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咲「京ちゃん童貞って何?」 京「…はい?」 咲「だからー、童貞ってなんなのか知ってる?」 京「えーっと、うん、どうしてそんなこと聞こうと思ったのかな?誰かに吹き込まれたのかい?うちの子にいらん知識与えようとした不届きものはどこのどいつかな?」 咲「え、笑顔が怖いよ京ちゃん、てか誰が京ちゃんの子か。別に誰かに吹き込まれたとかじゃなくてこないだ読んだ本で出てきたから気になっただけなんだけど…。童貞ってなんか変な意味なのかな?」 京「まあ変というかなんというか…。その質問俺以外にしてないだろうな?」 咲「うん、京ちゃんがはじめてだけど…」 京「ならよし、とりあえずもう他の誰にも聞かないように、ろくなことにならんから」 咲「はぁ…、で、童貞ってどういう意味なの?」 京「俺も正直答えたくないんだけど…」 咲「教えてよー、そんな言い方されると余計気になるもん」 京「つーかよく考えたらむしろなんで知らないんだよって気もするが、いつも本ばっか読んでるくせに…。まあ咲だからしょうがないか」 咲「なにぶつぶつ言ってるの?いいから教えてってばー」 京「…一言で言えば守備力レベル100の鉄壁の要塞、みたいな。その堅牢な守りは数多の誘惑に打ち勝ちただひたすらに穢れなき己が身を守る孤高の戦士…」 咲「へー、凄い!かっこいいんだね童貞って!」 京「…嘘です、本当は攻撃力0で経験も0、戦いたいのに戦えない新米兵士って感じだ」 咲「?結局なんなの?京ちゃんの説明じゃさっぱりわかんない」 京「だから説明したくない類のものなんだよ、察しろ。そしていつか童貞の意味を知った時に今日の日を思いだし羞恥に悶えるがいいわ、今の俺のように。あ、でも念を押すけど人に聞いちゃだめだぞ」 咲「う、うん、京ちゃんが言うなら従うけど。んーと、つまり童貞って恥ずかしいものなの?」 京「あー…、まあな、男としてはとっとと捨てたいもんだ」 咲「じゃあとっとと捨てればいいじゃん」 京「簡単に捨てられれば苦労はしねーんだよ!相手が必要なことなの、協力プレイオンリーなの!」 咲「ふーん。で、京ちゃんもやっぱり捨てたいの?童貞」 京「まあ相手が見つかれば、な」 咲「……」 京「どした?」 咲「…私じゃ駄目かな?」 京「え?」 咲「だからさ、童貞を捨てるお手伝い、私じゃできないかな、って」 京「んな、は!? いや、それは…。だ、だめだだめだ!」 咲「え…。そ、それは、京ちゃんが、わ、私じゃ嫌だって…ことなのかな…?」 京「いやそういうわけじゃないけど!童貞捨てる手伝いってのは相手もそう簡単にできることじゃないんだよ!」 咲「じゃ、じゃあ京ちゃんの気持ちとしては私が相手じゃ嫌だってわけじゃないんだね?」 京「いやそうはっきり聞かれると俺としてもそう簡単に答えを出せる問題ではないというかなんといいますか…」 咲「はっきりして!」 京「…そりゃおまえで不満なんかないよ」 咲「ほんとに?」 京「気をつかっての誤魔化しとかじゃない、本音だ」 咲「そっか、そっかそっか! だったらやっぱり私がお手伝いしてあげるしかないよね!」 京「だ、だからそう簡単にできることじゃないって言ってんだろが!」 咲「じゃあ私がちゃんとできるように京ちゃんが教えてよ、私、頑張るから。京ちゃんのためならなんでもするよ」 京「なにするかもわかってないようなやつに気軽に教えていいことじゃないんだよ!つか女が男に向かってなんでもするなんて軽々しく言うな!」 咲「軽々しくなんかないよー、京ちゃんにしかこんなこと言わないもん」 京「~~~~! だーもう!この話終わり!終了!いくぞ!」 咲「あ、待ってよ京ちゃーん」 ――――――― 咲「よし、とりあえず京ちゃんの童貞がまだ守られてることはこれで確定」 咲「そ、そして…あの反応は、もしかしたら、もしかしたら!私、脈ありと判断しちゃってもいいんじゃないかな!?」 咲「最近部長が京ちゃんとどんどん仲良くなってるからもしかしたらもう手遅れかとも思ったけど、勇気出してよかったー。収穫ありありだよ。これならもうちょっと押せば既成事実もいけちゃうんじゃないかな!?」 咲「本当はもっと普通に告白してお付き合いして…って行きたかったけど、最近の部長、京ちゃんを見る目が野獣と化してるし、私も手段選んでられないや。 京ちゃんてばやっぱり私のことエッチなことなにも知らないお子様みたいに思ってるみたいだし、そこを逆手にとって押せ押せで。京ちゃんの理性の壁をなぎ倒す勢いで。初めては怖いけど京ちゃんなら優しくしてくれるよね」 咲「……いやむしろ私が攻めちゃうのもあり?うん、それもいいかも。ね、京ちゃん、優しくしてあげるから、力抜いて、私に身をゆだねて……えへ、えへへ……」 終われです

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