Kちゃんぬいぐるみ、奈良にて
阿知賀、部室
穏乃「~♪」
憧「どしたのシズ。やけにご機嫌じゃない」
玄「鼻歌まで歌って、いいことでもあったの?」
穏乃「実は、今日ついに届くんだ!」
灼「何が?」
穏乃「Kちゃんぬいぐるみ!」
憧「ああ、あの時の」
宥「あの時?」
憧「Kちゃんぬいぐるみ、あたしも持ってんの」
憧「それをこないだシズがうちに来た時に見て、欲しいって言ったのよ」
玄「なるほどなのです」
灼「最近人気だよね」
穏乃「いや~、注文した時はタイミング悪く在庫無くって、やっと届くんですよ!」
穏乃「それが楽しみで!」
晴絵「なんだ。シズにもそういう女の子らしいとこあったんだな」
穏乃「赤土先生酷い!」
憧「普段ジャージだからでしょ」
灼「私もそう思う…」
玄「しずちゃんは昔からジャージだからね~」
宥「あったかそうじゃない……」
穏乃「う~、なんかみんな酷い」
憧「まあまあ。それで、頼んだぬいぐるみはどんなやつ?」
穏乃「もちろんジャージ!」
灼「ぬいぐるみまでジャージって……」
玄「しずちゃんらしいね」
穏乃「憧みたいな普通のもいいかと思ったけど、やっぱこれかな~って思ってさ」
憧「全く。シズらしいっちゃシズらしいけどね」
玄「憧ちゃんのも普通のやつなんだ?」
憧「そうだけど、"も"ってことは玄も?」
玄「うん、持ってるよ。そして私もスタンダードなやつ」
玄「やっぱりスタンダードなのが一番でしょ」
宥「……玄ちゃん、嘘はいけないよ?」
灼「玄が嘘?」
晴絵「ほう、珍しいな。玄はそういうことしないと思ってたんだが」
宥「初めはドラゴンがいいって言って、困らせてたよね?」
玄「な、なんで知ってるの!?」
宥「電話の声が聞こえてて」
穏乃「ドラゴン……」
憧「まー、玄らしいわねー」
灼「玄……」
晴絵「そりゃー困るわー」
宥「あんまり無理言っちゃ、駄目だよ?」
玄「ううう……」
玄「お、お姉ちゃんだって!」
宥「わ、私?」
玄「あったかい格好って言って注文して!」
玄「あったかくない、ってクレーム付けてたのを知ってるよ!」
宥「だ、だって実際あったかくなかったし……」
晴絵「宥基準じゃなー」
灼「服の枚数の指定までしないと」
憧「でもドラゴンよりマシじゃない?」
穏乃「ど、どうだろう?」
玄「結局また送ってもらったじゃない!」
宥「つ、追加でお金も払ったよ~」
宥「ミニこたつまで付いてたし」
憧「なにそれすごい」
灼「細かいオプションのクオリティがすごいってのも評判だよね」
晴絵「それでもこたつとはすごいな。どんな人が作ってるんだ」
穏乃「灼さんも持ってるんですか?」
灼「わ、私?」
憧「ま、この流れじゃ聞くよね」
灼「ま、持ってるけど」
穏乃「どんなのですか?」
灼「ふ、普通のを…」
晴絵「灼まで嘘はいけないな~」
灼「は、ハルちゃん」
晴絵「灼にぬいぐるみが届いた時、嬉しかったらしくて写メ送ってきてな?」
憧「へえ。見せて見せて」
灼「ま。待ってほし…」
玄「ここまできて1人だけ秘密は駄目なのです」
宥「あったかくないよ?」
灼「うっ……」
晴絵「ほれ、これだ」
穏乃「どれどれ」
猫耳&猫尻尾&肉球のKちゃん
4人「かわいい!!」
灼「うう、恥ずかし……」
穏乃「灼さんこれすっごく可愛いじゃないですか!」
憧「くっ、やられたわ。これはやられた」
玄「灼ちゃん、いいなー」
宥「あったかそう……」
晴絵「はっはっは。好評で良かったな」
晴絵「さて、今日はこれくらいにしておこうか」
穏乃「はーい。さ~て、早く帰って受け取らなきゃな~」
晩成
やえ「……初瀬よ」
初瀬「なんですか小走先輩」
やえ「お前もKちゃんぬいぐるみを持っているのか?」
初瀬「……持ってますよ。流行ってますし」
やえ「ふっ。流行っているから、などニワカ丸出しの言い方だな」
初瀬「小走先輩……」
やえ「いいか?王者とは、このような流行りに惑わされぬものだ」
初瀬「……自分1人運悪く買えなかったからって強がるのはやめませんか?」
やえ「……ニワカは相手にならんよ」涙目
カンッ!!
最終更新:2013年03月28日 23:36