大学生編
家のチャイムを連打する音で目を覚ます。
寝起きでフラフラしつつも玄関へと向かいながら考える。
この鳴らし方はお隣さんに住むアイツだろう。
はいはい、今出るから鳴らすのいい加減にやめろよな……
玄関を開けると少し怒った表情のアイツが視界に飛び込んできた。
憧「遅い!いつまで寝てんのよ!」
憧「携帯にも出ないし、1限遅刻したらどうすんのよ!」
憧「さっさと着替えて大学行くわよ」
京太郎「すまん!すぐに支度するから少し待ってくれ」
急いで着替えて、筆記用具の入った鞄を手に持ち玄関を出る。
憧「さぁ、行くわよ」
京太郎「おぅ」
京太郎「それにしても、憧と一緒に時間割組んでいてよかったと心の底から感じるわ」
京太郎「憧、本当に今日は起こしてくれてサンキューな」
憧「感謝の気持ちがあるなら、もちろん私の言う事は聞けるわよね?」
京太郎「おいおい、無茶なのは簡便な」
憧「ねぇ京太郎、明日の土曜日って空いてる?駅前にあるスイーツビュッフェ、付き合ってくれたらさっきの分はチャラにするわ」
京太郎「スイーツビュッフェ?明日はバイトもないし暇だけど、別に他の友達と行けばいいだろ?」
憧「どうやら今月、カップル限定で割引してもらえるフェアをやっているみたいなのよ」
憧「あ、あんたとカップルに見られるのは癪だけども!割引ってお得じゃない?勘違いすんじゃないわよ!?」
声でっか、近くで大声出すなよ
京太郎「おぅ」
憧「で、どうなのよ?」
憧「行 く わ よ ね ?」
京太郎「スイーツって結局、自分で作る方が美味しく作れるんだよなぁ。まぁでも偶にはこういうのもいいか、カップル料金で安くビュッフェできるみたいだし」
人はお得や割引という言葉に弱いものだ。
よっしゃ!と小さくガッツポーズをしている憧の姿が見えたが、そんなに行きたかったのだろうか?
スイーツビュッフェに行きたがる憧を見ていると、こいつも女子大学生なんだなぁと思わされる。
京太郎「それで明日の何時に行くんだ?」
憧「10時から開店しているみたいだし、明日の9時50分くらいに駅前集合でどう?」
京太郎「了解。ってわざわざ駅に集まんのかよ、一緒に家から歩いていけばいいだろ……」
憧「それだと意味ないじゃない……」ぼそっ
憧「いいから!駅前に集合すんのよ!毎回あんたを起こす私の立場にもなりなさいよ!」
朝の事を引きずっているのか口調は少し強い、こうなった憧には大人しく従うのが吉だ。
京太郎「分かったよ、明日9時50分に駅前な」
憧「それと、今朝みたいに寝坊すんじゃないわよ?」
京太郎「了解」
京太郎「てか、時間結構ギリギリだし急ぐぞ!」
憧「あんたのせいでしょうが!」
カン
最終更新:2020年04月06日 23:36