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【行き止まり(裏√);ダメ。】

俺はこなたの肩を抱いて、優しく止めた。

こなた「…!!」

男「…。」


こなたの瞳には、相変わらず俺が写っていた。
でもその俺は、こなたの瞳から溢れてきた熱い涙で見えなくなった。
涙は意志を持っているように、俺の心に突き刺ささった。


こなたは、俺から少し離れベッドに座り直して俺に背を向けた。


こなた「…はははっ、ゴメンゴメン。私ったら、ついギャルゲのヒロイン的動きしちゃったよ。」

男「…こなた…。」

こなた「うん、久しぶりだよねー。また高校で会うなんて、フラグだよ、フラグ!」

男「こなた…。」

こなた「もう遅いからさーそろそろ帰るよ。おとーさん心配するし。」

男「こなた…」

こなた「新しいギャルゲ置いてくからちゃんとやれよー。じゃあね。」


こなたは、一度も俺の顔を見ずに家を後にした。

男『俺は…どうすれば良かったんだ…?』




こなたは家に着いた。

こなた『知ってたよ…分かってたよ…つかさが好きなんだよね?』

こなた『これで良かったのかな…私がもっと早く、もっと素直になってれば…ううん、これでいいんだ。』

こなた『かがみん…私…がんばったよね?』


こなたは自分の机の上のキーボードを片付けた。
随分久しぶりにキーボードをずらしたからだろうか。日焼けでキーボード跡がついている。
こなたはすっきりした机の上で何かを書き始めた。

次の日。
駅でみんなに会う。
いつもと同じメンバー。
他愛のない会話。

昨日別れたときのこなたは、余りにもおかしくて、でも俺は何も言えなくて…今日は何か言わなきゃって思った。

でも予想に反してこなたは普通だった。

授業中。
相変わらず普通なこなた。眠そうなこなた。

昼休み。
いつも通り、こなたはチョココロネと牛乳を食べる。

放課後。
つかさに手を引っ張られた。
ちょっと、むくれ顔のつかさ。

つかさ「今日はちょっと男君と帰るね!買いたいものがあるの。」

かがみ「えっ?!…うん、分かったわ。」

こなた「おぅ、二人とも、また明日ねー」

みゆき「お二人とも、さようなら。」

ちょと早歩きで俺の手を引っ張るつかさ。

男「どっ…どうしたの?つかさ?」

つかさ「男君、今日、こなちゃんばっか見てる。」

男「…ごめん、つかさ。」

つかさ「男君は、やっぱりこなちゃんが好きなの?」

男「つかさ…」

俺はつかさを引き止めた。
男「俺、つかさと付き合う事になって、今までの自分の気持ち考えてみた。」

つかさ「…うん。」

男「こなたは幼なじみで、大切な友達だから当然好きだ。」

つかさ「…。」

男「でも…俺が選んだのは、つかさだから。」

男「大好きだよ、つかさ。」

つかさはそこまで聞くと、商店街にも関わらず俺に抱きついた。

男「…ひっ…人が見てるよ…。」

つかさ「うれしい…!私、やっぱり不安だった…。男君はこなちゃんの事が…って。」

つかさ「でも、男君の気持ち聞いて少し安心した。…男君はちゃんと私の事愛してくれてる…疑ってごめんなさい。」

男「う…うん。(恥ずかしいな…)」

つかさ「私…決めた。」

男「えっ?」

つかさ「今日、家帰ったらお姉ちゃんに、男君と付き合ってる事言う。恥ずかしいけど…」

男「う…うん。」

朝、こなたの事が心配だった。
でも、こなたの素振りと、つかさの甘い匂いで、俺はこなたの事は忘れる事にした。


…いつか、昨日のことをこなたと話せる時が来るだろう。お互い結婚して、幸せになって、あんな事あったねーと。
その時、俺の隣にいる人がつかさであるように、俺は精一杯つかさを愛そう。

あれから一ヶ月が過ぎた。

つかさと俺の仲はもうクラスでバレバレになった。

今日も昼ご飯はみんなと一緒だ。

みゆき「あのー…私たちに気を使わないで、お二人で食べていいんですよ?」

かがみ「そうよ。どうせもうみんな知ってるんだし二人でどっか行きなさい。」

男「どっか行きなさい…って…かがみのクラスはここじゃ無いじゃないか。」

かがみ「うっうるさいわねっ!」

つかさ「みんなで食べた方が楽しいよー男君とは休みとかにずっと一緒だからいいのー///」

かがみ「のろけやがって」




つかさがかがみに俺たちの仲を告白して一週間後、こなたは突然引っ越していった。
しかもまた行き先を告げずに。
確か親は作家だったよな…そんな忙しいのか?
かがみやみゆきさんにも行き先を告げられないほど急だったみたいだ。

かがみは、今でも時々暗い顔になるときがある。こなたが、親友が、急に居なくなったんだ。無理もない。
でもこなたの事だ。いつかひょっこり俺達の前に現れる気がしてならない。
そういや、借りたギャルゲ返してねーし…


…昔、こなたが引っ越していった時、俺にはこなたしか居なかった。
でも今は、友達がいる。彼女がいる。たぶんそれは全部こなたがくれたもの。
いつかこなたに再会した時、俺は今度こそはっきり言う。

『こなた、ありがとう。』


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最終更新:2008年09月11日 16:24