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<姫子と会話>


京太郎「おー姫子!」

姫子「…」



京太郎は森の中で姫子を見つけ声をかけた。

だが姫子は聞こえなかったのか気づかなかった。

しょうがないので京太郎は姫子の傍により肩を叩く。



京太郎「おーい?」

姫子「ヒッ!?」ビクン



肩を叩くと姫子はものすごく驚き悲鳴をあげた。

京太郎自身も驚き数歩後ろに下がった。



姫子「きょ、京太郎?」

京太郎「よっす!」


京太郎「考え事?」

姫子「うん…そんなところ」

京太郎「相談にのるぜ?」

姫子「ダメ」

京太郎「…あれ?」



姫子の役に立ちたくて言ったのだがその言葉は拒否された。

姫子はそれじゃ と言ってそそくさと去っていく。


そんな姫子の様子に軽くショックを受け

暫くの間京太郎はそこに立ち尽くした。



京太郎「…あれ?あれれ?」




<哩と海岸探索>



哩「おー京太郎か」

京太郎「おー…」



哩が砂浜を探索していると黄昏ている京太郎と出会った。

京太郎は砂浜で海を見ながら体育座りをしている。



哩「何しとるの?」

京太郎「姫子…姫子に拒否られた…」


哩(ん~…?あれ、なんだがおかしなことになってきてるな)



京太郎の話を聞いてると姫子が逃げるように京太郎を拒否したとのこと

哩は昨日の話が原因だろうな~と思った。



哩「無人島で青春とは…しかもガチガチなラブコメ」

京太郎「ふぐっ…」



哩はどうしたものかと考える。

自分とて恋愛を経験した事ないのだ。

昨日の話しで少しでも意識すればと思ったのだが予想以上に効果があったらしい。


哩(とりあえず…元気つけるか)


哩「ほれっ」


そういって哩は京太郎の頭に先ほど拾ったものを落とす。



京太郎「あいて!?」



京太郎が頭を擦りながら落ちてきたものを拾う。



京太郎「これって…」

哩「ライター用のオイル…残り少なかったけんこれで安心やろ?」

京太郎「あぁ…!」

哩「そいと落ち込んでる場合そいぎなか」

哩「しっかりせんと」

京太郎「それもそうだな~…」



京太郎は立ち上がると哩にお礼を言って立ち去った。

哩はそんな京太郎を見て少し胸が痛んだようが気がした。




<森で食料調達>



姫子「…」



あれからずっと昨日の事を考え続けている。

朝から考えているが未だに整理がつかない。

ため息をつくと空を見上げる。


空は姫子の心の内を表してるかのようにだった。

ぽつらぽつらと小雨の状態が続いている。



姫子(京太郎ん事傷つけしまったな~)



朝の事を思い出す、悩んでいる自分を心配してくれた京太郎を拒否してしまった。

あの時の京太郎の顔が思い浮かぶ。



姫子「辛かな…ほんなごと辛かな」



暫くの間木の下で姫子は座り込んでいた。


<清掃>


京太郎は拠点を掃除している。

拠点には哩と姫子も居たが2人はなにやら考え毎の最中らしく雰囲気が悪い。

刺激しないように京太郎は静かに掃除を進めた。


<この気持ちは何?>



あの後、哩ともあまり会話せず2人は寝に入った。

京太郎を真ん中に哩姫の2人は端っこに移動し寝ている。


焚き火がパチパチと音が鳴る、その音を聞きながら気持ちに整理をつけ様と試みる。

今はまだいいがこのまま微妙な空気が続けば溝が深まっていくだろう。


そしてその空気を作っているのは間違いなく自分だ。

京太郎の事をまた考える。

やっぱり自分の気持ちがわからない、今までの人生で恋などしたことがなかった。


野依理沙に憧れ麻雀を始めて…中学校の時に部長と出会って目標になって

同級生や先輩の男性に言い寄られた事もあったが結局は麻雀より興味が惹かれなかった。


体の向きを変え京太郎の方を向く。

京太郎はすやすやと寝ていた。

京太郎も同級生や先輩と同じ男性だ、それでもどこか違った。

少しずつ京太郎の近づき自分の頭を京太郎の胸に乗せる、抱き付く形になるが恥ずかしさはない。


最初に感じたのは暖かさ、砂浜で倒れて助けられたときに感じた暖かさだ。

次に感じるのは鼓動…京太郎の心臓の音が聞こえる。

荒れていた自分の心が静まるのがわかる。



姫子(暖かいな…暖かい)

姫子(京太郎ん事考えると胸が暖かくなっ)

姫子(もっともっと…ここから帰れても一緒に居たかな)



姫子「この気持ちが恋かはわからなか、ばってんすいとーとは確かばい」






                    姫子「京太郎」





姫子は最後に切なげに彼の名前を呼んだ






姫子の京太郎を呼ぶ声を聞きながら哩は考える。

姫子の気持ちは今のでわかった。


それでは自分はどうなのだろうと思った。

姫子の思いを聞いて感じたのは安堵感と焦燥感だ。


元々京太郎を応援すると決めてはいた。

それなりに姫子を突っつき煽ったのも自分だ。

今の所順調ともいえる、だが順調に進むにつれ胸が痛い。


出会って間もないのにこれである。

自分はこんなにもチョロかったのかと思った。

いや…京太郎が特別なのだろうか?

どちらにしろ自分は京太郎という男が好きらしい。



哩(ん~どげんしよー、姫子と同じ人ばすいとーになっちは)

哩(…ばってん勝ち目なかね)



京太郎は姫子が好きだろう、姫子も京太郎が好きだ。

自分がこれから動いて勝ち目はあるだろうか?

なさそうだと思うが心は諦められないらしい。



哩(勝ち目なかなら二人で…)

哩(って何考えてるんだ!私は!?)



まさかまさかの自分の考えに哩は顔を赤くする。

考えを振り払おうとするがなかなか消えない。

京太郎の腕両方に自分達が抱きついていて一緒に歩いている。

うん、よさげだ。



哩(そうすると世間ん目ばどげんするかだな)

哩(両親ん説得も大変そうだな)

哩(いっそここで暮らしていくのも…)



哩は次々に妄想を膨らまし考えていく。

まだまだ哩の夜は長くなりそうだ。



<哩の気持ち>+<この気持ちは何?> カン!




<温泉を探そう>


京太郎「温泉とかってないのかな?」


姫子「へ?」


哩「ん?」



3人が食事を終え何時も通りの会話の時に京太郎が呟いた。



京太郎「ドラム缶風呂だけだと何かね」


姫子「まぁーそうやね」


哩「確かに温泉あっと便利だな」



3人は自分達が温泉に浸かっている様子を思い浮かべる。

入りたいなーと3人は思った。



京太郎「探して見ないか?」


姫子「探そう!」


哩「あっかな?」


京太郎&姫子「「ある(っ)!!!」」


哩(この2人さっきまで話しすらしてなかったのに)




温泉を探す事になりました。



<森で道具調達+人との出会い>



京太郎「…よっす!」



昨日と同じく森の向かうと姫子が薪を集めていた。

昨日を思い出し、京太郎は少し躊躇するも声をかける。

姫子は声に気づき振り向いた。



姫子「きょ、京太郎…?」

京太郎「おぅ…」



名前を呼ばれて京太郎は返事を返すがそこで二人の会話は止まってしまった。

京太郎は気まずいながらも姫子の顔を見てみる。


姫子は昨日と違い顔を赤くして長い袖で口元を隠している。

時折こちらをチラリと見るが視線を合わせると慌てて逸らす。



京太郎(昨日と180度反応が違うんだが)

姫子(昨日ん夜ん事があって顔見れなか///)



そんな姫子の様子に京太郎自身顔を少し赤くして視線を逸らす。

少々甘酸っぱいような雰囲気を2人で出しているときだった。





桃子「…何で無人島でこんな雰囲気だしてる人達に会うっすか」


京太郎&姫子「「 ふぁ!? 」」



突如京太郎達の横の茂みから女性が顔を出す。

その顔は少しゲンナリとしている。

少し前に2人を見つけたのだが、2人の雰囲気に当てられ声をかけずらかったのだ。



京太郎「だ、誰だって………東横さん?」

姫子「(むっ…)京太郎ん知り合い?」

桃子「お久しぶりっす、元気そうでなによりで」



女性は京太郎の知り合いであった。

全国大会の時に清澄の応援に来てくれた、鶴賀学園の<東横桃子>だ。


姫子は京太郎の知り合いが女性であったのが気に入らないのか少しムっとする。

すぐさま京太郎の横の位置に移動すると袖を少し引っ張り京太郎に知り合いか尋ねた。


そんな姫子と対照的で桃子は笑顔で京太郎に挨拶をした。



~~~~~~~~~



京太郎「そっか、鶴賀の人達は全員無事なのか」

桃子「問題ないっすね、食料で少し難儀してるっすけど」

姫子「…」



その後手ごろな場所に3人で腰を下ろすと情報交換も含め会話を続ける。


こちらの話を終えた後、桃子の話を聞いてみる。

どうやらこちらとは違い鶴賀学園のメンバーは同じ救命ボードに乗りそのまま漂着したとの事

運よく最初から全員が揃った状況とこちらよりも優れている。


楽しげに話を進める京太郎と桃子の隣で姫子は桃子の様子を伺う。

まるで飼い主を獲られまいとする犬のようだ。



京太郎「そっか…清澄の人達とは会ってないのか」

桃子「残念ながら雑用さんが初めての人っすね」

京太郎「ふっふっふ、俺が初めての人かいい響きだ」ニヘラ

桃子「奪われちゃったっすね!」

姫子「ムカッ#」


京太郎「あ、痛い!痛い!姫子何するの!?」



京太郎と桃子がじゃれていると姫子は京太郎を叩き出した。

姫子は若干涙目で頬を風船のように膨らませている。


そんな姫子の反応に京太郎は困りながらも相手をした。





桃子(あらら、これはやっぱりそうっすよね?)



姫子と京太郎を眺めて桃子は結論に達した。

なんとなく先輩と清澄部長が絡んでいるの時の自分と似ている。



桃子(雑用さんを……ね)

桃子(これは荒れそうっすね)



暫く眺めていると、時間が結構経ったのを思い出した。



桃子「あっ…そろそろ戻らないと先輩達が心配するっす」

京太郎「あぁ…結構話しこんじゃったしな」

姫子「うーうー」



京太郎は姫子の攻撃で少しぼろぼろになっていた。

なんとか姫子の両手を掴むと姫子はうーうー呻りだす。


桃子はそれじゃっと言って自分達の拠点の場所を教えた後歩き出す。

その時、桃子は悪戯を思いつきそれを実行した。



桃子「それじゃ、また会おうっす<きょーちゃんさん>」

京太郎「!!」

姫子「なっ!?」



京太郎「おぅ!また<モモ>!」



桃子は最後ににこやかに手を振りその場で消えた。

京太郎も姫子から手を離し手を振る。


その隙をついて姫子は京太郎に噛み付いた。



桃子が帰る際に京太郎の叫び声が森の中に響いた。



姫子(う~…東横桃子、要注意やね)




東横桃子と出会った。


<姫子と石材採り>



京太郎「…」

姫子「…」じー



京太郎が川で石材を採っていると姫子も着いてくる。

着いて来た姫子は京太郎をずっと見続けている。



京太郎「えっと…な、なに?」

姫子「なんでもなか」

京太郎「そう」

姫子「うん」


京太郎「…」

姫子「…」じー



先ほどからこの調子である。

京太郎がどこに行こうとしても姫子が後ろからちょこちょこと着いて来るのだ。

用事があるのかと言えばそうでもなく、ただただ着いて来るのだ。

姫子は京太郎の服を後ろから掴みつつ一緒に歩く。



京太郎(昨日と態度が違って怖い…なにがあったんだ!?)



困惑する京太郎と監視を続ける姫子であった。


<哩と会話>


3人でお風呂の準備をしていると丁度姫子が薪を取りにいなくなる。

そのタイミングで京太郎は哩に相談をする事にした。



京太郎「ってことなんですよ」

哩「なっほどな」



京太郎の話を聞いて哩は考え込む、曰くずっと姫子が着いてきているというのだ。

最初は戸惑いながら嬉しかったが…どこでも着いて来る為少し怖くなったと。



哩「いつから?」

京太郎「えーと…えーと」



京太郎が考え込む、確か森の中で…



京太郎「モモと会った後からかな?」

哩「桃?」



なぜ果物が出てくるのだろう?

哩は疑問が更にました。

京太郎はそんな?マークが出そうな顔をしている哩に気づき補足を加えた。



京太郎「あぁ…果物じゃなくてあだ名なんだ」

哩「あぁ…人やったか」


京太郎「あぁ!」

哩「そかそか」


京太郎「…」

哩「…」


哩「ここ人居ったの?」

京太郎「俺ら以外にも漂着した人が居るみたいだ」



どこかズレタ会話になってくる。

少しの間漂着してた人の話をしていたら姫子が戻ってきてしまい。

そこで会話は終わってしまった。

姫子は薪を準備するとすぐに京太郎の横に移動してニコニコしていた。



哩(なっほどね)



あはは…と苦笑いの京太郎を他所に哩は1人納得した。



<パトロール>


2人がお風呂に入るタイミングで京太郎はパトロールに出かけた。

流石に姫子も着いてこようとせず素直にお風呂に入る事にしたようだ。

少しばかりお風呂と京太郎の間を視線が彷徨っていたが…



京太郎「ふぅ…一緒に居られるのは嬉しいけど、ずっと見られるのは流石にな」



京太郎は夜風に当たりながら治安の強化を行った。


治安+3 上昇しました。


<哩姫お風呂>



哩「そいでどうした?」

姫子「…」



2人は順番に火を薪を足す人、入る人に別れ作業をしていた。

最初は姫子が入る番のようで姫子がドラム缶風呂に入っている。

外から哩が先ほど京太郎から聞いた話の原因を姫子に聞いた。



姫子「…ぶ、部長」ジワリ

哩「お、おぉぅ」



姫子がじわりと涙目になる。

少しばかり哩も驚いた。



姫子「楽しそうに話ばしよっ京太郎ば見よったら…取られそうで」

哩「あー…」

姫子「そいで気づいたら…」

哩「不安で常に傍にいた…と」

姫子「は…い」

姫子「どうしたらよかですかね?」

哩「もう告白すっぎよかんそいぎなかかな?」



なんだか聞いている自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。

少しばかり答えも投げやり気味になった。



姫子「こ、告白ですか!?」

姫子「あぅあぅ…こ、この気持ちが恋かわからんですし…」


哩(十分恋してっぎ思うんばってん)


哩「でも取られたくなかんやろ?」

姫子「はい!」



姫子の元気な声に哩はため息をついた。



哩「端から見よっと飼い主ば取られんとしよっ犬見たかだぞ」



何気なく哩がそんな事を言った。


姫子「犬…犬…」


その言葉になんか姫子が反応してしまった。

犬と呟き考える姫子を見て哩は何かしそうだなと思った。

だが被害者は京太郎なので まぁいいかと思った。



<柵の材料集め>


京太郎「流石に柵とか作っておかないとな」

姫子「確かに必要やね」

哩「材料は…蔓ば5本集めっぎいけそうやね」


京太郎「蔓か…」


哩「蔓か縄ぐらいやったら明日の内に揃えて置くぞ?」

京太郎「ふむ…頼めるか?」

哩「任された」

哩「午前中にやっておくばい」


<姫子と会話>


朝京太郎が砂浜を探索していると見知った人が居た。

姫子である、姫子は砂浜をキョロキョロと視線を彷徨わせ何かを探しているようだ。

京太郎は気になり声をかけてみる。



京太郎「姫子!何か探し物か?」

姫子「ッ!」ビクン


姫子「きょ、京太郎?」

京太郎「よっす!」



京太郎の声に姫子は過剰ともいえる反応を示す。

よく驚かれるなーと京太郎は思う。



京太郎「それで探し物か?」

姫子「…そやね、ちかっと欲しか物があって」

京太郎「欲しい物?」



姫子は真面目な顔で京太郎に告げる。

そんな姫子を見て京太郎も探そうかと?と声をかける。



姫子「!…だ、大丈夫…も、問題なか」

京太郎「なんだろ…慌て具合から嫌な予感がする」

姫子「そんなことないよ?」

京太郎「なぜ標準語」



姫子は疑いの眼差しを京太郎から向けられると汗をかき視線をそらす。



姫子「それじゃ!」

京太郎「あ…逃げた」



<体を鍛える>



京太郎「よっと…橋に!東京タワー!」

京太郎「…」

京太郎「俺なにやってんだろ…」



<哩とパトロール>



哩「…」

京太郎「…」



2人は拠点周りをパトロールをしている。

2人に会話らしき会話はなかった。


暫く歩いて砂浜に出た時、哩がため息をついた。



哩「こんどはなに?」

京太郎「…わかるよな」



哩の言葉を待ってましたとばかりに京太郎がため息をつく。



京太郎「それがさ…」

哩「…」



京太郎が朝の姫子の様子を告げる。

哩は話を聞いて昨日の事だろうなーと思った。

ただ…それを告げるとなんとなく面白くない、何よりここ最近自分との会話が姫子の相談事ばかりなのだ。

一種の意趣返しとして昨日の事は黙っておくことにした。



哩「んーわからなかな」

京太郎「親友の哩でもわからないか」

哩「最近ん姫子は心が不安定やしね」

京太郎「あーなんだろ焦ってる気がするな」



2人はここ最近の姫子を思い浮かべる。

どこか余裕がないように思えた。



哩「まぁー何があっても受けせんでくれ」

京太郎「それは問題ないな」

哩「そっか」



哩は被害者になるであろう京太郎を見て少し気分が晴れた気がした。

…被害者になるのは京太郎ばかりでない事を後で知ることになろうとも知らずに




<哩姫と会話>



京太郎「水の準備はこんなもんか」

哩「薪も準備OKやね」

姫子「あとは火ん準備だけやね♪」



お風呂の準備をしていると姫子が上機嫌でライターを取りに行く。

そんな姫子を見て京太郎と哩は訝しげに見ている。



京太郎「えらく機嫌がいいな」

哩「不安になってきた…」



姫子の様子に何かが起きそうだと2人は考え不安になった。



京太郎「朝に何か探してるようだったけど…見つけたのかな?」

哩「上機嫌になっ様な物ば?」



2人がう~んと呻っていると姫子が帰ってきた。

呻っている2人を見て姫子は不思議そうに首を傾げた。



姫子「2人して何してっん?」


京太郎&哩「「なんもかんも姫子が悪い」

姫子「なんで!?」





  • 無人島のどこか-

仁美「へっくし!」

美子「風邪?」

仁美「なんかセリフ取られたちゃうな気のしたばい」

美子「なにそれ」




<柵を作ろう>


京太郎「材料揃ったな」

姫子「こいで柵が作れるね」

哩「何かあっかわからなかからね」



3人の目の前には材料がずらりと並ぶ。



京太郎「作業量はどんなものだ?」

姫子「えーと…」

哩「大体(50)かな」

京太郎(…(50)か)

京太郎(姫子が5 哩が3でスコップがあるから作業量+40)

京太郎(俺が1回手伝えば1日で完成しそうだ)


京太郎「さて誰が作ろうか?」


<全員で作る>


京太郎「全員で作るか」

姫子「3人なら午前中だけいけるかな?」

哩「問題なさそうやね」



3人「「「頑張ろう!おー!」」」



<哩姫と会話>


哩「雨やねー」

姫子「雨ですねー」

京太郎「歩けないぐらい降ってるな」


3人は拠点の中で外を見る。

外に出たら一瞬で下着まで濡れてしまうほどであった。

最初は3人で柵を作っていた為問題もなかったのだが

集中してた事も有りすぐに終わってしまった。

3人はやることがなくなり空を見上げた。


京太郎「なにか暇つぶしは…」

姫子「んー何か作れっ物あっかな?」

哩「あー…こういう時無人島だと痛感すっな」

京太郎&姫子「「確かに」」


2人は哩の言葉に頷いた。


京太郎「傘でもこの雨の中は無理だな」

姫子「一発で壊れそう」

哩「先が見えなかからな」


京太郎「他の人は大丈夫だろうか…?」

姫子「…」

哩「…」


京太郎の言葉に2人は沈黙で答える。

そんな2人を横目でチラリと見ると京太郎はまた空を見上げた。


京太郎「雨だなー」

姫子「雨ですねー」

哩「雨やねー」



<体を鍛える>


京太郎「精神を鍛えるか」

姫子「どうやって?」

京太郎「俺を罵ってくれ!」

姫子「…はぁっ?」冷たい目

京太郎「おうふぅ…」バタリ


姫子の冷ややかな目+冷たい声

京太郎に効果抜群だー!

京太郎は倒れた。


姫子「きょ、京太郎ー!?」

姫子「あ…でもさっきんよかかも」ポッ



<哩と清掃>


京太郎「手伝うよ…」

哩「ありが…とって!?」

哩「なしけんびしょ濡れ!?」


京太郎「あー…罠にかかった獲物を取りに」

哩「先に乾かすんが先やね」

京太郎「へっくし」


哩は京太郎を火の前に座らせると乾いているタオルを持ってくる。

そして…


京太郎「うぉ!?1人で拭けるぞ!?」

哩「よかから…座っとけ」


哩は後ろから京太郎の髪の毛を拭き始めた。

京太郎は少し赤くなるも静かに拭かれる。


京太郎「なんだかお姉ちゃんみたいだな」

哩「年上だしな」えっへん


哩はない胸を突き出し威張る。

そんな哩を見て京太郎は可愛いなと思った…隅っこで何かをしている姫子から全力で目を逸らしながら。



<柵の作成>

京太郎「よっと」


姫子「ほぁー」

哩「力持ちやね」


京太郎が木材を斧で綺麗に切っていく、それを哩姫の2人は感嘆の声をあげる。


京太郎「力はあるからな」

姫子「大人よりあっよね?」

哩「確かに…」


京太郎「そんなにあるか?」

哩「大盾ん英雄ばふっ飛ばしてたろ」

京太郎「あー…」

姫子「あー…」


2人はあの時を思い出す、確かに2M近くの巨体を吹き飛ばした。


京太郎「あんなのが他にも居るのかな?」

姫子「居ったらこん柵だけそいぎ無理そうやね」

哩「ちかっとずつ強化していくしかなかな」


京太郎「とりあえずは…縄でしっかりと縛って…」

姫子「…」じー

哩「…」じー


京太郎「縛って…」


京太郎が木材を縄で縛っていると二人がじーと見てくる。

どこか羨ましそうな顔をしていた。


京太郎「…何?」

姫子「ハッ!何でもなかよ?」アセアセ

哩「ハッ!何でもなか」アセアセ


京太郎はそうかと言って作業に戻る。

後ろから聞こえてきた 縄…もっと取ってくっ、羨ましか等は聞き流しながら



京太郎「ふふん~♪」ニヤニヤ


優希「…」

和「…」

まこ「…」

久「…」


清澄高校の麻雀部は異様な静けさを保っていた。

京太郎がニヤニヤと笑みを浮かべ紙を広げてずっと見ているのだ。

事情を知らない4人は不気味に思い遠巻きに京太郎を見ている。


久「だ、誰か行きなさいよ」

まこ「おんしがいけば良かろう…」

優希「部長が雑用ばかりさせるから…」

和「須賀君…」


4人が京太郎に声を掛ける様に言い合う。

それでも誰も行かずに押し合いが始まる。

それほどに今の京太郎は不気味だった。


和の胸を見ているときと違った笑みで本当に嬉しそうなのだ。

4人が気まずい時間を過ごしていると残りの1人が遅れてやってきた。


咲「遅れました!」

4人「「「「来た!」」」」

咲「はい!?」



~4人説明中~


咲「あ~…手紙届いたんだ」

和「手紙…ですか?」

咲「うん、京ちゃんの文通友達」

優希「文通…似合わないじぇ」

久「確かに」

まこ「おんしらは…」


京太郎「流石にひどくね?」


優希と久の素直な言葉に少し傷ついた。


久「それでいつからやってるの?」

京太郎「え~と…彼此10年以上ですかね」

和「それはまた…長いですね」

まこ「ほほ~よく続いたものじゃな」

優希「三日で飽きそうだじぇ」

京太郎「それはお前だろ」




何をー!何だよーと2人はじゃれ合い始める。

そんな2人を尻目に久は京太郎が読んでいた手紙を拾い読み始める。

暫く他愛のない会話が続き最後に”園城寺 怜”と名前が書いてある。


久「園城寺…怜?」

和「部長…人の手紙を読むのはどうかと思いますよ?」


和は久に注意をいれるが自分自身も気になるのだろう、後ろから覗き込む。

そんな2人を咲とまこは苦笑いで見ていた。


久「園城寺…もしかして千里山のエースの?」

京太郎「部長知ってるんですか!?」

優希「にょわ!?」


久の呟きに京太郎は過剰に反応し優希を押しのけ久に迫る勢いで食らいつく。

京太郎の勢いに押され久は顔を引きつりながらも答える。


久「えぇ…大阪の千里山女子エース 園城寺 怜なら知ってるわよ?」

京太郎「大阪…千里山…確かそんな事前に書いて…」

優希「いきなりどうしたんだじぇ?」

咲「京ちゃん相手の顔とか知らないから」

和「10年以上続けていてお互い知らないんですか?」

咲「うん、気になるけど今の関係を壊したくないって、だから聞けないらしいです」

久「なるほどね」


事情を理解すると久は京太郎から離れ何やら雑誌を漁り始めた。

暫くすると探していたものが見つかったのだろう。

一冊の雑誌を捲りながら京太郎に近づいていく。


久「この子よ」

京太郎「!」


京太郎は久から雑誌を受け取るとそのページを食い入るように見つめる。

差し出された雑誌には1人の少女が載っていた、大人しそうな美少女の写真が載っており

下の欄にはプロフィールも書いてある。


京太郎「趣味…麻雀に文通」

咲「間違いなさそう?」

和「確立は高いと思います」

京太郎「…この子が…怜なんだな」



京太郎はようやく会えたと呟き、暫くの間雑誌を見続けた。






怜「~♪」

泉「嬉しそうですね、園城寺先輩」

浩子「そうやね」


その日千里山の部室では怜がものすごく嬉しそうにしていた。

何時もなら死にそうな顔をして竜華に膝枕をねだっているはずなのだが…

今日はそんな素振りもなく楽しげに麻雀を始めている。

そんな怜を2人が眺めているとセーラと竜華がやってきた。


竜華「ただいま」

セーラ「帰ったで」

浩子「お疲れさんです」

泉「あ、お疲れ様です」

竜華「どうかしたん?」

泉「園城寺先輩が…」

セーラ「怜が?」

浩子「えらい、上機嫌なんです」


2人が怜のほうに顔を向けると、確かに嬉しそうな怜が居る。



竜華「あー何時ものやね」

セーラ「そんな時期やったか」

泉「?」

浩子「何が何時ものなんです?」

2人は意味がわからず首を傾げた。

竜華「文通友達から手紙がきたんよ」

泉「文通ですか?」

セーラ「せやせや、もう10年もしとるらしいわ」


泉「ながっ!?」

浩子「ほほぉ~」

竜華「なんでも風船に手紙をつけて飛ばしたのが切っ掛けらしい」

泉「…ロマンチックですね」

怜「竜華!セーラ!」


怜は麻雀を終え2人に気づいたのか駆け寄ってくる。


そしてそのままセーラに抱きついた。

怜「セーラ!今日付きおうてくれる?」

セーラ「あーいつものやな、わかった」

浩子「何時もの?」

竜華「便箋選びや、男の子向け用の選ぶの手伝ってもろうとんねん」

竜華「なんでも捨てられないようにやて」

泉「あー」


セーラ「そこ!納得すんなや!」

怜「今日は何書こうかな♪」




怜「それにしても」

京太郎「それにしても」


京太郎&怜「「会って見たいな~」」





久「会える方法あるわよ?」

京太郎「え?」

久「彼女は千里山のエース…千里山は全国大会の常連でしょ?」

久「須賀君が個人戦で全国に行けば会えるチャンスあるわよ?」


久の思いがけない言葉に京太郎は少しの間唖然とするもすぐに理解したのかそのまま久に土下座をする。


久「はぇ?」

京太郎「部長!!!」

久「は、はい!」

京太郎「雑用もしっかりやりますので…俺に麻雀教えてください!!!!」

久「あー…」

京太郎「お願いします!!!」


京太郎は久の言葉を待ち土下座のまま待つ、少しすると上からため息をつく音が聞こえる。

顔を上げなさいと久がいい京太郎は顔を上げた。


久「後輩の面倒を見るのも先輩の役目…ね」

京太郎「部長?」

久「大会まで時間ないけどしっかりとついて来なさいよ?」

京太郎「ぶ、部長」涙目

久「皆もいいわね?」

咲「うん、頑張ろうね」

和「ん~まずは牌効率からですかね?」

優希「しょうがない犬だじぇ」

まこ「雑用頑張ってくれてたしの」

京太郎「ありがとうございます!!!」


~以下省略~

それから皆で猛練習をし大会の日が訪れた。


京太郎(まさか…本当に決勝までいけるとは)


なんとか決勝に残りあと少しの所まで届いた。京太郎は、逸る胸の鼓動を抑え会場へと歩いていく。


???「ククク…よろしく」

???「ご無礼」

???「……楽しもう」

京太郎「無理かもしんない」




怜「ぼへ~」

竜華「自分で言うもんやないで?それ」

浩子「あっ」


何時も通り部活でのんびりとしているとパソコンを弄っていた浩子が声をだした。


怜「…どないしたん?」

浩子「これ…園城寺先輩の文通相手じゃないですか?」
怜「どれや!!!」

浩子「わぁ!?」


膝枕していた怜は即座に反応し浩子のパソコンを奪い取る。中を覗くと4人の男性が麻雀を打っていた。


怜「えっと…えっと…男子個人戦?」

浩子「そーです、長野の決勝戦ですわ」

怜「決勝戦…京君、全国に来るん!?」

浩子「本人かわからんですし…勝ったらの話ですけどね」

怜「この人が…」

浩子「あ…無視ですか」


怜はパソコンに映る人を見る、それぞれの男性の下に名前が表示されており確かに 須賀 京太郎 と出ている。

手紙に書かれてた通りの金髪で名前も学校名も一致していた。

この人で間違いないと知り怜は応援を始めた。

だが…


怜「あ…」

竜華「うわ…なんやこれ、男子ってこんなにレベル高かったっけ?」

浩子「これは…プロレベルですね」


無残にも京太郎は3人に蹂躙されて終わった、いや化け物相手に最後まで点数を残し耐え切った。

それでも全国にいけるのは3人まで…京太郎は行けなかった。


怜「…」

竜華「残念…残念やったな」

浩子「いいデータ取れましたけど…」


そういって浩子はチラリと怜を見た、怜は嬉しそうな顔から一転し今にも泣きそうだった。

そんな怜の頭を優しく竜華は撫で慰める。


怜(駄目やった…会えないんかな……京君悲しそうな顔しとったな)


怜は自分と同じく悲しそうな顔をしていた京太郎を思い出す、今すぐ会いたい会いに行きたい。

だが自分にも大会がある、それ以外も距離の問題や金銭面なにより学生という身分が親が許さないだろう。

いや…会いに行こうとすれば行けるのだ、全てをかなぐり捨てれば…でも出来ない。

そんな勇気のない自分に怜は嫌気がさした。


怜「……京君」


怜が一言呟くが答える者はいない。





京太郎「あー負けちまった」


京太郎は自室で思い出す、自分は負けたのだと…


京太郎「…」


京太郎は茫然自失で自分の部屋に帰ってくると泣いた…思いっきり泣いた。

暫く泣くと涙が出なくなった、その後も暫くボーとしているとなんとか気持ちが持ち直った。


あぁ…仕舞わないと と言って京太郎は胸ポケットから一通の手紙を取り出す。

その手紙はボロボロで所々汚れている。

この手紙は一番最初の手紙だ、お守り代わりに持っていたのだ。

その手紙を暫く眺めた後大切に大切に宝箱の中に仕舞った。

その後ベットに沈み込み思い出す…手紙を受け取った時を…


京太郎は長野生まれてではなく大阪生まれだ。

といっても5歳の時に長野に来た為あまり覚えていない。

唯一覚えてるのが手紙の件だけだった。


近所に大きな病院がありそこの手入れされた中庭が京太郎のお気に入りの場所だった。

3日後に引越しをすると言われ京太郎は最後にとここに来ている。

何時も通りにのんびりしていると近くの窓が開いた。

そこから同じぐらいの女の子が顔を出し嬉しそうに風船を空に放した。

それを眺めていると少女と目が合った、少女は笑顔で京太郎を見ている。

その笑顔は本当に輝いていて京太郎は気恥ずかしげに風船へと目を戻す。

風船は見る見るうちに小さくなっていった。


結局その子と話をせず京太郎は病院を後にする。

3日経ち京太郎は長野へと向かう車に乗り込む、暫くボーと外を見ていると見つけてしまった。

見てはいけないものを…

京太郎は親に車を止めてもらうと走り出す、行き先は公園だ。

公園のゴミ箱に近づくとあった…赤い赤い萎んだ風船に手紙がついている。


京太郎は親の制止を聞かずゴミ箱に手を突っ込み風船と手紙を取り出した。

あの子ので間違いないだろう…そう思うと京太郎は悲しくなった。

あの子の笑顔を思い出す、あの顔が悲しみの変わるのを見たくない。

そう思い京太郎は自分が拾うことにした。


それが文通の始まりだった。


最初は面倒だった…毎日ではないがお金もかかる、泣く泣くお菓子を諦めたときもあった

それでも親のお手伝いをしお小遣いを貰い毎月手紙をだした。

不思議とやめようとは思わなかった。




~所変わって清澄~


咲「負けちゃいましたね」

優希「京太郎…」

和「なんとかならないんですかね?」

まこ「こればっかりは…の」

久「…」


京太郎の試合を咲達は自分達の控え室で結果を知った。

5人が5人悲しそうだ、いや一人だけ違った。


久「まだ…ね」

咲「え?」


久「まだ終わってないわ!」

優希「でも…京太郎負けたじぇ?」

久「何も全国に行く方法は1つだけじゃない!」

和「あっ…もしかして?」

久「私達が勝って!須賀君を連れて行けばいいじゃない!」

まこ「あー…そうだった、そうだったな」


久が言い切ると皆が皆顔を見合わせる、理解をすると皆が笑いあう。

そうだ…自分達が勝てばいいのだ…と


久「いくわよ!」

全員「「「「おーーー!!!」」」」


今まで自分達を支えてくれた人に報いる為に5人は心を1つにしたのだった。




「次は…」

怜「…」


怜は放送を聴きながらボーと眺めていた。彼女が立っている場所は全国大会の会場だ。

あれからせめて自分だけはと頑張り全国大会の切符を千里山が勝ち取った。

嬉しい反面、彼が居ないのだと知ると悲しくなった。

それでも竜華達の為に…何より頑張っていた京太郎の為にここに立っている。


怜(でも…でも…会いたかったな)


怜が唇を噛み気持ちを抑えようとした時だった。声が聞こえた…何度も何度も動画を見返し聞いた声だ。


???「頑張れーーー!!!清澄ーーー!!!!」

怜「なん…で…?」


怜は見た…金色に輝く彼の髪を、暫く唖然とするがすぐに彼がここに居る理由に思い当たり確認の為後ろを振り向く

後ろには竜華達が居てニヤニヤとこちらを見て笑っている。

清澄が全国大会に来ることを知っていたのだろう。


怜「む~…」

竜華「アハハ」


怜は抗議の意味も込め頬を膨らませ涙目で睨む、そんな怜に竜華達は軽く笑い視線をそらした。

暫く睨むと竜華達から視線を彼に合わせる。

動画でも手紙でもない…本物の彼に…


怜は竜華達に呼ばれるまで京太郎を見続けていた。


怜「はぁ…はぁ…どこや?」

竜華「怜落ち着き…疲れて倒れてしまうで?」

怜「でも…でも…」


開会式が終わると怜は駆け出し京太郎を探し始める。

気持ちが逸る、会いたい…会いたいと

辺りを見渡し探すがホールは既に人がいっぱい居て探すのが難しかった。

それでも諦めずに探していると…



セーラ「怜ぃーーー!!!こっちや!!」

怜「!」


セーラの大きな声が聞こえた。セーラの指差すほうに、居た、彼だ…。

彼は自分達と同じぐらいの女性達と会話をしている、清澄の人達だろう。

怜は駆け出し残り10Mの距離まで近づいた。

胸が痛いほど鳴っている、それでも息を少しずつ整え京太郎に向かって歩く。

残り8M…

怜(ドキドキが止まらないわ…)


残り7M…

怜(何話そう…最初は挨拶?自己紹介?)


残り6M…

怜(あかん!何も話すこと考えてなかった!)



残り5M…京太郎が怜に気づいた。


怜は反射的に立ち止まった、そんな怜を京太郎は驚いて見ている。


どうやらあちらも自分を知っているらしい、それが無性に嬉しかった。


京太郎は怜の姿を確認するとわたわたと自分の服を弄り何かを探し始める。


そんな彼の後ろで清澄のメンバーがニヤニヤと笑っていた。


暫くすると京太郎はポケットから赤いゴム状の物を取り出し息を込め始める。


息を吹き込められ徐々に大きくなっていく…


赤い赤い風船に京太郎は紐と手紙をつけた


それを上に投げ飛ばす…風船はただ空気を入れただけなので重力と手紙の重さで下に落ちてくる


長野と大阪…本来なら届かない距離だった


でも、でもこの時だけは…この瞬間だけは…怜に届いたのだ


怜は優しく風船を受け取り抱きしめた


怜は震える手で手紙を外し広げた


最初の文に目を通す


それを見て京太郎は声をだした


手紙の文と同じ言葉を……


『はじめまして…俺の名前は……』



<手紙の行方 カンッ>



<すごいよ!姫子さん!!>


姫子「京太郎、お話があります」

京太郎「…うん?」



夜に姫子に呼ばれ来てみると姫子は真面目な顔をして京太郎に座るように指示した。

京太郎は薪を挟み姫子の前に座る。

辺りを見渡すと拠点には姫子と自分だけのようだ。

外は雨なので哩は食料庫にでも居るのだろう。



姫子「京太郎って…私ん事好いとーと?」

京太郎「…」



姫子の一切隠さない言葉に京太郎はうろたえるも正直に答える事にした。



京太郎「…あぁ、俺は姫子が好きだ」

姫子「…」

京太郎「…」



京太郎の告白に姫子は黙り込み一瞬の静けさが拠点を覆った。

京太郎が根気良く待っていると姫子が口を開く。



姫子「そかそか…間違っちなかったんだ」



姫子はどこか嬉しそうな悲しそうな複雑な表情をする。




姫子「私は恋ばした事がなかの」

姫子「京太郎ん事の好いとーとは確かばってん…」

姫子「こいの異性としてん好いとーとなのかわからなか」


京太郎「…」


姫子「そいけん京太郎ん想いは受け取れなか」

京太郎「そっか…そか」



京太郎はショックを受けた…胸が引き裂かれるように痛い。

それでも姫子の前で泣かないように我慢をする。



姫子「でも…京太郎ば誰かに取られたくなかとも思ってるっ」

姫子「断っておいて勝手すぎっぎ思う…そいけん妥協点ば作ったばい!」



京太郎「…妥協点?」

姫子「はい!」



そういって姫子は前もって準備をしていたであろう物を京太郎に渡した。

京太郎は受け取るとそれを眺める…

色々な角度から眺める…どうみてもこれは…



京太郎「…首輪?」

姫子「うん」

京太郎「どうしろと…?」

姫子「私につけて?」


京太郎「…」

姫子「…」


京太郎「意味ガワカラナイ」

姫子「恋人関係が無理ならご主人様とペット関係に」ポッ

京太郎「(発想が)すごいよ!姫子さん!!!」







そういって姫子は頬を赤く染め両手を頬にあて体をくねらせる。

あ…照れてる姫子も可愛いな~と軽く現実逃避をしつつ京太郎は考える。



京太郎(恋かわからないから受け止めれない…うん、それはわかる)

京太郎(でも取られたくないと想っている…独占欲を俺に向けてくれてるって事だよな)

京太郎(妥協点…俺を自分の都合で振り回したくないって事か…理解は出来る)

京太郎(その妥協点がご主人様関係ってなんだよ!?)


京太郎(あれれ???取られるのが不安だから俺の物になる???)

京太郎(意味がワカラナイ…ワカラナイ)



京太郎は頭がクラッシュしそうなぐらい考える。

それでもわからない。

暫く呻っているとある事に気づいた。






京太郎「…姫子、1つ確認したい」

姫子「…何?」



京太郎は姫子に近づくと手を姫子の頬に当てた。

それに対して姫子は体をビクリと震わした。



京太郎「俺と肌を重ねる事に大してはどう思ってる?」

姫子「っ!よ…よかよ、問題なか」



姫子は少し顔が強張り体は震えている…それでも強い目で京太郎を見る。

姫子の反応で京太郎は理解した。


京太郎(つまり…姫子は…)


<両方成功>


京太郎「怖いんだ…な」

姫子「…っ、そ、そんな事…」



姫子が慌てて否定するも京太郎は理解した。



京太郎(なるほどね…無人島の生活に置いて俺はある意味生命線だろう)

京太郎(今までは良かったがモモの出現により俺が<取られる>もしくは<裏切る>可能性が出てきた)

京太郎(俺がモモに着いていったら?姫子達が一緒に来る確立は?)



京太郎を取られたら姫子達は生活が大変になるだろう。

ある意味今回の事は京太郎を<縛る鎖>のようなものなのだ。

姫子は自分を犠牲にして京太郎を縛ろうとしている。



京太郎(意図してやってないんだろうな)

京太郎(どれだけ信頼関係を築こうも結局は日が浅い他人だ)

京太郎(どうしても、心の底で裏切るのではという不安が付きまとう)



姫子と一緒になったのもまだ、10日ほどだ…心の底から信用なんて早々出来ないだろう。

ただでさえ不安な無人島での生活の中なのだ。





京太郎(俺の事を好きだと言ってくれたのは本当だろうなー…)

京太郎(好きだと言う感情と裏切るかもという感情)

京太郎(それが無意識で鬩ぎ合った結果がご主人様 -裏切れない関係- か)

京太郎(本来なら時間をかけて恋心を育てていくはずがモモ -天敵- が来た事により心が暴走したと)



ただでさえ初めての感情を抱き苦しんだであろう。

苦しみ不安になり心が不安定になる、結果焦りが募り心が暴走…そしてこの結果である。

京太郎はため息をついた。



京太郎(あー…姫子に迫られて嬉しがってる場合じゃなかった)

京太郎(しっかりと見てないといけなかったのに…)

京太郎(哩も言ってたじゃないか!姫子は恋をした事がないって!!)



京太郎が長い間喋らず難しい顔をしていると姫子は不安が増してしまった。

京太郎の考えていることを知らない姫子は最後のため息で不安は頂点に達した。



姫子「きょ、…京太郎~…」


京太郎「!」



姫子は遂に泣き始めてしまう。

京太郎はしまったと思ったが遅かった。





姫子「ごめんなさい…ごめんなさい…」

姫子「えぐっ…変、な事いって…」



姫子はポロポロと涙を流しひたすら京太郎に謝り続ける。



姫子「嫌わ…ないで…えぐっ…嫌わないで」


京太郎「あぁ…」



姫子は泣きじゃくる…

きっと姫子なりに嫌われないように必死だったのだろう。

小さい体にいっぱいの不安と苦しみを詰め込みながらも考えていたのだろう。


そんな姫子の心情を察すると京太郎自身胸が苦しくなる。

さきほど恋人関係になれないと言われたとき以上に…


そんな姫子を京太郎は優しく抱きしめる。

体が勝手に動いていた。

否、こうしなければいけなかったのだろうと京太郎は思う。




抱きしめて改めて姫子の小ささを知った。





京太郎「謝るのはこっちだ…」

京太郎「ごめん、しっかりしなきゃいけないのにな」

姫子「ぐすっ…」

京太郎「俺はどこにも行かないし…不安がなくなるぐらい愛してやる!」


姫子「ぐすん…わ、私が京太郎ん事好いとーなっかわからんよ?」

京太郎「惚れさせてみせる!」



京太郎の力強い宣言に姫子は心が温かくなった。



姫子(さっきまで悲しかったのに…今は心と体がポカポカすっ)

姫子「京太郎…」

京太郎「…姫子」


2人の顔の距離が近づいていく…残り20cm、10cm残り……

<哩にゃん>



哩「ひ、姫子…これでよか?」


京太郎「…」

姫子「…」



そこにタイミングよく哩がやってくる。

2人は顔を見合わせ哩の方へと視線を向けると…


哩は顔を真っ赤にしてもじもじとしている。

ただし耳になぜか猫耳を付けお尻の方からは尻尾が見える。



姫子「忘れてた」

京太郎「oh…」

哩「あい…」



2人との温度差に哩が気づいたのだろう。

暫く抱き合っている姫子と京太郎の顔を交互に見る。

哩は顔を少し引きつらせると隅っこに移動し膝を抱えた。



京太郎「どういうこと…」

姫子「私胸なかし…2人ならと部長にも…」

京太郎「悲劇だ」



哩のほうから泣き声が聞こえてくる。

どんな原理かわからないが耳は垂れ尻尾も地面にぺたりとついていた。






京太郎「はぁ…慰めてくる」

姫子「お願い」



京太郎は姫子を離すと哩に近づく。


哩「なしてー…なしてー…いつもこぎゃんばっかりかー」

京太郎(すっげぇーネガティブ)


京太郎「ま、哩?」

哩「ほっといて…」


京太郎「いやいや…ほらよく似合ってて可愛いよ!」

哩「ほんなこて…?」ぐすん



京太郎の言葉に反応し哩が顔を上げる。

目の端には涙が見える…ガチ泣きだった。


そんな哩を京太郎は頭を撫で慰める。

哩も最初は戸惑うも次第に受け入れる。



哩「その…もっと、もっと頼む///」

京太郎「あぁ…」



顔を赤くしながらも哩は懇願する。

それを見てやっぱり可愛い!と思いながらも撫で続ける。


哩のネコミミがピンと上を向き尻尾も揺れ始める。



哩「えへへ~///」

京太郎「うん、可愛いな」



次第に体を火照らせ京太郎に枝垂れ掛かる様に体を寄せる。

女性特有の柔らかさといい匂いが京太郎の心をくすぐる。

京太郎は哩の腰に手を伸ばし抱き寄せようと…


京太郎は必死の思いで腕を止めた。

ここで流されれば姫子を余計に傷つける。

だが…



哩「京太郎…?」


京太郎「っ!」



そんな京太郎の心の内を知らない哩は甘えるように…艶のある声をだす。

頬を赤く染め、目を潤ませる…表情が…香りが京太郎の理性を溶かしにかかる。


哩の全てが京太郎<男>を誘っている。

京太郎は知らず知らずのうちにごくりっと唾を飲み込んだ。


京太郎の腕が伸びていき………



背中から衝撃が走った。



京太郎「おぅ!?」

姫子「部長ばっかこすいです」

哩「姫子も一緒に構ってもらえばよかよ」

姫子「そうですね…んーぬっか♪」



京太郎の背中に姫子が抱きついてくる。

姫子もまた甘えるように声をだす。



京太郎(なんだこれ…理性がはち切れそうなんだけど…)


哩「京太郎…」

姫子「京太郎…?」


京太郎「姫子を振り向かせる前に俺が堕ちそう…」


2人の甘えるような甘美な声を聞きつつ哩姫との夜は深ける。

京太郎の理性が勝つか…姫子を落すのが先か…神のみぞ知る。







~無人島のどっか~


小蒔-神様-「知らんがな」

霞「こ、小蒔ちゃん!?」

初美「姫様!?」


<すごいよ!姫子さん!!+哩にゃん カンッ!>

<温泉を探そう(2/5)>


京太郎「………」

哩「どげんした?」

姫子「どげんしたと?」


寝る前のミーティングを開始しようと思ったときだった。

京太郎は何も喋らず沈黙をしている。

そんな京太郎に哩姫の2人は疑問を抱き声をかける。



京太郎「いつまでくっついてるの?」


哩姫「「ずっと」」


京太郎「…もういいや」



先ほどの件があり哩姫はずっと京太郎に抱きついたままだった。

京太郎はどうしたものかと考えるが1秒で考えを放棄した。



京太郎(役得だしいいや)


京太郎「ってそうじゃなくて…温泉を探さないと」

哩「といってもなー…」

姫子「自然に出来よる温泉なんて見つけたこつなかし…」

京太郎「まーなー…」



姫子の意見も尤もだ高校生の自分達に探せるような物じゃない。

とりあえず湯気とか地面が暖かくなってる所を探そうという結論にいたった。



京太郎「…寝る時もこのままなの?」


哩姫「「ぬっか…」」



<姫子と掃除>


京太郎「手伝うよ」

姫子「うん♪」



朝食を終え京太郎が拠点に戻ると姫子が掃除をしていた。

京太郎は姫子に手伝いを申し出ると姫子は嬉しそうに承諾する。



姫子「~♪」

京太郎「機嫌いいな」


姫子「京太郎と一緒そいけんね♪」

京太郎「…」



姫子のストレートな言葉に京太郎は顔を少し赤くするも嬉しそうに微笑んだ。

その後、2人は一緒に掃除を楽しみました。




<警邏+成長イベント>



京太郎「治安維持は大切だな」



京太郎は今日も今日とて拠点の周りを警邏する。

なるべく動物が近づかないようにわざと音を出し歩いていく。

時たま木などに手を当て自分の匂いを付けるのも忘れずに行った。



京太郎「…」



そのまま何事もなく砂浜を歩いていると休憩出来そうな所があり、休憩をする事にした。

京太郎は木下で座り海を眺める。

波の音がよく聞こえる。


京太郎は目を瞑り波の音を聞くことに集中した。

次第に次第に思考の奥深くに意識が沈む。



京太郎「いろいろあったなー…」



独り言を呟く。

本当にいろいろあった…姫子を助け、熊と戦い、遺跡調査の時には哩とも会った。

その後は大盾の英雄と戦い記憶を見て……モモに出会い、姫子への告白…


ここ最近の事を思い出す。



京太郎「少しは成長できたかな?」



自分自身に問うたが答えはわからなかった。


京太郎は暫くボーと海を眺めた後立ち上がり拠点へと戻っていく。



<哩姫と会話>



京太郎「…」フーフー

哩「ちょうどよかね」

姫子「ちかっと狭いですけどね」



何時も通りのお風呂の時間、哩姫と京太郎はドラム缶の前にいた…

否、ドラム缶の前に居るのは京太郎のみだ。


京太郎はなるべく上に意識がいかない様に火の調整をする。

今現在哩姫の2人が一緒にドラム缶風呂に入って居る為だ。

京太郎(どうしてこうなった…)


哩「薪の節約にもなっしいいな」

姫子「水も少なくてすみますね♪」


哩「今度は京太郎も一緒に…」

姫子「そ、そいはまだ無理です!部長!!///」

哩「ほ~へ~…<まだ>ね?」

姫子「あぅあぅ…///」


京太郎(ナニコノ生殺し)


暫く京太郎の生殺しは続く…


<森で虎と遭遇>



京太郎「ここ日本だよな?」


虎「GURUUUUUU」



京太郎がペンライト片手に食料を探していると目の前に虎が現れた。

なんで虎がいるんだよと軽く現実逃避するも相手は襲う気満々である。


京太郎は汗が吹き出るのを感じた。

暗い暗い森の中で1人…いつも見たいに戦えないだろう。


京太郎(どうしよう…)



京太郎はスコップとライト片手に警戒を強くする。


<戦う>


京太郎「ふぅ~…やってやる」


虎「…」



1度パニックに陥りかけたがなんとか心を落ち着かせる。

待ってる人もいるのだ、ここで死ぬわけにはいかない。


京太郎は冷静に相手を常に視界にいれるようにする。

ただでさえ京太郎の視界は最悪の状態なのだ、見失ったらやられるだろう。


1人と1頭の間に沈黙が下りた。


少しの間お互いが止まっていると虎のほうから動き出す。

虎はすぐに襲ってこようとせず京太郎の周りを回る。

京太郎の常に前に虎が来るように移動する。


虎「!」

京太郎「来るか!!」



虎が姿勢を低くし足に力を溜めた。

一気にやるつもりだろう。


京太郎「俺は…!!!!」



京太郎「甘い!!!」

虎「!?」



虎が自慢の脚力でこちらに飛びかかってくる。

今までの相手ならそれで十分だっただろう。

だが…今回は相手が悪かった。


京太郎は冷静な反応と相手の動きをしっかりと読み切り

虎の下に潜り込むと最強の一撃を虎の腹にぶち込む。



京太郎「うぉぉぉ!!!」

虎「GAッ!?」



人の力とは思えない筋力で京太郎はそのまま虎を木に向かって投げとばす。

虎は動揺のせいかバランスを取る事もなくそのまま背中から木にぶつかった。

虎は悶絶し暫く立ち上がれずに悶える。


そんな虎を京太郎は落ち着きを保ちながら見据える。

慌てて攻撃して反撃を受けない為だ。

相手の機会を窺う。


虎はゆっくりと立ち上がり京太郎を見た。


京太郎の強い意志が篭った目を見て虎は怯んだ。


虎「……!」


京太郎「あっ…!」



虎は踵を返すと森の中へ逃げようとする。


京太郎(どうする?逃がすか?ここで倒すか?)


<逃がさない!虎:逃走成功>


京太郎「逃がすか!!!」

虎「…ッ!」ビクッ



ここで逃がさないように京太郎は足に力を入れ駆け出す。

そんな京太郎に虎は必死に追いつかれないように逃げ出す。



京太郎「まてや!!」

虎「!!」ビエーン



京太郎が虎に向けた一撃が外れ岩に当たる。

岩はプリンのように容易に砕け散った。


岩を軽々壊した京太郎に虎は更に怯える。

人だったら泣きじゃくってるだろう。



京太郎「くっ!」

虎「ヤメテー!」



京太郎は思うままにスコップを振り回しながら虎を追いかける。

虎も蛇行をしながら京太郎の追跡を振り切ろうとした。



鬼ごっこは30分ぐらい続いただろうか?

流石の京太郎も疲れてしまい足を止めた。



虎はその隙をついて更に森深くに逃げていった。



京太郎「はぁ…はぁ…ちくしょー!怖かったんだぞ!コノヤローー!!!」



京太郎の叫びが森の中に響いた。

その叫びに答える者もいなく、京太郎は食料を持って拠点に帰っていった。




桃子「…クレイジーっす」スゥ~


京太郎が居なくなった後、散歩に出かけていた桃子が姿を現し顔を引きつらせていた。



虎を撃退?しました。


暫くの間 虎は京太郎の前に現れないでしょう。

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最終更新:2026年01月14日 21:52