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―――
……朝だ。時計は……六時。
よし、いつも通りだ。
―――
朝の駅。
そこに、また柊姉妹がいた。
「おはよ、つかさ、かがみ」
「あ、おはよー男くん」
「おはよ、男」
かがみはそのままで、つかさはこちらに駆けてきた。
「おお、どうしたつかさ」
「なんとなくだよー」
遠くでかがみが、ニコニコと笑っていた。
―――
電車内。
「アドレス?」
「うん! 男くんケータイ持ってたよね?」
「ああ、持ってる」
イマドキ高校生で持ってない奴が珍しいだろう。
「だから……あの、彼氏彼女になったんだから……ね?」
もじもじしながら顔を赤らめていじらしく言うつかさ。ああもう可愛いなちくしょう。
「わかった。
……ええと、はい、赤外線で送ってくれ」
「……へ?」
「……え?」
「赤外線て……なに?」
おいおい……。
困っていると、かがみが割り込んできた。
「もう、つかさ。前にやり方教えたでしょ? 私がやったげるわよ」
「ご、ごめんねお姉ちゃん~」
つかさの携帯を弄くり、かがみは携帯を俺の携帯に合わせてきた。
「……よしきた。
んじゃ、アドレス送るな、つかさ」
「うん。お願い」
携帯を操作し、メールを送る。
……つかさの携帯が震えた。届いたようだ。
「あ、きたよ~。登録しとくね」
「おう……ん、どした、かがみ」
何やらそわそわしている。
「え! えと、つ、ついでだから私とも交換しない? アドレス」
「? ああ、いいよ」
言うと、わたわたと自分の携帯を弄りだすかがみ。
……何をそんなにそわそわしてるかなあ。
「じ、じゃあ、はい」
かがみが携帯を合わせてくると、アドレスが送られてきた。
すぐさまそのアドレスにメールを送る。
「あ、来たわ。……登録っと」
そんなやりとりをしている間に、目的の駅についた。
☆―――
教室。三人で。
「そういえば、つかさ」
教室での雑談中、私はつかさに話しかけた。
「なあに? お姉ちゃん」
「こうやって三人で話してるけどさ、あんたはいいわけ?」
「えー、だって、まだ二人きりじゃ恥ずかしいよー」
「あんたね……男はどうなのよ、つかさと二人っきりになりたくないの?」
「いや……俺は別に……つかさが、嫌じゃないならこのままでいいけど」
……もう、これじゃあ気を使ってる私がばかみたい……。
「あ……そ、もう、いいわよ」
☆―――
「あ、そうだ。男くん」
「なんだ、つかさ」
「今日の昼休み、こなちゃんとゆきちゃんに紹介してもいいかな?」
「こなちゃんとゆきちゃん?」
誰?
「泉こなたと高翌良みゆきのことよ」
「……ああ、泉と高翌良ね」
泉はこの前会ったし、高翌良みゆきという名前も聞いたことがある。
「ああ、じゃあかがみと一緒につかさの教室に行けばいいかな」
「うん!」
―――
しばらくして、クラスの連中が登校してくると、つかさとかがみは向こうの教室へと行ってしまった。
「よ! 男!」
すると誰かが話しかけてきた。
「……? 誰だお前は」
「忘れられとるー!」
「白石みのるだっけ?」
「それは隣のクラスの奴だー!」
「だってお前久々の登場だから……」
きっと読者も忘れてるよ、本名とか。
「……で、友。何か用か?」
「や、特に用はねえよ。単なる挨拶だろ」
「何かしらのネタを仕込んでこいよ」
「お前は俺に何を望んでるんだ……?」
「いんや……友、何か最近めぼしいニュースないか?」
「はあ……ないな。至って平和な町だよここは」
「そうか……」
「―――あ、そういや一つ」
「ん?」
「ここいらで強くて有名な不良が、ここの生徒にやられたって話」
―――
そして、昼休みになった。
かがみと一緒につかさのクラスに入ると、ニコニコしているつかさと、ニヤニヤしている泉と、ふわふわした雰囲気を放つ女子が待ち構えるようにこちらを見ていた。
「あ、こっちだよー、男くーん」
つかさがこちらに手を振ってきたので、俺はその一団に近づいていった。
―――
「いやー、まさか君がつかさの彼氏なんて思わなかたよー」
「はは、まああの時はまだ付き合ってなかったけどな」
このグループにはわりあい早く馴染めた。
「あれ? こなちゃん。男くんのこと知ってるの?」
「うん、この前ゲーセンで偶然あったんだよ」
「へえー」
和やかに、時間は過ぎていく。
☆―――
放課後。
「じゃあ、帰りくらいは二人で帰りなさいよ」
「う……ん。じ、じゃあ、男くん」
「お、おう」
手を繋いで先に帰っていく二人。
その二人が見えなくなってから、こなたが。
「いやー、初々しいねえ。今まで誰とも付き合ったことが無かった二人が、結ばれて一日目な感じだねえ」
「……よくわかるわね、あんた」
「ギャルゲ知識だよっ」
……確かに、つかさは今まで誰とも付き合ったことは無かったし、……男も、昨日の話を聞いた限りじゃ、初めての彼女だろう。
……だからこそ、少し不安だった。
男へのつかさの執着は、普段のあの子からすれば、少し異常な位だった。
―――私はこの頃既に、嫌な予感がしていた。
だから私は、つかさの姉として、男の友人として、精一杯、二人を応援をしようと、思った。
最終更新:2008年09月10日 20:40