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新道寺シナリオ 4章-ルフクトゥ-を開始します。



京太郎「………嵐の日は、来客多いな」


そう言って京太郎は、席を立つと入り口へと向かう。

暫くの間、入り口で濡れない程度に待っていると遠くから人影が見えた。

その人影はそれぞれが個性豊かな服装をしており、1人だけ傘を持っている。

1つの傘に少しでも濡れないように詰めて歩いていてだいぶ速度は遅かった。


京太郎「おはようございます」

ネリー「お、おはよう……雨宿りさせて」


京太郎との距離が2Mと離れていない距離に来ると傘から一人小柄な少女が倒れるかのように飛び出た。

赤と白の色合いの服装で肩を大きく露出している、どこかの民族衣装を思い出させるような服装だ。

長い髪の毛を後ろで1つに縛っていて、大きな目でパチクリと此方を見る少女は幼い者の将来美人になりそうだと思った。


京太郎「………(どうしようか)」


<どうぞ-拠点内に誘う->


京太郎「空いてる部屋有るのでどうぞ」

ネリー「た、助かった!」

明華「苦しいです」

智葉「はぁ~……これで一休みできるな」

ハオ「やれやれ、人が良い人でよかったです」

ダヴァン「オー!ありがとうデス!」


約一名意外外人のようでそれぞれが倒れこむかのように拠点内に入った。

倒れこんだ5人を見て京太郎は、個性的な人達が来たなと一息ついた。

京太郎「お風呂とかもありますんで荷物置いたらどうぞ」

ネリー「お風呂あるの!?」信頼度:70(初回選ばれたので+20)

ハオ「……凄い所ですね」信頼度:50

明華「はふぅ……息苦しかったので休みたいです」信頼度:50

ダヴァン「荷物びしょ濡れデスね」信頼度:64

智葉「………」信頼度:50 


ご一行を空いてる部屋へと迎え入れ、お風呂があると伝えると皆が皆目を輝かせる。

嵐の中を歩いてきたのだ、お風呂も恋しいのだろう。

途中で会った姫子にお風呂への案内を頼むと4人が着いて行った。


京太郎「…行かないので?」

智葉「ちょっとな」


1人だけ着いて行かない智葉は、京太郎の問いに答えると京太郎の正面に立った。

そしてそっと両手を伸ばし京太郎の頬に触れる。


京太郎「……えーと?」

智葉「………なるほど、すまなかった」


暫しの間、そうしていると納得したかのように頷きお風呂へと向かった。


京太郎「なんだったんだ?」


智葉の行動が判らず京太郎は、そこで暫く考え込んだのであった。



<拠点の掃除>


京太郎「嵐のせいで外は大荒れだろうな」


京太郎は拠点内部をバタバタと駆け荷物を整理していく。

外が荒れ掃除が大変だと思うのでせめて内部はと思ったのだ。


揺杏「おぉー真面目だね」

京太郎「ありゃ、うるさかったですか?」


いつの間にか後ろには、揺杏が立っていた。

何やら関心しながら此方を見ている。


揺杏「うんにゃ、たまたま通りかかっただけ」

京太郎「そうでしたか……とそれは?」


京太郎の言葉をやんわりと否定した揺杏の手には何やら布がたくさんあった。

タオルとかそう言った物だろうかと思い聞いてみると意外な言葉帰って来た。


揺杏「いやーこれは服でも作ろうかと」

京太郎「服ですか?」


揺杏の言葉に驚きつつも京太郎は有珠山メンバーを思い出した。

有珠山のメンバーの服は、他の高校と違い綺麗だった。

その理由が目の前の少女なのだろう。

京太郎は頻りに関心しつつ少しの間、揺杏と会話を続けた。


<臨海と会話>


京太郎「今大丈夫ですか?」

智葉「あぁ、構わない」

ネリー「なになに?お金儲けの話?」


臨海の人達の様子が気になり京太郎が訪れるとそれぞれがのんびりとしていた。

智葉の膝の上にはネリーがだらけるように寝ており、明華は傘の手入れをハオは静かに寝ており

ダヴァンは何かの部品を手入れしていた。


京太郎「様子見に来たのと情報交換でもと」

ネリー「なーんだ」

智葉「すまない、ネリーはお金が好きでな」


京太郎の言葉を聞きネリーは興味なさげに視線を戻しこくりこくりと船を漕いた。

そんなネリーに2人は苦笑しつつ会話を続ける。


京太郎「さて……何を聞くかな」


<今までは>

京太郎「今まではどうなされていましたか?」

智葉「今までか……特に拠点を持たず島を探索していたな」

ネリー「明華のオカルト便利だもんね」


どうやら拠点を持たずに島を探っていたらしい、ネリーの言葉が若干気になるも

突っ込んだを話になりそうだ、それに話が逸れる為ぐっと堪えた。


智葉「ここは霧で覆われていたからな、普通でないと思ってな」

京太郎「……なるほど、何か気になるものはありましたか?」

智葉「船の一部が砂浜に着いていたのは、気になった」

京太郎「……船の一部が?」

智葉「あぁ…もしかしたら通信手段があるかも知れないな、気になったら行ってみるといい」

京太郎「ありがとうございます」


智葉の言葉に京太郎は頭を下げる。

船の一部が……確かに何かしらの脱出手段に使えそうだ。

時間があれば行ってみてもいいだろう。


行ける場所に 船の残骸 が加わりました。

<大人の集団>

京太郎「大人達については?」

智葉「知っている、会った瞬間襲われたからな」

京太郎「襲われた?」

ネリー「スピー……ZZzz……」


智葉は、膝上のネリーの頭を優しく撫で一旦置いてから話を続ける。


智葉「嵐が来る前に会ってな、声をかけたら襲われた、勿論返り討ちにしたが」

京太郎「うーん……?」


智葉の言葉に京太郎は考え込む、どうやら大人達は何やら切羽詰まった状況に陥ったようだ。

心に余裕がないのか精神的に狂ったか……どちらにしても1度様子を見に行った方いいかも知れない。


情報:狂った大人



<オカルトについて>

京太郎「オカルトに遭遇した事は?」

智葉「ある」


智葉は、一言言葉にした。

その言葉は重苦しく、智葉の表情も苦々しいものへと変わった。


智葉「……5日前に不安定な人型に襲われた」

京太郎「不安定?」

智葉「そうだ、陽炎のようにゆらゆらと揺れて存在しているのかしてないのか判らないような奴だ」

京太郎「……うーん?」

智葉「そいつがとても強く私達全員がかかっても敵わなかった」


智葉は、悔しそうに唇を噛んだ。

そんな智葉を見て京太郎は静かに言葉を待った。


智葉「その時は、監督の御蔭で助かったのだが……」

京太郎「監督?」

智葉「臨海の監督だ。監督が何かして化け物を引き離してくれたのだがその瞬間監督が消えてな」

京太郎「……消えた」

智葉「跡形もなくな……それと同時にこんなものが落ちてたのだが」


そう言って智葉が見せてきたのは一枚のカードだった。

そのカードに京太郎は見覚えがあった。

プロカードだ。


京太郎「プロカード?」

智葉「監督のカードだ」


何故カードが落ちているのか判らず二人して同時に考え込んだ。


情報:アレクサンドラの消失



京太郎「っと、情報ありがとうございました」

智葉「役に立てたなら良かった」


京太郎の言葉に智葉ふっと笑った。

その笑顔は、綺麗で姫子や哩との笑顔とはまた違った美しさを持っていた。

暫しの間、智葉の笑顔に見惚れボーとした。


京太郎「……それじゃ何か質問とかってあります?」

智葉「いや、ないな」

京太郎「……一個も?」

智葉「大体の事はここを見て理解した、それにこれ以上恩が多くなると困る」

京太郎「あははは……」


智葉の言葉に京太郎は軽く笑うと智葉と談笑をすることにした。

暫くの間、していると明華も加わり楽しいひと時となった。

<仁美と美子と会話>


京太郎「ふぁ~」

仁美「暇そうだな」

美子「嵐だもんね」


拠点の外では嵐が吹き荒れている。


仁美「ん~しんどうくんでも書く?」


そう言って仁美は手ごろな木の棒を取って地面に何かを書き始める。

なんとも不思議な生物が出来あがる。


京太郎「なにこれ」

仁美「新道寺のマスコット」

美子「でも故郷はロンドンだけどね」

京太郎「なにそれ……どんな状況で生まれたキャラなんだっ」

仁美&美子「「日誌かな」」


なんで 日誌にキャラクターを書いたのだろうか。

少しばかり新道寺の日常を聞いてみたくなった。


<哩姫と会話>

姫子「きょうたろうぉ~♪」

哩「んっ!」

京太郎「あははは……はぁ」


姫子は甘え声を出し京太郎の腕に抱き付く。

哩は控えめにだけど頬を染め腕の服を軽く摘んだ。

京太郎は嬉しくも思うも周りの視線が気になり渇いた声しか出ない。


姫子「んん~♪」

哩「……姫子」


哩と言う敵が居なくなりようやく安心できたのだろう。

最近の姫子は誰の前でもこんな感じだ。


京太郎「……参ったな」

哩「……こう?」

姫子「そうです!」


ボケ~と考え込んでいると哩も京太郎の腕に抱きついてきた。

どうやら姫子に指南を受けているようだ。


京太郎(暫くこんな感じかな?)


周りの視線を受けながら京太郎はそんな事を思った。




<さわらないの?>

仁美「………」


仁美は自分の髪の毛を触ってみる。

相変わらず触り心地が良く最近では自慢になっている髪の毛だ。


仁美「ん~……」

京太郎「寝るか」

姫子「今日は部長が上で」

美子「普通に並んで寝てね?」

哩「わ、わかった」姫子「えぇ~」


何時も通りにマイペースに飲み物を口に含み京太郎達を一歩後ろから見る。

最近になって風紀の乱れを気にし始めたのか美子が注意を始めた。

今も流石に人前ではと注意を受けている。


仁美「……なんも変わらん筈なのに」


どうしてこうも心が乱れるのだろうか。

もう一度髪の毛に触ってみる。


『触り心地いいですよね』

仁美「………」


思いだすのは京太郎の言葉だ。


仁美「………」

京太郎「と、どうかしましたか。仁美さん」


あーだこーだしていると後ろから服を捕まれた。

後ろを振り返ると仁美が引っ張っていた。


仁美「さわらないの?」

京太郎「え?」


何時も通りの顔ではなく、少しばかり目を潤ませている。

時間が止まったかのように皆は動きを止めた。


美子(………問題ばかり起きる)


まだまだ人間関係は安定しなさそうだ。


<さわらないの? カンッ>




京太郎は夢を見る……


「ねぇ、また本を読んでるの?」

「別に良いだろ」


木下で本を読んでいると幼馴染に声をかけられた。


「あっちで遊ぼう?」

「やだ」


遊ぶ事より考える方が好きだ。

ルフクトゥの興味は今は黄金の石版へと向いている。


「ここに居ても暇なのに」

「俺は暇じゃない」


そういいつつも女の子は隣へと座った。

暇ならあっちで同じ子供と遊べばいいのに。


「そうだ、私今年の巫女に選ばれたのよ」

「そうか」

「綺麗な服を着て!美味しいもの食べて!オカルトだって強くなるんだから!」

「そうか」

「聞いてる?」

「そうか」

「もう!」


ルフクトゥは同じ答えをいい続ける。

流石に呆れたのか女の子は立ち上がると他の子達のところへと向かった。


「……巫女か」


年に一度オカルトが強い女性が選ばれ巫女となる。

巫女となった女性は祭りの日まであらゆる贅沢を許された。


「その後…巫女を見た人はいない」


そう呟きまた、本へと視線を向けた。



<姫子と砂浜探索>


京太郎「そういえば」

姫子「どげんしたと?」


砂浜の先に船の一部が流れ着いていると聞いてたのを思い出した。

丁度時間もいい感じの上姫子もいる。

行って見るのもいいかもしれない。

京太郎「これは………」

姫子「…一部ってなんだっけ?」


2人がいわれたとおりに歩くと確かに船の一部が砂浜に辿り着いていた。

……一部と言っても船の半分が砂浜に埋まっている。

船のデッキ部分だけが見えておりそこから入っていけそうだ。


姫子「……」

京太郎「怖い?」


船の異様さに当てられたのか姫子は京太郎の後ろへと隠れた。

確かによく見ているとお化けでも出そうな雰囲気だ。


京太郎「今日は辺りを探るだけにしておくか」

姫子「ん!」


京太郎の言葉にコクコクと頷き早々に京太郎の腕を引いてデッキを調べ始める。





京太郎「こんなもんか」

姫子「異様だね」


船長室や甲板から上の客室を見るも人の姿もなく死体もない。

少しだけ物が倒れたりしている程度だ。

1ヶ月経ったと言うのにこの間流れ着いたような綺麗さだ。

錆もなければ汚れもなかった。


京太郎「う~ん?」

姫子「私達が乗ってた船だよね?」

京太郎「そのはずなんだけど…いろいろとおかしいな」

姫子「時が止まったみたか」

京太郎「時……ね?」

京太郎「取り合えず戻ろうか、今度は準備して中を見るのもいいかも知れない」

姫子「通信とか生きてっかな?」

京太郎「かも知れないな」


準備を整えてからまた来よう。



<臨海にお別れ>

京太郎「あれ」

智葉「帰ってきたか」

姫子「どこか行くとです?」


拠点に戻ると臨海のメンバーが柵の前に立っていた。


智葉「うん、探索を終えてない部分があるからな」

ネリー「監督もいないしね」

ハオ「捕らえられているなら助けませんと」

ダヴァン「何処へ行きましょうカネ」

明華「あっちですかね?」


京太郎「ゆっくりしていってもいいのに」

智葉「いや、ここは居心地が良過ぎる。これ以上いると離れられなくなりそうだ」

明華「たまにお風呂を借りに来ますので」

ネリー「山!山行こう!」

ダヴァン「判りましたヨ」

ハオ「では」

姫子「んっ!元気でね」


京太郎「それでは」


智葉「……またな」


智葉達はそう言って森の中へと消えていった。



<器用度を鍛える>


京太郎「ほいほいっと」

誓子「器用なのね」


木の棒を3本器用にポンポンとお手玉していく。

それを通りかかった誓子が面白そうに見ている。


京太郎「やってみます?」

誓子「いいの?」


そう言って京太郎は布の真ん中に石をいれ丸めた物を誓子に渡す。


誓子「むー」

京太郎「あはは」


数分後そこにはむくれる誓子がいた。

頭にはお手玉の玉まで乗っている。


誓子「もう一回!もう一回!」

京太郎「……お風呂に入りたいんだけど」


誓子にせがまれ暫くの間、お手玉を教えのだった。



<哩と会話>

哩「むー」

京太郎「何してんの?」


お風呂から上がると哩が隅っこで何かをしている。

後ろから覗くと何かを胸元に隠した。


京太郎「なに隠したんだ?」

哩「べ、別に次の機会ん時にどの下着ば着ようとか考えてなか」

京太郎「……」

哩「……」


京太郎「全部答えてるな」

哩「あぁ……」


哩は自己嫌悪してか項垂れるとガックリと肩を落とし四つん這いになった。

京太郎は肩にポンと手を軽く添えると聞かなかったことにして立ち去るのだった。


京太郎「黒……白もいいな」

哩「すけべ」


<水樽作成>

京太郎「今日のお題」

姫子「何かあっとですか?」

哩「う~ん」

煌「ん~」

仁美「あー」

美子「なら私が水樽作ってもいい?」

京太郎「別に構わないですよね?」

哩「必要だし問題なか」

姫子「先輩1人で大丈夫とですか?」

美子「うん、大丈夫」

仁美「手伝う事ある?」

美子「問題ないかな」

煌「なら材料だけでも運びますよ!」

美子「ありがとう」


美子が水樽を作成します。


姫子イベント………

こんな内容のみたいとかってある?


<星に誓い 月に口づけを>

「~♪~♪」

「………」


月明かりをライト、砂浜を舞台にして姫子は自分の知っている歌を歌いながら思うままに体を動かす。

ダンスとは言えない出来だが座って見ている京太郎からしたらとても綺麗なものだった。


「京太郎も踊ろ」

「俺もか?」


暫くの間見ていると姫子は近寄り手を取ってきた。

姫子によって起されると、そのまま手を引かれ月明かりの下に躍り出る。


「こうかな?」

「~♪」


ぎこちなく動いていると次第になれて来たのか動きが良くなっていく。

ダンスが上手くなった訳ではない。

ただただ、2人の息が合っただけだ。


「~~♪♪」

「~♪」


2人は特に会話らしき会話はしていないのに声を合わせ歌い踊る。

月のライトの下、星が2人を見守る、波が2人の動きに合わせて引いては押し寄せBGMを作り出す。

暫くすると終わったのか2人はビシっとポーズを決め止まった。


「京太郎……私はずっとずっと傍にいます」

「俺もだ。ずっと傍にいてくれ 姫子」


2人は抱きしめ合い 星々が見守る中で誓い 月明かりの下で口づけを行なった。


カンッ


<煌と仁美と木材調達>

京太郎「油断してたなー」

煌「まさか木材を切らすとは」

仁美「虫除けにも必要だし、揃えとかないとね」


3人は森で木材を探し回る。

昨日の夜水樽を作成することになったのだが、倉庫を覗けば圧倒的に足りなかった。

なので急遽こうして集める羽目となった。


京太郎「えーと……20だっけか?」

煌「今日の分も含めると21ですね」

仁美「こんなもんでよか」



<山を探索>

京太郎「遠いな」

哩「だな」

煌「だいぶ時間掛かりますね」


3人は山の麓で休憩しつつ見上げる。

だいぶ大きな山で探索をするにしてもだいぶ時間をとりそうだ。


京太郎「……3日かな?」

哩「んー4日?」

煌「どのぐらい探索するかによると思いますね」


行きで1日 探索で1~3日 帰りで1日 ぐらい使いそうだ。

本格的な探索は今日は諦めあたりを探索する事にしようと思い行動を開始する。


京太郎「そういえば…臨海が山に行くとか言ってたっけか」

ネリー『山!山行こう!』


ネリーの言葉を思い出し京太郎は何があるのだろうかと不思議に思った。

夢の内容を見るにここの真上の神殿に黄金の石版があるという。

今現在オカルトが使えることからまだ壊されていないとも判る。


京太郎「あれだけの力を持っていても壊せないとか……山頂の石版はどれだけ危険なんだろ」


そう言って上を見上げるも山頂のほうは見えなかった。


哩「京太郎、今日は帰ろ」

京太郎「そうだな、必要な道具に日数がかかるのが痛いな」

煌「人数が居れば探索も楽なのですが」

京太郎「んー他の高校に探索を頼むのもありか?」

哩「そいはいいけど……信用できっと所じゃなかと」

京太郎「はぁ……山に船にいっぱいだな」

煌「北のほうも行ってませんしね」

京太郎「そうだった」


そんな話をして3人は帰った。

<京太郎と哩>


哩「2人っきり……か」

京太郎「そうだな」

哩「………」

京太郎「………」


山から帰ってきて先にお風呂に入ったため他の人達と時間がズレ、2人きりになる。

煌は煌で居るのだが疲れたのか寝ている。


京太郎「……えーと」

哩「……どうすればよか?」


恋人になって2人きりになったのはコレが初めてでお互いに緊張し固まる。

会話をしようにも雰囲気のせいか普段のように会話できない。


哩「……京太郎?」

京太郎「あーと……き、鍛えようかと」

哩「なにば…あっ」

京太郎「んっ!」


哩の腰を抱き寄せると京太郎は勇気を出し哩と口を合わせる。

哩も驚き目を見広くも意図を理解し京太郎に合わせた。


哩「んっ…ちゅ、あっ…♪」

京太郎「んー」


お互いに舌を絡ませ卑猥な音を響かせる。

暫しの間2人は楽しみました。


余談だが姫子が風呂場で悶えていたとか。


煌「すばらくないですね」


張り出された紙の前で煌は呻る。

新道寺に入学してから早1ヶ月……寮の生活にも慣れてきた頃に麻雀部内の校内ランキングが張りだされた。

ランキングは3年2年1年と別れ発表され煌の順位は10位近くである。


煌(ここまで実力の開きがあるとは……悩みどころですね)


これでも中学の時にそこそこやれていたのだがこれではと少しばかり落ち込む。

だがすぐに顔を上げやるっきゃないですね!と元気になる。


煌「……おや?」

「どうしたの?」


ランキングを見ているとあることに気づいた。

姫子の名前がないのだ。


煌「う~ん?」

「あー……鶴田さんはあっち」

煌「おや………これはすごいですね」


同室の仲良くしている子の指の先には2年生のランキングのほうであった。

そこには3位に鶴田姫子と書かれている。


煌「いやはや、アッパレですね。ここまで差があるとため息しか出てこないです」

「本当にすごいよね……自信がなくなるよ」


感心する煌とは逆に同室さんはがっくりと肩を落とし項垂れた。

煌はそっとしておこうと思い肩にポンっと軽く手を置いた後、ランキングに近づき評価を見ていく。

このランキングは順位と総局数や和了った数、その他もろもろといろんな要素で評価をしている。

ランキング自体がそのまま評価に繋がるので姫子のレギュラー入りは確実だろう。


煌(シローズと鶴姫はコンビと聞いてましたから一人一人の力はさほどと思ってましたけど)

煌(これを見る限り1人でも実力があるみたいですね)

煌(どのような打ち方をするのでしょうか、戦える時が楽しみです!)


煌は本当に楽しそうにランキングを見ていた。

そんな煌の後ろで何人かの1年生が不満そうに見上げていた。


「なんであいつだけ」「どうせ白水先輩のオマケだよ」「私の方が上のなのに」


全ての人が煌のような性格であれば世の中は平和であっただろう。

このランキングを境に少なからず特別扱いに気に入らない人も少しずつ出てくる事になった。

その結果、煌と姫子を引き合わせる形になったのだから世の中はわからないものだった。


<姫子と煌-出会い編- その2 カンッ>

<星空の下>


哩「………」

京太郎「………」


誰もが眠る夜中、京太郎と哩は砂浜に座りこみボーと星空を眺める。

お互いがお互いに背中合わせになっている。

2人の間に会話はなくただただ時間が過ぎていくばかりだ。

それでも飽きないのは哩とだからだろう。


京太郎「………」

哩「………」


こうしているだけで哩の熱が伝わってくる。

こうしているだけで京太郎の熱が伝わってくる。


京太郎「………」

哩「………」


背中合わせに座ってるだけで胸が高鳴りお互いがお互いの鼓動を体全体を使い感じあう。


京太郎「………」

哩「………」


この2人に言葉は要らない、鎖以上の硬さと強度を誇る物で繋がっているのだから。


京太郎「………」

哩「………!」


そんな中京太郎がそっと哩の手に自分の手を重ねる。

それに哩は少しばかり驚くもすぐに気を取り直しぎゅっと握り返す。


哩「~♪」

京太郎「………」


哩は機嫌よくし、そっと京太郎の背中に体を預けた。

チラっと見た哩の横顔はとてもとても幸せそうなものだ。


哩「京太郎」

京太郎「哩」


互いに名前を呼び合いくすっと笑った。


哩「私は誓う」

京太郎「俺もだ」


それだけ言うと二人は目を瞑りお互いに口を重ねた。

星空の下での2人のデートはとても優しく、静かで心が休まるものであった。


<星空の下 カンッ>

<船の探索>

京太郎「明日は船をしらべようかと思う」

姫子「んっ……判った」

哩「判った」

煌「あまり多く行ってもあれですね」

仁美「…んー2人ぐらいか?」

美子「それがいいかな」


皆で話をしつつ誰が行くかを決める。


京太郎「そうだなー…姫子と……」

姫子「うん!」


京太郎は今居るメンバーの中から選んでいく。


京太郎「あとは……せn「私やな」…お早いですね」


京太郎の言葉を切り怜がにゅっと後ろから出てくる。


怜「私やろ?」

京太郎「お願いできますか?」

怜「任せてなー…いい加減お布団で寝たいしな、船の中ならあるやろ」

仁美「確かに!」

美子「ふかふか」

煌「すばらぁ…」

哩「京太郎!」

京太郎「判ってるよ…出来る限りは持って帰るよ」


怜「よろしくなー♪」

姫子「……よろしく」


京太郎の後ろで怜と姫子が睨み合い威嚇しあうのだった。


<船の探索>


京太郎「はぁ……」

怜「うへーびしょびしょや」

姫子「うー濡いて気持ち悪か」


3人は服を濡らしながらも船に辿り着く。

午前中は雨が降っていたので諦めようかと思っていたが昼頃になると小雨になり探索を行なう事にした。

小雨といえども雨は雨、3人が辿り着く頃にはずぶぬれになってしまった。


京太郎「ほい」

怜「わぷっ」

姫子「ありがと!」


京太郎は鞄からタオルを出すと2人の頭に乗せる。

そして2人が拭き終わるまでの間にライターを確認する。

雨のせいか昼でも暗く不気味でしょうがない。


怜「ホラー物とかだと……ゾンビやろか」

京太郎「バイオハザード?」

姫子「……」


怜と京太郎の言葉に姫子は想像したのか少しばかり京太郎へと近づいた。


京太郎「どこから探すかな」

怜「とりあえずは……客室やろか」

姫子「んー……布団に包まりたか」


タオルで拭いただけで寒いのだろう、2人は少しばかり体を震わせる。


京太郎「……昼は休んで夜探索するか」

怜「夜か……ほんまにホラー物やね」

姫子「ライト見つけなかと!」


流石に夜の船内部をライター一つで探索するのは怖過ぎる。

京太郎たちは客室で休みながらライトを探し夜まで待つのだった。




<A3へ移動>


京太郎「………」

姫子「………」ビクッ

怜「~♪」


カツンコツンと3人の歩く音が館内に響く。

もし3人が止まって耳を済ませれば雨の音も聞こえてくるだろう。

暗い通路をライター一つだけで歩いていく。

結局の所ライトが見つからなかったのだ。


姫子「ひぅ」

京太郎「休憩室で待ってるか?」

姫子「そいはもっと嫌!」

怜「個人行動は死亡フラグやな」


そんな事を話しつつ3人は前に進んでいく。


通路に入った所に館内の地図があり、それを見つつとある部屋を選んだ。

3A……医務室と書かれている。



京太郎「電気は点かないか」

怜「流石に……無理か」

姫子「ん~~消毒液んにえすっとね」


京太郎が翳しているライターの灯りを頼りに3人は辺りを探す。

怜は病弱なだけにお世話になっていたのか持ってきた鞄に必要な薬を入れてい。

姫子は、怯えながらキョロキョロと辺りを見渡し異常がないかを調べていく。


京太郎「うーん……救急セットか」

怜「これも必要やな」

姫子「……あれ、沈んだ筈なんになんで乱れてなか?」


姫子がキョロキョロと辺りを見渡しベッドなどをチェックしていく。

まったくといってもいいほど部屋は乱れていない。

その事を不思議に思い姫子は近くの窓に何気なく目を向けた。







姫子「!!」


雨が打ち当たる窓に目を向けていると大きな目と目が合った。

その目はギョロリと此方を見ており姫子達を確認している。

姫子はその目に見られ体が少しの間硬直した。


京太郎「姫子?」

姫子「…窓に」

京太郎「窓?」

怜「何かいたん?」


2人が見ると窓には何も居らず水滴が垂れているだけだ。


姫子「目が合った」

京太郎「………何かしら居るのか」

怜「残念ながら私の目には何も写らんな」

姫子「そか」


姫子は二人の言葉を聞いた今でもずっと窓の外を見続けた。

恐怖があったのか無意識に胸元にある鍵を握る。



何かが居るみたいです



<5へ移動:通路>


京太郎「大きな眼か」

姫子「こう……ギョロっと」

怜「ん~……」


ライターのオイルを補充し京太郎達はまたもや通路を歩く。

さきほどの件があり、心なしか姫子は気落ちをしている。

怜はそんな姫子を見て張り合いがないのか大人しく歩いていった。


京太郎「地図を見ると……1~10までは客室だな」

怜「どれどれ……ここやな」


京太郎が開いた地図を怜が横から見てある部屋を指差す。

それを見て京太郎と姫子は頷いた。

怜の能力の話は先ほどの休憩室で知らされている。

2人は疑いもなくそちらへと足を進めた。




<部屋:5>


京太郎「……おかしいな」

姫子「おかしいね」

怜「おかしいな」


此処に来て変異に気づく、どの部屋も通路も濡れおらず乱れもしない。

船から投げ出されたとき船は傾いていたのだ。

部屋が乱れるはずなのだが誰かが直したかのように綺麗な状態だ。


京太郎「とりあえず布団は貰っていこう」

怜「ふかふかや♪」

姫子「やっぱり布団がよか」


布団や毛布などを手に取り女性人は喜び触る。

布団の優しい柔らかさが心に余裕を持たせてくれた。


京太郎「布団は良いとして……荷物がないな」


辺りを探ると此処に泊まっていた筈の人の荷物がない。

逃げるときに持っていったのだろうか?


京太郎「…シャワールームに何かないかな」






京太郎「何もないな」


辺りを見渡すも特に異常なしだ。

適当に石鹸やシャンプーなどを手に取ると鞄に入れる。

暫くの間、使えるものを鞄に詰めていると何かしらの気配を背中に感じた。

すぐさまに後ろを向むき天井に付いている換気扇へと視線を向けた。

そこから金属が擦れるような音が微かにだが聞こえてきた。

天井を何かが這いずり移動しているようだ。


京太郎「2人供すぐに出よう。それと上に注意して」

姫子「んっ!」

怜「上……な、了解や」


室内で大人しくしていた2人を呼びかけ3人はその部屋を出る。

扉を閉め暫くすると換気扇がガチャンと外れ何者か風呂へと落ちた。




<部屋:9>

京太郎「しっ……」

姫子「……」

怜「……」


通路を歩いていると突如京太郎が近くの部屋へと入り2人を庇うかのように抱えた。

静かに部屋の扉を閉めると自分の背中を預け口元に指を置き静かにするように伝えた。

そして耳を扉に付けると集中して音を聞く。

静かになった部屋の中抱えた2人の息が聞こえてくるかのような錯覚を受ける

そんな耳が痛くなるような感覚の中、通路に集中していると近くを何かが通り過ぎた





ギギイィ…



                     ガンッ   ガッ


ギィーーー……         ガカン


  ギチギチ            ギチギチ      ギチギチ    ギギギィ



ギギギギギギギギギギ


                      ギギギギギギギ   


                    ギギギ





甲高い金属音が継続的に鳴り響き、通路を揺らす

背中を預けている扉から少しずつ大きくなっていく振動を受ける

異様な状況に汗が吹き出てくきた




「っ………はぁ~………」


暫くすると音が遠くなり徐々に徐々に下へ下へと降りていくのを感じ京太郎達は一息ついた


京太郎「はぁ……はぁ……」

姫子「………」

怜「ふぅ~……」


3人はそのままずるずると下に落ちていき座り込む。

前とは違い奇怪すぎる相手に精神的に疲れた。

暫く息を整え休憩すると顔を見合わせ頷き外へとでた。



<2F階段前>

京太郎「なんだこれ」

姫子「傷いっぱい!」

怜「ん~……擦れた後?」


廊下に出ると壁に無数の引っかき傷が残されていた。

中には無理矢理、切り裂いたような痕まである。


京太郎「奇怪……と言うより機械的な相手か?」

姫子「寒い」

怜「夜は冷えるなー」

京太郎「……いや、そうじゃないんだ」


京太郎の言葉に2人はお互いの手を合わせ震える。

案外仲が良いのではないだろうかと思いつつ3人は奥へと進んでいく。


奥へと進むと遠めに階段が見えた。

どうやら2Fへと上がる階段らしい、地図を見ると2Fには船長室と書かれている。


京太郎「通信機材あるかもな」

姫子「可能性は高か」

怜「んっ……そうやね」


3人は期待を胸にライターをかざし進むと階段に辿り着く。

だが、そこで階段を登らず立ち止まる……いや、正確には登れなかった。

階段の前には大きな穴が空いている。


京太郎はゆっくりと辺りを警戒し穴を注意深く見る。

穴は何かが出てきたというより溶かされて出来た穴に見えた。

穴の近くには、紫色のねっとりとした液体が張り付いており、耳を傾けると微かにシューと溶ける音が聞こえる。

どうやら溶解液の一種のようだ。

ライターをかざし下を少し見るとB1Fが見えた。


京太郎「…機械音に溶解液、何か覚えがあるな」

姫子「相手が判った?」

京太郎「たぶん……でも決定的な証拠がないな、機械が多く集まってるところを見れば判るのだけど」

怜「機械に関係あるん?」

京太郎「そそ、キーワードは-機械-に……あとは-神話生物-かな」

姫子「神話生物?」

京太郎「……クトゥルフ神話かね、どっちにしろ此処にいるのが謎なんだけど」

怜「あーあー……判ったわ、あいつか」


京太郎の言葉に姫子は首を傾げ、怜は理解したらしい。

この場合は姫子が正常で怜が異常だ、……TRPGでもやったことあるのだろうか。


京太郎「どっちにしても手に余りそうだな」

怜「高等な技術持っとるしな、レーザーとか放ってきたりしてな」

姫子「………一撃でん喰らったらやばか?」

京太郎「戦闘はなるべくしたくない。運が悪ければ一撃で殺されるかも」

姫子「ひぇ」


京太郎の言葉に姫子はおぞましい姿の怪物を思い浮かべる。

そんな姫子の横で京太郎と怜は犬を思い浮かべていた。


京太郎「犬いたかなー……」

怜「犬っぽい人じゃ駄目やろか?」


探索を終了します。



<休憩室>


京太郎「姫子お願い」

姫子「うん!」


休憩室に戻ると京太郎は姫子に声をかける。

声をかけられた姫子は胸元から鍵を取り出すとドアに向けてくるっと捻った。

するとドアはガチャと音を立て鍵がかけられる。

それをしっかりと確認すると3人はベッドに座りゆっくりと休んだ。


京太郎「んー……休んでて良いぞ?」

怜「なら京君も寝よ、私の未来には無事に朝を迎えられてるわ」

京太郎「そっか」

姫子「私はこっち!」

怜「ならこっち」


怜の言葉に京太郎は安堵し眠りに就いた。

タフな京太郎でも限界に近いほど精神が削れた。

2人の争いの声を聞きつつ目を閉じると真っ暗な世界へと誘われた。




京太郎「真っ白だ」

怜「帰れないなー」

姫子「霧で真っ白」


朝を起きて外へと出ると真っ白な霧で辺りが見えなくなっていた。

朝という事もあり昼間まで待ってみても霧は出続ける。


京太郎「どうすっか」

姫子「無理に帰ってみる?」

怜「それともここに残る?」

京太郎「うーん」


2人の言葉に京太郎は悩んだ。

どちらにしてもリスクが大きい、食料と水も一日分しか持って来ていない。




<55日目・船内デッキ上>天候-霧-


怜「うーん……」

京太郎「海まで見えないな」

怜「砂浜もやね」


京太郎と怜はデッキの一角の柵に少しばかり乗りかかり遠くを見てみる。

船内に置いてあった時計を見るに午後12時を回ったところだというのに

まったくもって霧が晴れない。


京太郎「奴の仕業かな?」

怜「可能性もあるけど……やっこさんは邪魔や容易に近づかなければ危害を加えないはずやで」

京太郎「知識としてはそうだけど実物がそうとは限らないしな」

怜「それもそっか」


京太郎の言葉に怜は納得し船内へと戻ろうと進言する。

昨日の夜通しの探索と霧を調べていたせいで碌に休んでいない。

2人は拠点にしている姫子が留守番している休憩室へと向かった。



京太郎「………」

怜「………」

姫子「おかえり~♪」


ドアを開け室内に戻るとそこには犬耳を生やした最愛の人がいた。

何を言ってるか俺にもわからねー………。

ご丁寧にも鎖付きの首輪までしている。

俺は霧と船と言う雰囲気に当てられて幻覚でも見ているのだろうか。

とりあえずは………。


京太郎「可愛いな」

姫子「てへ♪」

怜「第一声がそれかい!」


頭を撫でながら思った事を言ってみる。

よく見ると尻尾までついていて振っていた。


姫子「むふー♪」


頭を撫でられた姫子は満足そうに幸せそうに顔をゆるめるのだった。


怜「なんやろな…これ」


そんなバカップルな2人を見て怜は肩を落としため息しか出てこなかった。



京太郎「それでなんで犬耳?」

姫子「だって……犬が有効なんでしょ?」

怜「そういえば……犬っぽい人でもいけるかって話してたなー」


姫子の言葉にそんな話をしていたなと思い出した。

あれを姫子も聞いていたのだろう……それでも犬耳って……。


京太郎「何処にあったんだ?」

姫子「鍵が付いた棚ん中やね」


そう言って姫子は棚を指差した。

棚は確かに開いており、何かの袋がだけが残っている。

……何の為に使うものだろうか、仮装パーティーでもやるつもりだったのか…少しばかり興味が出てきた。


京太郎「…有効かな?」

怜「どうやろな」

姫子「無理かな?」


あの神話生物にこれでもいけるだろうか?

興味が尽きない、試してみるのもありだろう。

姫子には暫くその格好で居てもらうことにした。



姫子が犬耳バージョンになりました。






怜「さてと…私の能力使う?」

京太郎「どうするか」


怜体力:150/200

使うとイベントがある所が5箇所まで開示されます。

能力を使用すると怜の体力が半分消費されます。

イベントは何処が悪いイベントか良いイベントか判りません。

その上順番も表示されないのであくまで目安となります。



<レストラン>


京太郎「うーん……?」

姫子「不思議やね」

怜「ふぅ………」


とりあえず近場を調べようとなり、3人はレストランへと足を進める。

中に入ると人の気配がしない、準備中のようだ。

窓も大きく霧が出ているとはいえ昼ということもあり、少しばかり明かりが入ってくる。

机の上にはスープやパンなどがそのまま放置されていた。

少しばかり突っつくがパンは微かに固くなっている。

出されてそれほど経過してないようだ。


京太郎「船が沈んだときの状態のままとしてパンが腐ってないのはおかしいな」

姫子「本当に時が泊まったみたか」


椅子に座り込み休んでいる怜を横目で確認しつつ二人は辺りを探索していく。



  • 厨房-

京太郎「おっ……これ使えるな」

怜「なんか見つけたん?」


厨房でしゃがみ込む京太郎に休み終えた怜が声をかける。

その声に京太郎は見つけたものを見せながら答えた。


京太郎「これ、使えるなと思いまして」

怜「ナイフ?」

京太郎「食事用のだけど投げればそれなりに使えるなと」

怜「なるほどな」


京太郎(そういえば怜さんは未来予知が使えるんだよな)


京太郎の脳裏で未来を予知しナイフを投げる怜を思い浮かべる。

案外似合うかもしれない上に援護に期待ができるかと思った。


京太郎(姫子と怜さん……どっちに渡そうかな)


<怜に渡す>


京太郎「怜さんが持ってて貰えますか?」

怜「私の能力と相性ええかもな……ノーコンなのは勘弁な」

京太郎(……この人器用そうには見えないな)


渡し後にそんな事を思ったが気を引いてくれるだけでも大分違うだろうと思いなおす。

更に怜になどが襲われたときに何かの役に立ってくれたらと願いを込めた。


怜に能力追加


京太郎「何かあった?」

姫子「んっ!蝋燭が何本か!」

京太郎「休憩室の灯りとして使えるか」


電気もない上に明かりもない今ライターだけが頼りだ。

ライターもオイルの予備がない上に心もとなかった、だからこそ蝋燭はありがたい。

京太郎は感謝の意味も込めて姫子の頭を撫でた。


姫子「えへへ」

怜「ええなー」

京太郎「さて……次いくか」


<売店>

姫子&怜「「お菓子!!!」」

京太郎「……炭酸!!」


B1Fへと降りると3人は真っ直ぐに売店へと向かった。

勿論灯りを入手するため……だ、たぶん。

姫子と怜はお菓子に目を取られ、京太郎は冷えていない炭酸飲料に目を向けた。


怜「あまあま……くすん」

姫子「美味しい…ううっ」

京太郎「やばい……すっげー刺激強い!けど……美味しいな」


3人は思い思いの物を口に入れ涙する。

この無人島についてから考えないようにしていたが、やはり恋しい物は恋しかった。


京太郎「はぁ……これは是非とも持ち帰らないと」

姫子「部長達にも食わせたか」

怜「竜華達も喜んでくれるやろな」


思い思いの物や使えるものを3人は集めていく持って行けない程の数にはなるが何度も足を運べばいいだろう。


京太郎「ライトもあるな」

姫子「数も十分あっね」

怜「人数分あるなーライターも!」


京太郎「………」

姫子「何味?」

怜「お好み焼きやって」


ライトを頼りに3人は通路を歩く。

京太郎の前では怜と姫子が飴を舐めながら話している。

お菓子などを食べて二人の心に余裕が生まれたのだろう。

2人は仲良く話し合い歩いていた。


京太郎「……うん?」


そんな中後ろを警戒していた京太郎だけが気づけた。

何かが後ろから付いてくる。


ピチャン       ピチャン     ピチャ…


  ズズ……     ハァ……  ピチャ



何かが垂れる音、人の息遣いのような音……何かを引きずるような……。

それを聞いたけだけで心の底からどす黒い何かが這い出てくる。

背筋に得体の知れない物がゾクゾクと通り抜け、反射的に京太郎は後ろへとライトを向けた。

ライトの先には何もない通路だけが続いている。


姫子「京太郎ー?」

怜「どないしたん?」

京太郎「なんでもないよ」



『ミツケタ』



2人の言葉に答え、前を向き歩き出した京太郎の耳元でそんな声を聞いた。

京太郎は気の迷いかと思い無視して二人の下へと急いだ。




<機関室>

京太郎「扉閉まってるな」

怜「鍵探さないといけないん?」

姫子「問題なか」


姫子が前に出ると胸元の鍵を機関室の扉に差し込んだ。

鍵は次第に形を変え機関室の鍵へと変化する。

姫子がゆっくりと回すとガチャっと音が聞こえて扉が開いた。


怜「便利やね」

京太郎「こういう時本当に助かるよ」

姫子「怜ちゃんには負けん!」

京太郎(怜ちゃん……何時の間に仲良くなったんだろ)


姫子と怜を見つつ京太郎が進んで扉を開けた。

中は窓がなく暗い、落ち着いてライトを左右上下に向け何もない事を確認する。


京太郎「初めてこういうところ入ったけど物々しいな」

怜「結構広めやね」

姫子「なんかいそう」


3人は口々に思いのたけを口に出す。

そこにはメインエンジンやら何に使うか判らないものまでたくさんの機械やパイプが繋がっている。


京太郎「広いけどどうするか」

姫子「皆一緒に探す?」

怜「それとも…分かれる?」


京太郎「………」


<一緒に探索>


京太郎「小説とかならここで分かれるよな」

怜「そして一人一人いなくなる」

姫子「よくあっとパターンやね」


姫子と怜は京太郎に擦り寄った。

どうやら離れる気はないようだ。



姫子「京太郎!こい!」

怜「……恋、故意、来い?」

京太郎「これって意味」


姫子の言葉に怜は不思議そうな顔をする。

まぁ……聞きなれて無いとわからないかと京太郎は苦笑し姫子が喜び指を指している方向へと視線を向けた。

そこには、2枚の丈夫そうな木の板が置いてあった。


姫子「こい持ってけば2Fへといけっかも!」

京太郎「確かに十分な長さだな」

怜「よー見つけたな」


その板は機械と機械の間に入っており、確かに見つけにくい物だった。


怜「えらいなー……っ!!!!!」




怜「姫子!!!!今すぐ扉閉めて!!!」

姫子「!!?」

京太郎「怜さん?」


急に怜の顔が強張り必死な表情へと変わる。

怜の大声に姫子は一瞬ビクっとするが直ぐに胸元の鍵を扉へと向け捻った。

遠隔でも開け閉めできるのが幸いし扉はすぐに鍵がかかった。


鍵がかかった瞬間扉の向こうから激しい足音が聞こえてくる。


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド

        ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドタンタン!


カンカン  
                 カンカンカン

        カンっ……


金属の甲高い音が鳴り階段を降りてきているのが判る。

その音は激しく到底人が階段を降りる音ではない。

誰かの……足音は次第に大きくなり扉の前で止まった。

そして扉を開けようとするも閉まっている事に気づいたのか……。






ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!



                ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!

                 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!


ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!

ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!

                              ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!
ダンダンダン!







何度も何度も扉を狂ったかのように叩き始める。

どのぐらい経っただろうか。

数分間にも思えたし、数時間にも思えた……実は数秒かもしれない。

緊張が体を走り、時の流れを狂わせる。

扉を叩く音が聞こえなくなり何も聞こえない嫌な静寂だけが機関室へと残った。



京太郎「………」

姫子「………」

怜「………」


3人はぴくりとも体が動かさない。

動けない。

体が急な緊張のせいで固まってしまった。


姫子「………帰りたか」

京太郎「……見えない恐怖って嫌だな」

怜「……私なんて未来予知含め2回経験してるんやけど」


3人はへなへなと腰を抜かし座り込む。

そして怜の言葉に2人は同情的な視線を向けた。


京太郎「なんだあれ」

怜「判らんわー……私が見たのは血塗れらた機関室やった」

姫子「閉めなかったら……」


得体の知れない相手に3人は恐怖し暫くの間、そこで休んでいった。




京太郎「飴が美味い」

怜「落ち着くなー」

姫子「……まだ時間あっけど探索すっと?」

京太郎「………」

怜「………でも今やらな、夜来る事になんで?」

姫子「そいはいや」


姫子は袖で口元を隠しいやいやと首を振るった。


京太郎「あと……3箇所だけ行くか」

怜「せやな」

姫子「頑張る」


3人は立ち上がりふらふらと機関室を後にした。




<ホール>

3人はキョロキョロと辺りを見渡しながら慎重に進んでいく。

どうやら扉を叩いた主はいないようだ。


京太郎「ホールか」

姫子「あん時はパーティーここでやったね」

怜「あーあー……普段食わないような物いっぱいやったな」


ホールの大きな扉を開き中へと入る。

そこには多くの机が置かれておりパーティーの後片付けをしているところだった。


京太郎「特に何もないかな」

姫子「う~ん」

怜「広いだけやな」


カランッ


京太郎「………」

姫子「もういや……」

怜「予想外や、はっはっは…はぁ」


3人が辺りを見ていると後ろのテーブルから1人でにフォークが落ちた。

流石に連続して異常な経験をして3人は精神がガリガリと削られていった。





<倉庫>

姫子「開いた」

京太郎「……何もでないよな」

怜「今の所なんも視えへん」


一番下の倉庫へと足を運ぶと先ほどと同じように姫子が開いてくれた。

中に入ると大きな荷物が多く乗っている。

荷物は倒れている物もあり、中身が散らばっていた。


京太郎「流石に広いなー」

姫子「機関室以上やね」

怜「そやな」


京太郎の呟きに姫子と怜は京太郎の服を掴む。

先ほどのがトラウマになっているのだろう。

ここは離れて探索するのは無理なようだ。




<成功>

京太郎「ん~……」

姫子「京太郎、こんな物見つけた」

怜「はじめて見るな」

京太郎「なんでこんなものが」


姫子の手には大きな黒光する物体があった。


京太郎「拳銃?」

姫子「んっ!こいしかなかった」

怜「弾なしかー」


京太郎がおそるおそる弄くり弾を見ると中には9発の弾丸が収まっている。


姫子「よくドラマとかで見かけん物?」

怜「そういえばそうやね」

京太郎「この船って龍門渕グループの物だと思ったんだが何で運んでたんだろな」

姫子「知らない方がよか」

怜「消されんでー」

京太郎「……とりあえず姫子持っておいて」

姫子「私でよか?」

京太郎「俺はスコップあるし」

怜「私はナイフあるしなー」

姫子「打てっかな」


そう言って姫子は銃を構えてみる。

安全装置が掛かっている為、弾は出ない。


京太郎「いけそうか?」

姫子「わからなか」



<通路>


京太郎「あれ?」

姫子「どげんしたと」

怜「うん……?人形?」


通路を歩いていると京太郎が立ち止まった。

不思議に思い怜がひょこっと京太郎の横から前を見ると通路の真ん中に人形が置かれている。

ここの道は先ほど通った道だ。

その時はこの人形はなかった筈なのだ。


京太郎「気味悪い」

姫子「ホラー……人形……」

怜「定番やけど、本当にはやめてほしいわ」


文句を言いつつ3人は人形に触れないように脇にずれ横切った。




『ウフフ……』




その際に女の子の声を聞いた気がする。

3人は暫く歩いて後ろを振り向くと背中を見せる筈の人形が此方をじっと見ていた。





<船長室>


京太郎「これでよしっと」

姫子「こいで通れっね」

怜「奴さんも出てこんしこの先にでも居るのやろか」

京太郎「そういえば……見かけないな」

姫子「京太郎達が言ってた奴?」


そう言って姫子は自分の頭の上に生えている犬耳をぴこぴこと動かした。

今更ながら本当に効くのだろうか。


京太郎「失礼します」

姫子「しまーす」

怜「特に何もおらへんな」


中を見ると特に誰も居らずガランとしている。

様々な機械が並ぶ中、大きなガラスがある窓を見ると外は相変わらず霧で覆われている。


姫子「通信機あっと?」

京太郎「うーん……どっかに説明書とかないかな」

怜「緊急用とかのマニュアルあるかも知れんな」


3人は機械を眺め諦めるとマニュアルを探し室内を歩き回った。



京太郎「これだな」

姫子「判っと?」

京太郎「問題ないな」


京太郎は探し当てたマニュアルを読むと機械を弄っていく。

暫くすると一角の機械に電気がついた。


怜「電気あったん?」

京太郎「予備用の奴」


そう言って少しずつ弄ると通信機が作動する。

ザザザザーーと聞き覚えのある音が船長室に響いた。


京太郎「えーと……こうか」

姫子「こいでよか?」

京太郎「あぁ…一応これでSOSの緊急信号を発信してるはず」


通信機からは先ほどの砂嵐でなくピーピーと機械音が定期的に流れていた。

これで運がよければ助けが来るだろう。


姫子「はふ……来っかな?」

怜「どうやろな」

京太郎「……多分」


なんとも情けないがこれで保険が出来た。

あとは神に任せるしかない。


SOS信号を発信しました。

脱出フラグが立ちました。


姫子「ところで……こっちはなに?」

京太郎「え?」

怜「やーな予感がするわ」


姫子が不思議そうに一角を指差す。

其方の方向にあった画面が暗い光を放っていた。


京太郎「………」



京太郎「なんだこれ」


京太郎が画面を覗くとそこには……。



『ミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタミツケタ』



と連続して打たれている。


京太郎「怜さん!!!」

怜「もう視とる!!!前や!!!」

姫子「……っ!!」


京太郎の叫びに声に怜がすぐに反応し扉に向かって鋭い視線を投げかける。

姫子は銃を取ると構えた。


ギギイィ…


                     ガンッ   ガッ


ギィーーー……         ガカン


  ギチギチ            ギチギチ      ギチギチ    ギギギィ



ギギギギギギギギギギ

                      ギギギギギギギ   


                    ギギギ

と聞き覚えのある音が耳に入る。

それは次第に大きくなり扉の前で止まるとダンっ!と何かを押し付ける音が聞こえた後、甲高い音を立て

火花を散らしながら扉がバターのように切り裂かれ、何かが侵入してきた。


その相手は、白い甲殻に身を包み細長い数本の腕がついている。

その腕には電動ノコギリやバチバチと音が鳴り電気が走っている物と多くの武器がついていた。

まさに機械との融合………ユゴス(冥王星)から来し者、ミ=ゴが居た。





怜「右や!」

京太郎「!」


怜の言葉に反応し右からの攻撃をしゃがんで避けると上をスレスレに電動ノコギリが掠めていった。


怜「上!」

京太郎「くそっ!」


しゃがんだまま足に力を入れると後ろへと飛ぶ。

急な動きだった為、そのまま転がってしまった。

それでも相手の攻撃を避ける事が出来た。

先ほどまで京太郎が居た所に6本あるうちに1つの手が地面へと押し付けられる。


京太郎「電気?」

姫子「スタンガン!」


地面に付けられた手がからは激しい電気が迸りまわりを照らす。

電動ノコギリにスタンガン……全てが一撃で殺せるようになっていた。

まさに効率を求めたパソコンのような動きだ。


京太郎「どうするか」

怜「援護すんで!」

姫子「ん!」

京太郎「……いくか」


2人に押され京太郎は覚悟を決める。

今までだって様々な敵と戦ってきたのだ。

今回だってやれるはずだ。


京太郎「やってやる!」

ミ=ゴ「…………」


京太郎は気合を込め足を前へと踏み出す。

ミ=ゴもその動きを予測していたのだろう、淀みなく腕を上へと持ち上げ振り下ろしてきた。

だが、その腕も姫子によって京太郎の手前で止められる。


京太郎「ふっ!!!」


ミ=ゴの顔と思わしき場所へと最初の一撃を加える。


ミ=ゴ「………」


見た目に反して装甲が薄かったのか思いっきり顔を歪めて横へと少しばかり吹き飛んだ。


怜「上や!」

京太郎「よっと!」


手が6本もあっても姫子と怜が居れば何も怖くない。

怜の指示に従い動き避け、避けれない分を姫子が鍵で止める。

3人のコンビネーションでミ=ゴは直ぐにボロボロな機械へと変貌した。


京太郎「意外に弱いな」

怜「はぁ……はぁ……わ、私らなら問題ないな」

姫子「怜ちゃん、大丈夫?」


未来予知の使いすぎか怜は胸を押さえ汗を流し辛そうにする。

そんな怜を姫子が気遣い支えた。


ミ=ゴ「………!!」

京太郎「なんだ?」

姫子「暴れだした」


京太郎達の前でミ=ゴが行き成り腕を振り回す。

今までの機械的な動きから一変して動きに規則がなくただただ振り回しているかのように見える。

壁へ上の配管などを傷つけ配管からは水が溢れ出した。


京太郎「何を……」

怜「っ……あかん!水や!」

姫子「へ?」


ミ=ゴの動きを眺めていると胸を押さえていた怜が叫んだ。

だが、その叫びも遅くミ=ゴの腕はぴたりと動きを止め一斉に地面へと付けられた。



京太郎「がっ!!」

姫子「あぐっ!」

怜「っ!!」


その瞬間3人に水を通しスタンガンの電気が体を走しる。

タフな京太郎でさえ意識が朦朧とするほどの威力で3人は抵抗できずに地面へと倒れ伏せた。


京太郎「く……そっ!」

ミ=ゴ「………」


すぐさま、呻く京太郎へとミ=ゴの手が伸ばされていく。

ミ=ゴは脳を摘出する事で有名だ。

京太郎達の脳も摘出するのだろう。


京太郎(ここまでか……せめて2人だけでも)


辛うじて動く手で何かないかと懐を漁る。

スコップは遠くへと落ちていてナイフも何処かへいってしまった。

今あるのはライトとライター……どちらも使えそうにない。


京太郎「ちくしょー……」


悔しさで涙が溢れてくる。

京太郎は諦め手を止めた、その時だ……何かに触れたのは。



??「ようやく出れた」

京太郎(誰だ?)


薄れいく意識の中、京太郎は誰かの声を聞いた。

その声は何処かで聞いた事ある物なのだが、今の京太郎では思い出すこともできない。


京太郎「誰もでもいい……2人を……」

??「う~ん、自分でなく二人を……か。男の子だねぃ」

??「まぁ助けられた恩もある、お姉さんに任せておきなさい!」


意識が持ったのはそこまでだった。

なにやら心地よい暖かさに包まれ京太郎は眠りに就く。



京太郎「あれ?」

姫子「起きた?」

怜「起きても私は死にそうや」


意識が浮上し目を開けると姫子の顔が目に入った。

隣からは怜の声もする。


京太郎「えーと……船に来て……SOS信号だして…それから」

姫子「それから?」


頭に感じる気持ちが良い物を枕にしながら京太郎は指を折って出来事を確認していく。


京太郎「………ミ=ゴ!!」

姫子「わっ」

怜「……姫子でもええわ、膝枕貸して」


敵を思い出し京太郎は飛び起きるとすぐさま立ち上がり辺りを見渡す。

怜は姫子の膝があいたのでそのまま頭を乗せると目を閉じた。

予想以上に体力を消耗したようだ。


京太郎「戦闘した痕は残ってるな、俺たちに止めを刺さなかったのか?」

姫子「判んない、起きた時には居なかった」

怜「……スー……スー」


取り合えず問題もないようなので京太郎達は、寝ている怜を優しく抱き上げ休憩室へと移動し朝まで眠りに就きました。







京太郎「さて……天気も晴れたしどうするか」

姫子「まだ探索続すっと?」

怜「帰るんか?」

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最終更新:2026年01月14日 21:56