてくるなんて変態じゃねえか!」
「あぁっ!ちがっ……」
否定しようとするが、ライミの顔は蕩けたような表情をしており説得力がない。
「そんな顔しといて何が違うんだよ」
「俺らも楽しませて貰おうか」
「やめろ……やめてくれぇっ……!」
だがライミの言葉とは裏腹に体は正直に反応してしまう。
そして……ライミのお腹がみるみる膨らんでいく。
「おい、こいつ……あっという間に妊娠してここまで……」
「この世界はなんでもありなんだ、何が起こったって不思議じゃ……」
「う……あっ……」
ライミの体にぐらぐらと揺れるような感覚、何かが抜け落ちていくような。
(う……産まれる……!?)
産まれる子供と一緒に魂が引き抜かれそうになる感覚の中……意識が薄れていく。
………
「う……?」
そして、ライミは気が付いた。
服は着てないが、何の変哲もない自分の体。
性欲や発情はすっかり消え果てて、いつも通りに戻っていた。
発達した胸や体付きが変わってないのは難点だが……
しかし、あれだけ犯されて着床したのに何故なんともないのか……そう思って目の前を見ると……
信じられないものがそこにあった。
「私が……もう一人いる?」
なんと、両手両足拘束されたままの自分自身が目の前にいる。
目は虚ろになり呂律が回っていない、精液が漏れて水溜りが出来ており、酷い有様だった。
だが、その体は確かにライミと同じ体格をしていた。
そう、それは紛れもなくライミ本人だったのだ。
そして、そのライミはまた、動物番長の取扱説明書を見て気付く。
『動物番長はコウビをして子供を産み、以降は子を使用キャラとして動かす』
信じられないことだが、コウビで孕んで生まれた赤子が自分と同じ姿に急成長して、その魂が子供に宿った……ということだろう。
最終更新:2023年05月20日 14:25