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 翌日、金曜日。
 今日、俺こと男は……風邪をひきました。
 ……大家の、バカ野郎―――

☆―――

 一限と二限の間。
 告白してから2日経った。
 私への返事は、まだこなかった。

「はあ……」

「……? つかささん、どうかしましたか? 少し疲れて見えます」

「え! いやあの、だ、大丈夫だよゆきちゃん!」

「そうですか? それならいいのですが……」

 ―――ふう、危ない危ない。
 まだ、言わないほうがいいよね。

 ……今日もお姉ちゃんに頼んで早起きしたのに、朝は会えなかったなあ。
 朝、教室にも居なかったし……。
 ……もしかして、避けられてる?
 ……私、キラワレ―――

「つかさ!」

 ビクッ。
 身体が震えた。
 ……お姉ちゃん?

「ど、どうしたのお姉ちゃん? そんなに慌てて……」

「それが今日、男は学校風邪で休みらしわよ」

 男くんが……風邪で休み。
 ……良かった……嫌われて、無かったんだ。

「そっか……心配だね」

「そう、それでつかさ! お見舞いに行かない?」


―――

 放課後。

「あ、かがみーん。今日も一緒に―――」

「ごめんこなた。今日は用があるの」

「じゃあね、こなちゃん」

「えー」

 ……男くんの家に行く。
 たったそれだけで私の胸はすごくドキドキしていた。
 どんな部屋だろう。
 男くんは大丈夫かな?
 今日、返事が貰えるかも。
 男くんと付き合いたい。
 男くんと一緒にいたい。
 男くん。
 男くん。
 男くん―――


☆―――

 ……眠い。
 身体が休養を求めてる。
 ……俺は朝から一睡もしていなかった。
 寝るわけには、いかなかった。
 寝ちゃダメだ。
 寝ちゃダメだ。
 寝ちゃダメだ……!





 やがて、俺の意識は遠のいていった。


☆―――

「えーと、あ、ここよつかさ。男の家」

「う、うわあ……」

 ぼ、ボロボロ……。

「あはは、私も最初は驚いたわ」

 先導して階段を上っていくお姉ちゃん。
 ……その階段も今にも壊れそう。


「ええと……あ、この部屋ね」

「お姉ちゃんは部屋に上がったことあるの」

「ないわよ、私も初めて」

 チャイムを押すお姉ちゃん。
 ピンポーン。
 …………。
 …………。
 …………。

「……出ないわね」

「……出ないね」

「寝てるのか?」

 ドアノブを引くお姉ちゃん。すると。

「あ、あれ!? ……開いた、なんで……?」

 ……ドアが、開いてしまった。


 ……中に入る。
 一畳間のシンプルな部屋。
 パソコン。テレビ。ビデオデッキ。ミニキッチン。新聞。本棚。……ベッド。
 男くんは、その部屋には居なかった。


―――


 その後、私とお姉ちゃんで、家の中をしばらく探してみても、男くんは見つからなかった。

「……いない、わね」

「うん……どうしようお姉ちゃん?」

「うーん……勝手に部屋に上がり込んだのも不味いし……今日のところは帰りましょ。……きっと、薬でも買いに行ったんでしょ」

「……うん」

 ……………………。


 部屋の物の位置を元に戻して、私達は帰っていった。
 お見舞いに買ったの桃缶を置いて。


☆―――




―――

「ぐう……ぐう………………はっ」

 しまった! 寝ちまった! 何時間だ……!?
 ……五時間、か。
 ギリギリ……大丈夫、かな。

「ちくしょー……あれ?」

 ベッドから立ち上がる。……喉が痛くない。咳もでない。熱もない。

「……風邪が治ってる」

 早かったなあ、治るの。展開上の都合ですか?
 ……ま、いいや。こんな時間だし、晩飯作るか。

「―――ん?」

 ふとキッチンを見ると、桃缶一つ。
 ポツンと、置いてあった。

「……おっかしいなあ……こんなもん買ったっけ……?」

 まあいいか。食っとこ。桃好きだし。


―――

 晩飯を食べ終わり、その日は深夜一時に寝た。

―――

―――

 今日は五時に起きた。
 朝食を摂り、ゴロゴロし、昼食をとり、ゴロゴロし、晩飯を摂り、また一時に寝た。暇な一日だった。

―――

―――

 今日も五時に起きた。天気は雨。朝食を摂り、ゴロゴロし、昼食を摂り、ゴロゴロし、晩飯を摂り、明日は学校なので十二時に寝た。退屈で孤独な一日。


 二日間、つかさのことを考えてた。
 答えは、決まった。


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最終更新:2008年09月17日 17:12