京太郎「………」
姫子「すぴー♪」
哩「ううん」
ぼけーとする頭を押さえ、ムクリと起き上がり、ズボンの中を確認する。
暫くじっと見て手で触り確認するとほっとした、どうやらしてはないようだ。
京太郎(……溜まってるのかな?)
冴えてしまった目を天井へ向けるとそんな事を思う。
程度的には、1週間に1度か2週間に1度程度、それが多いか少ないかは判らない。
女性に囲まれての生活でアレな頻度は多くなったと思うが、上手く発散は出来ていた。
それなのにあんな『夢』を見るとは……。
姫子「……ん~京太郎?」
哩「ど……どげんしたと?」
京太郎「………わりぃ」
姫子「ふぇ?」
哩「えっ?」
京太郎が動いたせいか隣の二人が起きてしまった。
寝ぼけ眼でぼーと見てくる2人を見ているとムクムクと湧き上がる感情がある。
京太郎は、2人に謝るとそのまま抱きしめ、事を始めた。
姫子「ひゃぁ~~~?」
哩「こ、こんな所で?」
京太郎「といいつつ……喜ぶのね」
哩姫『もちろん!』
3人仲良く朝まで耽りました。
「………」
京太郎達が事を始めた頃、船のデッキの上でゆらゆらと赤い着物を靡かせる女性が立っていた。
三尋木咏だ。
咏は、京太郎達のほうへと視線を向けており、暫くし一息ついた。
咏「お礼はこんなもんでいいかねぃ」
扇子でバタバタと扇ぎながらそんな事を呟く。
咏の頬は真っ赤に染まり、幾らかの汗もかいている。
咏「それにしても……まぐわいがこんなに激しいとは……」
そんな事を呟き先ほどの事を思い出しポっと顔が赤くなる。
咏「初めてだけど良いもんかもなー………今度またつまみ食いでもするか♪」
それだけ呟くと彼女の周りが揺らめきスーッと咏の姿が消えていった。
夢か幻か………京太郎が咏と本当になしたのかは、咏しか知らない。
京太郎「とりあえず目標は、最後の部品を探す事かな」
姫子「あとは……ゾンビ?」
哩「居ったらでいい」
京太郎「そっちは、俺達がなんとかしなくても大丈夫だろう」
姫子「そっか」
京太郎「さてと……どこと組もうかな」
一緒に行ける高校
他の高校
清澄:久 咲
風越:なし
鶴賀:ゆみ 桃子
阿知賀:憧 玄
永水:巴 初美
宮守:塞 豊音
姫松:漫 絹恵 洋榎
臨海:ハオ 明華 ネリー
有珠山:爽 誓子 揺杏
京太郎「お願いできますか?」
ハオ「いいですよ」
明華「私も別に」
ネリー「「しょうがないなー金目の物は山分けね?」
姫子「お金………?」
哩「こんな所で何に使っと?」
ネリー「単に好きなだけ!」
京太郎「さて……何処へ行こうか?」
<車両甲板 左>
京太郎「そういえばこっちは、まだ探索してないな」
ハオ「乗れる物ありますかね?」
姫子「そいより、部品があいばよか」
明華(日本語も大分慣れたと思ってましたが……やはり意味不明ですね)
哩「どげんしたと?」
明華「えっと………」
京太郎「どうかしたのかっだってさ」
明華「言葉の壁は高いなと……」
ネリー「何を言ってるか判らない」
姫子「そんなに?」
ハオ「………ニュアンスでなら」
哩「出来いば、標準語のほうがよかかね?」
明華「今は、須賀君が居ますので……」
ネリー「二人だけの時はお願い」
姫子「判った!」
京太郎「話も纏まった所で探索するか、なるべく全員が目に入る位置で動いてくれ」
全員『了解』
京太郎「さてと………どうやって探すかな」
あぁ……ごめん、この中から選んで
京太郎「………取り合えず、荷物を片付けながら探索しようか」
目の前の大きな荷物の山にため息をつきつつも手に掛けた
京太郎「案外簡単に見つかったな」
姫子「あったー?」
京太郎「あったー!!」
荷物を片付けていると目的の物が見つかった。
『部品C』を入手しました。
遠くから姫子の声が聞こえてきたので返事をしつつ部品を持つと歩き出す。
京太郎「案外重いな」
哩「そいは、私らには無理やね」
京太郎「だな……俺が持ってくから他に何かあったら頼む」
明華「判りました」
自慢の筋力のお蔭で軽々しく持っているが、ゆうに50kg近くあり、島に漂着する前の自分では無理だったろうなと密かに感謝した。
全員が集まる方へよたよたと歩いていると、何やらみんなの顔が驚愕に染まったのが見えた。
なんだろうか……物凄く嫌な予感がする。
ア゛アア゛ァァァァ
京太郎「あー………」
姫子「!!」
ハオ「ッ!!」
ネリー『――――』
哩「!!」
ゆっくりと振り向けば其処にはゾンビが居て、此方へと手を伸ばしているところだった。
一瞬の事と荷物のせいでまともに反応するのが遅れその場で固まってしまう。
やられるなーと暢気に思っていると………。
ゾンビの頭が綺麗に吹き飛んだ。
映画のように バンッ!!と弾け、ゾンビの後方に血肉が散らばる。
ゆっくりと力を無くして倒れていくゾンビを見つつ振り替えれば、姫子の手にある拳銃が煙を噴いてる事に気付いた。
京太郎「えっと……ありがとう?」
姫子「どういたしまして!」
哩「こっちも終わり」
ハオ「ふぅ……」
ネリー「私の出番がない!」
明華「ハオですもん」
お礼を言いながら近づくと惨状に気付く、姫子達の周りには更に無数の死体が転がっており、全ての頭が粉砕されている。
先ほどまで無かった事から、京太郎が振り向いている一瞬で片をつけたのだろう。
京太郎「………」
ハオ「ブイ!」
誰がやったのだろうかと視線を向ければ、ハオが此方にVサインをしている。
どうやら彼女がやったようだ。
哩「一瞬やった」
ネリー「ハオも強いからねー」
明華「いつもどおりですね」
京太郎「………」
頼もしいやら、怖いやら、取り合えず彼女達とは仲良くした方がいいかなと思いつつ御礼を改めて良い直したのだった。
姫子「ひぃーふぅーみぃー……5人?」
哩「報告があった通りだとすれば全部居っと」
ネリー「う~ん、1回無駄遣いしちゃった」
京太郎「無駄遣い?」
ネリー「そそ、何かあったらネリーに感謝してよね」
京太郎「何のことだ?」
ネリー「そのうち経験すればわかるよ」
ネリーの能力の『??????』により京太郎が『????』状態になりました。
京太郎及び、他の人が―――の場合、――だけ―――できます。
明華「悪い事ではないので気にしなくていいですよ?」
ハオ「ですね、むしろ感謝するかと」
ネリー「えっへん」
京太郎「なんだろう……?」
胸を張るネリーを見つつ、自分の体をあっちこっち触ってみるも何事もなかった。
哩「まぁ……他にも居っとかも知れん、気つけて行こう」
姫子「は~い」
京太郎「う~ん?」
ネリー「気にしない♪気にしない♪」
ハオ「進みましょうか」
明華「ハヨハヨ~♪」
<特等室 右>
姫子「開いた~♪」
ネリー「それ便利だよね」
ハオ「何でも開けれるんですね」
明華「やっぱりこっちは豪華ですねー」
京太郎「無駄に広いし皆で探しましょうか」
哩「そいがよか」
特等室の中に入ると豪華な一室が目に入った。
すべてが綺麗に飾られており、1つ1つの家具が高い物だとわかる。
タンスの中身を覗き、机の上を物色し、様々な所を探っていると此処には誰かが泊まっていた事が判った。
服や小物関係を見るに男女の2人のようだ。
紳士服に女性が好みそうな小物や服、そういったものが綺麗に整えなれ置かれていた。
ネリー「これ!これ開けて!」
姫子「えっと……」
この船の後ろを調べて始めての人が居たであろう形跡に考え込んでいるとネリーが小さな箱を持ってきた。
それは何処から見ても宝石箱のようだ。
先ほどの姫子のオカルトを見ていたので開けれると思い持ってきたみたいだ。
姫子は、嬉しそうにはしゃぐネリーに戸惑いながらも此方に視線を送ってくる。
開けていいか、の確認だろう。
京太郎「いいんじゃないか?」
姫子「んっ」
ネリー「ヤッター!」
特に問題もなく、世話になっていることもあり、軽く許可をした。
姫子は、1度頷くと胸元の鍵でガチャリと開ける。
姫子「ほんなこてに宝石やね」
ネリー「ん~♪……あっ、これはあげる」
姫子「えっと……ありがと?」
嬉しそうに宝石箱を漁り、いらないものがあったのが姫子に渡している。
姫子はそれに戸惑いながらも受取った。
『弾薬×10』 を入手しました。
哩「此処には人が居ったみたか」
京太郎「う~ん………よく探せば人の居た形跡はあるんだよな」
ハオ「それにしては私達の泊まっていた部屋がありませんね?」
明華「内部構造的にこの船ですよね?」
姫子「たぶん………?」
ネリー「この前の調べたら?」
京太郎「この前の?」
ネリー『名簿』
京太郎「あー……そういえば、憩達と来た時に見つけたな、そんなものを」
姫子「看護室やね」
哩「時間もあっし、部品も見付とっと……行って見る?」
京太郎「どうしようかな」
<看護室>
京太郎「確か………この辺に」
姫子「こいじゃなか?」
京太郎「あぁ……それだ」
看護室へと戻り、名簿を確認し始める。
一枚一枚丁寧に確認する為か、少しばかり時間がかかってしまった。
それでも確認する為には惜しまない。
姫子「しりとり~♪」
哩「陸島」
ハオ「うな重」
明華「潤う」
ネリー「う……うー……宇宙!」
姫子「うまい棒」
哩「……憂う」
ハオ「羽毛」
明華「右脳」
ネリー「………なんで『う』縛りなの!?」
京太郎「………何してんだ」
最後まで読み終わり、皆のほうへと視線を向けるとベットに座り込みしりとりをしている。
ネリーの言葉で察するに『う』で誰かが縛っているようだ。
暇だなー……。
ネリー「キョウタロー!ヘルプ!」
京太郎「………右往左往」
ネリー「右往左往!!!………それってネリーのこと?」
京太郎「さぁ……?」
先ほどから部屋を困ったようにネリ歩くネリーにはぴったりの言葉だろう。
姫子「判った?」
京太郎「あぁ、判った」
哩「そいで?」
京太郎「はっきり言えば、この船は俺達が乗っていた船じゃない」
明華「でも中身はほぼ一緒ですよ?」
京太郎「名簿を見る限り、俺たちの名前はないなー……だー見つけたときに確認しとけば良かった!」
ハオ「うーん……なら別の船なのですね」
ネリー「うーうー……」
姫子「まぁ……あん時に沈んだしね」
京太郎「確かに沈むのを見たもんな」
哩「そいなら私達が乗っとっと、こん船は?」
京太郎「………『姉妹船』かね?」
明華「ありえるので?」
京太郎「そこは龍門渕に聞かないと判らないな」
ハオ「この船にいる龍門渕はの人は」
ネリー「うー……うー……兎?……うがつかない」
京太郎「一さんと智紀さんだな」
哩「出来れば、お嬢様に聞くんがよかかね?」
京太郎「それがベストだろうな。一応聞いてみるだけ聞いてみるのもありかな」
名簿をバタンと閉じるとしっかりとカバンに仕舞い込み、看護室を後にした。
ネリー「判った、『鵜匠』」
京太郎「むしろなんで知ってるの?」
ネリー「儲かるかなって」
<一と智紀に会いにいく>
一「どうぞー!」
コンコンと扉をノックすると直ぐに声が返ってきた。
誰かも確かめずに入れるのは少々不用心だなと思うものの、あの一のことだ。
何かしらの事をしているのだろう。
京太郎「こんばんは」
一「やぁ、お茶でもしに来たの?」
智紀「部品?」
京太郎「まぁ……それもありますね」
取り合えず、部品を持って来ても智紀達じゃ持てないだろうと伝え、機関室に置いてきた事を伝える。
それに智紀は、ベットの上でぐったりとしつつ手をあげた。
京太郎「お疲れですね」
智紀「慣れないことの上に複雑過ぎる」
一「まぁ……普通の高校生は直さないよね」
京太郎「ですねー」
智紀の言葉に2人して頷く。
幾らオカルトのお蔭と言えとも厳しいものらしい。
一「それで聞きたいことって?」
京太郎「この船についてですね」
鞄から名簿を取り出し、軽く一に見えるように左右に振った。
すると一は、あぁ……そんなものがあったなと軽い反応を見せる。
一「この船は姉妹船だね」
京太郎「やっぱり……」
一「少し前にお客ごと行方不明になっちゃったんだよね」
京太郎「………そんな船の姉妹船に俺たちを乗せたんですか」
一「てへ☆」
智紀「何かを知るには犠牲が必要」
京太郎「まぁ……今はそれはいいです。よくニュースになりませんでしたね」
一「そこは権力だよ」
京太郎「………」
一の言葉に黙り込む、そういわれてしまえば此方としては何も言えない。
一「んで……結構な人達乗せて消えたもんだから探索はしたんだけど」
京太郎「だけど?」
一「なんにも見つかんなかった」
智紀「同じ航路で何度も船を渡して安全を確認しての今回の船旅」
一「大丈夫な筈だったんだけど………現状はこれだね」
京太郎「そっかー………ちなみに扉が閉まっていることについては?」
一「たぶん、生き残っていた人達が閉めたんでしょ」
智紀「ホールか何処かに集まる時に閉めて……そのまま何かが起きた」
一「全員が何かにやられたか、ゾンビになったか。そこまでは知らないけどね」
智紀「1個1個丁寧に調べれば死体もあるかも」
一「あるかもねー……人を信用しないで引きこもっていた人とか」
京太郎「………」
一「こうしてボク達みたいに協力してるのは珍しいと思うよ?」
智紀「普通は、何組かに判れるもの」
一「そこら辺は熊とかゾンビとか外敵のお蔭かな」
京太郎「……そうですね」
もしあの出来事がなければ今も分かれて暮らしていただろう。
もしくは………争っていたか。
一「ボク達の持っている情報はこれだけ……これからも仲良くしようよ♪」
智紀「生き残る為に」
そう言って、一は目を細めニヤリと笑った。
京太郎「………遊んでません?」
一「黒幕ごっこ♪」
智紀「真の黒幕は龍門渕透華だった………だが真相は裏で意図を引いているものが……」
一「それがボクだったのさ!」
京太郎「……帰りますね」
一「おやすみー」
智紀「おやすみ」
83日目-朝-
京太郎「うぉっと?!」
姫子「ふにゃ」
哩「な………なにが!?」
ゴォンと大きな音が聞こえ、揺れと共に起き上がった。
慌てて辺りを見渡すと家具や荷物が揺れ、ギギギギィと甲高い金属音が継続的に聞こえてくる。
京太郎「外は!!」
起き上がり、外を見ると風景が揺れ、霧が蠢いているように見える。
目を凝らし遠くを諦めずに見ると木々が横に縦に揺れ、動いている事が判った。
哩「じ、地震!?」
京太郎「いや、船自体が動いている」
姫子「あわわわ……」
なんとか立ち直ろうとするも船が激しく動いてどうにも立ってられない。
しょうがなく、ベットに戻り、姫子と哩を抱きしめ揺れが止まるのを待つことにする。
京太郎「止まった……か?」
姫子「微妙ーに動いとっとよ」
哩「こん感じ……海に浮いとる?」
京太郎「取り合えず……着替えて……」
<ホールに行こう>
京太郎「まずは……ホールだな」
姫子「待って!?」
哩「あわわわ……あっこいは姫子んだ」
<ホール>
久「あっ……来た」
京太郎「来たって……俺達が最後ですか」
ホールに着てみると他の人達が全員揃ってい……いない。
よく見れば、数校が居らず 集まってるのは半分ぐらいだ。
久「たぶん、展望室かしらね」
京太郎「あー……まぁいいや、それでこの揺れは?」
久「それがねー」
そこまで聞くと久は困ったような表情で後へと視線を向ける。
後ろには、浩子と智紀が何やら話し合っており、慌てている様子が見えた。
京太郎「どういうこと?」
久「それがねー……部品も揃ったし徹夜で発電機を直してたみたいなんだけど」
浩子「……直したら船が勝手に動きよった」
智紀「たぶん………機能が戻ったと……思う」
京太郎「……なんで発電機直して船が浮くの?」
久&浩子&智紀「「「さー?」」」
疑問を浮かべて質問をしてみると3人揃って首を傾げた。
姫子「えーとっ……こいは乗ってても大丈夫?」
久「どうなのかしらね」
京太郎「勝手に動いてるってことは流されてるってことだよな!?」
智紀「そういえばそうだ」
哩「こいって更に漂流すっと?」
浩子「そうやなー……このままだと陸から離れて漂流やな」
姫子「船動かせっし陸に近づけば?」
智紀「浩子できる?」
浩子「できんなー……そっちは?」
智紀「さっぱり」
京太郎(あっ……駄目だ)
今の会話の流れで駄目な事が判った。
京太郎「とりあえず!!船を止めないと!」
哩「どうやっと?」
京太郎「えっと……」
<錨を下ろす>
京太郎「錨を降ろしましょう!!」
久「なるほど……どこで降ろすのかしら」
京太郎「先端!!」
それだけいうと、京太郎は走り出す。
さすがにこのまま流されるわけにも行かない。
後ろから声が聞こえたような気もするが構っているわけにもいかない。
後でどうなってもいいほどの全力疾走で走り、デッキに出ると転げるように先端へと向かう。
京太郎「えっと……どれだ!?」
息を切らしながら先端へと辿り着くと錨を下ろす機械の前で立ち尽くす。
取り合えず電源をONに起動させると問題なく動く、発電気を直したお蔭だろう。
京太郎「まずはー!!」
<知識&筋力一定以上に付き自動成功>
チカチカと光るボタンを交互に押し、レバーを思いっきり引くとガラガラガラガっと大きな音を立て錨が降りて行った。
多少錆びていたのか、レバーは重かったが持ち前の筋力でどうにかなった。
バッシャーンと水に落ちた音が聞こえ、遠ざかりそうになる陸を見ながら待っていると船が一定以上から動かなくなった。
京太郎「はぁ………間に合った」
どうやら錨がしっかりと海底に落ち定着したようだ。
京太郎「あ、朝から疲れた」
一生懸命で気付かなかった疲労が1度に襲ってくると立ってられず、そのまま其処で寝そべった。
哩「京太郎!」
京太郎「おーぅ」
姫子「大丈夫?」
遠くから此方に走ってくる哩と姫子を遠めに見つつ京太郎は返事を返した。
情報
船が浮かびました。
船を拠点にすることが出来ます。
但し、現時点で安全に脱出は出来ません。
久「お疲れ様」
京太郎「本当に……」
姫子「………」
哩「………」
久「……ありがとう」
さすがに空気を呼んだのか久はポリポリと頬を掻きお礼を言ってくる。
姫子も哩もお互いに顔を合わせるとため息を付いて手をふらふらと振った。
京太郎「まぁ……部長のせいじゃないですしね」
久「はぁ……でも私の管理不足だったかしらね」
浩子「そこはすまんな」
智紀「手が止められなかった」
チラっと久が横を向けば原因になった2人が困ったような表情をしている。
京太郎「まぁ……発電機を直しただけで動くとは思わないですしね」
京太郎「それでこれからどうするんですか?」
久「取り敢えずは、ホールに集め点呼、その後は中を探索して、何人か残し戻りましょう」
姫子「残すと?」
久「えぇ……見張りがいないとねー」
京太郎「信用できる人達でお願いします」
久「出来る限りはするは」
京太郎「俺たちはどうしようか?」
哩「誰かが残っか、皆で残って煌達ば迎えっか」
姫子「そいとも……皆で戻っと?」
<誰が残る>
京太郎「取り合えず……誰残して戻るか」
姫子「誰にすっと?」
哩「私か姫子か……両方もありやね」
姫恋「そいとも私達が戻っと?」
京太郎「どうしようか」
<哩姫が残る>
京太郎「それじゃ2人で頼む」
姫子「判ったー!」
哩「んっ……」
姫子は元気に手を上げ、哩は腕を組み納得したように頷く。
取り合えず、二人をぎゅ~と抱きしめ2人を堪能する。
姫子「ふふふ♪」
哩「んっ……またな」
京太郎「うん、また」
明華「………そろそろいいですかね?」
ネリー「もう少し待ってあげたら?」
ハオ「……付き合うとはあんな感じなんですかね」
そんな会話と行為を続ける3人を迎えに来た臨海の3人は呆れるや、照るや、様々な反応で待っていた。
京太郎「それじゃお願いします」
明華「砂浜についたら車に乗ってください」
京太郎「明華さんは戻らないので?」
明華「私が戻ると船の人が陸地に行けませんので」
体がふわっと浮くと船からドンドンと離れていく、下を見れば哩と姫子が手を振って見送ってくれてるのが見えた。
同じく手を振り返し、あっという間に砂浜に着くと明華にお礼を言ってから言われたとおりに車へと向かった。
智美「わはは……久しぶり」
京太郎「どうも、あちらはかわりはありませんか?」
智美「………あちらで聞いた方がいいな。色々とあったから」
京太郎「………」
何やら不安を煽るような言い方に若干眉を潜め、椅子に座るとそのまま、時間を待つ。
暫くすると人が乗り終わったのか、車が急激に動き出し前の椅子へと頭をぶつける。
相変わらずの運転の荒さだ。
こうして京太郎は、哩姫の2人を残し、一時的に拠点へと戻った。
84日目 昼 -拠点-
京太郎「特に代わりは……ないな」
車から降りて拠点を確認するも特に代わり映えはない。
拠点自体京太郎のオカルトなので何かしらあったら伝わるので判ってはいたが……。
京太郎「戻りました!」
煌「お帰りなさい!」
仁美「んっ……まだ4日位しか経ってないけどな」
美子「そいでも久々に感じるね」
新道寺の部屋へと戻ると煌達が出迎えてくれた。
皆を確認すると怪我もなく、変わった様子もない。
なら、さきほどの智美の言い方はなんだったのだろうかと思いつつもお互いに報告を始めるのだった。
84日目-昼-
京太郎「あっちであった事はこんなもんですね」
京太郎「此方は?」
報告をしているうちに昼になり、昼ごはんを食べながらの報告となった。
船の中の食事と違い、此方は果物や動物の肉といった野生的な物となる。
美子「ゾンビを見かけるようになったぐらいかな」
京太郎「ゾンビが……」
美子の言葉に考え込む、どうやら時間が過ぎたせいでゾンビの活動範囲が増えたようだ。
今の所こちらに被害らしき被害はないがどうにかしないと此方へと進入を許してしまう。
仁美「実害は既に出てるけど」
京太郎「まじで?」
仁美「ウイルスが動物にも感染し始めてる」
京太郎「まじかー……」
仁美の言葉にげんなりとしつつ、自分の食事に含まれる肉をじっと見つめる。
魚も駄目、肉も駄目、どんどんと食事が厳しくなってきた。
本格的に奴等を消さないとまずいようだ。
京太郎「船の食事も2~3ヶ月ほどしかないですし」
煌「今のうちに食べ物を集めないとですね」
仁美「幸い、ここん食料庫は腐らないし」
京太郎「それでもいつ救援がくるかわからないですからね」
美子「大元ば倒す?」
京太郎「………」
美子の答えにどう答えていいか悩んだ。
未だに、敵の正体が掴めない上に、敵をボコボコと生み出すような敵だ。
見つけたとして果たして勝ってるのだろうか。
京太郎「………」
美子「それでどうする?」
京太郎「はえ…」
仁美「船ば拠点にすっか」
煌「しないでここに留まるか」
美子「船を選べば、皆着いて来るね」
京太郎「………」
船を拠点にすれば、皆はまた移動する事になる。
勿論、拠点の決定権は京太郎にある為他の人は着いて来るだろう。
そこには不満などが少なくとも纏わり着いて来る。
京太郎への風当たりが強くなるかもしれない。
だが、危険からは多少なりともよくなる。
仁美「こっちを選べば少なくとも人の交友関係は崩れん、でも協力も出来ないかも」
京太郎「………」
このまま拠点に留まれば、他の人の不満は無いだろう。
船に行きたいものは勝手に行って、拠点に残りたい者は残る。
好きなように動けるが危険は段違いに跳ね上がる、しかも何か合った時脱出が不可能になるだろう。
煌「さぁ……どうしますか?」
京太郎は煌の言葉を聞きつつ考える。
選択の時だ。
<船を拠点にする>
京太郎「船を拠点にしよう」
煌「人からの風当たりが強くなりますね」
京太郎「まぁ……ただ1人の男性だし、しょうがないさ」
仁美「また、移動やね」
京太郎「ここの柵は木で作った物だ、ゾンビの群れとか熊に襲われるよりマシだろさ」
美子「……智美さんに話つけてくる。うちが船に行って部長達に話してくる」
京太郎「お願いします」
美子の言葉に頷いた。
本格的に始まる。
生き残る為の行動が……
京太郎「あぁ……くっそ疲れた」
煌「お疲れ様です」
夜になり、久々の拠点の寝台で横になる。
あれから各高校に話をつけ回る。
やはり、思ったとおりに不満そうな顔を何度かされた。
当たり前だ、少し前に10日もかけて歩き続けてようやく安息の日々を過ごしていたのだ。
それが強制的の移動を更に強要されることになったので敵意を当てられる。
京太郎「これでよかったのかな」
仁美「わからんねー」
京太郎の言葉に仁美はのんびりと呟いた。
今はこのマイペースさが心地よい。
煌「荷物整理はこちらでやっておきますので寝てていいですよ」
京太郎「そうします」
美子「今回は京太郎君も元気だし、問題なさそうだしね」
京太郎「うぐっ」
前回の行進を思い出し、少しばかり嫌そうな顔をする。
そんな顔を見て美子達はくすくすと笑いあった。
86日目 移動中
京太郎「………うん、明日にはつくな」
煌「前回と違い近い分よかったですね」
京太郎「明華さんと智美さんが居て良かったよ」
煌「あとは東横さんですか」
京太郎「モモの影は反則だな」
前は大きな荷物を持っての移動どなったが、今回は桃子が荷物を引き受けてくれた。
そのおかげもあり、荷物を持たずに歩け疲労度の具合がかなり違う。
仁美「あー……疲れる」
美子「車でいけばよかったのに」
仁美「そっちこそ」
美子「私は、動くの嫌いじゃないから」
仁美「あー……運動部やったね」
前回と違うのは他にもある。
仁美と美子と煌が一緒に歩いている。
本来なら車や明華の風で運ばれる人員だ。
それでも一緒に歩いているのは、誠意を見せるためでもある。
京太郎に向けられる不満を少しでも和らげる為だ。
京太郎「あぁ……本当にありがたい……なっ!!!」
ゾンビ「………」
煌「そうですね!!」
猪ゾンビ「………」
京太郎はそれだけ言うと振り向きざまスコップを振り、いつの間にか近づいてきていたゾンビを打ち倒す。
同時に突進してきた猪を煌が受け止め、そのまま投げ飛ばした。
その猪は、所々腐敗しており一目見て生きてないのがよく判る。
京太郎「さてと………どうしような、姫子も哩もいないし」
煌「燃やすしかないですかね」
赤カブト(ゾンビ)『―――――』
構える2人の前に大きな図体の熊が現れる。
その熊も腐敗しており、所々が剥がれ骨などが見えていた。
京太郎「とりあえず、やるか」
煌「やりましょうか!」
京太郎(―――)
赤カブト『―――』
煌「はっ!!」
ゾンビになり思考が停止しているのか、動きは単調だ。
本来なら問題なく処理できる相手であろう。
それでも京太郎と煌は汗を流し、必死に攻防を続ける。
京太郎「はえーっ!!」
煌「普通のゾンビは動きが鈍る筈なのに!」
攻撃が早過ぎるのだ。
単純な思考となり余計に動きに容赦が無い。
ただただ手を振っているだけでも脅威となる。
京太郎「攻めます!!援護を!」
煌「はいっ!!!」
ぎゅっとスコップを握り返し軽く回す。
それに合わせ煌は、ぐっと拳を構えた。
京太郎「―――」
煌「!!」
敵の攻撃を煌が拳で打ち落とすと京太郎はそのまま懐へと入り込み振るった。
足に力を入れたのがいけなかったのか、砂浜に足を取られ些か手元が狂ってしまう。
結局の所空振りと終わり、舌打ちをしつつも後ろへと後退する。
その直後だ……ガキンと音が鳴り、先ほどまで京太郎の頭が合った所を赤カブトが噛み砕いた。
京太郎「あっぶねー」
煌「一応木も倒せるほどの力なんですけどねー……」
煌はぶらぶらと手を振り、口元を引きつらせる。
本来なら痛みで倒れる筈なのだが、相手は痛覚もないのでピンピンとしていた。
京太郎「落ち着いて……もう一度、相手は思考で着てないので先ほどの動きに対応できない筈」
煌「それだけは幸いですね」
京太郎&煌『―――っ!!』
京太郎の一撃と煌の一撃が同時に赤カブトのお腹へと決まる。
ドゴーンと大きな音が鳴り、辺りを振るわせるほどの力で吹っ飛ばされた。
6Mもある巨体はいとも簡単に崩れ落ち砂浜に自分の腐敗した肉を巻き散らかす。
赤カブト『―――』
それでもゆったりと起き上がり、また此方へと向かって走り出した。
同じ行動を同じように取り続ける……その異様ともいえる行動に些か気分が悪くなった。
………同情を抱くほどの行動を繰り返す相手に2人は頷き、最後の一撃を決める為に駆け出した。
京太郎「最後の一撃は―――」
煌「切ない!!」
相手の突進を横へと避けそのままの勢いで挟み撃ちのような形で迎え撃つ。
放たれた一撃は完全に体を崩壊させ、崩れさせる。
体が潰れるほどの血あkらを受けながらも赤カブトは声を上げる事も無く、その場に力なく倒れこんだ。
京太郎「……終わったか?」
煌「まだですね。ほら肉体が動いてます」
京太郎「………うげ」
汗を拭い、一息を付き確認しようと近づくと煌が手を出し止めた。
煌が指差した先では、肉体が脈打つように……ドクン、ドクンと動き始めていた。
さしもの京太郎もこれにはドン引きだ。
京太郎「燃やすにしても宥さんは、いないし」
煌「一応火炎瓶は1つだけありますけど…どうします?」
煌は後ろを振り向くと手を振り美子達へと合図を送る。
合図を受取った美子は、手に持っていた火炎瓶を掲げてこれかと聞いている。
ここで燃やせば着いて来る事も無いだろう。
ただ、火炎瓶を作り直さなければならない、この先またゾンビに会った場合の対処法がなくなる。
さて……どうしようか
京太郎「先を急ごうか」
煌「いいので?」
京太郎「着いて来た時にまた対処しましょう」
煌「……判りました、京太郎君がそうお考えなら同意しますよ」
京太郎「ありがとうございます」
煌にお礼を言って最後にチラっと熊を見るとその場を後にする。
赤カブト『 』
その場で放置されたゾンビは、足りない部品も多くその場でただただむやみに動くだけだ。
???『』
そんなゾンビに何かが近づいた。
その何かは、暫くの間ゾンビ前で何かをするとそのまま足跡を追ってずるりずるりと移動を始めた。
何者かが去った後には何も無く、ただただ散らばった肉片のみが残っていた。
負の連鎖は続く……何処までも何処までも
…… To Be Continued
89日目-昼-
前回と比べ近いこともあり、比較的楽に着いた。
それでも座り込む人も多く、それなりに無茶をさせてしまったようだ。
そんな人達を横目で見ていたが視線を前へと戻す。
そこには砂浜に横付けている船があった。
京太郎「なんだこれ」
哩「京太郎!!」
姫子「京太郎~♪♪」
京太郎「わぷっ」
沖にあった筈の船がどうしてここにと悩んでいると哩と姫子に抱きつかれた。
まったく意識してないこともあり、呆気なく押し倒される。
仁美「相変わらず」
煌「かわりませんねー」
美子「はぁ………」
哩「んっ久々」
姫子「です!」
仁美「ん~」
煌「お元気そうで」
美子「本当にね」
京太郎「……それでなんで船が横付けになってるんだ?」
姫子「んっと、大きな蛸が運んだ?」
京太郎「……えっと?」
哩「獅子原爽って言えば判っと?」
京太郎「あぁ……『カムイ』か」
哩「って言っても無理したらしく暫く呼べんって」
京太郎「船を動かせるようになったわけじゃないのか」
姫子「みたか」
哩達の話を聞き、少しばかりがっかりした。
船を動かせる事が出来れば脱出出来たのだが、そうはうまくできていないらしい。
京太郎「それで俺が居ない間にどう変わった?」
姫子「えっと、水タンクば掃除して水汲んで」
哩「土ば運んでデッキで野菜育ててる」
京太郎「出来るのか?」
哩「思索中……なんともいえんね」
仁美「そう、うまい話はなかな」
哩「なかね」
京太郎「まずは……拠点だして休むか」
哩「特等室ば各高校に分け与えっ形にすっとらしか」
京太郎「なるほど……」
姫子「お風呂とかは元拠点で寝たりとかん生活は船」
美子「正直ありがたいけどね」
京太郎「所詮洞窟だしなー……」
煌「虫刺されに悩まずにすみますね」
全員『そうだね』
煌の言葉に全員が同意した。
雨風は防げても昆虫までは防げない。
最初の頃もこれには苦労した、虫除けになるものはないかとアレコレ草で煙をだしたり。
虫が嫌がりそうなものを扉に置いたり、正直辛いものがあった。
寝るときはお風呂で寝ようかと思ったぐらいだ。
京太郎「それだけは僥倖か」
姫子「んっ……とりあえず、今日は休もう?」
京太郎「だな」
仁美「さっそくお風呂行って来る」
美子「私も」
煌「同意です」
京太郎「そういえば、船のシャワーは使えないのか?」
哩「水ん入れっとたいへんやしなー……今はトイレと飲み水だけやね」
姫子「だから正直、私達もお風呂に……」
そう言って姫子はチラっと拠点に視線を向けている。
さきほどからしきりに此方の反応を窺っていた原因がようやく判った。
臭いを気にしていたらしい。
姫子「ぶちょー……」
哩「そいじゃまたな」
京太郎「あぁ、ところで何号室の部屋だ?」
京太郎「了解」
頷くと哩は、姫子達を伴いお風呂へと歩いていく。
それを見たほかの人達もぞろぞろと付いていっている。
入りたいが、入っていいのか判らなかったのだろう。
京太郎「さてと……どうすっかな」
空を見上げ、余った時間をどう使うか悩むのだった。
89日目-夜-
京太郎「ん~どうしような」
話し合いは明日にして今日はゆっくりと休むように久達から伝えられた。
前とは違い、気持ちも体力も問題ない今少々時間を持て余してしまった。
広い部屋の中を探るように見るも誰もいないようだ。
京太郎「何処か行くか」
特に用事もないので誰かに会いにでも行ってみよう
<怜に会いに行く>
京太郎「怜さんにでも会いに行くか」
よく考えれば、色々あって船に来た初日しか会っていない。
病弱な彼女の事だ、もしからしたら医務室にいるかもと思い立ちふら~と歩き出す。
京太郎「いるかね」
医務室の前でコンコンコンと3回ほどノックをすると中から「入ってええよ」と聴こえてきた。
この声は、怜の声だ、相変わらずのようだ。
京太郎「失礼します」
怜「や~ん!エッチィ」
京太郎「………」
怜「………少しは反応してくれへん?」
中に入ると、上半身を脱ぎ、胸元を服で隠している怜と目があった。
というより、入っていいか聞いたのにこれはなんなのだろうか。
京太郎「帰っていいですかね」
怜「まってぇな~……背中拭いてくれへん?」
京太郎「はぁ………」
怜「少しは恥じてもええと思う」
京太郎「微妙なボケでそんな気分も吹っ飛びました」
背中を向けてくる怜に京太郎は近寄ると近くにあった、お湯の張った桶からタオルを取り出し絞る。
そして気付けないように拭き出した。
怜「お風呂は入れんのは痛いな~」
京太郎「駄目なんですか?」
怜「今日は調子悪かったんよ」
京太郎「最近調子悪いですね」
怜「やね~……そろそろ限界かもな~」
京太郎「………」
からからと笑いながらそんな事を言うときに何とも言えず無言になってしまった。
怜「まぁ……たぶん暫くは平気やろ」
京太郎「意外にそんな事を言ってる人が生き残るんですよね」
怜「定番やな、このままフラグを立て続けやろかな」
京太郎「それがいいかも」
怜「んっ……背中おおきに後ろ向いててくれる?」
京太郎「はい」
怜に言われて大人しく後ろを向いているとしゅうしゅると布が擦れる音が聞こえてきた。
暫くして、振り向いてもいいと許可が出たので振り向くとベットに入り寝ていた。
京太郎「竜華さん達は?」
怜「流石にずっと看病させるわけにもいかんしなー休憩とってもらってる」
京太郎「なるほど」
怜「ってことで暇やし、なんか話題はよっ」
京太郎「そうですねー……」
布団をバンバンと叩く怜に苦笑しつつ京太郎は話題を探して話していった。
京太郎「それじゃこれで」
竜華「怜の相手ありがとなー」
京太郎「いえいえ」
暫くの間話をしていると竜華が戻ってきた。
怜「あー……せや、京君」
京太郎「なんです?」
怜「時間はあと数日や」
京太郎「……なんのですか?」
怜「さぁ……わからん、それでも残り数日とだけは判る」
京太郎「肝に銘じときます」
怜「がんばってな~」
<宮守高校と交流>
京太郎「………」
塞「………」
エイスリン「………」
美子「美味しいね」
胡桃「そ、そうだね」
豊音(空気が重いよー)
白望「だるっ」
船の一角にあるバーで宮守高校と京太郎達が相対している。
一部の人はのんびりしているが、ピリピリとしている人も居て空気が悪い。
美子に連れられて来たが、正解だった。
京太郎「………すみませんでした」
塞「……はぁ、本当にね」
一言謝罪すると塞は気だるげにため息を付いた。
この謝罪には色々と込められているのがよく判る。
閨のこと、今回の事、様々な所で迷惑をかけられたのだ。
胡桃「まぁ……正直そっちのことは私達が首を突っ込める所じゃないしね」
塞「そうだけど……」
京太郎「あはははは……」
豊音「すごかったよ~」
エイスリン「ハゲシイ」
白望「寝れなかった」
次々に色々と言われ京太郎は引きつるような笑いしか出なかった。
そんな様子を美子はゆっくりとお茶を啜り見守った。
塞「……部屋が離れて良かったけど気をつけてね?」
京太郎「善処はする」
胡桃「はぁ……」
キリッとした表情で言うと胡桃にため息をつかれた。
そんな事を言われても止まれないし溜まる物は溜まるのだ。
<哩と会話>
京太郎「お疲れ様」
哩「んっ……ありがと」
お昼とうこともあり、あり合わせの物で作った料理を持っていった。
料理を作って部屋へと戻ると哩が目にタオルを乗せ休んでいる。
哩「んぐっ……美味か」
京太郎「それで会議のほうはどうだった?」
哩「んと、まずはケアんほうばしっかりとって話やね」
京太郎「ケア?」
哩「短か間で何度も歩かせた、不満や不安があっと困るって話」
京太郎「あー……こっちとしてもありがたいな」
哩「部長ん間で京太郎ん事ば攻める奴はいなかよ」
京太郎「そっか」
ひとまず大丈夫そうでほっとした。
哩「あっとは……食料ん問題やね」
京太郎「やっぱり悪いか?」
哩「悪か……魚も釣ってみて憩とかに見てもらって少しでも貯めんとって話」
京太郎「畑は?」
哩「潮風が問題やね」
京太郎「あー……」
哩「潮風に強かもんあいばよかやけん」
京太郎「難しいか」
哩「そっちは白糸台ん渋谷に頼むしかなか」
京太郎「手伝える事があればいいけどな」
哩「難しいやろね」
京太郎「なるほどな……判ったよ。ありがとう」
哩「ん……どういたしまして」
ゆっくりと哩の頭を撫で労い、2人の時間を楽しんだ。
<姫子と探索>
姫子「京太郎?」
京太郎「よっす」
スコップを片手に砂浜を歩いていると姫子と遭遇した。
暫しの間、見つめ合いお互いに納得しあった。
どうやら目的は同じようだ。
京太郎「一緒に行くか」
姫子「うん♪」
手を差し出すと嬉しそうに握り返してきた。
京太郎「なんもないなー」
姫子「だねー」
2人はのんびりと砂浜を探索するも特に代わり映えのない風景のみがあった。
真新しい物も特になく、ゾンビや熊といった脅威も存在しない。
ざざーと押しては引いていく波に耳を傾けながら2人は散歩を楽しみ帰宅した。
哩「おかえりー」
姫子「ただいまです♪」
煌「エンジョイ?」
姫子「エンジョイ」
煌の言葉に姫子は親指を立て答えた。
どうやら機嫌がいいようだ。
<白望&胡桃>
白望「だる~ん」
胡桃「動けー!!!」
京太郎「何してんですか」
のんびりと歩いていると何やら悪戦苦闘している胡桃と出会った。
見てみると白望が船の柵を背に座り込み、それを胡桃が一生懸命引っ張っている。
京太郎「………」
胡桃「シロが途中でだるいとか言って起き上がらなくて」
白望「涼しいし、気持ちがいい」
胡桃「駄目だって!湯冷めしちゃうよ!」
京太郎「俺が運びますか?」
白望「………あ~」
胡桃「どうなんだろ……こっちはありがたいけど」
そう言って胡桃はチラっと白望のほうを確認する。
白望は特に反対もせずぐったりとしながら此方を見ていた。
それほどに歩くのが面倒なのだろう。
胡桃「風邪ひかれても困るしお願い」
京太郎「はい」
白望「楽でいいや」
胡桃「自分で歩いてよ」
白望をおぶり、2人を部屋まで送った。
………京太郎は夢を見る
「………」
目の前では大人、子供含め老若男女の男女が命一杯騒いでいる。
年に一回のお祭り……浮かれるなと言う方が無理な話であろう。
そんな中、ルフクトゥだけがその様子を遠くから滑稽な物を見るような目で見ていた。
「……そろそろだ」
「はい!」
(動くか)
バタンと読んでいた本を閉じ、白いフードを被った一団を観察する。
いつもなら参加しない祭りだが、今日ばかりは違った。
前に祖父から話された『外なる神』に好奇心を抱き行動に移す事にしたのである。
いつもは、閉じられた神殿も今日だけは開かれる。
一年に1度選ばれた力の強い人間が一ヶ月の間贅沢を極め、祭りの夜に神殿で神と対面する。
それがこの集落の決まりであった。
(どうなってるやら)
前を行く集団にバレないように静かに移動を開始し思考した。
オカルト能力を自分たちに付与する存在とは一体どのような生物なのだろうか。
『入れ』
『はい……!』
暫くすると集団は神殿の中へと入っていく。
祭りのせいか人が居ない為、見張りも立てないようだ。
ルフクトゥは、そろ~りと近づくと少し扉を開け中を覗く。
中は、手入れをしっかりとされているのか埃ひとつ無い綺麗な空間だ。
壁や床全体は白く塗られており、職人が施したのか様々な装飾がついている。
机や椅子などの家具は1つも無く、ただただ広い空間が広がっている。
その真ん中に先ほどのフードの集団が立っており、丁度真ん中の道に入らないように脇に逸れていた。
真ん中の道には、幼馴染であり今年の巫女である少女が恭しく頭垂れていた。
「!!」
少女の奥に視線をもっていき、息を呑む。
自然と喉が鳴り、冷や汗が吹き出てきた。
視線の先では、噴水のような作りになった土台の上から黄金色の液体がひたすら滴り出ている。
その液体がどこから出ているか視線を辿っていくとその『生物』と目があった。
土台の上に1Mほどの『黄金の石版』が鎮座しており、それに抱きつくかのようにその生物は存在した。
生物の大きな1.5M程度だろうか、生物の容姿は2~3ヶ月ほどの母親の中に居る赤ん坊と言ったほうが判りやすい。
人の形をどうにか保っている程度の物で頭と思わしき所についている目はかなり大きかった。
薄い皮の下で青色の液体が欠陥らしき所を通り、気味悪く脈を打っている。
『ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
「あっ……л-$Шд」
その生物が大きな声で鳴いた。
頭に響く甲高い、女性とも男性とも取れる声に体が強張り、言葉にならない声が漏れる。
暫しの間固まっていると、生物がゆっくりと顔を伸ばし巫女の上へと持って行く。
そして………。
ぐちゃり
頭からがぶりと食われた。
血が周りに飛び散り、骨が砕ける音が聞こえる。
生物が動くたびに ゴキ
グチャ
と耳に残るような音が辺りに響き渡る。
そんな様子を周りのフードの人達は静かに見守っていた。
「あぁぁぁぁぁぁ………」
ルフクトゥが見たのは、そこまでだ。
最後の抵抗か恐怖に包まれた体を無理矢理動かしその場からすぐに離れる。
途中で転び血が出るがそんな事は気にしない。
気にしてられない。
「……っ!!」
家に戻るとすぐさま布団を被り震える。
理解した……理解してしまった。
自分達は――――『餌』なのだと
京太郎「!!!」
そこまで見終えて飛び起きる。
荒々しい息を吐き、びっしょりと汗で濡れた自分を見下ろす。
手を見れば未だに振るえ止まらない。
姫子「京太郎~?」
哩「ぬっかにゃ……」
京太郎「!!」
京太郎が起き上がったせいか哩と姫子が動き腰に抱きついてきた。
それに少し驚くも暫くすると震えが止まる。
京太郎は深呼吸を何度か繰り返し2人の頭を優しく撫でるともう一度眠りに就いた。
<宮守と交流>
塞「ううむ」
京太郎「これはどっちに?」
胡桃「こっち!」
京太郎「はいはい」
豊音「あわわわ……」
白望「寝てちゃ駄目?」
エイスリン「ンッ!」 ※人を蹴り上げている絵
塞「やー助かったよ」
京太郎「まぁ、迷惑もかけましたしこのぐらいでしたら」
胡桃「やっぱり男手あるとこうも違うのか」
晴れ晴れするような笑顔を見せる塞と嬉しそうにする胡桃に苦笑しつつも持っていた荷物を床に置いた。
今現在、京太郎は部屋の整理をしたいと言う宮守に借り出されている。
迷惑をかけていた手前、了承したのだが結構力仕事があった。
京太郎「それにしても……なんか物多いですね」
白望「………ぽろぽろ作るからね」
京太郎「へ?作る?」
豊音「ちょーすごいよー」
エイスリン「ウン!」※胸を張り威張っている絵
京太郎「???」
塞「あー……なるべく気にしないで」
京太郎「判りました」
胡桃「こっちお願い!!」
京太郎「はーい!」
白望達の言葉に若干引っかかるものがあったが踏み込むのも野暮と言うものだろう。
京太郎は胡桃に呼ばれ力仕事をしていくのであった。
<阿知賀と交流>
穏乃「あれ、京太郎どうしたの?」
京太郎「んーいろいろと無茶な案を通したからな。謝りまくってる」
憧「まったくねー……足に筋肉ついたらどうするのよ」
穏乃「元々ムチムチ……「何か言った?」……な、なんでもないよ」
次は何処に謝罪に行こうかと悩んでいると穏乃達と出会った。
彼女たちは、船の休憩所の前でのんびりと座っていた、談笑でもしていたのだろう。
京太郎「そういわけで……すみませんでした」
宥「……え?う、うん、そ、そうだね」
灼「あれは必要なことだったし、しゃーない」
穏乃「あわわわわ……いひゃい」
憧「あんたが要らない事を言うのが悪いわ!」
京太郎「あははは………」
どうやらあまり気にしてない上にこちらの意図を理解してくれてるようだ。
憧「でも今度から少し時間を頂戴」
宥「流石に急には……」
京太郎「ごもっともで」
2人の言葉に頷いた。
確かに今回の事は少し急過ぎたかもしれない。
それでも人を船と拠点に割いていたのですぐにでも纏まらなければいかないのも事実である。
こればかりはしょうがないと思いつつ京太郎は、その場を後にした。
<春と初美と会話>
京太郎「こんばんは」
春「んっ……」
初美「……何か用ですか?」
歩いていると春達が見えたので話しかけると初美が警戒心むき出しで挨拶を返してきた。
だいぶ、信用がないみたいだ。
京太郎「この前のことで謝罪を………」
春「んぐっ……はふ、受取った」
初美「………」
春は、黒糖を食べているせいか期限がいいらしい。
すぐに謝罪を受取ってもらえた。
………こちらに興味がないだけのようにも見えるが。
春「出来れば姫様に負担がかからないようにして欲しい」
初美「……むー!今回は見逃してやるです!」
京太郎「えっと……ありがとうございます?」
それだけ言うと二人はそのまま立ち去っていった。
京太郎(う~む、相変わらず神代さん中心なんだな)
そんな事を思いつつ どうしようかと悩むのだった。
<姫松と交流>
洋榎「よっす!」
京太郎「どうも、お風呂上がりですか」
漫「……なんのようです」
絹恵「むー……」
恭子「落ち着け、デコにペンやで」
漫「ひぅ!?」
郁乃「せいや~…」
由子「のよ~」
お風呂から上がり船に戻ってくると洋榎達が休憩所でのんびりとしていた。
休憩所は和風の作りになっており、何処かの旅館を思わせる雰囲気だ。
自動販売機にトイレ、いくつかの椅子にソファーと机、それに卓球台などもある。
洋榎に勧められるまま椅子に座ったが漫と絹恵に睨まれてしまった。
どうやら印象は最悪らしい。
恭子「すまんな、こっちでも何度も説明してるんやけど」
漫「納得できない事もあります」
絹恵「あと胸見るのはやめてな?」
京太郎「すみません」
胸に目が行きそうになり、慌てて逸らす。
やっぱりこういう所がいけないのだろうか。
洋榎「それぐらい、ええやん」
絹恵「よーないわ、駄目なもんは駄目」
漫「そうですよ!」
恭子「見られたことないから、よー判らんな」
京太郎「………」
洋榎と恭子は自分の胸をペタペタと触り確かめるも不思議そうに首を傾げていた。
……今度からなるべく、胸を見ないように気をつけよう。
郁乃「や~」
由子「て~い」
ちなみに他の2人は空振りばかりの卓球をしていた。
楽しいのだろうか?
<食料調達 天候-霧->
姫子「どうすっと?」
京太郎「……そうだな」
デッキの上から島のほうを見るも霧が深く全く見えない。
今日は食料を貯めようかと思っていたが考え直した方がいいだろう。
仁美「なら、私は釣りばしとく」
美子「うちは畑のほう見てみるね」
煌「私は船を探索して食料を探してみます」
哩「私は会議あっから……頼む」
姫子「部長ん分も頑張ります!」
案外なんとかなりそうである。
京太郎(それにしても……霧が深過ぎる)
船の上からでも陸が見えないほどだ。
京太郎(不気味だな)
あまり外に行かない方がいいだろう………。
いや、それも無駄かも知れない。
<透華と一と会話>
京太郎「あっ……おはようございます」
一「おはよー」
透華「………おはようですわ」
艦内を歩いていると透華と一に会った。
哩が会議と言っていたのでホールにでも向かっているのだろう。
挨拶をすると一は元気に透華はイライラとしながら挨拶を返してくる。
何かあったのだろうか?
京太郎「透華さん何かあったんですか?」
一「あー……この船って龍門渕グループの所有物だからいろいろとね」
京太郎「あぁ……そっか」
一に聞いてみるとそんな答えが返ってくる。
言われてみて気付いた、いや……今まで気にしてなかったのだろう。
こんな事があって、2隻とも遭難しているのだ。
意図的なことが仕組まれていると考えてしまうだろう。
透華「………」
京太郎「暫く機嫌は直りそうにないですね」
一「態度で示していくしかないね」
京太郎「俺もいろいろと言われているので……」
透華「そうでしたわね」
一「そっちもほどほどにね」
透華に呆れられ、一に苦笑されてしまった。
やはり彼女が2人とはいろいろとあるのだろうか。
<姫子と行動>
京太郎「外行くの?」
姫子「近場なら大丈夫かなって」
京太郎「なら一緒に行くか」
姫子「よかと?」
京太郎「流石にほっとけないだろう」
姫子「ありがと!」
姫子と手を繋ぎ外へと出る。
京太郎「すっごいな」
姫子「ねー♪」
視界が遮られている中、姫子は嬉しそうだ。
一緒に出かけているのが嬉しいらしい。
京太郎「この前も霧だったけど……」
姫子「不気味やったね」
船の探索の時も霧で前が見えなかった。
あの時は何もなかったが、今回はどうなのだろう。
京太郎「………」
姫子「………」
暫くの間、食料を探すがまったく見つからない。
霧で覆われているせいもあるが、別の世界に迷い込んだようで少々不安になってくる。
京太郎「これ以上は危ないな」
姫子「服も濡れちゃった」
霧の中を歩いているせいか姫子も京太郎もびしょ濡れだ。
流石に気持ち悪くなってきたので帰ることにした。
特に何もありませんでした。
<煌と探索>
煌「よろしくお願いします!」
京太郎「はい、そういえば煌さんと2人ってのも久々ですね」
煌「そういえばそうですね。いつも姫子達がぴったりと付いてますし、カルガモの親子みたいに」
京太郎「親子って……」
哩『んっ……♪』 姫子『京太郎っ♪』
煌の言葉に想像してみると確かにそうかもしれない。
自分の後ろを嬉しそうに歩いて着いて来る二人が容易に想像できてしまう。
煌「そっくりですよね?」
京太郎「そうでした」
艦内を歩きながら煌と会話を続けていく。
艦内は閑散としていた。
50人近くの人が一緒に住んでいると言うのに人の気配もなく不気味であった。
煌「ん~……雰囲気が違いますね」
京太郎「やはりスタッフとか居ないとこんなもんですかね?」
煌「かも知れませんね」
煌「この部屋は開いてますね」
京太郎「何かありますかね」
1つ1つ開いてる部屋を確認し様々な物を探していく。
既に何回か誰かが探した後なのだろう。
目ぼしい物はなかった。
京太郎「………」
煌「どうかしましたか?」
京太郎「いえ、音がしたなーと思ったので……何も無いですね」
煌「そのようですね」
見ていたシャワー室を閉め外へと出る。
その後もある程度部屋を探索しある程度小物などを集め回った。
煌「こんなもんですね」
京太郎「まぁ……殆ど探索してますからね」
煌「ホラーならここで新たな扉が……」
扉「………」
京太郎「………」
煌「………こんな所にありましたっけ?」
京太郎「なかったような」
煌「……嫌な予感しますし、無視ですね」
京太郎「無視ですね」
<永水と交流>
京太郎「あっども」
霞「あらあら、こんばんは」
初美「………(ギロッ」
春「モグモグ……」
巴「これ以上は駄目ですね」
春「あっ……あっ……」
小蒔「ぐー」
お風呂へと行こうとしていると永水の人達と出会った。
お風呂上りなのか、少々色っぽかったりで見とれてしまう。
そのせいか初美に睨まれたが……こればかりはしょうがない。
小蒔「はっ……おはようございます」
京太郎「おはようございます」
初美「むー」
霞「まぁまぁ……大丈夫よ」
春「こく……とう」
巴「数少ないから駄目です」
小蒔「どうかしたのですか?」
霞「なんでもないわよ」
初美「………(しっし」
京太郎(う~ん……神代さんが居るせいで警戒されまくりだな)
京太郎「あはは…それじゃお風呂に行くので」
小蒔「判りました、今度お話しましょう?」
京太郎「えぇ、今度」
初美「う~ん……大丈夫なのですかね?」
<恋しくて……>
目の前の背中は、女性と違い大きく、逞しく、安心できる背中だ。
目の前を歩く背中を見てそう思った。
京太郎「どうかしたか?」
姫子「なんでんなかと♪」
京太郎「そっか……ほら手繋ごう、逸れたら大変だ」
そう言って彼は自分の手を掴んでエスコードしてくれる。
確かに彼の言うとおり、霧が深く5M先も見えないほどの景色だ。
この中で逸れたら、たぶん二度と京太郎と会えない気がした。
そう思うと体が震えた、死ぬのが怖いのではない、二度と会えなくなるのが怖い。
京太郎「やっぱり、怖いか?」
姫子「んっ……会えなくなっと思っと怖か」
京太郎「あぁ……それは俺も怖いな」
姫子「京太郎も?」
京太郎「もちろんだ」
震えが手を伝わり彼に伝わったのだろう。
立ち止まり、そんな事を言われた。
どうやら彼も同じ気持ちらしい、胸が高まり、熱く熱くなってくる。
なんでこうも彼は自分の欲しい物をいつもくれるのだろうか―――。
姫子「っ~~~~!!」
京太郎「わっと!?」
思わず、ぎゅっと強く腕を抱きしめる。
言葉に言い表せない、態度にも表す事が出来ない。
ただただ、ドキドキと胸が高鳴り狂欲しいほどの感情が溢れ出す。
京太郎「姫子……」
姫子「―――」
立ち止まり、ぎゅっと腕を抱きしめる私に何か感じる事があったのだろう。
彼は優しく私の頭を撫で、ぎゅっと抱きしめてくれる。
霧で濡れた服の上から彼の暖かさを感じる。
あぁ……愛しい、果てしなく彼が愛しい――。
そして何よりも――恋しい
彼が居ないだけでとてもとても切なくなってくる
きっとこれからも彼を求め続け、少し離れただけで狂おしく求める-恋しく-のだろう
<恋しくて…… カンッ>
<弟?>
京太郎「こっちは……探索済みですかね」
煌「そうみたいですね」
京太郎「誰が探したやら……片付けておきましょうか」
煌「しょうがないですね」
船の探索をしていると部屋の扉が開いている事に気づいた。
扉を調べ、他の高校の部屋でない事を確認すると中を調べる。
中は、少しばかり散らかっていて物が散乱としていた。
誰かが探索を行なった後のなのだろう。
京太郎「こんなもんですかね?」
煌「こんなもんですね」
暫くの間、2人で掃除を行い綺麗に物を並べていく。
煌「………」
京太郎「どうかしましたか?」
とある事に気付き、じーと見ていると彼が不思議そうに声をかけてくる。
それに対して私は、暫しの間、言おうか言わないかで思考した。
う~んと呻りながら腕組みをし考える事数秒、言ってしまう事にした。
煌「京太郎君って掃除ヘタですね」
京太郎「ごふっ……」
素直に思った事を口にすると彼は、胸を押さえ顔を引きつらせる。
やはり、言わない方が良かったかと思ったがそのうち誰かが言うだろうと思い直す。
京太郎「や、やっぱりそうなんですかね?」
煌「順序がめちゃくちゃですね」
京太郎「そうなのかー」
煌「いやはや、男の子って感じでいいと思いますけど…」
京太郎「うぅ……煌さんの片付けたところと比べると確かにひどい」
煌「あははは、私は寮暮らしなもので」
京太郎「くっ……実家暮らしの自分としてはぐうの音もでねぇ」
そう言うとがっくりと肩を落とし落ち込んでしまった。
そんな姿にくすっと笑ってしまい、更に落ち込ませてしまった。
煌「お、教えますから……頑張りましょう?」
京太郎「ふぁい」
煌(ふむ……)
落ち込んでいる彼の肩をポンと叩くと顔を上げた。
上げた顔は少しばかり涙目でうるっとしている。
それを見て私は湧き上がる感情に少々戸惑いが生まれた。
煌(頼りがいある人だと思ってましたがこういう一面もあるのですね)
煌(なんというか……なんというか……)
煌「……すごくいいですね」
京太郎「はい?」
すごくいい……ギャップの差が激しいせいもあるが、弟が出来たみたいで嬉しいのだ。
自分の手際を隣で見ている彼を見て更に思いは募る。
やはり自分は頼られるといった事が好きだ。
煌「………今度から呼び名、煌お姉さんとかどうでしょうか!」
京太郎「行き成りなに!?」
だからこそ、思わず本音がでてしまったのは悪くない筈だ。
<弟? カンッ>
<哩と会話>
哩「あ~~そこ」
京太郎「お疲れだな」
部屋に残っていた哩の背中を指で押していく。
押すたびに艶かしい声をだす。
哩「会議に会議に会議に会議……疲れっと」
京太郎「あー………」
確かに毎日毎日会議に会議だ。
疲れるのも無理は無い。
京太郎「だいぶ話す事多いんだな」
哩「こんだけ多ければ……あん♪」
京太郎「………」
哩「んっ…あっ、しょこ♪」
京太郎「襲っても」
哩「流石に今は……」
京太郎「ちぇっ」
しょうがなく哩の背中を押しつつ会話を続けていった。
最終更新:2026年01月14日 21:57