対格の用法

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対格の用法 - (2012/07/25 (水) 12:35:51) のソース

&bold(){[[特殊な主語の構文]]  ←前 ★ 次→ [[話法と接続詞]]}

&html(<img style="float:left" src="http://www39.atwiki.jp/kursodeesperanto/pub/img/K_toji.png">)
英語のCats hate dogsとDogs hate catsを比べると、catsが主語になったり目的語になったりしているわね。
catsは主語になっても目的語になってもcatsのままで、語形が変わらないでしょう?
でもエスペラントだと対格、つまり目的語にはnを付けないといけないの。
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エスペラントにするとKatoj malamas hundojnとHundoj malamas katojnだね。
主語のときはkatojで、目的語のときはkatojnになっているね。
nを付けるのは始めは戸惑ったけど、だんだん慣れてきたよ。
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で、その対格なんだけど、実は目的語を指す以外にも使うことがあるのよ。対格と目的語はあくまで別物なの。
時間や数量を表す語にnを付けて対格にすると、対格は目的語でなく副詞を意味するようになるのよ。 
(時間)Ĉiutage unu horon mi lernas Esperanton. 私は毎日一時間エスペラントを学ぶ。 
(数量)Ŝia valizo estas dek kilogramojn peza. 彼女のスーツケースは 10kg の重さがある。 
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上の例文には対格が2つあるね。horonとEsperantonだ。
このうちEsperantonはlernasの目的語だから、これは対格のふつうの使い方だ。
問題はhoronのほうだね。動詞lernasの目的語になっているわけではないから。
unu horoで「一時間」という意味だが、時間の長さを指すときはこれを対格にし、unu horonにするのだよ。
ちょうどan hourとfor an hourの違いを表していると考えれば分かりやすいだろう。
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一方、下の例文には対格はkilogramojnしかないわね。
まずkilogramoの複数形でkilogramojになって、さらに対格になってkilogramojnよ。
ふつう、be動詞estiの後は目的語じゃなくて補語が来るから、nを付けないよね。
Mi estas Lidiaのように。Mi estas Lidianとは言わないでしょ。
だけどestiの後にキログラムみたいな数量が来るときは、nを付けて対格にするの。
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もし対格にしないでŜia valizo estas dek kilogramoj pezaだったら、「彼女のスーツケース」が「10kgの重さ」になってしまうのね。
「重さ」というのは抽象的な概念だわ。スーツケースはもちろん「重さ」ではないから、これはヘンな文ね。
だからそういうヘンな文にしないために、nを付けて補語を対格に変えて、「10kgの重さの物質」に変えているのね。
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&html(<img style="float:left" src="http://www39.atwiki.jp/kursodeesperanto/pub/img/Z_niga.png">)
理屈を言えばそういうことになるな。
だが小難しく考えることはない。単に例文の形で覚えてしまえばいい。
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あともうひとつ対格の用法をやっておきましょう。
場所を表す前置詞と対格で、移動の方向を表すの。
(場所)Ŝi estis en la ĉambro. 彼女は部屋にいた。 
(方向)Ŝi venis en la ĉambron. 彼女は部屋に入ってきた。 
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上はĉambroで、下が対格のĉambronだね。
en la ĉambroはin the roomで「その部屋の中で」という意味か。
en la ĉambronはinto the roomで「その部屋の中へ」という意味になるのね。
あぁそうか、名詞を対格にすることでinをintoに変えられるんだ。
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そういうこと♪
英語は前置詞の部分を変えて移動の方向を示すけど、エスペラントだと名詞の部分を変えて移動の方向を示すの。
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ってことは、前置詞を一つ覚えれば主格と対格で二通りの用法を覚えたことになるんだね♪
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