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<温泉を探そう!(3/5)>


京太郎「温泉を探そう…」


哩「何時もん事やね」

姫子「ん~以外に拠点に近くにあったり?」


京太郎&哩「流石にないな」

姫子「そうだよね」



3人が拠点で温泉を夢見ながら談笑をしている。

その後もここにはなかった等と報告をしあいそのまま眠りについた。


拠点上温泉「…」







憩「こんにちはーぁ♪」

京太郎「…」



京太郎が森で木材を集めてると突如目の前にナースが現れた。

ナース服を着た女性は京太郎の素敵な笑顔で挨拶をする。



京太郎「こ、こんにちは?」

憩「挨拶は大事やねーぇ」


京太郎「…そうですね」


憩「ウチは荒川 憩いいますぅー」

京太郎「ご丁寧に…俺は 須賀 京太郎です」

憩「よろしゅうな」

京太郎「えっと…よろしく?」




憩のマイペースな応答に京太郎は困惑してしまった。

そんな京太郎を憩は置いてきぼりにしていく。



憩「それじゃ京太郎の拠点にお邪魔させてもらうわ」


京太郎「どういうことなの」

憩「皆の邪魔せんし場所もいらんからなー♪」

京太郎「どこで生活するの」

憩「秘密や♪」


憩「それじゃ用あるときは呼んでなー!」

京太郎「説明してよ!?」



そういって憩は京太郎の拠点に歩いていく。


その後京太郎が拠点に戻るも憩はどこにおらず…

呼んでみると どことなく現れるという不思議な人が住み着いたとか…


京太郎「…」

哩「立ち止まってどげんした?」



2人は今森の奥に来ていた。

新たな探索場所を探す為である。


2人で探していると京太郎がいきなり立ち止まった。

それに哩は不思議がり京太郎の前に立つと下から京太郎を見上げる。



京太郎「ッ…あぁごめん」

哩「そいはよか…そいでどげんしたの?」


京太郎「ここさ…英雄の記憶にある場所なんだ」

哩「あぁ…」



京太郎と哩を迎え入れるように<笹の音>が聞こえてくる。

今二人の前には竹やぶが存在していた。



京太郎「嫁さんに竹細工で作った髪飾りとかプレゼントしてさ…」

哩「…」



京太郎は自分の事ではないのに…なんだか悲しくなる。



哩「…京太郎も作っちみる?」

京太郎「俺も?」

哩「私と姫子の分」


京太郎「そうだなー…今度作ってプレゼントするよ」

哩「楽しみにまっとうと」



そういって2人は暫くの間 笹の音をBGMに談笑を続けた。



<哩姫と会話>


憩「お風呂とか久々やねー♪」

姫子「日本人の命やね」

哩「ストレス解消にもなっしな」


京太郎「普通に憩さん混じってるね」


4人?で今日も風呂の準備を始める。

入る為に一苦労するがやはりお風呂には入りたいものだ。

京太郎は川でもいいのだが哩姫の二人はお風呂がいいと曲げなかった。



姫子「…臭いとか気になっしね」もじもじ

哩「流石に京太郎ん前で汚いのは…」


京太郎「…いつもいい匂いだし気にしなくてもいいのに」ポツリ


哩姫「「それでも嫌!」」


憩「乙女心は複雑なんよー♪」



<森で食料調達>


京太郎「流石に昨日今日で動物に会ったりとかはないか」


京太郎が森で食料を採っていると特に何事もなく終える。

心なしか動物が寄ってこない気がする。


桃子「あんな目に会えば誰も近寄らないっすよね」



<温泉を探そう(4/5)>


姫子「ないねー」

哩「ないなー」

京太郎「やっぱりないのか」


3人は毛布の上でまったりとしている。

特に話題もないので転がる。


姫子は転がり京太郎にくっつきまた離れる。

哩も同じようにしている。


京太郎は特に気にせずのんびりと薪を見つめた。


姫子「簡単には楽できんね」

哩「流石にな」

京太郎「しょうがないっちゃしょうがないけどさ」


<哩と警邏>


京太郎「こっちは問題ないな」

哩「こっちもよかよか」



京太郎と哩は2人で柵を点検している。

木と縄を繋げているだけなので壊れやすく日々の点検が必要なのだ。

今日も今日で2人は柵を補強していく。



京太郎「あ~…ここ齧られてる」

哩「何ん動物やろ?」

京太郎「虎ではないのは確かだな」

哩「虎って…ここ日本だぞ?」

哩「居るわけなかと」


京太郎「…」

哩「え、居るの?」

京太郎「夜に出会って追っかけた」

哩「そいは…ん?」

哩「追っかけれられたそいぎなく…追っかけた?」


京太郎「おう」


哩「…(クレイジー)」


京太郎「どうかしたか?」

哩「なんでもなか」


<姫子と竹やぶ>


京太郎「こんなもんかな」

姫子「京太郎、何作ってるの?」



竹やぶで2人は探索をしていた。

その途中で京太郎が座り込み何かをしている。

それが気になった姫子は後ろから覗き込むように見る。



京太郎「ん、これ」

姫子「え?」



京太郎は手元にあった<髪飾り>を姫子の頭につけた。

姫子は訳がわからず頭に手を触れる。

触れたところにある髪飾りに気づき少しずつ嬉しそうにはにかんだ。



京太郎「不恰好だけどな」

姫子「…」


姫子「ありがと…京太郎///」

京太郎「お、おぅ…///」



2人は気恥ずかしげに視線を逸らす。

二人とも顔が真っ赤だった。



その後2人は手を繋ぎ帰ったのを哩に見られたとさ…


哩は何だコイツらみたいな顔をしていたとか。



<哩姫と会話>


姫子「えへへ~♪」

哩「…」



お風呂の時間の時に姫子は嬉しそうに頬を染め体をくねらせた。

そんな姫子を哩はただただ見ている。

丁度京太郎が薪を取りにいってるタイミングでの出来事だ。



哩「嬉しそうだな」

姫子「はい!嬉しいです」



哩の言葉に姫子は本当に嬉しそうに答える。

ご機嫌の理由は髪につけている竹細工の髪飾りのせいだろう。

帰ってきてからも時折頭に手を持っていき触れている。



哩(…もう付き合ってるごとしか見えんんばってん)

姫子「~♪」



哩は心の中でそう思いながら無意識に自分の頭の上の竹細工の髪飾りに触れていた。

戻ってきた京太郎はニヤケている2人を見て困惑した。



<憩と会話>



京太郎「よっす」

憩「ふにゃ~…こんばんはーぁ」



京太郎が拠点に戻るとふやけている憩に出会った。

お風呂上りなのだろう顔が赤くだれている。



京太郎「幸せそうだな」

憩「今までお風呂に入れてなかったからな~」


京太郎「そっか…」

憩「1人だと大変なんやで?」



その後憩と京太郎は暫くのんびりした。



新道寺シナリオ2章-走れ!京太郎!!-




京太郎「はぁ…はぁ…」



森々と茂る森の中を京太郎は速度を一切落さず走り抜ける。

時折動物も見かけるが京太郎の形相と速さに驚き誰もが逃げる。


彼此2時間近く走っているが京太郎は一向に速度を落さない。

否、落せないのだ、彼には時間がなかったのだから…



ことの始まりは朝起きたときだ。

具合を悪そうにし顔を真っ青にした哩が居た。

前にもあったような状況だったが今回は違った。

哩の体は冷たかった…京太郎はこの症状に覚えがある。


英雄の記憶に残っている風土病の一種とわかった。


この病になると体温を取られ死に至る。

哩の症状を見るに1週間も持たないだろう。


京太郎は姫子、憩と話し合い、治すために必要な薬草を取りに出かける。

時間との勝負だったので京太郎1人で向かう事にする。

向かう先は西の部族の遺跡だ。


そこだけに生えている特殊な草が必要なのだ。

故に京太郎は足を止めずに森を走り抜ける…






京太郎「ここか…」



京太郎は黄昏時にそこについた。

京太郎の目の前には大きな大きな木が生っており、そこの一部に穴が開いている。

人一人が余裕で入れるぐらいの大きさだ。


西の部族の<元住処>だ。

彼らは自然に生き自然に死ぬといった変わった部族であった。

森と供に生き死んでいく…病に罹っても自然に治す、薬などは使わない

天命としてそれを受け入れるのだ。


武器も持たず、服も着ず、争いも好まない変わった部族であった。



京太郎はライトを点けると休憩をそこそこに足を踏み入れた。




京太郎が通路を歩いていると突如鉄の臭いが鼻にささった。

少し顔をしかめ面になるも鼻を押さえ歩いていく、すると…



京太郎「うっ…」



通路の先に赤い赤い血が見えた。



京太郎は涙目になりながらも進むと<それが目の前に現れる>。


地面から無数の槍が飛び出しており1人の少女?を串刺しにしていた。

無残にも所々が槍で貫かれ服は真っ赤に染まっている。


京太郎は自分もこうなるかも知れないと思い少し青ざめる。

本来なら彼女をしっかりと埋葬してやりたいのだが京太郎には時間がない。


しょうがなく少女の死体の横を通り抜ける…



京太郎「あれ…?」



抜けようとしてある事に気づく。

少女の服に見覚えがあったのだ。


新道寺の制服だった…


京太郎は顔を真っ青にした。

それでも確認をしなければと少女の正面に立ち少女の項垂れている顔にライトを合わせた。



京太郎「花田…煌…さん?」



特徴的な髪の毛ですぐにわかる…新道寺の先鋒で優希と和の先輩であった。


<花田煌>だ。



京太郎「なんてことだ…」


京太郎は顔に手を当てふらついた。

気分が悪くなり少し体を伏せる。

息を整えていると…声がした。



???「だ、大丈夫ですか?」

京太郎「少し気分が悪くなってしまって」

???「それはいけませんね」

京太郎「少しすれば大丈夫だと思います」

???「そうですか…男の子は強いですね…すばらです!」


京太郎「いえいえ…そん…な…」


京太郎「…」

???「いかがなさいましたか?」



京太郎は冷静になった…自分は誰と喋っているんだ?


恐る恐る顔を上げる…



串刺しにされて死んでたはずの<花田煌>と目が合った。

彼女は京太郎の視線に気づくとにっこりと笑いかける。



京太郎「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

煌「スバッ!?」



遺跡内部に京太郎の悲鳴が響き渡った。



~少女説明中~



煌「かくかく」

京太郎「まるまる」



京太郎「つまり…オカルトのせいで死ねなくなったと?」

煌「そのようです」


煌「岩に潰されても、熊に食われても時間が経てば元通りに…」

京太郎「なんつー不死身生命体」


煌「死なないのはいいんですけど…このように身動きが取れなくなると」

京太郎「…無力ですか」

煌「出来れば助けてくれませんかね?」

煌「痛くて痛くて…」

京太郎「むしろ発狂物だと思うんだけどな」



京太郎は現実逃避をしつつ槍を一本一本折っていく。

煌は動けるようになると自分の体の槍を引き抜いていく。

見てるだけで痛そうだ。


それでも気になり少し見ていると…

確かに体に空いた穴が少しずつ塞がり元通りになる。






煌「は~痛みがないのはいいですね」

京太郎「本当にすごいな」



煌はなんともなかったかように笑顔で言い切る。

そんな煌に京太郎は顔を引きつらせた。

もしかしたら一番怖い人かも知れないとも思った。



煌「あぁ…忘れてました…私は<花田煌>と言います。新道寺の2年生ですね」

京太郎「俺は清澄高校1年の須賀京太郎です」



お互いに今更ながら自己紹介をした。

煌は清澄?と呟いた。


和と優希と一緒の高校なのだ反応して当然だと思った。


煌「もしかして麻雀部?」

京太郎「えぇ…和と優希と同級生です、ついでに姫子と哩とも知り合いですよ」


煌「おぉ~…!姫子さん達も無事でしたか!」



煌は目を輝かせた。

京太郎は苦笑していると哩という単語で思い出す。

急がなければいけない…



京太郎「…急がないと」

煌「?何かあるんですか?」

京太郎「歩きながらでいいですか?」

煌「えぇ…お願いします」



京太郎と煌は歩きながらお互に情報を行った。


<1の部屋>


京太郎達が進んでいくと通路が終わり部屋が現れた。

そこは広場のようでただただ木が生い茂っているだけだった。



京太郎「…木の中だけあって複雑だな」

煌「ん~足元が不安でスバラくないですね」



所々根っこが飛び出し歩きづらかった。

それでも2人は気をつけながら進んでいく。


京太郎「さて…どうするか」


京太郎「先に進もう」


<9の部屋>



京太郎「…祭壇?」

煌「今までと違って人の手が入った感じがしますね」



京太郎達が次に訪れたのは行き止まりの部屋だった。

祭壇に見えるようなものがあり、周りにはゴミのような萎れた物がたくさんあった。



京太郎「さてどうするか…」



京太郎「…」

煌「何かわかりましたか?」



京太郎は祭壇周りの萎れた物体に目を向ける。

暫く色んな角度から見たり棒で突っついたりしてみる。

暫くすると なるほどなぁと呟いた。



京太郎「果物に何かの動物の屍骸かな…食い散らかされていてよくわからないけど」

煌「…果物は良いとして動物ですか…」



煌の顔が曇る、大方人を想像したのだろう。

京太郎も同意見ではあった。

ただ量が多く人をこんなに捧げるのは非常識だと思い、動物だと思い込んだ。

思い込みたかった。


京太郎「これ以上見ないほうがいいな」


京太郎「さてどうするか…」



<2の部屋>



京太郎「…居住区?」

煌「物が無さ過ぎてなんともいえませんね」



京太郎達が進んでいくと居住区らしき所に行き着く。

2人はあたりを見渡すが生活品らしきものがまったくなかった。

部屋がいくつもに分かれているだけである。



京太郎「どうするか」

京太郎「これは…」

煌「なんですかね?」



2人が探索をしていると壁に何やら描かれている。

いや…木の中なので正確には刻まれていた。


真ん中に1人の女性?らしき人物が立っており、その周りを大勢の人が拝んでいる。

それだけならいいのだが…女性から外れるほど人が倒れており萎れているように見えた。



京太郎「…嫌な予感がする」

煌「同感ですね…」



2人は壁を見て嫌そうな顔をした。

先ほど祭壇で見た萎れた物体を思い浮かべてしまったのだ。


京太郎「…女性が何かを持っているな」

煌「絵だけではなんとも言えませんね」

京太郎「さてどうしよう」

京太郎「…あれ?」



煌と別れ京太郎は壁を見続けていた。

すると気づいた事があった。


女性の後ろ辺りに書かれている男性に見覚えがある。



京太郎「…ルフクトゥじゃね、こいつ」



京太郎はものすっごく嫌な顔をした。

1人だけ服を着ている男性がルフクトゥにそっくりなのだ。



京太郎「という事は…女性が持っているのは<黄金>か」

京太郎「あいつは、何を企んでいるんだか」



京太郎は頭をポリポリと掻き煌と合流すべく歩き出す。


<通路イベント>


京太郎「それにしてもなぜ…罠が…」

煌「侵入者対策では?」

京太郎「ここに限ってはありえないんですよ」

煌「?」



不思議がる煌に京太郎は細かく西の部族の事を教える。

煌はそれに相槌を打ちながら聞いている。



京太郎「争いを好まず、武器等の道具も使ってない彼らがあんな罠を作るはずが無い」

煌「なるほどなるほど…それにしてもよく知ってますね?」

京太郎「いろいろあったもので…」

煌「…」


京太郎の悲痛な顔に煌は深い事情があるのだと理解し黙る。

そこで会話が途切れた。

二人はひたすら道なりを進んでいく。



煌「先ほどの話なのですが…この部族はどうやって生き残っていたのでしょう?」

京太郎「…というと?」

煌「他にも部族が居るということは争いが起こるはずです」

煌「武器も持たない彼らはどうやって…」



煌が京太郎に疑問をぶつけた。

京太郎はあぁと短く言葉にすると喋りだした。



京太郎「<魔術>の行使が得意だったみたいです」

煌「ま、魔術?」

京太郎「それも火や水を操るような物でなく<精神>に作用する類で…一種の催眠術ですかね?」


煌「なるほど…それで襲われなかったのですね」

京太郎「人を操る…怖いですしね」

煌「<心を強く>持っても駄目なんでしょうか?」

京太郎「あー…どうでしょう?<心で勝てれば>いけると思いますけど」




受けた事ないですしねーと京太郎は煌に答える。

そうこうしていると次の部屋に辿り着いたみたいだ。


京太郎(罠はルフクトゥの仕業っぽいな)


<7の部屋>


京太郎「森の中に泉とか…」

煌「メルヘンですね」



2人が部屋に入ると最初に目が入ったのは<泉>だった。

木の隙間から流れ出し小さい小さい泉を作っている。


京太郎「ん…水がよく澄んでいる」

煌「飲んでも平気ですかね?」


京太郎「大丈夫だと思いますが喉が渇いたんですが?」

煌「血を流しすぎたんで」


京太郎「…あぁ」



京太郎は顔を引きつらせながら水を美味しそうに飲む煌を見ていた。


京太郎(俺はどうしようかな)

<飲まない>


煌「飲まないんですか?」


京太郎「俺は…自分で持ってきた分を飲みます」

京太郎「まだ余ってるんで」


煌「…そうですか、美味しいのにもったいないです」

京太郎「煌さんが独り占めですね」

煌「すばら!と言いたいですが、美味しいものは分け合いたいものです」

煌「幸せの独り占めはいけないと思いますし」

煌「何より寂しいだけですしね」


京太郎(聖人だな)



京太郎「さて…ここにも無いみたいですしもっと奥に行きましょうか」

煌「了解です!」



京太郎達はその場を後にした。


煌は最後にチラリと泉を見つめて…


<拠点>


哩「…姫子」

姫子「…よかです」



哩「そんな顔で言われても説得力なかよ」

姫子「…えへへ」


姫子は哩の面倒を見ながら顔を曇らせた。

憩も居るとはいえ京太郎が長時間居ない事は初めてだった。

姫子は不安を募らせながらも哩の面倒を見ている。


すると…







姫子「!」



外から複数の足音が聞こえてくる。

姫子はそれを聞くと寝ている哩を横に鍵を握り締め 入り口を睨む


姫子「…京太郎」



姫子と哩にとって長い長い夜が来る……



<奥の部屋>



京太郎「ここは…」

煌「綺麗ですね」



2人が最奥に辿り着く。


そこは上が吹き抜けになっており月光が注ぎ込んでいる。


真ん中にはまた泉がありその中に多数の草が揺らめいている。


京太郎「あった」

煌「泉の中の草がそうなんですか?」

京太郎「あれが<薬草>です」



そういって二人は薬草を取るべく歩いていく。

次第に泉に近づくと、泉の上に人影が見えた。



京太郎「…」

煌「…」



2人は立ち止まり<ソレ>を見上げた。


<ソレ>は多数の木の枝に絡まれていた。

髪の毛や体毛は無く、体つきから女性とだとわかった。


だが…その女性らしき物は目と口を縫われていた。

口からは新しいと思える血が滴り落ちている。


京太郎は<良く出来たマネキン>のようだと思った。

腕を胸の前で交差させこちらに顔を向けている。



京太郎は勘からかその場でスコップを構えた。



煌「京太郎君?」

京太郎「…来る」



京太郎の呟きに反応したかのか<ソレ>はいきなり動き出し手を京太郎に向けた。








京太郎「…」

煌「う、動いた!」



動いた縫われた女性を見ると煌は驚き後ろに少し下がった。

京太郎は一歩も引かずに相手をの動きを読もうとしていた。


縫われた女性「アァァァァァァァァァアアアアア」


京太郎「くっ…なんだこれ」

煌「頭が…」



縫われた女性が開かない口で声を上げる。

悲鳴のようなソレを聞いた二人は頭を抱えた。





京太郎「ここは…?」



京太郎が見渡すと部室のようだ、何時の間に俺は帰ってきたんだと混乱する。


暫く呆然としていると扉が開いて部長達が入ってくる。



京太郎「部長!咲達も!」



京太郎は喜び手を振るが久達は見えてないのか京太郎を素通りして椅子に座る。



京太郎「部長?」


久「はぁ~…やめてくれないかしらね」

京太郎「え?」

まこ「ほんとにの」

優希「麻雀弱いくせに」

和「やる気あるんでしょうか?」

咲「京ちゃん空気読めないところあるから」


京太郎「…俺?」



京太郎は嫌な予感がした…すぐに離れなければと思うが足が動かない。



久「初戦敗退でよく部活に顔出せるわね」

まこ「恥ずかしくないのかの?」

優希「クラスでも噂になってるじぇ?」

和「あぁ~…あの噂ですか」

咲「あれ、嫌だよね」



京太郎「…」


和「私達が須賀君を囲っているという奴ですね」

優希「なんで私達が…」

咲「京ちゃんがやめないだけなのにね」

久「そのせいで校長や教頭にも言われるのよね」

まこ「女性5人に男性1人だしの、変な噂は立つか…」

久「空気読んでやめてくれないかしらね…須賀君」


京太郎「…」





京太郎の前で咲達が次々に京太郎を責めるように会話をしていく。


京太郎は暫く呆然となった。


だが…



京太郎「あぁ…嫌な攻撃する奴だな」

京太郎「このぐらいで折れるかよ…姫子の冷たい視線はこれ以上だぜ?」


京太郎の心は壊れない。


京太郎「今度は何だ」


姫子「きょ、京太郎…?」


京太郎「!」



京太郎は拠点に戻っていた。

目の前の拠点は火がつけられ赤く赤く燃えている。

そして…姫子が血だらけで倒れている。



京太郎「姫子!」


姫子「げほっ」



京太郎は姫子の傍に近寄り抱き上げた。

姫子の服と体は所々破れ食いちぎられていて助からないとわかった。



姫子「…なんで…なんで助けてくれなかったの?」

京太郎「…」

姫子「ずっ…と…ずっと待ってたのに…」


姫子「嘘吐き…嘘吐き」


京太郎「…」


姫子「嘘吐き…嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き

   嘘吐き嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き

   嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き嘘吐き

   嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き嘘吐き

   嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き嘘吐き

   嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き嘘吐き

   嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐嘘吐き嘘吐き嘘吐き」





京太郎は血だらけの姫子を抱きながら姫子の口から漏れる呪怨をただただ無言で聞いていた。



京太郎「…」


姫子「愛してくれなかったね…嘘やったね」

京太郎「嘘じゃない」

姫子「嘘吐き」


京太郎「ほら…」



京太郎は懐からナイフを取り出すと自分の首を掻っ切った。



姫子「…!?」

京太郎「ゲホ…ごれ…げっこうづらいな…」

姫子「あ…あ…」



姫子は慌てて京太郎の首を押さえる。


京太郎「ぜってーはなざねぇ」

姫子「…京太郎」



縫われた女性「アァァァァアアアあああ」


京太郎「げほっ…あぁ…やっぱり幻覚か」

煌「だ、大丈夫ですか?」



京太郎は首に手を当てる。

そこには何時も通りに首が繋がっている。

それでも京太郎はふらつきながら立ち上がる。


縫われた女性は狂ったように叫び続けるが何も起きない。



京太郎「あぁー…肉体より精神のが辛いな…1回死んだぞ」



京太郎はそう呟きスコップを片手に縫われた女性に近づく。

縫われた女性は京太郎ではなく煌に向かって声を上げる。


声を当てられた煌は頭を押さえるがそれだけだった。



京太郎「何してんだ?」

煌「あだだだ…痛いのは嫌なんですが」



煌には何の効果もなくただただ痛がっているだけだった。

縫われた女性の声を次第に弱くなり聞こえなくなった。



京太郎「終わっとけ…」



京太郎はそれを気にせずスコップを振り下ろした。

力を貯めて放った一撃は見事に女性の頭から足元までぺしゃんこに潰す。



煌「よ、容赦ないですね」


京太郎「部長達だけじゃなく姫子にも手をだしたんだ…当たり前だ」





京太郎「あー…これから拠点まで走るのか辛いな」


煌「時間もありますし歩けばいいのでは?」

京太郎「それもありかなー」



京太郎は薬草を手に入れた後、座り込む。

精神的にも肉体的にも疲れた。


このまま眠ってしまいたいぐらいだ。

それでも…



京太郎「走るか…」



京太郎は疲れた体にムチを打ち立ち上がる。



京太郎「煌さんは…」

煌「あぁ…私の事は気にしないで下さい」

煌「場所を教えてもらいましたし歩いていきますよ」



京太郎の走りに着いてこれないだろう煌は置いてってくれという。

京太郎はそれをありがたく受け取り走り出す。

京太郎は走る…走る。

森と森の間を駆け抜ける。


足が千切れそうに痛むが気にしてる場合ではない。

先ほどから嫌な予感がしているのだ。



京太郎「くっ…」



途中で頭が痛み出し視界が霞んだ。

それでもなんとか走りぬける。


あと少しだ…あと…




京太郎「見えた…」



森を抜け拠点が見える。



京太郎「姫子!!!」


姫子「!」



森を出て拠点が見えた瞬間京太郎は最後の力を振り絞り駆け出す。

姫子の前には1頭の熊が居り攻撃をしようとしている。


京太郎は姫子の名前を呼ぶと走った勢いを殺さずにスコップを熊に振り下ろす。



熊「!?」

京太郎「邪魔だ!!!」



京太郎の声と共に振られたスコップが熊の横腹を思いっきり叩くと

熊は声を上げる暇も無く数十Mもの距離を吹っ飛ばされた。


火事場の馬鹿力ともいうべきを力を京太郎の筋力で行った結果…

熊は一撃の下この世を去った。



姫子「京太郎!」

京太郎「あーもう無理」



京太郎はその場でばったりと倒れ込む、それを姫子が慌てて近寄り抱きしめる形で押さえた。

姫子の京太郎の名前を呼ぶ声を聞きながら京太郎の意識は暗く黒く…塗りつぶされた。




<エピローグ>


京太郎「う~ん」

姫子「起きた?」



京太郎が目を覚ますと姫子の顔が最初に目に入った。

頭の後ろには柔らかいものを感じた。

どうやら姫子に膝枕をされているようだ。


京太郎はボーとした頭で考える事が出来ず、目の前の姫子を確かめる為、手を伸ばし姫子の頬に掌を当てる。


姫子はそれに自分の手を重ね嬉しそうに目を閉じた。



仁美「いつもあげな感じで?」チュー

美子「あいで付き合ってなかんだ」

煌「男女の付き合いとはあれが普通なんでしょうかね?」

哩「今日も異常なーし」



京太郎達の隣から他の人の声が聞こえた。

哩の声を聞いて徐々に徐々に脳が覚醒し始める。



京太郎「…哩?」

哩「ん」



姫子から手を離し哩の方へと顔を向ける。

まだ少し具合が悪そうだったが拠点を出発する前より良くなっていた。

哩は京太郎の視線に手を軽く上げ答える。




京太郎「ッ…」


姫子「あっ…まだ動いちゃ駄目!」



京太郎は体を起そうとするが体に痛みが走る。

それでも体を起そうとする京太郎を姫子が手を額に手を当て押さえた。



姫子「暫く安静しなきゃ駄目だって」

京太郎「…憩に言われたの?」

姫子「うん、結構無茶したんだね」


京太郎「哩の一大事だったし…」

哩「あーすまん、いや…ありがとう、京太郎」



哩は指で頬を掻き恥ずかしそうに視線を横に逸らす。



京太郎「…ところでそちらの2人は?」


仁美「<江崎仁美>新道寺の3年生」

美子「<安河内美子>同じく新道寺の3年生」


姫子「先輩達は熊に襲われてっぎんたに丁度来てくれて助けてくれたんだ」


京太郎「そうだったんだ…須賀 京太郎です。清澄の1年生です」



ヤシの実にストローを差し込んで飲んでいる羊ヘアーの人が<江崎仁美>

鶏冠のような髪型で眼鏡をかけているのが<安河内美子>

と紹介をしてくれた。



仁美「よろしく、須賀」

美子「よろしくね、須賀君」


京太郎「宜しくお願いします」



京太郎「煌さんも無事でしたか…」


姫子「煌…さん?」ポツリ


煌「なんとか…途中狼に追っかけられましたが」


哩「花田ん奴が現れたときは皆で叫んだな」

仁美「服はボロボロで」チュー

美子「血だらけで…」

煌「いやーあはは」



哩達は煌と会った時を思い出したのか顔を真っ青にしていた。

京太郎は哩を優先していた為気にしてはいなかったが…

改めてみると酷い格好だった。



姫子「話は後で…今はまだ休んでて?」


京太郎「おーぅ」



なにやら焦っている姫子に頭を撫でられ京太郎は意識が再び沈んでいく。

色々あったが結局1人の犠牲もなく終えることができた。

京太郎は満足して眠りについた。



<エピローグ カン!>


<ごりごり削るよ姫子ちゃん>



姫子「~♪」

京太郎「…」


京太郎「なしてこうなったし…」



京太郎は寝床の上で嘆いていた。

事の始まりは人数が増えた事による寝床不足だ。

女性同士なら問題なくくっ付けばいい、だが京太郎は男だ。

哩姫の2人は京太郎とも長くいるからいいが煌達の3人は京太郎を良く知らない。


その為毛布の上で皆で寝るというのは厳しいとなった。

どうしようかと悩んでいると姫子が提案をだす。


その提案の結果…京太郎の理性がごりごり削られる事になった。





姫子「まずは…京太郎ば端っこに寝かせます」

京太郎「まーそなるよな」

哩「うん」


姫子「次に部長ば京太郎ん隣に寝かせます」

仁美「よかで?」

哩「問題なか」


姫子「部長ん隣に先輩達と花田の寝ます」

美子「うん、それならまだ…」

煌「いいですね」



順調にいっていたのだが…



京太郎「あれ…姫子はどうするんだ?」

哩「んー確かに足りなか」

煌「すばらくないです」



5人が寝てしまうと姫子の場所がなくなってしまった。



姫子「問題なかですよ」えっへん

京太郎「なんだろ…胸騒ぎがする」





姫子「私は京太郎の上に寝ます」

京太郎「な!」

哩「ん?」

仁美「だっ」

美子「と?」

煌「!」



姫子は自信満々に言い切った。

それに対して他の皆は驚きの声を上げた。



京太郎「どういうこと?」

姫子「私は…」

哩「なるほど…」

仁美「もうそれでよか」

美子「寝ましょうか」

煌「あー久々の毛布ですね」



京太郎と哩除き他の人達は寝床に就く。

その後、京太郎の説得虚しく結局姫子の案で決定になった。



京太郎「…」


京太郎「…哩」

哩「…わかってる、明日は私が上だ!」キリッ

京太郎「わかってないじゃんか!?」

姫子「ぬっか…」すぴー



京太郎「…理性が持つだろうか」



好きな人に上に乗られ寝ている。

京太郎自身の思いも他所に理性がごりごり削られる音が聞こえた気がした。





皆が眠りについて暫く経った…

哩はふと目を覚まし京太郎を見る。

京太郎の上に姫子が乗っており幸せそうに寝ている。

逆に京太郎は寝苦しそうに唸っている。



京太郎「う~ん…」

姫子「えへへ~♪」


哩「…」


哩は空いている手を京太郎へと伸ばした。

だが…触る直前で手を止め少し考える…。



哩(…まだよかか、明日は姫子と変わってもらえばよか)



哩は空いてる手を京太郎の腕に回し抱き付く。

そうしていると驚くほど心が落ち着く。

それだけじゃない…体も心もポカポカと暖まってくるのだ。





哩(まさか私がこうなっぎは…)



麻雀だけを見ていた哩にとってそれは驚くべきものだった。

高校も女子高で男性と会話したのも遥か昔のような気がする。

勿論、恋等もしたことがなかった。


小学生の頃初恋らしき物はしたと思う。

それでもあまり思い出せなかった。



哩(本格的な恋はコレが初めてか)


哩(…ライバルが姫子-親友-っていうのは嬉しかのか悲しかのか)




哩は視線を京太郎の顔から姫子へと移す。

どの角度から見てもだらしない顔で寝ている。

ここまで無防備な姫子を見るのは初めてかも知れない。



哩(中学の時けん男性は苦手になっていちもうたと思ってばってん心配なさそうやね)

哩(普通なら手強いライバルなんばってん…私らの場合はな…)



普通ならどちらかが諦めるという形になるだろうと思う。

だが、この2人…哩姫の場合は違った結末になるだろう。


哩の脳裏に真ん中に京太郎が居てその両脇に自分達が仲良く寄り添っている姿を思い浮かべる事ができる。


哩(とりあえずは…姫子に告白させんのが先かなー)


京太郎を見ながらどうやって告白させるか哩は考える。

今は…今は、ただただ眺めているのだった。



<見てるだけだよ!哩さん カン>


<縫われた女性>


京太郎「隣いいですか?」

煌「構いませんよ」



昼間寝ていたせいか京太郎は夜中に目を覚ました。

くっ付いている姫子と哩を引き離し外へ出る。


体はまだ痛むが動けないほどではない。

京太郎は自然-当たり前のように-に拠点隣に出来た<階段>を登り2階へと足を進めた。


2階には煌が座っており月を眺めていた。

京太郎は煌に断りを入れ隣に座る。


暫く二人は月を眺めた。

最初に沈黙を破ったのは煌だった。





煌「ここから話すのは独り言です」

京太郎「…」



煌「昔々1人の女性が居ました。女性は西の部族の1人で普通に日々を過ごしていました」

煌「そんなある日、女性の母親が病に罹りました。部族の掟で薬に頼れません」

煌「日々を苦しみながら生きる母親を女性は見ているだけでした」


京太郎「…」


煌「それを目の前で毎日見ていた女性は怖くなりました」

煌「自分も病に罹ったらこうなるのでは?と恐怖を抱き過ごします」

煌「生まれた時から掟に従って生きていた彼女には他の生き方を選べませんでした」


煌の独白が続く。


煌「そんなある日彼女はある人と出会います」

煌「森の中で会った人は他の部族の方でルフクトゥといいました」

京太郎「ルフクトゥ…」

煌「最初は警戒していた彼女でしたが暫く彼と過ごしていくうちに打ち解けました」

煌「彼が医者という事もあり相談などもしました」

煌「相談した結果、彼はある魔術を教えてくれました」




京太郎「魔術?」


煌「他の生物から生命力を奪うものです」

煌「最初は躊躇しましたが彼は果物や植物から奪えば良いと教えました」

煌「彼の言うとおり果物から奪うと体に活力が沸いてきます」

煌「彼女は日々果物から生命力を奪い過ごします」

煌「病も怪我も気にせず過ごせる…彼女は素晴らしいと思いました」


煌「でも…今度は老いが怖くなりました」


煌「それをルフクトゥに相談すると<人から奪えばいい>と…」


京太郎「それがあの壁画か」



京太郎の言葉に煌は月を見ながら頷いた。




煌「彼女は優秀な人間でしたので他の人を魔術で操り自分を祭り上げました」

煌「結果彼女は老いがなくなり長い時間を過ごします」


京太郎「不老不死…?」


煌「まぁ…これにも欠点があったのですが」

京太郎「欠点って?」


煌「記憶が混ざってしまったんです」

煌「記憶が混ざり彼女は自分がどのような存在だったか忘れてしまいます」

煌「その結果意思がなくなり、生きるということに対して興味もなくなったのです」

煌「ただただあの場所で何をするでもなく過ごす…人形のように」


煌は話し終えたのか一息を入れ月を眺め続ける。

京太郎も無言で月を眺めた。






京太郎(…魔術の実験台に使われたかな)

京太郎(だとすると…ルフクトゥの目的は不老不死だったのかな?)



京太郎が考え込むと隣の煌が立ち上がった。



煌「そろそろ私は寝ますね」

京太郎「あ…最後に聞きたいんだけど」

煌「なんでしょうか?」


京太郎「最後にあの女性は煌さんに向かって何かしてたけどアレって…」



京太郎が気になったのは最後の時だ、縫われた女性は煌に向かって何かをしていた。

あれはなんだったのだろうと気になった。



煌「あ~アレですか、最後に私の精神を奪おうとしてたみたいです」

京太郎「え…それって大丈夫だったんですか!?」


煌「私の心が強過ぎて無理だったみたいですが」

京太郎「あー…」


そういって煌は苦笑していた。

京太郎は準決勝の先鋒戦を思い出した。

煌だけが楽しんで麻雀をしていた、照相手にだ。



京太郎「なるほど…ん?最後、ですか?」

煌「不老不死といっても中途半端な紛い物ですから」

煌「奪った生命力が無くなれば死にます」

煌「私を代わりにしようとしたのでしょうね」



それだけを言うと煌はおやすみと言って拠点の中に戻っていった。

京太郎はそれを見送るとまた月を眺め始める。



<縫われた女性 カンッ>




姫子「京太郎…」

京太郎「姫子、おはよう」



京太郎が起きると目の前に姫子の顔が見えた。

距離が近く京太郎は少しどぎまぎとする。


姫子「大事な話があっの」

京太郎「うん?」



姫子が何時も以上に真剣な顔で京太郎を見ていた。

京太郎は大事な話しなのだと理解ししっかりと見据える。



姫子「…私は…私は京太郎が好いとー」

京太郎「…あれ?」

姫子「何事にも一生懸命な所が好いとー」


姫子「自分が辛か時ばってん相手ば気遣ってくれる所の好いとー」


姫子「ちかっとエロい所も好いとー」

京太郎「おい」


姫子「誰よりも傷つきながらも頑張る京太郎が好いとー」


姫子「京太郎ん笑顔が好いとー」


姫子「京太郎にくっ付くと安心出来っの…体も心もポカポカ暖かい…そぎゃん所も大好き」



姫子の言葉ひとつひとつが京太郎に告げられる。

京太郎は涙が出そうになった。



姫子「待たせてごめんね?」

姫子「まだ…まだ…間に合うかな」



京太郎は少しの間言葉に詰まってしまった。

嬉しい…嬉しいのだ…

すぐに返事しようとするが言葉に詰まる。







姫子の目の端に涙が溢れてきた。

京太郎の反応のせいで勘違いさせてしまったのだろう。


姫子はごめんねといって京太郎の上から体を退かそうとする。

京太郎はばっと体を起すと姫子を思いっきり抱きしめた。



姫子「ひゃっ!?」


京太郎「あぁー!!大好きだ!!俺も大好きだ!」

姫子「え…あ」


姫子「えぅ…」



京太郎の告白に姫子は泣き出す。

胸が張り裂けそうなほど高鳴り、幸せな感情が押し寄せる。

この感情を姫子は京太郎を抱きしめ返して必死に伝えようとする。


京太郎に伝わったかわからないが1つだけいえる…


この無人島で一番幸せな2人だといえた。


2人は顔を見合わせると自然と近づき口を合わせた。

姫子「ファーストキスはレモン味っていうばってん…」

京太郎「…あぁ」

姫子「幸せな味やね」

京太郎「同じく」



そういって顔を赤くしながらまたキスを重ねた。




哩「やっとかー」

仁美「何かお祝い事必要ですかね?」チュー

美子「お赤飯?」

煌「すばら!青春ですね」

憩「熱いなー熱々やね」



京太郎「ふぁ!?」

姫子「ひゃ!?」



京太郎の大声でばればれだったとか…



京太郎と姫子が付き合うみたいです。


<姫子の告白 カン!>


<桃子による虎撃退エピソード伝達at敦賀>


桃子「…」

ゆみ「モモ?遅かったじゃないか」

智美「ワハハ…ユミちんが心配してウロウロしてたしな」

ゆみ「なっ…///わ、私は別に…」

香織「すごいうろたえぶりでしたけど…」

睦月「うむ」



桃子が拠点に戻るとゆみ達が迎えてくれた。

彼女達の拠点は森の中の泉近くにあり、<智美の車>別名-ワハハカー-を拠点としている。

桃子に声をかけていくが桃子からはなぜか反応がない。

顔を下に向けている。



ゆみ「モモ?」

桃子「…」

智美「悪いものでも食ったか、ユミちんにも反応しないとは」

香織「えっと…えっと…こういうのなんて言うんでしたっけ?ケ…ケ…」

睦月「倦怠期?」

香織「あ、それです」

ゆみ「なっ!?」

桃子「…」



何やらゆみが絶望的な顔をするが特に反応がなかった。



智美「…これでも反応しないぞ」



冗談交じりで会話をしても桃子は反応せず何かを考え込んでいるようだ。

暫くすると桃子は顔を上げた。

その顔は真剣な顔をしている。







桃子「先輩」

ゆみ「おぉ!何だ!」

智美「ワハハ…復活したぞ」



ゆみは桃子に呼ばれ嬉しそうに反応した。

だが…桃子の口から放たれた言葉がゆみをどん底に突き落とす事になった。



桃子「須賀 京太郎って人知ってますっすか?」

ゆみ「す…須賀 凶太郎…?」

智美「ワハハ…男性みたいな名前だな」

桃子「男性っすよ?あ…ついでに友達っす」


ゆみ「男性…友達…ハッ!?彼氏か!?」ガーン

桃子「あー…また始まったっす」



ゆみは桃子の言葉を聴いて-何時もの早とちり-をする。

自然と体が倒れていき OTL の格好で落ち込み始める。

そんなゆみを鶴賀メンバーはチラリと見るがすぐに話を戻す。


彼女達にとってはこれが日常なのだ。



香織「…須賀、須賀」

睦月「覚えないですね」

智美「…清澄の一年生に居た気がするぞ」


桃子「その人っすね」

ゆみ「須賀…清澄の1年生」


ゆみ「ふふふ…桃子に相応しい男か確認しないとな」

香織「なんで槍を持っているのかな?」

睦月「やる気満々ですね」

智美「ワハハ…後で謝るの私なんだがなー…」


桃子「駄目っすよ!?」

ゆみ「離せーーー!!!」



桃子がゆみの暴走を止めるべく後ろから羽交い絞めにする。

それを力の限りゆみが外そうと試みるが桃子の必死の抵抗のせいではがせない。







桃子「いやいや…彼氏じゃないっすからね!?」

ゆみ「…本当か?」ピタリ


桃子「本当っす!それに襲ったら逆に先輩がやられるっすよ!」

智美「ワハハ…?確かに彼は男性だったが頼りない感じだったぞ?」

睦月「少しお調子者っぽい人だと記憶してますね」


ゆみ「…男は狼だからな」ぶるり

香織「加治木先輩は何か男にトラウマでもあるんですかね?」



鶴賀メンバーは京太郎の姿を思い出したのか首を傾げた。

身長は高かったが、性格はお調子者ぽい感じであまり強そうなイメージが沸かない。

危機感がいまいちなメンバーに桃子は不安を感じ、先ほどの話を聞かせる事にする。



ゆみ「彼が…」

香織「虎を…」

睦月「撃退…」

智美「ワハハ…冗談にしてもセンスがないなー」

桃子「本当っすよ!」



桃子の話は信じてもらえなかったようだ。

桃子の様にオカルトがあれば信じられるが聞けば彼は一般人のようだ。

普通の高校生しかも1年生が虎を追いかけまわした等、到底信じられる内容ではなかった。

そもそも日本の無人島に虎って…


智美達は就寝時間が近づいてきたのでそれぞれ分かれた。



ゆみ(須賀…強太郎…覚えたぞ)ぐっ

桃子(嫌な予感するっす、しかも何かを間違えてそうな)



拳を握り締めているゆみを見て桃子はガックリと肩を落す。



<桃子による虎撃退エピソード伝達at敦賀 カン!>




<ロリルートダイジェスト>


京太郎「…」


京太郎は海を眺める。

ひたすら黄昏ていた。



京太郎「…おもちが欲しい」

優希「最初のセリフがそれなのかだじぇ」


京太郎「だって!」


京太郎「優希だろ!」

優希「だじぇ」


京太郎「ネリーだろ!」

ネリー「んー、呼んだ?」


京太郎「穏乃に!」

穏乃「なになに?」モグモグ


京太郎「初美さんだろ!」

初美「はっちゃんに何か用ですかー?」


京太郎「ころたんに!」

衣「待て…なんで衣だけ」


京太郎「胡桃さんだろ!」

胡桃「うるさい!そこ」料理中


京太郎「灼さんに!」

灼「なに?」


京太郎「マホだろ!」

マホ「マホに何か用事ですか?」


京太郎「咏さん!」

咏「ん~、知らんし」



京太郎「おもちが足りない」


崩れ落ちる京太郎の明日はどっちだ




「犬だじぇ!」

「角から出てくる犬なんか居るわけないだろ!」


「なんだここ…」

「無人島じゃないの?」


「なんで…」

「まいったね…まさか―――とは」


「わー黄金だ!」

「何かがおかしい」


「待て待て待て!なんであんなのがいるんだよ!」

「ジュラシック・○ーク?」


「あれと戦えと…?」

「全て燃やしちゃえばよくね?」


「あわわ…マホピンチです!」

「うぉー!逃げるぞ!」


「…これ食べれるのかな?」

「はっちゃんに聞かれても…」


「京太郎!山登ろう!山!」

「待て待て!あれどう見ても活火山だから!」




京太郎「…戻れるかな?」

咏「さーどうだろうねぃ?」

咏「いざって時はここで暮らせばよくね?知らんけど」



<ロリルートダイジェスト? カン!>



<罠の調子を確かめる>

哩「ん~」

京太郎「どうだ?」

哩「問題なかね」

哩は罠を確かめていた。
幾度も使っている罠だ、どこかガタが来ているかも知れない。
そう思ったのだが。

京太郎「まったく問題ないのか?」

哩「ん、全然問題なか」

京太郎「…少しも?」

哩「ん」

京太郎「…どうなってるんだ?」

哩「不思議やね」

京太郎と哩が不思議がってる横で姫子は京太郎を楽しげにニコニコと見ていた。



<料理を作る>

京太郎「俺も手伝うよ」

仁美「ん、頼んだ」

京太郎「さて何を作るかな」


京太郎「よっとほっと」

仁美「うまかな、昔から料理出来きよるの?」

京太郎「いや、高校に入ってからですかね?」

仁美「そいでこれだけ作れるっちんは才能あっけんんかもね」チュー

京太郎「…食べてもらいたい人がいるので」テレテレ

仁美「…昼ごはんいらんかも知れん」

京太郎「ん、お腹いっぱいですか?」

仁美「あっけん意味な」

京太郎「少食なんですね」

仁美「誰かしゃんおかげでな」

姫子「京太郎ー!これ!」

京太郎「味見しろと?」

姫子「んっ!」

京太郎「どれどれ…」

姫子「どげんかな?」

京太郎「ん!美味しいな」

姫子「よかよか!」

仁美「…こん2人どげんにかせな」



<哩姫と会話>

哩「ところで…」

京太郎&姫子「ん?」

哩「2人は一緒に入ると?」

京太郎「…なんとなく判ってるけど何にさ」

哩「お風呂」ニヤニヤ

姫子「ぶ、部長!?」

哩はニヤニヤと2人を見つめた。
姫子は顔を赤くしチラチラと京太郎を見てくる。

京太郎「…まだ付き合って1日も経ってないんだけど」

哩「えー…」

姫子(京太郎とお風呂…?)

京太郎「流石にまだ早いよ」

哩「…硬い奴」ボソリ

姫子(京太郎「姫子…」姫子「だめ…まだ早いよ」)

京太郎「聞こえてるぞ」

哩「ぶー」

姫子(京太郎「でもここは…」姫子「そぎゃん所触っちゃ…」)

京太郎「入らないから」

哩「まーしょうがなかか」
姫子「…」ウヘヘ

京太郎&哩「…」

京太郎「どうにかしろよ」

哩「お前と彼女やろ」

姫子「京太郎!お風呂ば…」

京太郎「はえーよ」


<哩姫とお風呂>

京太郎「うごごご」

哩「ふぁ!?」

姫子「あん♪」

京太郎・哩『せまっ!!』

姫子「これはこれでよか」ポッ

仁美「…何あれ」

煌「仲良しですね!」

美子「それでいいの?」

京太郎「NO~!どこ触ってるんだ!」

哩「私じゃなかたい!」

姫子「あ…そこは///」

京太郎「嬉しいのに嬉しくない!」

哩「ぬっか!ぬっかっ」

姫子「くせになりそう…」

仁美「倒してもよか?」

煌「あー…」

美子「見よるんも楽しいよ?」

仁美・煌・美子『あっ』

京太郎&哩姫『あ~~~~』ザパーン




<寝床の強化>

仁美「寝床ん強化ば提案するけんね」

哩「ん、賛成」

美子「材料は木材(30)蔓(10)後竹(20)かな」

煌「ふむふむ…作業時間は(0/50)ぐらいですね!」

姫子「えっ…」


4人が寝床の強化を提案すると姫子は絶望をした。

姫子(寝床が大きくなっていちもうたら京太郎と一緒に寝れなか)

姫子「反対たい!」

仁美「あ…そこの2人は拠点3で寝て」

美子「隔離で…」

姫子「それならよかばい!」

京太郎「おい!?」

姫子の掌はくるくる回るみたいだ。

京太郎「…誰に頼もうか?」



<食料調達 哩姫>

京太郎「だいぶ危なかったな」

哩「あーすまん」

姫子「部長とせいじゃ…」

京太郎「人が増えた事もあるしな」


3人で食料を調達している。

人が増えた事もアリ前より結構シビアだ。


哩「ん、謝っより採っか」

姫子「それがよかですよ」

京太郎「ん~魚を採るのもありか?」

哩「ヤリ…釣竿のがよかか?」

姫子「釣り、やったことなかばいね」

京太郎「ん~誘われて少しやった程度だな」

哩「やった…やった…」


哩が何やらぶつぶつと呟いている。

京太郎は嫌な予感がした。


哩「京太郎と姫子は…むぐっ」

京太郎「言わせねーよ!?」


哩の口に果物を突っ込み阻止する。

哩はいきなり口に入れられ右往左往した。

そんな哩を姫子は一生懸命助けようとする。


京太郎(まったく…姫子とやったのかって…)

姫子『京太郎?』

京太郎の脳裏に裸姿の姫子の姿が出てくる。

京太郎「…うへへ」

姫子「京太郎?」

京太郎「はっ!?な、なんでもなかよ!?」

姫子「…じー」

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最終更新:2026年01月14日 21:52