「あぐっ…かは」
京太郎達は分裂したスレンダーマンに手足が出ず叩きのめされた。
皆が皆地面に倒れ苦しそうに呻いている。
なんとか立てているのはボロボロになりながらも皆を守ろうとしている純ぐらいだ。
(くそ…こんな事が出来るなんて聞いたこと無いぞ!?)
京太郎はなんとか膝を立て半立ちになると相手を睨む。
京太郎の眼には5人のスレンダーマンが居た。
「3人なんて卑怯だよ」
「「「「え?」」」」
一の言葉に全員が声を出した。
お互いがお互いに視線を合わせる。
「4人だろ?」
「2人ですわ」
「6人だけど…」
「俺は5人だな」
皆が皆スレンダーマンの数を間違えている。
京太郎はそれを聞いてようやく理解した。
「全員にスレンダー病を発病させやがった!!」
京太郎は悔しそうにそう言葉にした。
透華の力では自分ともう1人だけしかスレンダー病を防げない。
そこを突かれた…全員に発病させ自分を有利にさせたのだ。
「…なるほどね、全員にかけて冷やし透華をなくさせたんだ」
「…迂闊でしたわ」
透華の力にも限度がある。
それを理解され負担を余計に強いる事で無理矢理解除させたのだ。
一の言葉に透華は悔しそうに呻いた。
呻いた所で状況は変わらないが。
「あぁ…ちくしょう!ちくしょう」
「………」
他のメンバーは既に気を失っている。
残るは2人京太郎と智紀だけだ。
だが、京太郎も智紀もボロボロで満身創痍……戦う力も守る力も残されていない。
京太郎はそう心で思うと眼を相手に合わせ強く睨んだ。
スレンダーマンが此方へと手を挙げ振り下ろす。
それを京太郎はスローモーション再生のようにゆっくりと感じ取った。
『!?』
「え?」
京太郎が覚悟し待っていると突如スレンダーマンが横から吹っ飛ばされる。
スレンダーマンが吹っ飛び消えた所にカランと金属音が聞こえ-大盾-が落ちた。
「…」
京太郎は確かに見た。
スレンダーマンへ突っ込んでいく英雄の姿を………
『あ゛ぁぁ!!!!』
京太郎はありったけの声と最後の力を出し大盾へと手を伸ばす
―――目の前の大盾は京太郎が触れると小さく小さく縮む、京太郎にピッタリのサイズになった
「……まだ、まだだ!まだ!!終わってない!!!」
力が湧いてくる
まだ動けると体がそう言っている
京太郎はゆっくりと盾を構えると盾は綺麗な黄金に輝きスレンダーマンに光を射した。
『あぁぁぁぁ!!!!!!またか!!!またお前が邪魔するのか!!!!』
「おおおおおおお!!!!!!!!!」
「京太郎!相手は…こうg…ぃを」
智紀が最後の言葉を言って倒れる、気を失ったのだろう。
その智紀の最後の言葉を胸に京太郎は更に強く相手を睨み走る。
盾を構え突撃してくる京太郎を見てスレンダーマンが狂ったように叫んだ。
だが、今の京太郎にはその叫びは届かない。
「絶対に守りきる!!!」
『殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!コロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』
お互いがお互いに場所を交換し背中合わせになった。
京太郎 防御 VS ルフクトゥ 攻撃
「はぁ……ざまぁみろ」
『あああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
消えたのは-ルフクトゥ-のほうだった。
京太郎はゆっくりと煙になって消えていくルフクトゥを見てしてやったりと笑った。
だが体力がもったのはそこまでだった、京太郎の意識は遠のき気を失った。
「あっ…京太郎君だよー!」
豊音が町に買い物に来ていると遠くに見知った顔を見つける。
京太郎がのんびりと両手をポケットに入れ歩いていた。
「京太郎くーん!!」
「…」
豊音が大きな身長を生かし人ごみの中手を大きく振って京太郎へと挨拶した。
だが京太郎は気づかなかったのかスタスタと歩いていってしまう。
「京太郎くーーん!」
「…」
気づかない事に気づいた豊音はもう一度呼んで見るが反応がない。
むしろ豊音の身長と大きな声によって周りの人の注目を集めてしまった。
豊音はあっ…と声を上げかぶっていた帽子を取りそれで恥ずかしそうに顔を隠した。
「うーうー……追いかけよう」
豊音は声で振り向かせるのを諦め京太郎の後ろを追う事にした。
既に京太郎は遠く、急がなければ見失いそうだ。
「あわわわ、通してー」
一生懸命追いかけるも人が多く思うように前に進めない。
あちらこちらへ人を避けながら進んでいるせいもあるのだろう。
未だに京太郎は遠かった。
「あうっ…!」
そうこうしていると何かに躓き転んでしまった。
転んだ拍子に帽子が何処かに飛んでいき足も擦り剥き痛かった。
「ちょー痛いよー」
膝は擦り剥き、お気に入りの帽子は何処かへ行き、京太郎は離れていく。
いい事1つ無く豊音はその場に座り込み涙を流す。
暫く周りを気にせずわーんと泣いていると……
「何してんの?」
「え?」
豊音の前にお気に入りの帽子が差し出された。
それと同時に聞き覚えのある声が聞こえる。
豊音が顔を上げると其処には帽子を差し出す京太郎が居た。
京太郎の耳にはイヤホンが付けられており音楽を聴いていたと解る。
無視された訳ではないと判り豊音はほっとした。
「ほら、立ち上がりましょ」
「うん」
帽子を被り直し差し出された京太郎の手を取り立ち上がった。
「それじゃ…せっかくですし何処か行きましょうか」
「…いいの?」
「豊音さんがよければ」
「うん!」
京太郎がにこやかに笑うと豊音も花開くような笑顔で返す。
今日はいい日になりそうだと豊音は喜んだ。
<追いかける豊音 カンッ>
「これでよし!」
原村和はお店の前のガラスに映る自分の姿をもう一度確認した。
服装を整え、前髪を少し摘んでみる。
そして最後にその場で1回転した。
少し長めのスカートがふわりと軽く浮き上がり綺麗な円を描く。
最後はしっかりとポーズを決め鏡に向かってニッコリと笑う。
(我ながら完璧です!)
遂々そんな事を思った。
だがその考えもあながち間違いではない。
後ろで見ていた通行人が何人も和を見て顔を赤くしポーと見とれている。
中には彼女に肘ウチを喰らってる人も居た。
「……まだ、時間ありますね」
和は周りの反応を気にせず時計を見る。
約束の時間までだいぶあった。
……30分近くもある。
(初めてのデートだと気合入れましたが…早過ぎましたね)
無人島から帰ってきてから京太郎と和は付き合い始めた。
そして今日が初のデートになる。
いろいろと無人島ではそれ以上にすごい事をしてたのだが…これはやはり格別に嬉しかった。
(京太郎君が来たら…まずは、小洒落た会話を…いやいや先に映画館に向かった方が)
(見終わったら喫茶店で休んで……それで最後は私の家に)
ガラスの前で顔を赤くして両手を頬に当てキャーキャーと悶えた。
最後の致す所まで想像したのだろう。
暫くそうしていると自分の痴態に気づき、豊満な胸に手を置き深呼吸をした。
それを何度か繰り返すと落ち着いてくる。
少々暴れたせいで髪が乱れてしまった。
もう一度ガラスを覗き込み髪を直すとニコッと笑う。
「大丈夫ですね」
そう呟き少しドヤ顔を決め笑っているとコンコンと音がした。
その音に和は不思議がり音が聞こえた方を見てみる。
音がしたのは前のガラスからだ。
「………よぉ!」
「…………」
ガラスの向こうの席でのんびりとお茶を啜っている京太郎と眼が合った。
京太郎は片手を軽く上げ挨拶をしニヤニヤと笑って此方を見ていた。
和は真顔になり、トートバックから紙と口紅を取り出すと文字を書いた。
何時から居ました? 1時間前から
それに合わせて京太郎もテーブルナプキンに文字を書き込んで見せてくる。
和は理解した、全て見られていたことに
「あっ…あっ…~~~~~!!」
和は顔を真っ赤にさせその場で蹲るのだった。
<デート日和 和編 カンッ>
「あーついてないなー」
憧は駅前でガックリと項垂れた。
纏まったお金が入り張り切って2駅向こうの街まで買い物に来たのだが帰るときになってサイフを落としたのに気づいた。
(こんな時に携帯は電池切れてるし、んー2駅か…)
外も暗くなっており、このままじゃ補導されるだろう。
憧はため息をつくとしょうがないと言って歩き出す。
2駅位なら歩けるだろうと思いながら道を進んでいく。
「……ぜぃぜぃ、あ、甘くみてたわ」
あれから暫く歩くと段々と辛くなってきた。
張り切って買った服や化粧品が重く肩にのしかかる。
最初は嬉しかった買い物も今では苦痛でしかない。
辺りも暗くなりポツンポツンとある灯りを頼りに歩く。
(暗いし…人いないし…足も痛い)
ぐすんと少し泣きながらも足を止めずに歩く。
「もうヤダ…」
暫く歩いていたのだが最後には道端で膝を抱え蹲る。
もう何かも嫌になった。
「あれ…何してんだ」
「ふぇ?」
アレからほぼ半泣きになりながらも歩いていると後ろからブロロロとバイクの音が聞こえ声をかけられる。
かけられた声は物凄く聞き覚えがあるものだった。
憧の隣に原付が止まり乗っていた人物が憧に顔を向けた。
「京太郎?」
「よっす…なんだ泣いてるのか?」
「な、泣いてないわよ!」
京太郎の言葉に憧はぐしぐしと袖で顔を拭く。
そんな憧を京太郎は静かに待っていた。
「ほれ」
「なにこれ」
憧が泣き止むのを待ってから京太郎は憧に何かを渡した。
それを受取るとまじまじと眺める。
「ヘルメット?」
「後ろ乗れー送るから」
「ふぇ!?そんなの…」「これからずっと歩くのか?」
「……お願いします」
憧の状況になんとなく気づいたのだろう、相変わらずこういうのには鋭いなと思った。
なにより京太郎の言葉で遠慮はなくなった。
これからまた歩くのは嫌だったのだ。
「サイフ落とした…ねー?」
「…なによ」
「別に…それで何買ったんだ」
「何って服と化粧品よ」
腰に抱きつきながら憧と京太郎は会話を続けていく。
先ほど泣いてる所を見られたせいで少しぶっきらぼうになってしまった。
憧は京太郎に嫌われてないか不安になるも京太郎は前を向いていて顔を確認できない。
「化粧品って…別になくてもお前は可愛いだろ」
「ふきゅ!?」
反則だった。
いきなりの事で反応できずに憧は変な声をだす。
慌てて口を塞ごうとして手を離すとバランスが崩れる。
あわあわと手を振ると京太郎にさっき以上に抱きついた。
「あはははは!何やってんだよ」
「あんたのせいでしょうが!」
カラカラと笑う京太郎に憧が噛み付くが京太郎の笑い声に憧自身もくすりと笑った。
「ほら、あれ」
「え?」
京太郎が憧に声をかけた。
それに反応し憧も京太郎の視線と同じ方向を向く。
「わ~…」
「綺麗だろ?ここの夜景好きなんだよね」
色々な明かりでデコレーションされている街を上から見れた。
その綺麗な光景に憧は感嘆の声を上げボーと見惚れた。
「こういうのもいいものだろ?」
「……うん」
憧は景色を眺めながら京太郎にぎゅっと抱き付く。
(こういうのもいいな)
この日を境に夕方になると原付に乗った2人が何処かへ出かけるのが目撃されるようになった。
<原付ドライブ 憧編 カンッ>
「うん?」
「起きたか」
眩しい日差しが顔に降りかかり京太郎の意識が覚醒する。
目を凝らし見ると青い空をバックに新道寺と龍門渕の全員が此方を心配そうに見下ろしていた。
京太郎が起きたことを確認するとそれぞれが反応する。
ヤレヤレと呆れながらも心配する人
涙目で此方を見ている人
はぁ~と一息ついて座り込む人
「ここは?」
「拠点前やね」
京太郎の問いに哩が答えた。
他の人に助けられながら体を起すと確かに見慣れた拠点が目に入った。
それを見てあぁ…戻ってきたのかと京太郎は安心する。
少しの間、離れていただけなのにこうも安心するのは何故だろうか。
「ルフクトゥ……スレンダーマンは?」
「私達が起きた時にはいませんでしたわ」
「そっか」
透華の答えを聞いて京太郎はため息をついた。
安堵のため息ではない、まだ此れからも相手をする羽目になるのだろうなと理解した為だ。
取り合えず戻ってこれた事を喜ぶかと思いながら ふらふらとあちら此方で手伝いをする衣達を眺めた。
<これから……>
「暫く安静やね」
「別にこれぐらい…」
「駄目」
「…ちぇっ」
拠点3番で純が憩に駄目だしを喰らう。
京太郎含め龍門渕メンバーは全員怪我をしている為安静となった。
特に酷いのは純だった。
取り合えず治るまでの間滞在という形で龍門渕は残る事になった。
<大盾の英雄の盾>
「……」
京太郎は所々を包帯で覆われている体を引きずりながら夜2階へと上がった。
吹き抜けのようになっている此処がお気に入りの場所なのだ。
「……普通の盾だな」
持ってきた大盾の英雄の盾を軽く叩いたりして調べる。
なんて事は無いただの盾だ。
じーと見てもオカルトのオの字もないぐらい普通の盾。
あの時確かに光り輝きルフクトゥに何らかの行動をしたのだがそれが今では出来ない。
あの力が使えれば此れから楽になるのだけど思ったがそうはいかないらしい。
「しゃ-なしだな」
京太郎はため息をつくと姫子達に見つかるまでの間、夜空を眺めていた。
「あんよが上手♪あんよが上手♪」
「姫子……流石に歩けるから」
京太郎の言葉に姫子はそいもそかと笑った。
あれから5日経っており京太郎も大分回復した。
これなら普段どおり動いても大丈夫だろう。
「あ~…色々やっていかないとな」
眩しいぐらい此方を照らす太陽を憎々しく見ながら京太郎は思いを馳せる。
<仁美と美子と会話>
「こっちはよか」
「こっちもよかよ」
「何してるんだ?」
京太郎が少しぎこちなく歩いていると仁美と美子と出会った。
2人は罠辺りで何かをしている。
「罠ん調整ばい」チュー
「結構あっち居ったから」
「あー…」
2人の言葉に京太郎は罠を見渡す。
所々汚れ欠けている部分もある。
動物にやられたのだろう。
「何か手伝いを……」
「こっちはよか…まずは調子取り戻せ」
「んっ…動ける私達のやっちおくから」
「俺は……」
京太郎はもう大丈夫だと反論しようとしてやめた。
2人はなんでもないように見えるが心配してますと雰囲気を出している。
そんな2人を見て京太郎は静かに頭を下げた。
<哩と掃除>
「こっちは……」
「私がやっておいた」
「そっちは……」
「私に任せろ」
「……」
京太郎は哩と掃除をしていたのだが悉く全てを遮られる。
あっちの世界での出来事を気にしてるのだろう。
京太郎は手持ち無沙汰になりながら哩を見守る。
「なぁ…別にそんなに気にしなくても」
「駄目……こぎゃんじゃ駄目たい」
「でもなー……」
「京太郎ん事も姫子ん事も中途半端……ここらで様々な事ばキッチリしときたか」
そういって真剣な眼差しで京太郎を哩は見つめる。
それを見て京太郎は何ともいえない表情で哩を見つけ続けた。
<哩姫と会話>
「あっ」「あっ」
「…」
京太郎が風呂上りの哩と話をしていると姫子と出会う。
哩姫の2人は互いに驚き声を上げた。
「……む~」
「はぁ~……」
姫子はそそくさと哩から視線を外し京太郎の横へ行くと腕へと抱き付く。
そして威嚇するように哩を睨む。
そんな姫子の行為に京太郎はため息をつく、まだ仲直りしてないらしい。
「……」
「あい?」
そうしていると哩が無言で一歩後ろに離れた。
そんな哩に対して姫子は不思議そうに見つめる。
大方競い合うと思っていたのだろう。
「そいぎ、姫子に京太郎私は寝るばい」
「あ……おやすみなさい、部長」
「おやすみ、哩」
哩は爽かに笑うと此方に軽く手を振り去っていく。
そんな哩に押されたのか姫子も反射的に挨拶を交わす。
暫くその場で姫子はクエスチョンマークを頭の上いっぱいに出して不思議がっていた。
京太郎は姫子をチラリと見ると片手でコインを飛ばす。
「……表なら良好」
「京太郎?」
京太郎の行動にも姫子は不思議がる。
そんな姫子の頭を軽く撫でおまじないだと教えた。
京太郎の掌の中のコインは見事に表だった。
<部長…?>
「………」
姫子は寝床で思う。
あぁ…またやってしまったと…
大好きな哩にあのような反応をしてしまった事を今更になって後悔する。
(あん日からまともに話してなか……寂しか)
寂しいのは哩だけではない、姫子自身寂しいのだ。
それでも…それでも京太郎を取られると思うと引き離してしまう。
つくづく自分は嫌な女だと思ったが止められない。
哩は京太郎を取るのではなく3人でと思っているのだろう。
そう思い顔を少し上に向ける、其処には自分の大切で愛しい人が寝ている。
暫くじーと見て姫子は胸板に頬を摺り寄せた。
(やっぱい怖か)
姫子は哩のいい所は京太郎以上に知っている。
だからこそ哩に京太郎も文句は無いだろう解る。
だが…ソレが怖い、哩と分け合ったとして京太郎が姫子より哩に強く向けられそうで怖い。
(怖か…怖か)
この世に平等な事はないと姫子は知っている。
2人で分け合いどちらか一方が少しだけ傾く。
そして傾く方向は自分ではなく哩のほうだと思った。
哩をまじかで見てきた姫子にとって哩は1種の壁なのだ。
けして越えられない壁…その壁が今迫ってきている。
(あん時ん行動はなに?)
思い出すのは先ほどの余裕な態度だ。
結局姫子にはあの意図が解らなかった。
だからこそ恐怖する。
「怖か…怖いよ、京太郎」
小さな声で呟くも寝ている京太郎には届かなかった。
<部長…? カンッ>
<トイレ作成の手伝い>
「こんなもんかな」
「うーん…すばらです」
「花田ーすまんこっち頼む」
「はーい」
京太郎に付きっ切りだった煌が哩に呼ばれ離れると次は美子と仁美が寄って来る。
怪我して以来ずっと誰かしらが京太郎の傍にいる。
「もう大丈夫なんだけど…」
「用心しとかないと」
「…京太郎君に何かあっと私達崩壊すっから」
京太郎が呟くも仁美と美子は真剣な眼差しで伝えてくる。
崩壊…そんな事ないと思うんだけどと思うが哩と姫子があの調子じゃありえるとも思った。
京太郎はため息をついて木を切り始めた。
「京太郎!調子は……」「京太郎、調子は……」
「……」「……」
「またか」
哩と姫子が同時に来て鉢合わせた。
姫子は若干怯えるように睨み、哩はそんな姫子を見てどうしようかと悩んでいた。
そんな2人を見て京太郎と美子はため息をついた。
仁美は暢気に飲み物を飲んでいた。
「あのー…そろそろ作業を」
トイレ作業を手伝った。
<精神を鍛える>
「ふぅ~…」
京太郎は昼ご飯を食べた後、休憩がてら座禅を組む。
スレンダーマンとの戦いで精神的に揺さぶられる事が多かったからだ。
「純さん…こんな感じでいいですかね?」
「んーいいんじゃないか?」
京太郎と同じく怪我をして暇をしていた純に座禅を教えてもらう。
純は少し体を動きずらそうにしながらも京太郎の座禅を見てくれた。
「……無になるのって難しくありません?」
「最初はそんなもんだ」
心を無にしろと教わったが無になろうとするほど色々考えてしまう。
むしろ無ってなんだと疑問すら思う。
「精進しろ」
「はい」
2人はのんびりと午後を過ごした。
<哩とお風呂>
「……哩さー」
「んー?」
京太郎はのんびりと天井から降って来る水を見ながら哩へと声をかける。
そんな京太郎に哩は床にタオルを引いて寝ている。
常に温泉が沸いていて湯気が多い為それだけでも十分蒸される。
京太郎がチラリと哩の方へと視線を向けるとうつ伏せになっている哩が目に入った。
白い背中に綺麗な形のお尻が丸見えだ。
京太郎の事を一切気にしてないらしい。
そんな哩を見ながら相変わらずだなと思った。
「襲わんと?」
「襲ったら姫子が何するかわからないからなー」
「ちぇー…」
哩は少しも残念そうでない声を出しゴロンと仰向けの格好になる。
……色々と見えていた。
「……少しは気にしろよ」
「京太郎しかおらんからね」
それけ言うと哩はふぁ~と欠伸を1つすると、うとうとと舟をこぎ始める。
京太郎はもう一度天井を見てから上がり他の人を呼びに行った。
<姫子と煌と会話>
「こんばんは、姫子」
「こんばんは、花田」
姫子がのんびりと風に当たっていると煌がやってくる。
煌は隣いいですかと断りをいれ座った。
暫く会話無く二人は涼む。
「あーいい所に」
「京太郎?」「こんばんは」
2人が涼んでいると京太郎がふら~とやって来た。
姫子は喜び煌は和やかに挨拶をした。
「それで何が丁度いいのですか?」
「哩がお風呂で寝てる」
「あー…」
京太郎の言葉に姫子はそういえばお風呂で寝るの好きだったなと思い出す。
煌はすばらくないですねと少しばかり心配そうな顔をする。
「哩の事任せてもいいかな?」
「任されました!」「よか」
「…」「…」
「な、なに?」
姫子の言葉に煌と京太郎の2人は顔を見合わせ驚いた表情で姫子を見る。
それに対し姫子もまた戸惑いながら声をかけた。
「よろしいので?」
「…こんぐらいはよか」
そう言って姫子はお風呂場の方に向くと歩き出す。
(…怖か、そいけんこそ聞き出さんと)
強い意志を込めた瞳で姫子は進んでいく。
これ以上怯えているとこっちの頭がおかしくなりそうなのだ。
哩の真意を聞き出すいい機会だと姫子は思った。
<哩VS姫子>
「部長…」
「どげんしたと…姫子」
お風呂で寝ていた哩を姫子と煌が起した後、煌に断りをいれ二人っきりにしてもらう。
姫子の問いかけに哩は服を着ながら答えた。
「どういうつもりですか」
「ん~?何んことばい」
姫子の意図が判らないのか哩は手を止め聞きなおした。
その態度が更に余裕に見え姫子の神経を逆なでする。
「…そん余裕な態度ん事です」
「あぁ…そーゆう事か」
その言葉で理解したのか哩はくすりと笑った。
姫子は眉をひそめ一歩後ろに下がった。
「別に気づいただけばい」
「気づいた…?」
姫子が更に一歩下がる。
哩は腰に手を当て胸を張った。
「自分ん気持ちにばい」
「…」
「私は京太郎ん事が好いとー」
「やっぱり」
姫子はきっと睨み一歩前へと踏み出した。
それに対して哩も姫子へと足を進める。
2人はかなり近くまで近づいた。
「それと同じぐらいに…私は姫子が好いとー!!!」
「……ふぁ?」
緊迫した雰囲気にそぐ合わない言葉が出た気がする。
あまりのあまりさに姫子はポカーンとしてしまった。
そんな姫子を気にせず哩はまた両手を腰に当て胸を張る。
着替えの途中だったので前が丸見えだった。
「ど…どういった了見で…」
「私は京太郎も姫子も愛しとる!!」
「…ライク?」
「ラブ!」
姫子は一歩無言で後ろに引いた。
頭の中を警報が鳴らす…何か…何か嫌な予感がする。
哩は逃がさないように姫子に近づくと…
「んっ!」「ふきゅ!?」
哩は姫子へと口づけをする。
暫し呆気に取られた姫子だったがすぐに振り払いあわあわと逃げ出す。
それを哩は勝利といわんばかりにいい顔で見送った。
「あっ……初めてんキスが姫子やった」
「……私はどう反応したらいいんでしょうか」
「へっくしゅん!」
煌は扉の所でどうしようかと項垂れた。
そんな煌に気づかず哩はくしゃみひとつする。
哩が本気になったそうです。
カンッ
<すばらです!>
「これでいいですかね」
「問題なか…と思う」
京太郎と美子が拠点でごそごそとしている。
2人は段取りを確認しつつ煌を待つ。
姫子が走って帰ってきたので哩と煌が何処にいるか聞こうとしたが姫子は顔を赤くし隅っこで震えるばかりだった。
それに2人は不思議そうにするも姫子は答えない。
暫くどうしようかと悩んでいると哩と煌が戻ってくる。
「煌さん!ちょっといいですか?」
「はぁ……かまいませんが」
何があったのか解らないが煌は珍しく焦燥しきっている。
本当に何があったのか……
「それでなんでしょうか?」
「これを……」
煌と共に外へ出ると京太郎はある物を渡した。
「これって…」
「大事に着て下さい」
美子と共にこっそりと作っていた服だ。
それをまじまじと煌は見ていく。
煌の服は何度も何度も直しツギハギだらけだ。
殆ど服と見れずただの布切れ状態。
「………」
「煌さん…あなたは不死身ですが俺達は……」
京太郎は服を渡すと同時に自分達の気持ちを伝える。
少しでも自分の事を顧みて大事にして欲しいと願った。
「煌さん?」
「………すっ」
京太郎が伝えていると煌が体を振るわせ始める。
訝しげな目線で見ていると煌が顔を上げた。
「すばらです!!!!」
「おぅ」
煌の目は輝かんばかりに光り輝き満面の笑みで京太郎を見上げた。
それに対し京太郎がここまで喜ばれとはと少し照れる。
「男性からのプレゼントは初めてですね!大事に着ますね」
「うん…うん?」
「すぐに皆さんにお見せしなければ!」
「あー…煌さんや?」
煌は京太郎の言葉に止まらず走り出した。
そんな煌に京太郎は唖然とする。
「…意味通じてるだろうか」
『すばらです!!』
『ぶほっ何事!?』
『ちょっ!?こんな所で脱がんで!?』
京太郎は煌の浮かれ姿に不安が逆に増した気がした。
カンッ
<道具探し>
「明日晴れたら道具でも探しませんか?」
「道具?」
「よかね」
京太郎がミーティングで提案をする。
ここにはいろいろと足りないものが多過ぎるのだ。
姫子が京太郎の言葉に反応し哩もまた承諾をした。
その際姫子はつつーと哩から離れ京太郎の後ろへと隠れた。
(この2人今度は何をしたんだろう)
「…服が汚れそうですね…はっ!?裸でやれば!」
「やめてね?」
「…本当に花田も姫子もどげんしたと」
少しばかりおかしい2人に他の3人が怪訝そうにする。
京太郎は別の意味で頭が痛くなってきた。
<美子と砂浜探索>
「おー…」
「何かあった?」
京太郎が砂浜に落ちていた物を感嘆の声を上げ見ていると後ろから呼ばれた。
肩からひょっこりと覗くように美子が見てくる。
ソレに対し京太郎はコレと言ってナイフを見せた。
「ナイフ?」
「ん、サバイバルナイフだ」
京太郎自身は触った事も実物を見た事もないが知識にあった為、すぐに解った。
無骨ながらも美しい曲線を描き普通のナイフより大きな刃を持っている。
丈夫で壊れにくく扱い易いナイフだ。
「包丁見たか」
「大きいものな」
美子も初めて見るのかまじまじと見つめる。
京太郎は美子の顔が近づき少しばかり顔を赤くした。
「触ってもよか?」
「え…えぇ、気をつけて」
顔を赤くし逸らしながら京太郎は美子に渡す。
そんな京太郎に気づかず美子は不思議そうにナイフを眺めていた。
<哩と川探索>
「ありゃ…」
「どげんしたと?」
京太郎が川で使える物を探していると何やら鞄が流れてくる。
それを手に取ると後ろに居た哩が声を京太郎にかけた。
「誰かの鞄だな」
「う~ん?」
そう言いながら京太郎は鞄の中を漁る。
本来なら躊躇するがこんな時だ。
京太郎は漁りながら使えるものはないか、誰のかを調べる。
「……際どいな」
「あい…?」
京太郎は何かに触れそれを外に出すと女性物の下着だった。
黒のTバックとかエロイな~と思いつつ見てみる。
それを哩は何か思い出そうと呻っていた。
「学生書あるな…どれどれ」
「………あっ!」
京太郎が学生書を覗こうとした時、哩が声を上げた。
そして上げると同時に哩はすごい速さで鞄と下着を取り返す。
その際に京太郎は学生書の顔写真を見てしまう。
「………」
「………」
2人の間に沈黙が降りた。
「…随分際どいのお穿きで」
「……忘れろ!忘れろ!」
「ちょっと待て!何時も裸とか見せてくるだろ!」
「そいとこいとは別たい!!」
京太郎は顔を真っ赤にさせ鎖を振り回す哩から逃げ出したのだった。
<哩と精神を鍛える>
「………」
「………」うずうず
京太郎と哩が座禅を組んでいる。
取り合えず無にはなれないが動かないでいる事には慣れてきた。
この調子でいけば無の境地に辿り着くかなと思いながら座禅を組んでいると隣の哩が動いた気配を感じる。
「てい!」
「甘い!」
京太郎は哩が振り下ろした物を両手で挟む。
それに驚き哩は顔を驚愕させた。
「てい」
「あいた!?」
哩が振り下ろしたのは自分の手だったようだ。
それを京太郎は掴むと自分の下へと引き寄せる。
そしてデコピンをおでこに当てた。
「なんで解ったばい」
「……衣とかがたまに仕掛けて来るんだよ」
思い出すのは衣と透華だ。
純に教わってから時間がある限りやっているとあの二人が面白がって叩いてくるのだ。
「ほれ…哩も続きだ」
「…飽きたやけん」
そんな事を言う哩を京太郎はお仕置きとばかりに無理矢理座らせた。
<哩姫と会話>
「がるるるぅ」
「………」
「何だこれ」
京太郎がお風呂から上がり拠点へと戻ってくると姫子と哩が何やら遣り合っている。
姫子は威嚇しながら哩が近づかないように動き、哩は無言で姫子に近づこうとしていた。
京太郎はカバディを思い出した。
「京太郎!」「あっ!」
「カバディ…?」
姫子は京太郎に気づくとすぐさま京太郎の後ろに隠れ京太郎を盾にした。
哩は悔しそうにしている。
「今度は何をした」
「何ってただ…」
「ただ…?」
京太郎が哩へと問いかけると哩は何でもないように答えた。
「姫子ば抱きしめようと」
「……」
「がるるるる」
哩の言葉に京太郎は何と言えば判らず黙った。
姫子はそれを聞くとまた威嚇しだした。
「京太郎…そこば退くたい」
「京太郎!助けて!」
「なんだこれ…」
<柵の作成>
「柵を強化しないとな」
「柵ば…部長近寄らんで」
「む~……柵強化か」
京太郎は何時も通りに皆の視線を集め提案をする。
龍門渕メンバーも少なからず怪我をしており憩が忙しそうにしている。
それを見ていて京太郎は柵の強化が必要だと感じた。
「オカルトは無理だろうけど動物は防げるだろう」
「ん~確かに木の柵だけではすばらくないですね」
「賛成やね」
「私もよかと思う」
他の人も京太郎の意見に賛成する。
「とりあえず…煌さん以外全員で」
「すばっ!?何故に」
「煌さん服脱ぎそうなんだもん」
「あー」
汚れるからと服を脱ぎだそうとする煌を全員が思い浮かべた。
<のんびりまったりと>
がるるる
姫子!
ええーい!そこは落ち着け
「………」
美子がのんびりと座っている前で今日もまた哩と姫子の鬼ごっこが繰り広げられている。
それを仲裁しようと京太郎が必死こいで走る。
……掃除すると服が汚れますね
ぶほっ…脱ぐな
あぁ…床を汚れたすばらくない
掃除は俺と仁美さんでやるんで煌さんは哩姫の2人をお願いします!
私もか 当たり前です
何もかんも政治が悪い
「………」
まったりしている美子の後ろで煌と仁美があれこれと漫才を繰り広げていた。
それを哩姫の2人を抱えた京太郎が近づき煌に2人を渡した。
その後は掃除を開始する。
京太郎!海老を取りにくぞ!
なんで!?
海老フライを作るのだ
どうせなら伊勢海老とかがいいですわね
…いるのかな?
たぶんいるんじゃないか?
私の情報によると……
「………」
ほっと一息をついた美子の後ろで京太郎が龍門渕メンバーに絡まれている。
何やら無茶な注文を受けていた。
「………」
「お疲れ様ばい」
ボロボロになった京太郎が美子の元へとやってくる。
それを美子は自分の膝をポンポンと叩き迎え入れた。
「…疲れた、すっげー疲れた」
「………」
そんな事を呟く京太郎を美子は膝枕して頭を撫でた。
今日も美子の周りだけのんびりまったりだ。
カンッ
<柵の強化>
「それでは行って参ります!」
「おーう気をつけてなー」
元気な声で挨拶をして砂浜を歩いていく。
それを京太郎達は元気に見送った。
「機嫌よかね」チュー
「服ん御蔭かな」
「そうだといいな」
柵の強化に勤しむ京太郎達は先ほどの煌を気にかけながら続けていく。
仁美と美子は機嫌良さそうに煌を見ている。
無人島に着いてからの煌と違って日本に居た時と変わらない感じになったのが嬉しいのだ。
「どことなくおかしかったからな」
「そーですね…そいと近寄らんで下さい」
「んー俺は前の煌さんの事知らないからな」
3人で話していると哩と姫子もやってくる。
何時も通りに姫子は哩を追い払っていた。
(いつ仲直りするやら)
戻った煌と違って哩姫の二人はまだ時間がかかりそうだった。
<イベント発生>
「ん…?」
「どげんしたと」
昼ご飯を食べ終え、何時も通り姫子の相手をしている時に京太郎が気づいた。
朝出た煌がまだ帰ってこないのだ、確か昼前には戻ってくると言っていたのに…
「煌さん帰ってきてないなと」
「…そういえば」
遅すぎる煌を心配になり京太郎は腰を上げる。
「清澄にも顔を出したかったし探しに行って来るわ」
「…んーしょうがなか」
清澄という言葉に気になったが何時までも意地を張っていてもしょうがないと姫子は思い許可を出す。
それでも少しばかり不満が顔に出たのか京太郎に行く際に頭を撫でられる。
姫子はえへへ~と笑い、それだけで気分がよくなった。
自分でも調子いいなと思うがそれほど京太郎が好きなのだ。
「……じー」
「………」
木の陰から此方を覗いてくる哩を気にせず姫子は京太郎が煌を迎えに言った事伝えに歩く。
「……どこいったやら」
砂浜を歩きながらスコップとサバイバルナイフ片手に煌を探す。
辺りを見渡すも静かに波打つ音としか聞こえてこない。
「………」
嫌な予感がする。
京太郎は静かに森の方へと歩き身を隠した。
暫く先の砂浜を見ているとザクザクと誰かが歩く音が聞こえてきた。
「誰もいないな」
「当たり前だろ…無人島なんだから」
2人の男性が歩いてくる。
1人は20代ぐらいの男性で何処ととなく若さが抜けていない感じがした。
もう1人は20代後半ぐらいだろうかもう1人の若者と違い少し落ち着きが感じられた。
「……(生き残りの人まだ居たのか)」
本来なら喜ぶべき所なのだがこの2人からは嫌な気配がすると今まで経験上から思った。
大盾の英雄の記憶の御蔭か悪意や善意などに敏感になったこともある。
記憶に関しては、一度に何十年もの年を取った様なものだと思っている。
その記憶と勘が告げている…面倒事だと
(…どうするか)
(あとをつけるか)
元から隠れていた事もあり余裕を持って後をつけることができた。
前を歩く2人は素人丸出しで気配も散漫だ。
歩き方から見ても獣に会ったらひとたまりもないだろうなと考察した。
「あー疲れた」
「働かないと生きていけないからな」
暫くすると粗末な木の柵に囲まれた拠点らしき所に辿り着く。
遠目から覗くと結構な数の人が男女関係無しに動いていた。
(ひいふうみい…十人以上いるな)
全員が全員大人で子供の姿はない。
(心強いとはいえねーな)
そんな感想を抱いた。
服も大分汚れており何より嫌な気配がまるで収まっていない。
(ゆっくりと探すかな)
京太郎は森を遠回りし隙が開いてる所から進入する事にした。
人の姿が無い所から進入しこれまた粗末な家屋の中を覗きこんでいく。
中は砂浜で拾った物やら貯蔵庫らしき所などが多かった。
暫く探していると目的の人はあっさりと見つかった。
「んー困りましたね」
(あーいた)
1つの家屋に煌は居た。
軽く覗くと入り口に見張りらしき人が立っており、煌自身は特に怪我などもしていなさそうだ。
まぁ…煌の場合怪我をしてもすぐに治るのだが…
(煌さん)
「ありゃ」
後ろ口から小声で煌に向かって話すとあっさりと気づいた。
煌は京太郎を見つけると目を輝かせて喜んだ。
心なしか髪の毛もピコピコと動いている。
(どうしてこんなことに)
(いやーバッタリと出会わせまして)
煌の話を要約すると
砂浜で数人の男性に会った。
目が合ってしまったのでしょうがなく挨拶をするとすぐに此処に連れてこまれたと
(乱暴などは?)
(むしろ丁重にですかね)
京太郎はその言葉で暫し考える。
(取り合えず…逃げましょう)
(ふむ…)
京太郎の言葉に煌は少し考えるがすぐに後ろをついてきた。
暫く歩きある程度すると京太郎は先ほど自分が考えた事を話す。
「情報を聞き出そうとしてたんだと思います」
「情報ですか?」
「えぇ…この無人島に着いてから30日か経過しています」
「そうですねー」
「それなのに煌さんの服は綺麗なまま…それに高校生である煌さんが健康そうにしている」
「あー……」
「普通に何かあると思うでしょうね」
彼らの服や生活を見るにギリギリなのだろう。
協力と言う手段もあるが煌をすぐにあんなところに閉じ込める人を信用するわけにもいかない。
何より法律が通用しない無人島なのだ…何かあってからでは遅い。
「柵の強化は正解でしたね」
「うーん……あまりすばらくはないですね」
「こちらも余裕があれば…と思いますけど実際あんな人数来られても無理です」
「そうですね」
「それにしっかりと統率取れてればいいですけど」
「漫画なら偉そうな人が…ですね」
此方の拠点が見つかれば面倒なことになりそうだと京太郎は思った。
そんな話をしつつ京太郎と煌は帰っていく勿論森の中を歩いて砂浜に足跡を残す真似はしなかった。
大人の集落を見つけました。
<清澄と交流>
「まずは…姫子達に報告と煌さんがよければ清澄に会いにいきません?」
「それはすばらですね!」
京太郎は姫子達に何があったのか報告すると咲達に会いに行く。
「裏切り者!」
「………」
「………」
優希から教えてもらっていた清澄の拠点へと向かうと久からの第一声がそれだった。
煌はオロオロとし京太郎と久の間に視線を向けていた。
「……何が」
久はそれだけ言うと京太郎の前から走り去る。
一瞬の出来事にポカーンと固まった。
暫く会話らしき会話しないでいると優希が歩いてきた、隣には和もいる。
「よー犬、……花田先輩!?」
「本当に京太郎君に花田先輩ですね」
「よっす」
「元気そうですばらです」
優希と和は煌が居る事に驚きながらも嬉しそうに駆け寄ってくる。
暫しの間3人は交流をした後、京太郎のほうへとむいた。
「なんか部長にいきなり裏切り者とか言われたんだけど」
「あー……」
「えーと…覚えないんですね?」
「何がだ…俺が部長に会ったのは無人島ではこれが初めてだぜ?」
京太郎のその言葉に優希と和は顔を見合わせ頷いた。
それを見て何かあったんだろうなと思った。
「話せる内容?」
「…私達の口からじゃなんとも」
和は少し悲しげに下を向いた。
それを見て京太郎は後ろに一歩引いた、これ以上踏み込まないとの合図だ。
和はそれを見て察してくれたのかほっと一息ついた。
「取り合えず京太郎は、部長と染谷先輩と風越の福路先輩と会わないほうがいいじぇ」
「…俺先輩から嫌われすぎじゃね?」
少しばかり泣けてきた。
「あーと…咲は?」
「咲ちゃんはもう大丈夫だじぇ」
「そっか」
「今は見回りでいませんけど…」
どうやら咲は居ないらしい。
それを少し残念に思いながらも京太郎はどうしようかと悩んだ。
(…例え嫌われていてもお世話になった人達だ、何かあったら嫌だな)
そう思い情報を渡すことにした。
<全部渡す>
「ちょっと長くなるけどいいか?」
「なんでしょうか?」
京太郎は今まであった経緯を全て話すことにした。
何があってからでは遅いと思った為だ。
ただ、鶴賀や新道寺の情報は表面だけに留める。
鶴賀の情報を渡しすぎたら鶴賀の信用を失う。
新道寺もまた同じだ。
「……良かったのですか?」
「別に構わないよ…争う気ないんだろ、少なくとも和は」
「ふふふ…ありがとうございます」
和の笑みに京太郎は顔を赤くしそっぽを向いた。
そんな2人を優希と煌は微笑ましく見守っていたのだった。
「……ということらしいです」
「………」
「信用できるんかのぉ」
和は京太郎達が帰った後、皆に情報を提供した。
その情報を聞いて何人かは眉をひそめたが大多数は嬉しそうにした。
「たぶん…京太郎君じゃないと思いますよ?」
「…そうなのかしら」
和は膝を抱え俯く久に優しげに声をかける。
久は暗い顔でただただ先ほどの情報を頭の中で整理した。
腕についていた包帯をぎゅっと掴む。
その下にある消えない傷が疼いた気がした。
<水汲み>
「よっと」
「おぉ…偉い偉い」チュー
「…仁美ちゃん、そいはないかと」
夜になる前に戻ってくると京太郎は早速と水汲みをし始める。
こればかりは力がある京太郎の仕事だ。
そんなことをしていると仁美と美子と出会った。
仁美の言葉に悪意がないと判っている京太郎は2人に苦笑するだけで済ます。
「お風呂ですか?」
「んっ…もうよか?」
「これで水汲みも最後なんで問題ないですよ」
仁美の言葉に京太郎は笑顔で答えた。
もうお風呂の時間かと思いつつ京太郎は仁美達と会話を少しだけ楽しんだ。
「んー別に京太郎ならよかと思う」
「まだ…恥ずかしか」
<毛がー!毛がー!>
「………」
仁美は、夜中に起きるとわなわなと震えだす。
はっと意識がはっきりとし辺りを見渡す、幸いにして誰も起きてないらしい。
それにほっとしつつ仁美は自分がこんなにも驚いた原因へと目を合わせた。
「毛が…髪ん毛が…」
仁美は遂に泣き出し涙目になった。
自分の枕に大量の毛が抜け落ちていた。
「なんで…なんで…」
まだ自分は十代の半ばだこんなことありえるはずがと…しばらく泣き腫らす。
「……仁美さん、どうかしましたか?」
「京太郎~!」
京太郎がむくりと起き上がりボーしながら仁美へと声をかける。
何やら泣いている仁美の声で起きたのだった。
「髪がー!髪がー!」
「髪?」
京太郎は目を擦りながら仁美の髪の毛を触る。
相変わらず手触りのいい髪の毛だ、ふさふさでふわふわで細かく気持ちがいい。
暫くわさわさと触り終えた後声をかける。
「んー………何時も通りですね」
「あい?」
京太郎の言葉に仁美は、泣くのをやめ自分の髪の毛を触る。
そこには何時も通りの量の髪があった。
「どうして」
「ふぁー…んーこの島についてから仁美さんの髪の毛オカルトぽいですし……
その影響じゃないですかね…毛抜けの時期なのかと……ZZzz……」
そう言って京太郎は舟を漕ぎそのまま近くに居た姫子を抱きしめ眠りに入った。
残された仁美はまた涙目になり嘆く。
「私は羊じゃなかよ」
カンッ
姫子イチャイチャ投下
↓ R-18 京太郎×姫子 注意
「ん…ちゅ…あ♪」
「相変わらず敏感だな」
「だって…久々だもん」
夜中の風呂場で寝そべりながら京太郎と姫子は裸でお互いを抱き合う。
まだ数回しか行為を行っていないので少しばかりぎこちない。
それでも姫子を気持ちよくさせる為に京太郎は必死に頭を働かせ触っていく。
「んー気持ちよか」
「上手く出来てるといいな」
「そん事思わなくてよか…2人で楽しもう?」
「……それもそうだな」
姫子の言葉に京太郎は考えるのやめる。
確かに色々考えるより2人楽しめればいいかと結論になった。
京太郎は姫子に口づけをした。
勿論軽いものではない、舌を絡ませるものだ。
お互いの舌を絡めあいながら京太郎は姫子の柔らかいお尻を揉んでいく。
一度揉むと姫子はビクリと反応し少し恥ずかしそうにお尻をもぞもぞと動かす。
京太郎は両手で姫子のお尻を掴むと少し太股に持って行きぐいっと足を広げた。
「きゃっ!?」
「ちょっとごめんな」
いきなりの事で姫子は驚き声をだす。
後ろから見たら姫子の秘所は丸見えの状態だ。
恥ずかしがる姫子を無視し京太郎は自分の一物を秘所に摺り寄せる。
軽く腰を動かし擦ると水ではない液体が一物に絡み付いてきた、既に準備は万端なようだ。
「既に濡れてるな」
「…ひ、久々やし、我慢出来なかよ」
「そっか…でももうちょっと準備しないとな」
「ひゃわ……焦られてる♪」
何処となく嬉しそうな姫子の秘所を暫く擦り満足すると割れ目を何度か亀頭でなぞり狙いを
定めゆっくりと押し込む、一物はズブズブと入っていき気持ちよさが背中を駆け巡った。
「あっあぁ~~♪オチンチン、入ってくっと♪」
中を掻き分けながら奥へと入っていく一物の感覚が直に来ているのか姫子が嬉しそうに喘いだ。
既に中はドロドロに濡れていてすんなりと京太郎の物を一番奥まで咥え込む。
「~~~~っ♪っ」
「ありゃ…もうイッたのか」
最後まで押し込んだ感覚を楽しんでいると姫子が背中を逸らし口を大きく開け感じている。
どうやら久々の感覚で奥に差し込んだ瞬間達してしまったのだろう。
涎をたらしビクビクと震えている姫子を見て少しばかり待とうとも思ったが久々で気持ちいいのは
姫子だけではない、京太郎は姫子のお尻に両手をつき力を込め腰を打ち鳴らす。
「~~~♪!?!?あっ❤」
「ごめん…動くわ」
魚のように口をパクパクさせる姫子を置いて京太郎は少しばかり自分勝手に動く。
姫子の膣内を肉棒が擦れる度に膣から熱い汁を溢れさせた。
パンパンと卑猥な音が響く中、姫子は嬉しそうに喘ぎ京太郎を更に興奮させる。
「くぅぅっ、んん…あぁ、いいよぉ♪」
「こっちも余裕がないなっ!」
京太郎が突き上げる度に姫子は、全身を震わせて悶えていく。
膣内は息づくように蠢き京太郎の一物を肉壁で擦り刺激を与えていった。
「やっぱり……っ!姫子の中は気持ちがいいなっ」
「わ、私もっ…!すっごよかっ…あっ…❤」
「ならもっと頑張んないとな!」
そう言って京太郎はリズムよく腰を叩き込み掻き回して行く。
姫子は息絶え絶えになりながらも少しずつ腰を動かした。
お互いにいっぱいいっぱいだが幸せで気持ちがいい。
「ひぅ…あぁぁぁっまた奥にっ奥に♪」
一突きするごとに姫子は嬉しそうに喘ぎ声を上げ乱れた。
喘ぎ声と溢れ出る愛液の音が重なり、それを聞いている京太郎は気分が高揚する。
「くっ……だすぞ!!」
そうこうしていると限界が訪れた。
京太郎はラストとばかりに腰を大きく打ちつけ姫子を高める。
「奥にッゴリゴリって……子宮がぁ♪」
「締りが強過ぎ…っ、いくぞ」
「きてぇ!中に……❤」
その言葉と共に京太郎は子宮に叩きつけるぐらい奥へと差込一気に射精をする。
流れ出た精液は、姫子の子宮を白く染め上げた。
「イクゥ…イッちゃうぅぅぅぅ♪あぁぁぁぁぁんっ❤」
「うぉ」
姫子が一気に達すると膣内がぎゅと絞り込まれ一物を締め上げる。
その勢いに驚くも一物は脈打ち精液を吐き続ける。
姫子はだらしない顔で此方を見てきた。
視線が合っておらず、体がビクンと跳ねるごとに膣内も脈打つ。
まだ達しているのだろう。
「はぁーーーっ…ん~ぬっか♪」
「あーだるい」
姫子は京太郎の上で自分のお腹を嬉しそうに擦る。
それを見ながらも京太郎は少しばかりだるさを感じた。
「…京太郎っ❤」
「あーわかってるよ」
名前を呼ばれた京太郎は姫子を自分の下にさせ、また覆いかぶさる。
まだまだ夜は長いのだ。
「あぁ~~~っ❤」
姫子とイチャイチャしました。
カンッ
<千里山イベント>
「はぁ…はぁ…」
1人の少女がよたよたと頼りない足取りで砂浜を歩いていく。
残念ながら嵐のせいで辺りは暗い、大雨は少女の体力を無慈悲にも奪っていく。
たまに強風が吹き少女の小さな体が吹き飛ばされ何度も砂浜の上に転がる。
(辛いなぁ…でも逃げな)
暫く砂浜の上で蹲るも少しずつ起き上がり前に進む。
残念ながら少女を助けてくれる仲間はいない。
「やばいかもなー」
少女が呟いた言葉は、強風と大雨により簡単にかき消された。
視線の先には何も見えず代わりばえのない砂浜が続いている。
「んーいい感じかもな」
「何がだ?」
京太郎が呟いた言葉に一緒に居た純が声をかける。
純の怪我は大分治り今では普通に動けるようにまでになっていた。
「あースサノオって嵐の神様だからさ…嵐とか操れないかなと」
「…もしかしてこの拠点だけ嵐の影響が少ないのって」
「たぶん…できてると思う」
そんな事を言う京太郎に純は些か呆れた。
衣や透華も対外だがこの隣に居る少年もまた人外レベルの者だと再認識したのだ。
「あれ…?」
「どうかしたのか?」
暫く座禅していると京太郎が声をあげる。
何やら不思議そうに首をかしげていた。
少しの間、何かを呟くと目を開き駆け出す。
何かを感じ取ったのだろう、衣が外敵や何かを発見したときにそっくりだった。
「やれやれ…濡れるな」
それだけ言うと純もまた雨降る外へと駆け出した。
「おい!大丈夫か」
「誰だそれ」
純が追いつくと拠点近くの砂浜で京太郎が誰かを抱き上げていた。
抱き上げている人物に視線を向けると自分達と同い年位の少女のようだ。
顔が青く体調が悪いのがはっきりとわかった。
意識すれ朦朧としているのだろう、京太郎の言葉に反応し京太郎の顔を見るも
認識できているかすら怪しいレベルだった。
「取り合えず、憩に見せようぜ」
「あぁ…!」
2人は雨の中を走り拠点へと急いだ。
「憩!あの子は?」
「あー怜ちゃんな、大分やばかったなぁー」
拠点に入り憩をすぐさま呼ぶと少女を診て貰う。
ぐったりとした少女を見た時の憩は顔を真っ青にさせ大慌てで仕度を始めた。
たぶんあの少女は憩の知り合いなのだろう。
普段冷静な憩はが取り乱し、何より名前で呼んでるのがその証拠だ。
「その様子だともう平気なのか?」
「取り合えずは…かなー」
「それはよかった」
「そんでなー…京太郎君にお願いがあって…」
憩は何やら言いにくそうに此方を見てくる。
京太郎は大体何を言いたいのかを解っている。
(あの様子じゃ暫く動けないだろうな…療養させてくれってことか)
別にそれ自体は構わないが…少女は動けない食料などは京太郎達が用意しなければいけないだろう。
少女の仲間が居ればまだ違うのだが…さて、どうしようか?
<承諾する>
「勿論だ、何より彼女を助けたの俺だしな」
「よかったー」
京太郎の言葉に憩はほっとし喜ぶ。
「あとなーあの子に会ってくれへん?」
「今大丈夫なのか?」
「ん、食事もさせなアカンしな」
そう言われ憩に誘われるまま彼女の元を訪れる。
彼女は新しく出来た拠点内部の部屋に居た。
相変わらず嵐が来ると拠点が成長するようだ。
有り難いが…広くなる拠点に些か怖いとも思った。
「怜ちゃーん、入んでー」
「んー」
憩の言葉に中から声が聞こえる。
それを承諾と取り憩と共に中に入った。
中には簡素な葉っぱの上にシーツが載っており、その上に少女を寝かしていた。
残念ながら布団などはないので毛布一枚だけと少しばかり寂しさを感じる。
「その人は…?」
「怜ちゃんを助けてくれた人やねー」
「ほな…お礼言わなきゃ」
「そのままでいいので」
憩の言葉で彼女が起き上がりそうになったので慌てて京太郎は押しとどめる。
京太郎の言葉に彼女はごめんなと答えほっとしていた。
大分よくなったとは言えやはり気分が良く無さそうだ。
「私の名前は園城寺怜や、助けてくれてありがとなー」
「どういたしまして、俺の名前は須賀 京太郎です、この拠点のリーダーみたいな事してます」
2人は自己紹介をして握手を交わす。
少しばかり和んだ雰囲気になるが京太郎は真面目な顔を作り質問をすることにした。
怜の具合から見て質問は3問ぐらいが限度だろう。
「少し質問いいですか?」
「少しなら」
「何故あんなところに?」
京太郎が気になったのはそこだ。
前にも嵐が来ておりどのぐらいの規模かは判っている筈だ。
森で大人しくするなり色々と出来るはず…それなのに彼女は砂浜を歩いていた。
何があったのだろうか。
「……んっとな、少し前まで竜華達と一緒やったん」
「竜華…?」
「怜ちゃんが通う千里山女子の麻雀部仲間で怜ちゃんの親友や」
「なるほど…」
「そんでな…皆で何とか生きとったんだけど…嵐が近づいて来てるって気づいてな」
「ふむ」
「前の嵐の時は大変やったから…何処か雨宿りできる所はないかと探してたんよ」
怜の言葉に京太郎は注意を払って聞く。
矛盾はないか、嘘をついてないか、そう言った事を探っていく。
「それで拠点を見つけることが出来たんやけど…そこで」
「そこで?」
「私ら捕まったんや、大人達だらけの所で保護だと言って1つの家屋に入れられてな」
「…」
怜が言ってる所は、昨日見つけた所だろう。
彼女の話を聞くに煌を助けた後に来たのだろう、運が悪いなと思った。
「あれは保護とかやないで…私らを見る視線からして食べる気や」
「………」
言いたいことは解る、食べるとはそう言う事だろう。
元より法も娯楽も無い所だ、そういう事もありえる。
「竜華達の御蔭で私だけなんとか逃げられたんやけど…」
「解りました…そちらは考えましょう」
「お願いな」
何かしら対策をしないといけないなと思い京太郎は頭を押さえる。
考える事が増えた。
「次なんですけど…他に知り合いに会ったりとかは?」
「そやねー」
「阿知賀に姫松、それと…チャンピオン…白糸台にも会ったな」
「大分多いな」
怜の言葉で大分会っている事が解る。
これは大きな収穫だろう、彼女達の問題を解決すれば会わしてもらえるかもしれない。
「これが最後の質問です」
「何でも聞いてなー…あっ、ちなみに彼氏おらんよー」
「聞いてない、聞いてない」
「いけずー」
意外と大丈夫なんじゃないかと思えてきた。
いや、慌てるな此方のペースを崩す為かもしれない…何の為にだ。
余裕がありそうな怜を見て京太郎は最後の質問をする。
「ちゃんと食べてます?あー…食事事情が聞きたいです」
「えっとな…セーラとかが魚取ってきてくれて他の人らが森で採取やね」
「ふむ…(此方とあまり変わりはないか)」
「正直言えば満足とは言えんな…お肉食べたい」
「……ありがとうございました、最後のは考えておきます」
「言ってみるもんやねーほな少し寝かせてもらうわ」
「おやすみなさい」「おやすみー」
「………」
「………何か?」
「おやすみのキスは…「ねーよ!?」ちぇ…」
最後にそんなやり取りをして京太郎は部屋を後にする。
憩は怜の容体を見なければいけないので此処に残るという事だ。
「さてさて…どうするか」
大人達に怜の仲間が捕まってるということだ。
助けるにしても時間をかけると彼女達が危ない。
無論、助けなくても何も言われはしないだろう…だがその場合友好関係は築けないだろう。
丁度今は嵐だ、スサノオの力を使えばこの中を助けにはいける。
だがその場合反動で1日動けない…さてどうしようか。
(嵐だから物音立てても見つかりにくい…しかし1日か…うーん)
<助けに行く>
「勿論、助けに行くんだろ?」
「京太郎君はそういう人ですから」
「…何時の間に」
京太郎が準備をしていると後ろから声がかかった。
物陰から出てきたのは純と煌だ。
「うっしいくか!」
「さーいきましょう!」
「あー着いてくるんだ」
※純と煌が同行します。
「はぁ…はぁ…」
「大丈夫ですか?」
「辛そうだな」
嵐の中を進んでいいき大人達の拠点までやってくる。
京太郎の御蔭か煌達の周りだけ嵐の影響がなく小雨程度になっている。
だが力を使いすぎたのか京太郎は軽い目眩を感じた。
「大丈夫です(これは多様できないな)」
京太郎は息を整えると気をつけながら歩き出す。
拠点の外には見張りがいない、まぁこんな嵐の中立っているなんて誰でも嫌だろう。
拠点には5つの家屋があった。
「どこだろな」
最終更新:2026年01月14日 21:53