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<1の拠点>


「まずはここかな」


中から声が聞こえてくる。

聞くにどうやら男性たちのようだ。

微かに木目の所から漏れる光があった、中を覗くと5人ほどの男性がのんびりとしていた。

傍らにはお酒の瓶が転がっている…漂流物だろうか。


(さて…どんな話をしてるやら)



『はっはっは、いや…お酒が飲めるとかいいな』

『確かに…いつもこき使われるばかりだし』

『んぐっ…んぐっ…ぷはぁ~しょうがねーよ、あの人が唯一の医者なんだ』

『だな、あの人が居なければどうなっていたやら』


男達の話を聞くに此処のリーダーは医者の男のようだ。


『それであの子達はどうするんだ?』

『子供とはいえぬ体つきしてたな』

『しかも全員美少女だ、うへへ』

『まぁー慌てるな、最初はしっかりと教えないと医者が此方にいるんだぞーって』

『こんな所で病気になったら医者に頼れないしな』

『自分から股開くってか?あっははは』


男共の話を聞くに碌な事を考えてなかった。

幾ら無人島で日々ストレスが溜まるとはいえこれはない。


『でもさ…ひっく、見張り立てなくてもよかったのか?』

『こんな嵐の中逃げるなんて命知らずのすることだ』

『それもそっか』


どうやら見張りは立ててないと…楽でいいな。

この後も少しだけ聞くもいい情報はなかった。

この男性達がオカルトを知らないという事ぐらいか。


「別の所だな」


<2の拠点>

「ここかね」


少し奥に入ったところを覗く。


『ふっふっふ』

『んっあ…あん♪』


「………違うな」


中を覗くと1人のお腹が少し張っている中年が女性と勤しんでいだ。

その光景に純はつまんなそうに煌は顔を真っ赤にさえ俯いた。

いつまでもこんな所に居るのはよくない移動をしよう。


「…どこだろ」



<3の拠点>


『くっそ~嵐じゃなかったら』

『隙をついて逃げるしかないな~』

『園城寺先輩は大丈夫ですかね』

『無事やといいですけど』

「ビンゴ」


中を覗くと4人の少女達が居る。

怜の名前を呼んでる事から彼女達であっているだろう。

京太郎は静かにコンコンと壁を叩いた。


『誰や』

「園城寺さんを保護した者です、助けに来ました」

『怜を!?怜は大丈夫なん?!』

「静かに…きづかれますから!」

『あぁ…ごめんな』


京太郎の言葉で中の女性は落ち着きを取り戻す。

ここまで来て騒がれて人が来たら目も当てられない。

とりあえず事情を話しすぐさま離れる事にする。


「とはいっても扉も窓も打ち付けられてるか…」

「そんなのこうすればいいだろ」


京太郎の呟きに純は打ち付けられていた板に手をかけ思いっきり引っ張る。

ベキベキと音を立て板が外れた。


嵐の御蔭か幸いにして誰も音にきづかなかったらしい。

その事にほっとし京太郎と煌は4人を誘導する。

お酒で酔っている事もあり警備もなしで簡単に脱出できた。


「これ幸いだけど…危機感無さ過ぎだな」

「別にいいじゃねーかあいつらの事は」


京太郎の言葉に純はつまらなそうに答えた。

先ほどの男性達が気に入らないのだろう。

これ以上被害が広がらないように注意を呼びかけるべきだと思った。


(姫子達と龍門渕はいいとして…鶴賀と園城寺さん達が会った姫松、阿知賀、白糸台に必要かな)


そんな事を思いつつ京太郎達は無事に拠点へと辿りついた。


<哩と鍛える>


「京太郎」

「ん、どうした哩」


京太郎が拠点で休んでいると哩に声をかけられた。

最近にしては珍しいなと思った。

いつもなら姫子を追いかけている時間なのだが。


「器用になっにはどげんしたらよか」

「いきなりなんだ?」


哩の顔はすごく真面目な顔だ。

いきなりどうしたのかと思っていると哩が答える。


「姫子が捕まらなか…ぐすん」

「………」


哩は腕をだらんと下げ涙目になる。

理由が理由なだけにどうしようかと思ったが結局一緒に鍛えることにした。



<仁美と会話>


「頼む」

「あいさいさーっと」


拠点で哩と遊んだ後、京太郎はお風呂上りの仁美に髪の毛の手入れを任される。

最近よく任されることが多いなと思った。

それほど信頼されているという事もあり嬉しい事なのだが…たまに姫子と美子の視線が痛い。


「上手くなりよったな」

「毎日のようにしてますしね」

「そうだっけ?」

「そうですよっと」


仁美はそんなに頼んだかと思ったが覚えがない。

知らず知らずの内に京太郎に頼っていたようだ。

自分の変化に少しだけ戸惑うも嫌な気持ちにはならない、むしろ頬を緩め喜んだ。


「京太郎」

「なんですか?」

「これからもよろしく」

「はぁ…そりゃ勿論」


仁美の言葉の意味を理解できず少しばかり京太郎は戸惑うのだった。


<食料調達>


「んー明日食料調達しません?」

「別によかよ…そいにしてもなんで?」

「人も増えましたし…いざって時は助け合いばと」

「いいかもな」


いつものミーティングの時間に姫子が提案をしてくる。

確かに人が増えた、皆がそれぞれ自分達で調達してるとは言え多くあっても困らない。


「いい考えと思う」

「確かに…よかね」

「スバラだと思います!」


姫子の言葉に次々と同意していく。



<40日目-朝->


「あれ…んーやっぱり無理か」


朝起きると京太郎は体が動かなかった。

昨日の無理が祟ったのだろう。


「どげんしたと?」

「あー姫子か、ごめん憩呼んできてくれるか?」

「憩ば…?はっ怪我ば!?」

「あーちょいと違う、昨日の無理で体動かなくてな」

「すぐ呼んでくっばい!」


走り去る姫子を寝ながら目で追った。

動かせるのが頭だけで指すらビクリとも動かなかった。







「んー体に異常はなしやね、不思議やー」

「たぶん1日で治ると思うんだけど」

「そやなー取り合えず移動しよっか」

「ここじゃ駄目なのか?」

「怜ちゃんの面倒も見なアカンし、一緒の所居ないと面倒で」


確かに拠点をいちいち移動するのは疲れるし面倒だ。

京太郎は頷き承諾した。






「他に運び方ってなかったんですかね」

「めんどうだしいいだろ」

「私に力あいば…」


京太郎は純にお姫様抱っこで運ばれる。

流石に恥ずかしいものがあり、今後無茶はしないようにと誓ったのだった。

姫子は京太郎を持ち上げようとして無理だったのを嘆いていた。




「いらっしゃーい♪」

「出来れば来たくなかった」


拠点4に行くと寝たっきりの怜に迎えられる。

その顔はすっごい笑顔で正直嫌な予感しかしなかった。

<姫子と行動する>






「んーこんなもんかな」


姫子は森の中で食料を探す。

昨日自分で言った事もあり、かなり積極的に動く。

少しばかり音を立ててしまうがしょうがないかと思った。


(京太郎をあそこに置いておくのは得策じゃなか)


怜が何やら嫌な感じの笑みを浮かべてるのが気になるのだ。

姫子は急いで食料を纏めると歩き出す。




「判ってるばい」

「!?」


姫子は食料をすぐに地面に置くと後ろを向き鍵を向けロックする。

その途端、鍵の先に居た人物は足が縺れ大きく転んだ。

20代前半の男性で手には木で出来た槍を持っていた。


(京太郎が言ってた人達だね)

「なんだこれ…おい!何しやがった!!」

「そっちこそ何…?人ん後ろにそっと近寄って」


男は得たいの知れない事に動揺するも相手が小娘だと思い。

すぐに大きく威嚇した。

ソレに対し姫子は腰に手を当て鍵を相手に向ける。


「うっ……いや、あれだ…危ない人かどうか見極める為に」

「………嘘」

「………ちっ」

「結局こうなっかー戦闘苦手やのに」


男は立ち上がり槍を片手に此方を睨んでくる。

そんな相手の様子には姫子は厄日だなとー暢気に構えた。


(とりあえず逃げん一手やね)


残念ながら姫子に戦闘能力は無い。

相手を動きを抑えることが出来ても攻撃手段がないのだ。

出来る限り音を立て誰かが来てくれるのを待つか拠点へと逃げ込むかのどっちかだ。


「へへへ…なんだ、こないのか」

「………」


相手の言葉に乱されぬように注意をしつつ辺りを確認する。

男は槍を肩に置きゆったりと近づいて来る。

先ほどの転んだ原因が姫子と気づいていないのだろう。

余裕を通り越し油断している。


(どげんしよ?)



「はぁ……何時もこうならカッコイイのに」


姫子はため息をつきやれやれと首を振る。

いつもこのような感じなら姫子もまんざらでもないのだが、本当にもったいない人だと思った。

姫子は逃げるのをやめ足を止める。

その様子に男は諦めたのかと思いニヤニヤといやらしい笑みをし近寄ってくる。


「諦めたか」

「そん反対やね、部長?」

「そん通り!!」


姫子の言葉に反応し哩が草むらから飛び出し手の鎖を男に巻きつける。


「姫子!!リザベーション……」



『『リザベーションαβ』』

「ぶべら!!?」


男に巻きついた鎖に向かって姫子が鍵を回し開ける。

そして同時に叫んだ瞬間、男に巻きついていた鎖が連鎖をして爆発する。

ドガガガと大きな音を立て何度も爆発し程なくして音が止む。

煙が立つ所に男だが横たわっている、男は特に怪我もない一応手加減が出来てたようだ。


「こんなもんやね」

「勝利んVサイン!」


2人は背中合わせにポーズを取り決めた。


戦闘に勝利しました。




「そいで…どげんしますか、こん人」

「どげんしようね」


横たわる男を木の棒で突っつきながら姫子が哩に聞く。

正直な話、姫子を助けれた今どうでもいいのだが…さてどうしようか。


(連れて帰ってもな…よか情報持ってなさそうだし、捕まえておくところもないしな)






<木にでも縛り付けて放置>


「こいでよか」

「あー…うん、南無です」


哩は男性をずるずると引きずると近くの木の下に鎖を出し縛り上げる。

姫子はその様子を見て少しばかり顔を引きつらせた。

どうやっても1人では抜け出せそうにもない。

姫子は、獣に食われる前に男性の仲間が見つけてくれるのを密かに祈った。


「帰っぞ、姫子」

「はーい」


最後にチラっと男性を見て手を合わせ姫子はトタトタと哩を追いかける。


<京太郎のお世話>

「京太郎ー生きとっか」

「…何とか」

「スピー」


哩が昼に京太郎の様子を見にいくと何やら朝よりやつれていた。

そんな京太郎と違い京太郎の脇で怜が満足げな顔で寝ている。


「どげんしたと」

「……俺が動けにないのをいい事に園城寺さんが擽ったり延々と会話をしたり」

「あー」


なんとなく判った。

外で活動している人に比べたら暇なのだろう。

一応憩が待機してるとはいえ彼女も仕事がある。

そんな中に動けない京太郎を放り込んだらそれはこうなるなと思った。


「ご愁傷様」

「うん、まじで疲れた!」

「ははは…そいじゃ私と会話も無理?」

「それとこれとは別かな」


京太郎の言葉に哩は少し嬉しそうにし先ほどの話を含めしていく。

その話をすると京太郎は険しい顔をした。

動物やルフクトゥだけでも一杯なのに大人達も加わるのだ。


「んー俺だけでは決められないな」

「夜に皆で相談かな」

「それがいいと思う」

「ん、判った」


それから暫く京太郎と哩は会話を続けた。



<昼間に襲われたことについて相談>

「まずは要点だけ話す」


哩は夜になると新道寺に千里山それに龍門渕のメンバーを全員集め話を始める。

内容は今日の昼間有った事だ。

動物とは違い知恵もある人間相手なのでこれまた事情が違ってくる。


「面倒ですわね、こう力ずくで」

「おっそれいいな」

「いやいや…相手も同じ人間だしさ」


透華と純がそんな物騒な事をいうのを一が抑える。


「ん~罠を作ってもなー」

「そもそもあっちが襲ってくるのを防ぐとなると…」

「あーまどろっこしいな」


竜華や浩子が相談し合い、セーラが頭をかきむしる。


「あっちと会談開く?」

「舐められるだけで終わるばい」

「私達は子供やしね」


姫子が案を出すも仁美と美子に却下される。


「意外と難しいな」

「獣なら壁を作って防げますけど…人となると」

「そやなー警備隊でも作って見回りとかどうやろか」

「衣と京太郎の力は拠点周りしか守れないからな、いいかも」


京太郎と煌の言葉に怜が案をだした。

衣の意見もある、拠点を京太郎と衣で守り、警備隊で周りの警邏、そして1人で行動しない。

そんなところだろうか?


(警備隊を作るにしても誰に頼む?)
(1人や2人じゃ効果がない、出来れば千里山か龍門渕に頼むのがいいんだけど)


そうなると食料の問題も出てくる。

警邏をしてもらう間彼女達の食料と水を此方が用意しなければいけない。


(まずは…水樽がもっと必要だな、出来れば今のを含め3個あれば)
(食料は、食料庫を広げないといけない…んーどうやって広げるか)


あーだこーだと会議は続いていく。


「うーん…流石に会いに行ってみるか」

「誰にや?」

「誰にやろな」


京太郎の言葉に怜と竜華が不思議そうに首を傾げる。

現在京太郎は千里山に貸している部屋へと来ている。

理由は怜から聞いた合った人達についてだ。


「会いに行きたいので場所とか教えてもらえませんか?」

「別にええよーなぁー竜華ー」

「うん、助けてもろうてるしな、それで何処の高校に会いにいくん?」


竜華の言葉に京太郎は少し考える。

どうやらその3校は別々の場所でそれなりに遠いらしい。


「会いにいけるのは1校が限界かな…何処にしようかな?」



<姫松に会いに行く>

「ってことで行きません?」

「よか!」

「わーい♪」


姫松の人達に会いに行く最中に砂浜を歩いている、哩と姫子を拾った。

2人は機嫌よく京太郎の腕をそれぞれが取り腕を組む。


「歩きずらい!」

「GO!GO!」

「姫松かー会った事なかですね」


3人で歩いていると言われたとおりの所に拠点を見つけた。

それと同時に竜華に言われた事も思い出す。


(基本いい人達なんやけど…姫松でやっかいな人おるんよ)

(誰ですか?)

(監督をしとる赤阪郁乃…彼女には気をつけてな)


「さてさて…何が出るやら」


3人で歩いていると人と出会った、京太郎達は顔を見合わせ頷くとわざと音を立て近づく。

警戒心薄いのか気にして無いのか…その人は柵を直していた。


「おー絹か、丁度よかった…木足らなくてなー持って来て…」

「「「こんにちは」」」

「…おーこないな所でカップルと出会うとは思わんかったわ」


驚いているのか驚いてないのかいまいち判らない反応で彼女は出迎えてくれる。

そんな彼女を京太郎は知っていた、久と大会で戦っていた愛宕洋榎 その人だ。


「んー……」





<洋榎 信頼度82 友達>

「あーあー…恭介!」

「誰だそれ…」

「なんや…のり悪いな~京太郎」

「いきなり無茶ぶりを……」


こんな所でも洋榎は絶好調らしい。

悲壮感なく陽気な顔で此方を見ている。

そんな2人を不思議そうに隣の2人が見ていた。


「京太郎、知り合い?」

「あぁ…うちって全国で姫松と当たったからな、その縁で」

「いやいやーあの熱い夜を忘れたんか!」


すぐにボケに走る洋榎に京太郎は少し面倒になった。

しかも色ボケである、そんな事をすれば隣の2人…特に姫子がどんな反応するか…


「…京太郎?」

「夜に皆でトランプしただけだから…俺にとっての初めての人は姫子です」

「そか…それならよか♪」


京太郎を見つめる姫子の目が陰りじーと見つめられた。

それに京太郎は嫌な汗をかきながら否定する。


「話進みませんから!」

「そやったね…それでどないしたん?」

「千里山の人達に出会って皆がいること知って会いに来たんですよ…他の人は?」

「んーなるほど、ちょっと待ってなー」


そう言って洋榎は拠点の中に入っていった。

暫く待っていると洋榎が拠点の中からこっちへ来いと手招きをしていた。

京太郎はもう一度2人の顔を見て頷き入る。


「………じー(両手に花や)」信頼度23

「………じー(たらしや)」信頼度37

「………じーなのよー(こういう人に近寄っちゃいけませんって言われてるのよー)」信頼度34

「………じー(こちとら彼氏も居ないのに…爆発させたろか!)」信頼度25

「…なー♪なー♪名前なんて言うん?(頭良さそうやし…女性二人も…満足できそう♪)」信頼度83


「あー……(1人意外すっごい顔になってる)」


拠点の中に入ると京太郎達へと友好的でない視線が向けられた。

まぁ…両腕に女性を侍らせている男子が来たら警戒するよなと納得した。

とりあえず…この目の前の危険人物さんをどうにかしよう。

何か狙われてる感じがして正直怖い。


(まずは…何の話から入るかな)






<大人達の集落について>

「大人達の集落について情報交換をしたいなと思いまして…」

「大人…?そないな所あったんか」

「…知ってる人おる?」

「はーい、はーい郁乃しっとるよー」


皆が顔を見合わせる中、郁乃だけ暢気に手を上げた。

そしてそれを見た恭子に首根っこ捕まれて外へと連れ出される。

自分たちに報告してなかった事でお説教でもされてるのだろう。


「んー(知らないか…情報を渡すべきか?)」


<渡す>

「えっと…知らないなら情報を渡しておきますね、信用できないなら千里山の人にも聞いてください」

「……どうして親切に?」


戻ってきた恭子にそんな事を言われる。

確かに無人島での情報は貴重なものだ。

それを京太郎はほぼタダ同然で教えようとしている、タダより怖いものは無い何を企んでいるのかと

思われても仕方が無いことだった。


「…んーこれでも彼女持ちですからね、出来れば女子達に危険な目に合ってほしくないと…」

「たらしやね」

「あはは…別に下心はないですよ」「私が処理ば…もが」


変な事を言い出しそうになる姫子の口を京太郎が塞ぐ。

勿論ギロリと哩を睨み変な事言わないように阻止する。

それを見て哩は少しばかりぎこちない動きで視線を逸らした。


「洋榎さんとは友達ですし…友達の友達がって意味で…じゃ納得できませんか?」

「………はぁ…お人よしやね、君は」


ため息をつき恭子は少し笑う。

どうやら少し警戒がなくなったようだ。


大人達の拠点の情報を渡した 姫松の信頼度+5UP




<人やオカルトに襲われたりは…>


「今まで人に襲われたりとかはしてませんか?……ちなみにたった今俺にって言われたら、流石に凹みますけど…」

「私ば襲って!」「いや、ここは私が…」

「2人は黙ってましょうね」


なんでこの2人を俺は連れててきたんだろうと思いながらも京太郎は話を進めていく。


「んー……何かある?」

「動物にぐらいなあるのよー」

「大人達の拠点がある事も知りませんでしたしね」


恭子の質問に由子や漫が答えるが人に襲われたことはないらしい。

その事に少しほっとし京太郎は次の質問へと移る。


「それじゃ…人と動物意外では…?」

「……オカルトの話知ってるんやね」


それだけで通じたのか恭子が目を細める。

そして少し考えた後、恭子が喋りだす。


「漫ちゃんが主将を森で見かけたと言った時があってな」

「あーあんときのですか」

「ふむ」

「そん時主将は砂浜で貝取っててな森に居るはずないって話に挙がったことがあるぐらいやね」

「なるほど…」


恭子達の話に京太郎は暫し考え込む。


(同じ人物が2人?…わからん、何処かにそれに似た情報はなかったかな)


京太郎は暫しの間考え込むのだった。




<困りごとは>

「最後に困り事とかってあります?」

「……別にないで」


恭子は少し言いよどみ答える。

他のメンバーも何か言いたそうにするも口を塞ぐ。

本当はあるのだが話したくないのだろう。


(まだ信用されてないか…当たり前だな)


取り合えず此方の質問を終え、次は相手に情報を渡そう。

さて…どんな質問をされるか。



「こっちが聞きたいんやけど…」

「えぇ…構いませんよ」

「なら……先ほどオカルトの話が出たけど何かあったん?」

(さてどうしようか)



<全てを話す>

「長くなりますがいいでしょうか?」

「判った」


京太郎の言葉に恭子達は頷き聞く姿勢に入った。


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「ってことが…」

「大盾の英雄がーっ」

「辛い目にあったんやね」

「……ルフクトゥの奴、見つけたら許さん!」

「…な、泣いとらんよ」

「……(んー本当の事やね、ノーガード戦法…普通なら無謀やけど、この子達には有効やね)


皆が涙ぐみながらも聞いてくれた。

どうやら信じてくれたようで京太郎はほっと一息をついた。



「ぐすんっ…そんでな、千里山と会った言うとったけど他に人とは会ったりは?」

「えーと…」


涙する恭子を前に京太郎は少し戸惑いながらも考える。



<浅く全部話す>

「そうですね…」

「ふむふむ」


取り合えず京太郎は触りだけを全部伝える。

ソレに対し恭子は聞き漏らさないように真剣に吟味しながら聞いた。


「ありがとなー(深くは教えてくれんか、信用はまぁまぁできそうやね)」

「ふぅー…いえいえ(あまり話しすぎても口の軽い奴と思われかねないしな)」


「あはははは」

「あはははは」


「何やろ…あの2人は怖いわ」

「同感たい」

「何か目が笑ってないのよー」


2人は周りから少し引かれていた。


「次が最後で…拠点ってどないなってる?」

「ふむ」


恭子の言葉に京太郎は考える。

範囲が広すぎて何を知りたいのかが判らないのだ。

一体何を知りたいのだろうか…。


(できれば此方が有利になるように進めたいな、相手の欲しがる話題をだそう)



<全部話す>

「そうですね」

「ふむふむ」


取り合えず全部を浅く話し興味が沸くような話題がないかを探す。

暫く話をして相手の反応を見る。

恭子は少し難しそうな顔をしていた。


(しまった…浅過ぎて駄目だったか)


どうやら浅過ぎて反応に困ってるようだ。

京太郎は自分の失敗を肌に感じながら姫子達と共にその日は拠点に戻ることにした。












「なーなー♪末原ちゃん、京太郎君達はどうだったー?」

「そうですねー」


京太郎達が去った後、郁乃がまとめ役でもある恭子へと質問を投げかける。

ソレに対して恭子は静かに考える。


「…取り合えず…信用できるかとまだ様子見なんで次はあっちの拠点に行って見てですかね」


<鶴賀と交流>


「あーそうだ、そうだ、鶴賀にいかねーと」


拠点に戻った京太郎は唐突にそんな事を思い出した。

様々なグループに鶴賀の話をしたこともある、伝えなければいけないだろう。

なにより、ゆみに襲われてから会いにいってない。


「よっしゃ会いに行くか」


何時も通りにスコップを持って京太郎は意気揚々と歩いていく。

何気に久々で楽しみだ。




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「この辺りと聞いたんだけど…っとあれか」


京太郎が暫く歩くと小さな湧き水の泉近くに車が置いてあった。

誰かいないかと辺りを見渡すと1人が切り株前で何かをしている。


「どもー」

「うひゃう!?」


京太郎が後ろから声をかけるとその人物…睦月が声をあげ驚く。

少し急過ぎたかと思いながらも京太郎が睦月に自分だと知らせる為に肩に手を置いた。


「あぁ…須賀君か」

「急過ぎましたね、すみません」

「いや大丈夫だ、所で何か用かな?」

「交流でもと…お話もありますしね」

「うむ…判った人を呼んでくる少し待てってくれ」

「はい」


睦月はそう言うと切り株の上に置いていたプロカードの束を片付け車の方へと向かっていった。


「わはは…お久しぶりだなー」

「あぁー……最後に会ったのは私がお前に轢かれた時か」

「あれはゆみちんが悪いんだぞ!」

「流石に判ってる」


車の中から3年生組みが出てきた。

相変わらずで元気そうだ。


「さてと……ん~そこか?」

「残念こっちっす!」

「あらら」


京太郎がなんとなく違和感あるほうへと向くと少しずれた所から桃子が現れた。

今回はオカルトの事もあり自信があったのだが見事に外れた。

ちょっとばっかし残念に思っていると佳織と睦月も此方へとやってくる。


「お、お久しぶり…須賀君」

「お久しぶりです」

「うむ、これで全員だな」


京太郎の周りに鶴賀メンバーが全員揃った。


(さてと…交流するに当たって情報を渡すか…渡さないか)


「ってことですね」

「ふむ…まぁ情報を渡されるのはしょうがないか」

「知られて困る事ないっすしね」

(もっと責められるかとおもった)


ゆみと桃子の言葉に京太郎はほっとした。


「ルフクトゥ…さんですか」

「わはは…さん付けじゃなくていいと思うぞ」

「注意しなければいけないな」

「うむ、他の高校と信頼関係を組むのがいいですかね」


「あいつは狡猾なので気をつけてください」


これでルフクトゥが来ても少しは大丈夫かなと思った。


「………記憶を継承って大丈夫なんっすか?」

「今の所は役にしか立ってないな」

「ふむ…だが飲まれるなよ?記憶と混在して自分を見失うという漫画とかでは王道だからな」

「あぁ~……ルフクトゥを前にすると危ないかもな」

「わはは…宿敵だもんな」


記憶についてはむしろこっちが心配されてしまった。

確かに飲まれかけた事が何回かあったなと思い出した。


「大人達がか…」

「怖いですね」

「かおりんなら運でどうにかしそうだけどなー」

「いざって時はワハハカーで逃げるっす」

「そうだな、何かあったらこっちも助けるよ」


ワハハカーの御蔭で鶴賀はあまり心配なさそうだ。

その事に少しほっとする。


「他校について…ですが」

「あぁ…誰に会ったかだけ教えてくれればいい」

「…いいのか?」

「問題ない、それにあまり渡しすぎたら君が危ないだろう」

「…ありがと」


ゆみの心遣いに感謝しながら京太郎は誰に会ったかを教えていく。





「それじゃこれで…」

「ワハハカーで送るっすか?」

「いや…いいや」

「わはは…そうかーそうかー」

「賢明だな」

「あれは…トラウマレベルですからね」

「うむ、ジェットコースターより怖い」


京太郎は満足げに拠点へと戻った。


<煌と修行>


「京太郎君!」

「どうかしましたか?煌さん」


京太郎がお風呂へと向かっていると煌に呼び止められる。

煌は服を前のボロボロの服に着替えており、どうしたのだろうかと京太郎は思った。


「お手合わせお願いします!」

「…何故に?」

「大人達に捕まって判りました!防御だけではやっていけないと…なので私は体術を学ぼうかと」

「なるほど…まぁいいですけど…何か考えでもあるんですか?」

「はい!考えに考えて結論がでまして」


京太郎は煌の言葉に頷き少し離れ体を軽く動かす。

その様子を見て煌も何やら構えを取った。


(んー…考えたとはいってたけど構えは初心者だな)

(ふぅ~…落ち着いて上手くできるはず、体全身に力を均等に込めて!)


「それじゃコインを投げるので落ちたら開始で」

「はい!」


キーンと甲高い金属音を鳴らし京太郎がコインを上に弾いた。

そのコインを2人はしっかりと目に収め落ちる様子を見ていた。

コインは空中で少しだけ留まり落下する…そしてコインが地面に落ちた。


「なっ!?」

「ていっ!」


最初の一撃は煌からだった。

煌が一歩足を踏み込んだ瞬間砂浜の土が空へと爆音を上げ打ち上げられる。

気がつけば煌が目の前に居た、京太郎との距離はゆうに4Mは離れていたのにだ。

京太郎は反射的に身を下げ煌の拳を避ける。

ギリギリだったのか髪の毛に拳が当たり毛が途切れ飛ぶ。


(どんな力してんだよ!)


その光景をしゃがみ込みながら見ていた京太郎はドバッと汗が吹き出るのを感じる。

もし当たっていたらとんでも無いことになっていただろう。

煌にこんな力があったのかと思いつつ京太郎は足を伸ばし煌の足を絡み取り足払いをする。


「ふっ!」「あわわわわ」


足元に警戒をしていなかったのか煌は呆気なく前のめりに転び砂浜へとダイブした。

その隙に京太郎は煌から距離を取る、もちろん迫撃をするほど冷静をかいてはいない。

先ほどの力のことがある、掠っても危ないのだ。


(……どういうことだ?)


口に入った砂をぺっぺと出している煌を見つつ京太郎は考える。

煌の身体能力が異常なのだ…何かしらタネがあるはずだ。


(考えろ…俺!)



  • 不死身- -体修復- -潰されようが切り刻まれようが戻る体- -無茶をしても大丈夫-


京太郎の脳裏で今までの煌の情報が乱れ飛ぶように駆けて行く。

暫く考えひとつの答えにたどり着く。


(もしかして…)


「さぁ…もう一度ですよ!」

「その前に…もしかして煌さんの力って…肉体の限界突破ですか?」

「ありゃ、もうバレましたか」

「やっぱりかー…」


煌の言葉に京太郎はがっくりと項垂れた。

人の体は普段力を70%しか使われて無いと化学で証明されている。

様々な憶測があるが主に『心理的限界』が原因とされている。

人のパフォーマンスというのは、感情や精神面のネガティブな精神面で自動的にリミッターがかかる。

だが煌は強靭的な精神の持ち主だ、いとも容易くそれを越えたのだろう。


だがこれをはずしても第2、第3のリミッターにぶつかる。

もしも筋肉が持つ100%の力を発揮すると、人の体はその負荷に耐えられず、筋肉そのものや骨と靭帯を損傷する。

筋力値の限界…『生理的限界』だ。

だが煌はそれをもクリアしたのだ…自分自身のオカルト『不死身』の御蔭で…


「100%出したとしても普通の人なら体が壊れる…だが煌さんは直ぐに体が治るので…」

「えぇ…使い放題です!」

「卑怯くせー……」


胸を張って答える煌に京太郎はがっくりと肩を落としその場に倒れこんだ。

その後、煌の調整がまだ出来ていないということで修行を終えた。


<憩と会話>

「ただいま」

「おかえりー遅かったなぁ~」

ゆみ達と別れ京太郎が帰宅すると辺りはすでに真っ暗になっていた。

拠点に着くと外に出ていた憩と出会う。

憩は何時も通りの、にこやかな笑顔で京太郎を出迎えてくれた。


「皆は………お風呂か」

「そやなーウチも入らんとなぁー」


京太郎が見上げると拠点の上から薄っすらと湯気が出ている。

それを見ながら口に出すと憩も同意して空を見上げた。

相変わらずの晴天で夜空が綺麗に見えた。


「そういえば…龍門渕の人達の容体と園城寺さんは?」

「大分よくなったな~たぶんそろそろ相談あるんやないかな、怜ちゃんは相変わらず外に出せないぐらいで」


憩が答えた問いを自分の中で整理する。

純さんも普通に歩いているので大分良くなってると判る。

それにしても相談とは何のことだろうか?


「相談か…なんだろね」

「なんやろね~」

「って憩も知らないのかよ」

「少し話し聞いただけやしなーとっ……そろそろお風呂いかなあかん、ほなな~」


ふわふわした会話を少し続けると憩がお風呂へと向かっていく。

京太郎はそれを見送りながら食事をする為に食料庫へと向かった。



京太郎「資材を集めるか」

姫子「資材ば…?」

哩「大人達対策ん為やね」


姫子が不思議そうにしていると哩が納得し姫子に教える。

哩の言ったとおりだ、大人達が居る為防壁の強化や警備隊をつくらなければいけない。


煌「んーやっかいですね」

仁美「よか迷惑たい」

美子「生きる為には仕方が無かね」

京太郎「まぁ…そういうわけで明日頼むわ」

全員「「「「「はーい」」」」」



<白糸台と交流>


京太郎「確か…この辺なんだけど」


京太郎は森の中を歩きながら辺りを見渡す。

他の人達と交流を図ろうと思い歩いているのだが一向に白糸台の拠点に着かない。

道を間違ったかと思いながら進むと……


京太郎「おろ…」



京太郎が歩いていると足に何かが引っかかり切れた。

確認すると紐のようだ。


京太郎「よっと」


ヒュンと音を立て飛んでくる矢を軽く手で打ち払う。

どうやら罠が仕掛けて合ったらしい。

なんなく突破し京太郎は歩いていく。

罠が仕掛けてあったと言う事は近くに拠点がある筈だ。








京太郎「っ!?」


歩いていると急に足元に浮遊感を感じた。


京太郎「くそっ!またかよ!!!」


京太郎は咄嗟に穴の縁を掴み器用に上がる。

下を見ると泥水が溜まっている…地味に嫌な嫌がらせだ。


京太郎「……結構しっかりと防衛策しいてるのな」


少し呆れるもこのぐらい慎重になったほうがいいかも知れないなと思いながらも先を急いだ。

いい加減拠点に辿り着くはずだと思いながら………





京太郎「……あれ、ここさっきも通ったな」


自分で印をつけた木を前方に発見し眉をひそめる。

いつの間にかぐるぐると回っていたらしい。


京太郎「ん~……」




京太郎「はぁ……ようやく抜けれた」


もう一度しっかりと考え直し頭の中で地図を作成する。

作成するとマッピングをしながら歩き続けようやく抜けた。


京太郎「………流石にもう何も無いよな?」


若干の疲れを見せながら京太郎は足を踏み出した。


???「流石にこれ以上はないよ~てか凄いね、まさか全部抜けちゃうなんて」

京太郎「はー…これでも結構経験してるからな、慣れっこだ」

???「なにそれ!こんな目に毎回合ってるの?」


後ろから現れた少女に京太郎は冷静に対応する。

先ほどから此方を見て居る奴が居ると知っていたので大して驚かない。

むしろようやく姿を現したかとさえ思った。

そんな京太郎に気づかず後ろの少女は目を輝かせ京太郎を見つめる。

なにやら気に入られたようだ。


京太郎「俺は清澄高校一年の須賀京太郎だ、白糸台の人がこっちにいると聞いて情報交換に来た」

???「清澄…咲達とこの?」

京太郎「訳あって一緒に行動はしてないが何処にいるか知ってるぜ?お嬢さん」

淡「そっかー…咲達も無事だったんだ…それとお嬢さんじゃない!白糸台100年生の大星淡ちゃんだ!」


淡の言葉に京太郎は思い出した。

インターハイの決勝戦咲と戦ったあの小生意気な少女だと……


京太郎「なるほど…それで…大星さん、他の人達は?」

淡「んーとね、たぶん拠点に居ると思う…それと淡でいいよ、私も京太郎って呼ぶから」

京太郎「判った…それで出来ればリーダーの人に会いたいんだけど」

淡「なら着いてきて」

京太郎「いいのか?」

淡「本当は菫から駄目だって言われてるけど別にいいよ、むしろここで京太郎を逃すと私達が損する気がする」

京太郎「………」


京太郎は淡の言葉にいい勘してるなと思いながら無言でついていった。






淡「すみれーお客さんだよ!」

菫「……連れてくるなと言ったのに」

誠子「まぁ…淡ですし」

尭深「むしろ淡ちゃんが気に入るほどだからすごい人なのかも」

照「………」


京太郎が淡の後ろをついていくと大きめのテントが張られている場所へと出る。

注意深く周りを見渡す。

近くに湧き水が出て川を作っており、上を見上げると多くの蔦によって木と木の間を埋められており天然の天井を作っている。

回りも無駄な木が切られており幅広い空間を作り上げていた。

今まで見てきたほかの拠点より充実できる作りになっている、どうやら安定した生活をおくれているようだ。


そんな中テントの前の焚き火で4人の女性が座って淡と話をしていた。

それぞれが今まで感じた事無い雰囲気を晒している。


京太郎「………」

照「………」


そんな中、幼馴染によく似た女性と目が合った。

照「………」信頼度34

京太郎「………」


その少女は暫くの間此方を見ると満足したのか表情を変える事無く焚き火へと視線を戻す。

どうやら京太郎に興味がないようだ。

菫「と…すまない、待たせたな」信頼度50

京太郎「いえいえ大丈夫です」


京太郎はニッコリと笑い菫に勧められた席へと座った。

焚き火には魚がかけられていた、どうやら食事の時間だったらしい。

少しばかり匂いに釣られそうになりながらも京太郎は表情を崩さないように菫を見る。






誠子(釣られないね)信頼度51

尭深(ある意味拷問に近いよね)信頼度91

淡「菫先輩いじきたなーい」

菫「お前が昼時に連れてきたのがいけないんだろ」

京太郎「……(さっさと済まして帰ろう)」


なんとも締まり無い会談となりそうだ。



<大人達との接触について>


京太郎「質問なんですが…大人達と接触したりとかは」

菫「私達は動かないからな…まず人には会わないな」

淡「この前の千里山ぐいらよね~もぐもぐ」

尭深「誰が生きているのかさえ、知らないですからね」

誠子「…大人達か嫌な予感しかしないな」

照「………モグモグ」


どうやら殆ど接触をしてないようだ。

これでは他のグループの情報は期待できないかもしれない。

京太郎は少しばかり魚に気を取られながらもそんな事を考えた。

取り合えず…今度淡が拠点に来たら同じことをしてやると思った。






<オカルトとの遭遇>


京太郎「次は……オカルトに出会ったりとかは」

菫「ん~…………私は特には」

誠子「私は毎日釣りしてるだけだしなー」

尭深「私達より照さんや淡ちゃんに聞いた方がいいかも」


3人の言葉に京太郎は頷き2人へと視線を向けた。

視線を向けると照は静かに魚を食べており、淡はがつがつと食べている。

この様子では聞いてなかっただろうなと思いながら京太郎は1つため息をついた。


淡「ん~…あぁ…前にさ、菫の姿した変な奴に会ったなー」

菫「待て!その話は聞いて無いぞ!」

淡「偽者だって判ってたし攻撃して追い払ったからね」

菫「……なんで偽者だって判った」

淡「勘!」


淡は菫に首根っこを捕まれ何処かに連れ去られました。


尭深「照さんは何かありましたか?」

照「………」


照「ドッペルゲンガー」

京太郎「え?」


照は魚を置くとそう呟いた。

いきなりの事で京太郎はキョトンとするも直ぐに理解した。

先ほどの淡の言葉に出てきた相手の正体を教えてくれたのだろう。


京太郎「ありがとうございます」

照「ん…気にしなくていいよ」


そういって照は少し笑った。


京太郎(思わないところで情報を聞けたな、ドッペルゲンガーね…前にも似た人が現れた話を聞いたな)


京太郎は菫と淡が帰ってくるまで暫くの間無言で考えた。


菫「すまなかったな」

京太郎「いえいえ、貴重な意見を聞けましたので」

淡「頭痛い…テルー」

照「んっ…よしよし」


照は腰に抱き着いてくる淡の頭を優しげに撫でる。

……たんこぶの所を撫でたら余計に痛むと思うのだが。




京太郎「次の質問は……とっ宮永さん」

照「なに?」

京太郎「宮永さんって咲のお姉さんですよね?」

照「……咲?」

京太郎「宮永咲…あなたの妹では?」

照「………沙希、さき…咲?」


京太郎の言葉に照は首を傾げる。

なんだか様子がおかしい、京太郎は困って尭深の方へと向いた。

淡では話がこじれそうだと思い、この中で京太郎に比較的に友好的に接してくれる彼女を選んだ。

尭深は京太郎の視線に気づいたのかこっそりと耳打ちをして教えてくれた。


尭深(照さん記憶喪失なの)

京太郎(……いつからですか?)


尭深の言葉に京太郎は眉をひそめ聞いてみる。

少し迷うも話を続けてくれた。


尭深(え~と……流れ着いたときは大丈夫だったんだけど数日前から急にね)

京太郎(数日前?……ありがとうございます)


京太郎はお礼を言い話を切る。

視線の先では先ほどからボーと考え込む照がいた。

照は、一生懸命大事な物を思い出そうとするも思い出せないでいた。





菫「次は此方からの質問だ」

京太郎「どうぞ」


菫「そうだな……他のグループの情報があれば欲しいな」

京太郎「そうですね」



<浅く全部を話す>

京太郎「こんな所ですね」

菫「そうか、結構生き残ってるんだな、それに…荒川が居るのか」


菫は嬉しそうに笑みを浮かべた後、憩の名前を出し照をチラリと見た。

やはり照の事が気になるのだろう。

普通の病気とは違うから憩でも治せるか判らないがオカルトでの治療ならなんとか出来るかもしれない。


菫「それでは次なんだが…その…拠点はどうしてる?」

京太郎「えーと……」



<4.5.6>

京太郎「食料に関しては罠で捕らえた獣と魚…それに森に生えている果物とかですね」

菫「そこは私達と大して違わないな」

誠子「むしろ私達のほうが事情はよさそうだね」

尭深「……私達のオカルトは結構食料よりだしね」


どうやらあまり要らない情報だったらしい。


京太郎「んーそれじゃお風呂とかトイレとかありますよ」

菫「ふぁ!?」

尭深「……お風呂?」

誠子「……トイレ?」

淡「…どのぐらいの規模なの?」

京太郎「そうだな……大体大きさは……」


京太郎は淡に聞かれた内容に答えていく。

答えれば答えるほど淡達の目が輝いた……気がした。


淡「いこう!すぐ行こう!」

菫「待て待て!すぐに決めるな!」


淡がぐいぐいと京太郎の腕を掴み引っ張る、それほど入りたいのだろう。

菫が抑えるも自分も顔がニヤけていた。


照「…お風呂入りたい」

淡「行こう!行こう!」

京太郎「え?ちょっと!?」


照と淡に腕を引っ張られ少しずつ前へと進む。


菫「いやいや…でもな」

尭深「…拠点はこっちですか?」

誠子「やっぱり、お風呂は暖かいのに限るよな」

菫「お前らもか」

淡「菫はお留守番宜しくねー♪」

菫「………私も着いてく」


それだけ言うと菫も少し足を速め京太郎達の隣へと並んだ。


京太郎(……なんで拠点に行くことになったのだろう)



  • 新道寺拠点-


京太郎「ここです」

照「………なるほど、須賀君らしいね」

淡「あわー♪いいねいいね!」

菫「拠点の性能的にはウチを越えてるな」

誠子「海から近いのもいいなー」

尭深「…釣りのことだらけなんだね…」


拠点につき京太郎は照達に自分の拠点を紹介する。

紹介といってもトイレやお風呂などの設備のみで柵や罠などは教えていない。


京太郎「他の人にも伝えるので少し待って下さい」

淡「えー……すぐに入りたいのに」

菫「待て待てあくまで私達が借りる側なんだ、落ち着け」


頬を膨らませる淡に苦笑しつつ京太郎は拠点へと入っていく。


京太郎「誰かー……」


京太郎「え?」

憩「ってことやね……命に別状ないし、折れてもないから良かったけど暫く安静やね」


拠点に入り京太郎は信じられない事を聞いた。

美子が強風によって飛ばされた材木に当たり怪我をしたらしい。

幸い拠点近くで仁美も一緒にいた御蔭で大事には到らなかったが初めての仲間の負傷(煌除く)に京太郎は動揺した。


仁美「白糸台ん人達はうちから言うておくから美子ん傍に居てやっち」

京太郎「………はい」


仁美に肩をポンと叩かれ京太郎は意気消沈しふらふらと美子の下へと歩いた。

そんな京太郎の様子に仁美も憩も改めて怪我をしないよう気をつけることにした。





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美子「ごめんね」

京太郎「美子さんが謝る事じゃないですよ」


邂逅一番に美子が泣きそうな顔で此方に謝罪をした。

人手が足りない中で怪我をし心配をかけたことを謝っているのだろう。

京太郎は表情に出ないように注意しながら美子の頭を撫でる。


京太郎「怪我はどのぐらいで?」

美子「3日は安静…」


京太郎は3日と呟き考える。

3日動けないのは痛いがむしろそれだけで良かったとも言える。

美子が動けない分は自分が頑張ろうと京太郎は気合を入れた。

その後、暫くの間京太郎は美子の傍に居る事にした。


京太郎(……俺が朝に美子さん達と居れば、また違ったのだろうか?)


そんな事をふと考えた。


京太郎(いや…過ぎたことはしょうがない、強風の日には対応できるようになるべく仲間の傍にいよう)


拳をぎゅっと握りしめ京太郎は誓った。


<美子の面倒を見る>


京太郎「ん~骨が折れなかったのはラッキーですね」

仁美「大分大きな木やったしな」

美子「はよ気づいていれば」


3人は拠点で美子に当たった木を見る。

だいぶ強い風が吹いたのか大きな材木だった。

これに当たって3日の怪我ですんだのはむしろ僥倖だなと思った。


京太郎「強風の時は出歩かないほうがいいか」

仁美「ん~今度話し合いかね」

美子「他ん子の私みたいになりよったら嫌やしね」


今度何かしらの会議をした方がいいかなと雑談を続ける。

強風に対して有効なオカルトがあればいいのだが……。


京太郎「流石に物が飛んできたりとかは防げ無いですね」

仁美「そん人ん避けるか他ん人ん対処するか」

美子「どちらにしても難しいばい」

3人「「「うーん」」」


<煌と修行>

煌「さぁ!今日も頑張りましょう!」

京太郎「まじかー……」


やる気十分な煌に京太郎は少しばかり気落ちする。

昨日が昨日なだけに少しばかり怖い。

しっかりと制御できていればいいのだが、煌は武術を知らない素人だ。

寸止めすら出来ないし、手加減できるとも思えない。


京太郎「……怪我させないでくださいね」

煌「一応合間合間に調整とかしてるのでたぶん…大丈夫です!」


あぁ……この前向きが今は憎いと思った。

煌はやる気十分で此方を見ており肩をグルンと回すと勢いよく此方へと向かってきた。


京太郎「よっと!」

煌「むっ…また避けられましたね」


煌の攻撃は早いものの単調で判りやすい、未だに京太郎が勝ちこししている理由だ。

どうも煌には武術の才能がないらしく少し勿体無く思った。


京太郎「はっ!」

煌「はきゅ!?」


真っ直ぐ突っ込んでくる煌をカウンターの要領で撃墜する。

体ではなく頭を揺らす方向へと打撃を変化させた。

体に幾ら当てようが煌は懲りないので相手にするにはこの方法しかないのだ。


煌「う~ん……頭がぐわんぐわんして立ってません」

京太郎「これで立たれたら対処のしようがないですよ」


無念そうにする煌を横に京太郎は一息つくのだった。


<仁美と美子と会話>


京太郎「こんばんは」

仁美「んっ京太郎……と花田?」

美子「どげんとした?」


京太郎は倒れている煌の隣でのんびりとしていると美子達と出会う。

お風呂からの帰りだろうか髪が濡れ色っぽかった。

二人は倒れている煌が気になるのか少しばかり視線がそちらへと向いていた。


京太郎「煌さんの修行に付き合ってまして」

仁美「…花田ん奴戦えると?」

美子「………」


仁美は驚き美子は少し表情が暗くなった。

京太郎は2人にどう話そうかと考えるも正直に話すことにした。

煌のオカルトに肉体限界突破の事…。


仁美「ほうほう……なんか凄いな」

京太郎「反応薄いな」

美子「仁美ちゃんだしね」

<樽の作成>

京太郎「材料が揃ったから作ろうと思う」

姫子「…三角木馬?」

哩「………必要だな!」

京太郎「いらん、置く場所ないし」

仁美(置く場所あいば作っんか)


行き成り話が逸れるのを強制的に戻す。


煌「何を作るんですか?」

京太郎「水を入れる樽ですね」

美子「人増えたし…いざって時いるかもね」

京太郎「取り合えず…材料はあるし誰に頼むか……」

京太郎「仁美さんお願いでますか?」

仁美「よかよか、美子ん面倒見つつやっとく」

京太郎「お願いします」

  • 100日目-


京太郎「…………」


この世界に着てからどれぐらいが経ったろうか?

既に100回の朝夜を過ごしたと思う。

あの日、何時も通りに夜に眠りに就き起きると龍門渕の時と同じくこの世界へ来ていた。

  • またルフクトゥの奴かと-

そう思ってた…今度も奴を倒せば終わるだろうと暢気に構えてもいた。

だが現実は違う、倒すべき奴も既に見つけている。

問題はそいつが煌同様のタフネスを持っていたことだ。


京太郎「はぁ~…姫子達に会いたい」


そんな事を呟き京太郎は100日目前とは比べボロボロになった服を揺らし暑い日差しの中を歩いていた。

そう……日差しの中である。

前の時はずーと夜が続くような世界であったが今回はしっかりと太陽が昇るようになっている。

この世界が進化している。唯一違うのは天気が快晴のみという事だろうか。


京太郎「あいつめ……ただじゃおかねぇ」


今では普通になってしまった独り言を呟く。

動物は愚か虫や人すらこの世界にはいない。

いや……正確には何人かには会っているのだが碌な奴がいない。


成香「また、独り言ですか?すてきじゃないです」

京太郎「そうは言いうけどさ成香意外のまともな人いないしさ、独り言はしょうがない……と思う」


京太郎の隣を歩いていた-現在-のパートナーである成香がじとーと此方を見てくる。

成香と出会ったのは奴に襲われて暫く経ってからだった。

長い日を…それこそ姫子達以上の日月を共にし今では信頼おける人となった。

勿論色気のある話ではない、生き残る為のパートナーとしてだ。


京太郎「はぁ……あ~っ!今日もここで寝泊りか!」

成香「……雨風防げるだけありがたいかと」


徐々に見えてきた仮拠点を見て京太郎は嘆いた。

今思えば姫子達と過ごした拠点は、無人島では破格な場所だったのだと理解できた。

他のグループが拠点から出ていかないのが良く判る。

あそこ以上の拠点なぞありえないのだ。

<警邏>

京太郎「まったく…本当に誰も居ないな」


辺りを見渡すも虫も動物さえない。

風も吹かず、今日も暑い快晴日和だ。


京太郎「………あぁ、この前はここで遣り合ったっけか」


京太郎は木の近くに歩きこの前の戦闘で起きた傷を丁寧に見ていく。

木には何本もの傷が残っている、丁寧な一閃の傷だ。


京太郎「なんの怪奇だろうな…前と違い別の怪奇のようだけど」


暫くの間、京太郎は木の下で休んでいく事にした。


<成香と会話・相談>

京太郎「なぁー成香」

成香「こんなもんでしょうか……なんですか?」


京太郎は料理をしている成香へと声をかけた。

成香も料理に四苦八苦しながらも京太郎へと声をかける。


京太郎「本当にあの怪奇について何か知らないか?」

成香「んー……私はそれほどオカルトに詳しいわけじゃないですからね」


成香はフライパンの中の果物をひっくり返す。

やはり、あの怪奇に対しては知らないらしい。

他に人が居ればなんとかなるのだが、残念ながらまともな人がいない。

京太郎と成香…それに何時も襲ってくるあいつぐらいだ。


成香「あっ……」

京太郎「ん?」

成香「もしかしたら……爽さんなら詳しいかも知れません」

京太郎「……いるかなーこっちに」

成香「それは判りませんね…できました!」


成香はそれだけを言うとフライパンの中身を京太郎に見せた。

果物がぐちゃぐちゃに溶けている。


京太郎「……ジャム?」

成香「……違います」



夜-襲撃-


京太郎「成香」

成香「うぅ~…またなんですね」


昼頃から寝ていた京太郎が成香を起し荷物を纏める。

夜が来てこれ以上此処に留まれないせいだ。

毎日のように夜になると奴が現れる。


京太郎「来たか」

成香「…また違う人ですね」


見つめる先から人が歩いてくる。

暗く月と星明かりを頼りに京太郎は眼を細める。

今度の相手は成人の男性のようだ、口元からだらしなく涎を垂らし眼の焦点を合わせず歩いている。

様ながらゾンビのような出で立ちだ。

右手には刀を持っており刀は半分だけ古い蒲の包みから顔を覗かせていた。


京太郎「成香、何時も通りに」

成香「怪我ないようにですよ?」


泣きそうな成香の頭を京太郎はポンと軽く叩き前でと出た。

成香はもう一度だけ京太郎を見てから逆方向へと逃げる。


京太郎「はぁ……今日もきついな、本当に!!」


向かって来る相手に京太郎はスコップとナイフを持ち歩く…今日も始まる。




京太郎「ふっ!」

????「!!」


すぐさま近づき挨拶代わりの一撃を脳天目掛けて振り下ろす。

懇親の力で振り下ろした一撃は、相手に軽く受け止められた。

キーンと甲高い金属音が聞こえ、獲物を押し合う。

暫くぐぐーと押し合っていたが、やはり効果はないようだ。

むしろ押され始めている。


京太郎「前より力が上がってやがる!」

????「!!」


押し合いをやめ京太郎は後ろへと少し下がる。

その隙を相手が逃してくれるわけも無く離れた瞬間、刀を構え京太郎へと迫撃を仕掛けてきた。

それを腰に付けていたサバイバルナイフで受け止める。

受け止めたいいが獲物の差か押され吹き飛ばされてしまった。


京太郎「いてて……」

????「!!」


地面を転がり少しばかりふらふらとする視界をすぐに相手に戻す。

相手は此方を見据え刀を鞘に収め腰を低くしている。


京太郎「居合いかよ…なんでもありだな」


京太郎は駆け出した。




<攻撃VS必殺>


京太郎「………」

????「!!」


勝負は一瞬で決した。

京太郎は、相手にサバイバルナイフを投げると相手はそのナイフに刀を抜き光を浴びせる。

刀から伸びた光がナイフへ当たるとナイフが甲高い金属音を連続で上げ空中で刻まれる。


京太郎「せいっ!!」

????「!!」


その光は一度しか放つ事が出来ないと京太郎は今までの経験で知っている。

一度振った刀は戻らず、振り下ろされたスコップを避けれなかった。

顔面に思いっきり受けた異形は、表情を変える事なく静かに倒れ、刀を残し煙のように消えた。

暫しの間周りを警戒し、何も無いことを悟ると手を伸ばし刀を取った。


京太郎「今日はどうするかな」


手に持った刀を見ながら京太郎は思考した。


京太郎は思い出す……この世界へと流れ込んだ日を……。




日にちは戻り無人島に来てから42日目の夜―――

何時戻りに姫子と哩を相手にしながら眠りに就いた……筈だった。


京太郎「どこだよ…ここ」


眩しい月と星光が顔に当たり眩しくて眼を覚ました。

気づけば初日同様砂浜に打ち上げられていた。


京太郎「……この感覚はスレンダーマンの時と同じか」


ため息をつき京太郎は歩いていく。

原因を探るべく京太郎は森へと入っていく。

  • 20日目-

京太郎「…人一人もいねー…虫も動物もいないとかなんだこれ」


あれからずーと探るも誰にも会わない。

その上に京太郎に容赦なく突きつける日光が忌々しくさえ思った。


京太郎「前は夜だけだったのに…昼間も出来たとかナンダコレ」


前回と違い太陽もしっかりと昇る。

明らかにこの世界が現実へと近づいていた。


  • 30日目-


「いやぁぁぁぁぁ!!」

京太郎「!!」


誰かの声が聞こえ京太郎は駆けだす。

久々の人の声に悲鳴であったが心が躍った。


京太郎「大丈夫かっ……って、離れろ!!!」

????「!!」


森を駆け抜けると少女が襲われている光景を見た。

静止の声をかけるが男性は特に気にせず刀を上に構えた。

少女が頭を抱えしゃがみ込む、そんな少女に男性は刀を振り下ろす。


京太郎「せいっ!!」


すぐさま近づき京太郎は男の腹へと一撃を食らわす。

食らわすと男は刀を置いて煙のように消えた。


京太郎「なんだ…今のは」

少女「……うぅ」


あまりの出来事に京太郎は唖然とする。

泣く少女に煙のように消える男に残された刀…混沌した状況だった。

取り合えず京太郎は少女を助け起し事情を聞くことした。

それが成香とあいつとの出会いだった。




そんなことを思い出していると成香が草むらからひょっこりと顔を出す。

騒ぎが聞こえなくなって戻って来たのだろう。


成香「…終わりましたか?」

京太郎「今日もなんとかな」


京太郎はナイフを取りつつ戻ってきた成香と会話をする。


成香「それで…今回はその刀どうするんですか?」

京太郎「捨てておく…どうせ何しても無駄だし」


あの日会ってからこの刀が本体と判りへし折った。

次の日には普通に再生し京太郎達の前へとやってきたのが記憶に新しい。

岩に下敷きにしても水に沈めても折っても地面に埋めても戻ってくる。

煌並みの不死身さに程ほど参った。


京太郎「これで寝れるな」

成香「そうですね」


そう言い京太郎はその場で倒れるように眠った。

100日目終了


101日目 -朝-

成香「おはようございます」

京太郎「あー…朝かおはよう」


ゆさゆさと体が揺らされて京太郎は大きな欠伸と供に起床した。

ボーとしながら成香に挨拶をするとすてきな笑顔で返された。


成香「ご飯持ってきますね」

京太郎「頼むわ」


ぐぐーと背伸びをしながら京太郎は成香の朝食を持つ事にする。

昨日の戦闘もあり結構疲れていた。

最近は連日でやってくるので気が休まることが無い。

一度でも攻撃を受ければ致命傷だ。

日々の命のやり取りに精神がガリガリと削られる。


成香「今日はどうします?」

京太郎「あいつの情報を探さないと…倒せるのか封印しかないのか手がかりを見つけないとな」

成香「…人を探すしかないですかね」

京太郎「俺たち二人は知らないしな」


朝食を食べながらそんな話をする。

幾ら折っても捨てても戻って来て、光を発し当たった対象を切り刻む…

どんな怪奇なのだろうか、京太郎には判らなかった。




京太郎「あれ…これって」


京太郎が砂浜を探索していると見覚えのあるものを見つける。

それは太陽の光を反射し黄金色の光を京太郎へと向けていた。


京太郎「僥倖って言うか……これが必要になるって啓示か」


砂浜に捨てられていた物を拾い上げため息をついた。

それは、所々に黄金の装飾がされている盾だった。



<食材採取>

京太郎「……はぁ」


森で果物を採りつつため息をついた。

今日も特に進展なく夜が来る。


京太郎「ん……場所が悪いのか?」


取ったばかりの果物を見つつ考える。

森と拠点の間を行ったり着たりとしているだけだ。

他の場所に行けばもっと情報が集まるだろうか?


京太郎「……いや、知らない場所で待ち伏せされたら目にも当てられなしな」


今現在は夜にしか出てきてないが昼間に出るとも限らない。


京太郎「ままならんなー」


一言ぼやき京太郎は果物を手に拠点へと戻った。




京太郎「………何も来ないな」

成香「諦めたんでしょうか?」


辺りを警戒するも特に何も無い。

生き物が京太郎達意外いないせいかもの静かだ。

風すら吹かず逆に不気味さを醸し出している。


京太郎「…交代交代で寝るか」

成香「なら最初は私が」


京太郎達は交代交代で見張りをしながら寝ました。




京太郎「……そろそろ戻るか」


ある程度歩き、新しい場所への探索を切り上げ戻る事にした。

あまり遠くへ行って成香のほうに襲撃があったら困る為だ。



京太郎「………ここしかないかな」


そう言って京太郎は大きな山を見上げる。

現在京太郎は中央の大きな山の麓に来ている。

大盾の英雄の記憶によるとここにも住人が居たはずだ。

何かしらの痕跡ぐらいは残っているだろう。


京太郎「まぁ……成香を誘ってきてみるのもいいかな」


そう言って京太郎は踵を返し、拠点へと戻った。


京太郎「ふぁ~今日も大丈夫そうだな」

成香「連日で安心して寝れるなんてすてきです」


相手を待つも一向に現れない。

先日の戦闘が効いたのだろうか?

理解出来ない相手なので気は抜けないが今日ばかりは休んでもいいだろう。

京太郎と成香は明日に備えゆっくりと眠りに就いた。

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最終更新:2026年01月14日 21:54