いつもの帰り道、隣で歩く民族衣装を身に纏った少女からくぅーっと情けなくも可愛い音が聞こえる。

ネリー「キョータロー、お腹空いたーなんか奢ってー」

京太郎「また俺に集るのかよ!夕飯前に買い食いとかして大丈夫なのか?」

ネリー「きちんと夕飯も入るから大丈夫だよ!部活後ってどうしてもお腹が空くんだよね」

同じクラスメイトで同じ部活になったこの異国の少女は、どこか放っておけなくてつい甘やかしてしまう

京太郎「はぁ……今回だけだぞ?」

ネリー「キョータロー、ちょろいから好きー!」

京太郎「ええい、お前みたいな悪女にはこうしてやる」

ネリー「ふひゃあっ!?ひゃめろー」

とても柔らかい頬をしている。これはなかなか癖になる。

京太郎「てか、この辺にコンビニあったかなぁ?」

うーんと首をひねっていると、ふと視界に少し古ぼけた外観のお店が目に入る。
少し足を運んでみるとそこにはたくさんの駄菓子が陳列されていた。

京太郎「お、駄菓子屋か」

ネリー「わぁ!小さいお菓子いっぱい!しかも、どれも凄く安い!」

初めて駄菓子屋に来たのか、駄菓子に目を輝かせている姿は容姿も相まってか非常に可愛らしい。

京太郎「うまい棒ってこんなに種類あったのか……せっかくだから全種類食べ比べするか!」

ネリー「ガムにアメにラムネにマシュマロ、それにメグの好きなラーメンまであるよ!」

とりあえず目についた物を購入。

ネリー「キョータロー、こっちのチョコ味美味しいよ!はい、あーん」

これ間接キスだよな?こいつは気にしないのだろうか?

京太郎「おぅ、んむ……凄く、甘いな……」

ネリー「代わりにそっちのタコス味もーらい!」

京太郎「おいおい、食べかけだったけどいいのか?俺は気にしないけど間接キスになっちゃわないか?」

ネリー「ふひゃっ?!きょ、キョータローなら大丈夫だよ!」

と言いつつもネリーの顔は照れているのか真っ赤になっていた。

ネリー「ねぇねぇ!キョータロー!このラーメンお金当たるかもだって!」

10円、20円、50円、100円が当たるベビースターラーメンみたいな奴か

ネリー「やったー!100円当たったよ!キョータロー!」

京太郎「おぉ、結構大きいの当たったな」

ネリー「あ、でもこれキョータローの奢りで当たったお金……」

京太郎「そんなの気にすんなよ、交換してもらえって」

ネリー「じゃぁ、この当たったお金でまたキョータローと一緒に駄菓子食べる!」

ネリー「キョータロー、また来ようね!」

後日、部活後に京太郎と駄菓子屋に寄って帰るのが日課になったとか

カン

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最終更新:2020年04月06日 23:37