【第三話】
「コミカライズだって大変だ!アイバン」
タスキ「んー……?第3話も第4話も終わったってのに、アイバンから連絡が来ないぞ?」
タスキ「本編の方はとっくに地獄も脱出してブラックスターもまた倒したのに」
ツインテ「貴方に愛想尽かして逃げたんじゃないの?」
タスキ「どこに愛想尽かした要素あったんだよ!」
ツインテ(むしろそういう要素しか無かったよ)
タスキ「………しかも何があれって」
タスキ「第5話がまさか一ヶ月近く延期になるとは」
タスキ「確かにあれから作画だの声優だのが突然変になったりはしたが」
タスキ「キャストは第5話から面白くなるって言ってたじゃねーかよー!」
ツインテ(あれ……なんかそんなアニメ、
リアルワールドにもあったような)
ツインテ「……で、どうするの?」
タスキ「どうするって言われてもな………こっちはテレビから指示しかしてないし」
ツインテ「なんか、タスキに言われてばかりじゃなく向こうも何か考えるんじゃないの?」
タスキ「とは言ってもな……アイバンの奴は、とにかく早く何かしないと」
ツインテ「あ、それと」
ツインテ「さっきから頭上に
時空の渦が出来て何か届き始めたよ」
タスキ「それ頭スレスレになる前から言ってくれよ」
タスキ「見てよ僕の頭、ほぼダンボールだよこれ、ダンボールマンだよ?」
………
ツインテ「中身は形からしてマンガの単行本っぽいけど、タスキまた何か買ったの?」
タスキ「買ったにしても覚えがありすぎて……」
【鋼鉄戦士アイバン 第1巻】
タスキ「100パーセント買った覚えのないやつ出てきたわ」
ツインテ「アニメ始まったばかりなのになんでマンガ出来てるの……しかももう単行本出来たのか」
ツインテ「でも……これホントに本編に関わってるの?」
タスキ「見たところ、アニメでやってるものとは別みたいだが……」
アイバン『見つけた』
タスキ「マンガ越しでもカンパしなくていいだろ!!」
タスキ「というか、いないと思ったらそこに居たのかよ!」
ツインテ「ええ……今度はマンガの内容変えろって言うの?」
ツインテ「既にもうあちこちに物として発売されてるマンガを改変なんて、放送されてすぐのアニメと違って間に合わないでしょ………」
タスキ「というか、君まずどんな風にマンガ変えて欲しいの?」
アイバン『………』
アイバン『アニメは無理でもいいから』
アイバン『マンガではヒロインが欲しい』
ツインテ「アニメの方で諦めたんだ………」
タスキ「そういえばキャストに女性声優いなかったからな……だから声のないところで縁が欲しいと」
ツインテ「BL系でもないのに女の子居ない作品とか前代未聞だよ」
タスキ「でも、それでヒロインと会ってどうするのさ?」
アイバン『特には考えてない』
アイバン『でもとにかく女の子に会いたい』
ツインテ「なんか願望を言ってるだけになってるけど……」
タスキ「いいんだよ、アニメでヒロインが居ないなんて本当にかわいそうだし、ちょっとねじ込むくらいでいいんだろ?」
タスキ「これまでに比べたら簡単さ」
タスキ「ほら、女の子を描くなんてほら、こんなにも簡単だし」
ツインテ「おお出来てる」
ツインテ「出来てるけど………」
ツインテ「絶望的に顔が作風に合ってない……」
タスキ「まさか全体的な作風がアメコミチックだとは……」
ツインテ「顔が濃いもん皆…20年前のアメリカの漫画かよ……」
ツインテ「タスキの絵は悪くないんだけどさ……浮いちゃってるよ」
タスキ「……ツインテって絵描ける?」
ツインテ「まぁやれなくもないけど……」
ツインテ「ほら出来た」
タスキ「…………ツインテ、これ絶対自分を参考にして書いたよな?」
ツインテ「え、なんで分かったの?」
タスキ「………なんか股間がもっこりしてるから…………」
※ツインテは両性具有者
ツインテ「あ、なんかこっちに慣れちゃって……」
タスキ「イヤな慣れだなぁ」
……
ツインテ「改めて作風が違いすぎてただ入れてもダメってことは分かったけど」
タスキ「君のは作風以前の問題とは思うが」
ツインテ「っていうか、ヒロイン入れた上でそもそもどんな風にマンガ変えたらいいの?」
ツインテ「コマという限界がある分、マンガは動かしにくいよ」
タスキ「そもそもアイバンの世界観と合わないってなったら無理だしなぁ……」
ツインテ「というかストーリーや設定変えればよくない?とりあえずドラマCDとか作って……」
ツインテ(でもそれだとこのマンガでやってたことが全部パーになるし……)
タスキ「……ヒロイン登場なんて、そういう要素を改変してなんとかするしかないな」
タスキ「特に女の子なんて」
タスキ「………アニメとは別なんだよな?」
ツインテ「アニメから続いてはいるんだけど……」
タスキ「仕方ない………なら、あの手を使うしかないか」
ツインテ「あの手って?」
タスキ「車に轢かれてたろ?だから出来るんだよ」
タスキ「異世界転生が……!!」
ツインテ「異世界転生!!?」
ツインテ「そりゃめっちゃ簡単にヒロイン出せるお手軽な手段だけどさ!?」
ツインテ「そこまでの過程が問題だよ!?」
ツインテ「だってタスキのせいでアイバンは頭突き勢いで車に轢かれたんだよ!?」
ツインテ「そこから異世界転生はもうバカみたいじゃん!」
ツインテ「………しかも」
ツインテ「ヒーローの異世界転生自体はもうあるよ!!」
こうして鋼鉄戦士アイバンのマンガは異世界転生漫画としてまぁ売れた。
最終更新:2023年08月08日 19:24