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12月18日

?「突然ですが男君、あなたは一週間後の24日に死んでしまいます」

男「え゛」

我ながらなんて最悪なオープニングだと思う
いや、オープニングじゃないのかもしれないが
しかしこれが、紛れもなく、俺の「日常」の始まりだった

その10分前。

男「ふぅ……」
俺は紫煙をゆっくりと吐き出した。
未成年で喫煙していることに罪悪感は無い。
かと言って好きなわけでもない。
理由は単純解明、煙草は便利だからだ。

はっきり言って、俺は他人と関わるのが嫌いだ。

学生が煙草を吸っていると、一般人はにべもなく不良に認定する
これは人避けとして便利この上ない。
それが俺が煙草を吸う理由。
……じゃあ何故部屋でも悪意と欲望に満ちたモノを吸引してるのかって?
男「そんなの俺の意思が常習性を拒めないからに決まってるだろ!」
男「……はっ。また独り言を言ってしまった」
独り言は死の前兆だと誰かが言ってた気がする。
男「気をつけような……」

?「え?」

男「…………え?」

目の前には、天使がいた。
長くて綺麗な髪に小柄な身体、そして慈愛に満ちた顔立ちに不法侵入。
これを天使と言わずなにをそう呼ぼう?
……って

男「不法侵入ゥ!?」
?「へ?」
男「なんだ貴様は! この家が俺専用聖域と知ってのことか!」
?「聖域……あー……思い出すなぁ。そうくんも、時々そんな言葉使ってなぁ」
男「出てけ」
?「それは無理です」
男「何故だ」
?「私、この家から出れないみたいですから」
男「……新手のストーカー?」
?「ストーカーじゃないです!」
男「じゃあなんなんだよ……」
?「幽霊です」
男「遊霊(ニート)か」
?「ニートじゃないです! 幽霊なんですってば!」
男「じゃあその幽霊が、俺になんの用だよ?」
?「……えーと……こほん…………」
男「もったいぶってないで早く言――」

?「突然ですが男くん、貴方は一週間後の24日に死んでしまいます」

男「え゛」

その女が言うには、俺は25日に死ぬは確定事項らしい。
それはその女が決めたことではなく、彼女はただその事実を知っているだけだとか。
もちろん最初は俺も信じなかったが、女が床に沈み込み幽霊の証明をすることで迂闊にも信じてしまった。
(床をプールのように泳ぐのはかなり不気味だった)

男「それに……」
?「?」
男「あんた、嘘付けるようなタイプに見えないんだよな」
?「ふふふ……」
男「別に褒めてない」
?「う」
男「で、なんで死ぬの?」
?「それは……」
男「あ! やめっ! やっぱ言うなっ!」
?「へ?」
男「生活に支障を来たす! 窒息死とかだったら、二度と餅も食えくなる!」
?「そ、そうかもしれませんね」
男「だから死因の話はやめ。それより、なんであんたは俺んちに取り付いてんだ? 守護霊?」
?「違いますよ。気付いたらこうなってたんです」
男「じゃあ無意味な霊か」
?「ひ、ひどい! 私にもちゃんとやるべきことはあります!」
男「やるべき?」

?「娘を助けることです!」
男「ブホッ!」
?「なんですかその反応は」
男「あんた幾つなんだ!」
?「女性に年齢を聞くのは失礼ですよ、男くん」
男「じー」
?「ふふ」
男「じー」
?「あ、えと」
男「じー」
?「うぅ」
男「なんか、どっかで見たことある顔だな」

?「こなたのこと覚えてるんですか!?」

男「こなた? というかなんだそのきらきらした目は」
?「これは見込みありなのかなぁ」
男「人の話を聞いてくれ。俺はこなたなんか知らない」
?「私にそっくりなんですけどね。……中身以外……」
男「ふーん。あ、なんか思い出してきた」
?「え!」
男「やっぱ駄目だ」
?「うぅ。諦め早すぎませんか? 頑張って思い出して下さい!」
男「無理。それより、あんたの方は名前なんて言うんだ?」
?「わ、私にはそうくんが! 駄目な人だけどれっきとした旦那さんのそうくんが!」
男「そ、そんな意味ちゃうわ! 呼びにくいだろ!」
かなた「そうですか。そうですね。私は泉かなたです。よろしくお願いしますね、男くん」

男「よろしくな、かなたさん。それじゃあそろそろ逝こうか」
かなた「え!? な、なんか今、幽霊的に物騒なニュアンスが聞こえたような」
男「仏葬だ」
かなた「し、塩かけないで下さい! 成仏はしないけど痛いです!」
男「チッ。塩の力ってその程度だったのか。こうなったらやっぱお祓いしかないな」
かなた「うー。なんで邪魔者扱いするんですかー」
男「いきなり死の宣告した女が何を言う。それに、娘助けたいならそっちへ行けよ」
かなた「……そうする気はないです」
男「え?」
かなた「そもそも移動出来ないですし! さっきも言いましたが、この家の中限定でしか動けません!」
男「何故胸を張る!? 無いから! そこには張れるものなんにも無いから!」
かなた「ずーん。男くん……セクハラ……」
男「プライバシーも糞もなくなった俺の方が被害甚大なんだよ! セクハラくらい耐えろ!」
かなた「うぅ。こなたは、こんな人のどこがいいのかなぁ」
男「……はぁ?」
かなた「私が生きてさえいれば、こんなことには……」
男「おいおい、何を言ってんだ?」
かなた「……」
男「おーい?」

かなた「こなたは……あなたのことが好きなんです」

男「……俺を?」
かなた「はい」
男「……俺を?」
かなた「同じ台詞で二回聞かないで下さい。誤植だと思われちゃうじゃないですか」
男「物好きもいたもんだ」
かなた「本当に」
男「塩っ!」
かなた「いたたぁ! なんで塩を投げるんですか!」
男「安易に同意するからだ」
かなた「……それで、こなたはどうですか?」
男「は?」
かなた「どうですか?」
男「ち、近い! あっ、なんかひんやりする! 離れてくれ!」
かなた「どうですか?」
男「繰り返すな! 誤植だと思われるだろ!」
かなた「それがなんですか。どうですか?」

男「ど、どうもこうもない! 俺は誰とも付き合うつもりはないんだよ!」

かなた「……」
男「はぁはぁ……」
かなた「……」
男「はぁ……わかったら、とっとと成仏して消えてくれ。迷惑だ」
かなた「……」
男「第一、あんたが何故俺に自分の娘アッピールするかわからん」
かなた「え……」
男「俺は24日、クリスマスイブで偶然にもマイバースデーでもあるんだが、その日に死ぬんだろ?」
かなた「……」
男「だったら何故娘を進める?」
かなた「それは……」
男「乙女チックな片思いの相手がいなくなるより、恋人がいなくなる方が傷跡は残るぞ」
かなた「わかって……ます」
男「だったら――」
かなた「でも仕方ないんです。これ以外に、方法がないですから」

男「どういう意味だよ」
かなた「こなたは、あなたが好きです」
男「く、繰り返さなくてもそれはわかったって」
かなた「今の状況――つまり、こなたの片思い状態で――あなたが24日に亡くなると……」
男「なると?」
かなた「クリスマスの日に……」
男「日に?」

かなた「こなたは、自らの命を絶ってしまいます」

男「絶って……」
かなた「……」
男「しまう……」
かなた「はい」
男「……」
かなた「……」

男「わけわからん」

かなた「な、なんでですか! なんて冷たいんですか!」
男「ただの片思いだろ? 全く持って意味不明。びじゅある系的信仰の極地後追いかよ」
かなた「顔がびじゅある系だったらまだその方が納得出来るんですけどねー」
男「塩っ」
かなた「ゆ、幽霊バリア」
男「そんなのはありません」
かなた「私が幽霊なのに。……そ、そんなことよりこなたです!」
男「む」
かなた「あの子は、三年も前からあなたのことが好きなんです」
男「気長なこった」
かなた「携帯電話の待受け画像は、あなたを隠し撮りしたものでした」
男「ほぼストーカーだ」
かなた「なんでも、それを誰にも気付かれないければ、恋が成就するとか」
男「そんな迷信が流行ってんのか」
かなた「楽しそうなおまじないですよね」
男「あんた旦那いるだろ」

男「ふむ。要約すると、『このままでもどうせ娘は死ぬし、それなら状況を変えてみようかなー』ってわけか人妻」
人妻かなた「人妻って呼ばないでぇ」
男「でもそれは、かなりヤケクソ気味な選択だよな人妻」
人妻かなた「男くんが人知れず引っ越して人知れず逝き絶えれば、一番なんですけどね」
男「ふざけろ半透明物体」
半透明物体かなた「……そう言うと思いました」
男「ふん」

俺が通算十本目の煙草に火を付けたその時、小さな音をたてて部屋のドアが開いた。
入って来たのは、俺の唯一の家族である、ペットの子狐だ。
名前はまだない。

子狐「くるっ!」
かなた「わぁー! か、可愛い!」
男「お。狐もこの半透明物体が見えるのか。密かに考えてた『かなた俺の幻覚』説は否定されたな」
かなた「おいでおいでー」
子狐「くる、くる……」
かなた「おぉよしよし。いい子いい子――あぁっ! 透けて撫でられないっ!
男「アホめ」
子狐「こんっ!」

がぶっ!

男「ぎゃあああっ! 何故俺を噛む! 飼い主への不服従は万死に値するいたたたたっ!」
かなた「いいぞ。やっちゃえ(ぼそっ)」
男「き、貴様が狐を驚かすから、俺が被害を受けてるんだぞ! そのひんやりした手で迂闊に動物を触るな!」
かなた「好きでこんな温度じゃないんですよぉ。……それより」
男「いい加減離れろアホ狐!」
子狐「こんっ」
かなた「どうですか?」
男「は?」
かなた「こなたと、付き合ってくれますか?」

(選択肢)
→断る
断る
断る
断る
断る
断る?

男「断る」
かなた「うぅ。やっぱりそうですか……」
男「最初から言ってるだろ。それ以外の選択肢はない」
かなた「……わかりました」
男「やっとわかったか。じゃあとっとと消えてくれ」
かなた「消えろと言われても、出来ないんですってば」
男「お。こんな所にお札が」
かなた「え」

男「悪霊退散っ!」

かなた「きゃあっ」

かなたは消えた。
その瞬間色々爆発した。
地球は滅びた。



エンディングA『地球爆発』

(選択肢)
断る
断る
断る
断る
断る
→断る?


男「うーん」

普段なら絶対にごめんな話だ。
即座に「断る」とか言ってるはずだ。
だけど俺はここで少し考えた。
それでいいのか、と。
かなたを哀れに思ったわけでも、こなたが気になったわけでもない。
だからこれはただの気まぐれ。

男「……いいぞ」
かなた「うぅ。やっぱり駄目で………………えっ!?」
男「二度は言わん」
かなた「ほ、本当ですか!?」
男「……ったく。今日の俺はどうかしてるんだよ、きっと」
かなた「絶対の約束ですよ!? もう聞きましたからね!? 取り消せませんよ!?」
男「あんたの反応がうざいから、やっぱ取り消」
かなた「うー! よかった……まさか本当にオーケーして貰えるなんて……」
男「……」
かなた「じゃあ明日、ちゃんとこなたに告白してあげて下さいね」
男「明日っていうか、今日だけどな。もう夜中だし。……って俺が?」
かなた「男くんが。だってあの子と付き合ってくれるんでしょう?」
男「……」

その後俺は激しく後悔しつつ、かなたが「恋人の心構え」について語るのをぼーっと聞いていた。
時刻は3時30分。
いい加減に眠いので、かなたに塩を投げ付けて部屋から追い出した。
しくしくすすり泣く声がまるで幽霊のようで(幽霊だが)怖かったので、仕方なく隣の部屋を貸してやった。

俺は自室のベッドに寝転がって、また煙草をふかす。

男「ふぅー……」

なんでこんな馬鹿な約束をしてしまったんだ。
俺らしくもない。

男「狂ってる」
子狐「くる」
男「お? なんだ、また一緒に寝たいのか」
子狐「こん!」
男「甘えん坊な奴め……うりゃ」

狐を持ち上げる。
俺の手の中でじたばたするが、逃げられはしない。

子狐「くるるっ!」
男「はっはっは」
子狐「くーっ!」
男「アホな狐め」

こいつは、俺が高1のときに拾った。
人間は好きじゃないが、動物は別だ。

子狐「くるぅっ!」
男「なになに。だったらいじめるな、って?」
子狐「こん!」
男「残念だが我が家にいる限り、狐と幽霊に人権はない」
子狐「くーっ!」
男「……」

暴れる狐をじっと見る。

男「お前、本当は猫じゃないのか?」
子狐「くる!?」
男「狐にしては変な顔だし」
子狐「こん!」
男「あー……」

狐を降ろしてやる。
すると狐は、俺の枕の横に丸まった。

男「……憂鬱……」

かなた「本当に告白してあげて下さいね!」
男「あいあい」
かなた「なんですかその返事は」
男「あいあい」
かなた「もう。お願いしますよ? じゃあ、いってらっしゃい」
子狐「こんっ」
男「いってきます、狐」
かなた「私はスルーですか!」

そんな風にかなたに見送られ、俺は重い足取りで学校に向かった。
12月も18日と来れば冬で間違いないはずなのに、やたらと暑い。

男「ほんと狂ってる……」

学校に着く。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みを告げるチャイムがなった。

男「――もう昼休み?」

途中にあるはずの授業時間は一体どこにいったのだろう。
……いや、記憶の片隅には受けた覚えがある。
ただ、嫌なことを前にすると、時間とは恐ろしい程早く過ぎるだけのこと。
俺は恐ろしいものの片鱗を味わいながら、うなだれる。
昼休みということは、つまり、かなたとの約束を守らなければならない。
約束は守らなければ。

男「あ……」

そういえばあいつ、何組だ?

筋金入りの不良と思われている俺には、当然そんなことを聞ける友人はいない。

男「……仕方ないか」

俺は意を決して、クラスメイトの一人に話し掛けることにした。
あのカチューシャの女にするか
名前は……峰岸とかいったかな?

男「おい、峰岸」

ざわ、とクラスに波紋が広がる。
教室にいる人間の大半が、戸惑い顔で俺を見ていた。
今まで誰とも話さなかった不良が、急にそうしたので戸惑っているのだろう。
俺だって好きで人に話し掛けているわけじゃねーよ、と心の中で反論する。

あやの「な、なななななな」
男「あのさ」
あやの「ひんっ!」
男「こな――」

みさお「待て待てぇいっ!」

男「……誰だお前」
みさお「く、日下部みさおだ! というか同じクラスだ!」
男「ふぅん」
みさお「あやのに、な、何する気だ!」
男「何って……」
みさお「ななな、ナニ!? い、いくら暴走族のリーダーでヤクザ事務所に出入りしているお前でも、あやのに手を出すなら私はっ!」
あやの「み、みさちゃん! 刺激しちゃ駄目!(こそこそ)」

もちろん俺は暴走族のリーダーじゃないし、ヤグザと親交もない……

みさお「あやのは下がってろ! さぁ、かかってこい!(裏声)」

みさおが騒ぐ声を聞き、人が不穏な空気でざわめき出す。

男(まずいな……)
みさお「に、睨んだって怖くないぞ!」
男「睨んでねぇ!」
みさお「ひぃんっ! ご、ごめんなさいやっぱ事務所だけは勘弁してくれーっ!」
男(し、しまった。悪化させちまった……)

予想通りざわめきが大きくなる。
しかもなお悪いことに、クラスの周囲にまで人だかりが出来ていた。

男「……」

その中に、見つけた。

(=ω=.)「あ……」

男(いやがった!)

俺はみさおに背を向けた。
するとみさおが得意下に叫んだ。

みさお「なんだ逃げるのか! へっへーん! やっぱり私が怖いんだろー!」
あやの「みさちゃん!」

振り向く。

みさお「ひっ。な、なんにも言ってないからー」
男「峰岸」
あやの「えっ」
男「悪かったな」
あやの「……」

そして俺は、クラスの周りにたかる群衆――こなたの方へ、早足で歩み寄った。
群れていた人々は蜘蛛の子を散らすように逃げ出したが、こなただけはそうしなかった。
彼女の目の前に立つ。

男「……」
(=ω=.;)「……」
男「ちょっと来い」
(=ω=.;)「え……う、うん」

こなたの手を引き、屋上を目指す。
後ろから何人かの悲鳴や、みさおの「ちびっこが捕まったァーッ!」という声が追いかけてきたが、無視した

男「ふぅ……」
(=ω=.)「ここどこですかなんで私連れて来られたんですかなんで鍵を閉めるんですか一体なに」
男「句読点をちゃんと使いやがれ。第一鍵なんか閉めてねぇ」
(=ω=.*)「軽いジョークだよ。み、み、みらくるー」
男「わけわからんぞ」
(=ω=.;)「非オタ……」

俺はポケットから煙草を取り出し、火をつけた。

男「……ふぅ」
(=ω=.;)「げほぁっ。ごほぁっ。くさいんだけど」
男「なんだ、それだけか」
(=ω=.)「へ?」
男「他の奴等は、こういう姿見ると引くもんだぞ」
(=ω=.)「ふーん」
男「さっきも怖がってただろ」
(=ω=.)「だねー」
男「……」
(=ω=.)「……」

会話が途切れた。
告白するなら今だが、ここで俺は一つ困ったことに気付く。

男(好きでもないやつに、どんな告白をすればいいんだ?)

好きだ――こんな心にもないことは言えない。
愛してる――同上。むしろなおひどい。
付き合ってくれ――これが無難か。

男「なぁこなた」
(=ω=.*)「えっ。私の名前知ってたの?」
男「まぁな。……お前も、俺の名前知ってるんだろ?」
(=ω=.*)「えっ、あっ、その……」
男「知らないのか?」
(=ω=.*)「お、男……でしょ?」
男「……知ってたか」
(=ω=.*)「うん……でも名字は知らないなぁ。男って名字なんていうの?」
男「その話題はやめろ」
(=ω=.;)「なんで?」
男「男は名字であり名前であるからだ……いいか、これ以上は詳しく聞くな。大変なことになるからな」
(=ω=.;)「う、うん」
男「……」
(=ω=.*)「……」

沈黙が辺りを支配した。
こなたは顔を赤らめながら、こちらをちらちら気にしている。

(=ω=.*)「き、聞いていい?」
男「……何を?」

俺は煙草を携帯灰皿に押し付けた。
しかしすぐにもう一本取り出す。

(=ω=.*)「なんで私連れてこられたんですか?」
男「……」

冬に似つかわしくない暑い日差しを受けながら、俺はこなたから顔を背けた。
背を向けたまま、答える。

男「付き合ってくれ」

(=ω=.*)「ワンモアセッ」
男「付き合ってくれ――ハッ! 何させるんだ、アホかお前は!」
(=ω=.*)「嬉しいっ!」
男「アホと呼ばれて喜ぶとは、どんだけマゾ」
(=ω=.;)「いやそっちじゃなくて」
男「……オーケーってことか?」
(=ω=.*)「もちろんだよ! 私、ずっと前から男のこと好きだったから!」
男「知ってるー……」
(=ω=.;)「え゛」
男「あ、いやいや、冗談だ」
(=ω=.*)「ほっ。なんだ。てっきり隠し撮りしたのがバレたのかと……」
男「……」
Σ(=ω=.)「し、しまっ!」
男「知ってるー……(撮られたときは知らなかったけど)」
(=ω=.;)「あうあうあうなのです」
男「まぁいいや。とにかく付き合ってくれるんだよな」
(=ω=.*)「もちろんさー!」

そう言うとこなたは、俺の横に並んできた。
満面の笑顔に、少し罪悪感を覚える。
それを隠すように、俺は肺を煙で満たした。

(=ω=.*)「センキュー伊藤誠」

かなた「おかえりなさい!」
子狐「こん!」
男「ただいま、狐」
かなた「うぅ……」

かなた「それで、こなたとは?」
男「上手くいったぞ」
かなた「……そう。よかった……」
男「よかった、とは言えない。好きでもないのに告白するのは、気分が悪かった」
かなた「ごめんなさい……」
男「本当に下らない約束しちまったもんだ」

俺は椅子に腰掛けた。
机の上に塩があったので、かなたに投げ付けた(「いたいです!」)。

かなた「……男くん」
男「なんだ?」
かなた「こなたのこと……少しだけでも、好きになれないんですか?」
男「無理」
かなた「……むう! 私の娘ですよ? 変わってるけど、とってもいい子なんですよ!?」
男「うわっ、やめろっ! ひゃあっ! 首筋を触るな!」
かなた「好きになれ好きになれ……」
男「呪いをかけるなこの怨霊が!」
かなた「い、いたぁっ! あっ! 塩いたいですっ!」

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最終更新:2009年08月24日 13:26