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「ヤンデレ、ねぇ……」 一人の男性を巡った痴情のもつれの末に起きた殺傷事件。 ベッドの上で何気なくスマホを弄っていたら目に付いたニュース。 自分には無縁の話だとはいえ、少し背筋が冷たくなった。 それはそうとして、 「……腹減ったな」 「私の部屋くる?色々あるけど」 「いや、塞さんが作ってくれてるみたいなんで」 「……」 ベッドの下から聞こえて来た声に返事をすると、舌打が返ってきた。 階段を降りて食堂に向かうと、割烹着の塞さんと目があった。 「あ、起きた?」 「……塞さん、その指は?」 人差し指からとめどなく血が流れ出ている。 「京太郎、最近鉄分不足でしょ。貧血気味だし」 「おぉ……」 一部員に過ぎない自分にここまでしてくれるとは。 感激である。 「明日の食事当番は豊音だから、きっと変なもの入ってるだろうし……せめて私の時はマトモなもの食べなくちゃ」 「はは……」 宮守のみんなと一つ屋根で暮らし始めてから早一ヶ月。 愛されていることを実感する毎日である。 カンッ

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