はやり「あはっ☆ 本当はなにかあったのかな? そんな顔、し・て・る・ぞ☆」ツンッ
京太郎「ししし、してないっす! 素のはやりさんが一番ですから!」
はやり「……ん、ありがと」
京太郎「いや、本当ですよ? こういう格好も似合うっていうか、むしろ……はやりさんの落ち着いてるところ、真面目なところ、それにちょっと大胆なところ――」
京太郎「そういうのが感じられますし、とても魅力的です」キリッ
はやり「――ぁ……う、あ……ありがと……」
京太郎「ということで――」
はやり「は、はい!」
京太郎「水着、買いに行きましょうか」
はやり「…………ん?」
京太郎「……じょ、冗談です。えと……もう一曲、歌いましょうか?」
はやり「そうしよっか☆ えーっと、ほかには……」パララララ
京太郎「はぁ……」ガックリ
はやり「――夏に誘ってくれたら、見せてあげるからね☆」
京太郎「!! うっす!」
はやり「まぁそのときは、はやりの好みの水着になっちゃうけど、いいかな?」
京太郎「全然オッケーっす!」
はやり「りょうか~い☆ それじゃ、そのときを楽しみにしててね☆」
京太郎(やったぜ。)
はやり「ん~~~~~~~~~~、仕事したくなぁ~~~~~~~~~~い☆」ノビー
京太郎「そろそろ行かないと間に合いませんよ」
はやり「京太郎くん、代わりに打ってくれないかな? はやりは控室で応援してるね☆」
京太郎「全国8000万のはやりんファンから恨まれるのでいやです」
はやり「ケチー!」
京太郎「はいはい、とにかくタクシー乗りましょうね」
はやり「こなれた対応しないで!」
京太郎「17時までに佐久フェレッターズのスタジアムなんですけど、間に合いますか?」
運転手「高速使っていいかい?」
はやり「もっちろん☆」
京太郎(お金あったっけ……?)ゴソゴソ
はやり「大丈夫、カードもチケットもあるよ☆」
京太郎「お世話おかけします……」
はやり「私がご招待するんだから、オールオッケ☆ だぞっ?」
京太郎「では、お言葉に甘えて……」
運転手「――で、高速でいいんだね?」
はやり「はーい、お願いしまっす☆」
京太郎「やれやれ、間に合いそうでよかったです」
運転手「えっ」
京太郎「えっ」
運転手「高速使う(間に合うとは言ってない)」
京太郎「」
はやり「大丈夫だいじょうぶ、まだ余裕あるからね」
京太郎「そういえばそうでした」
運転手「んじゃま、安全運転で急ぎますか」
~会場入り
京太郎「到着です……って、寝てる!」
はやり「う~ん、むにゃむにゃ……」
京太郎「……おいくらでしたっけ」
運転手「こんだけ」
京太郎「おぉ、ギリギリ……」
運転手「へい、毎度ー」
京太郎「では、ありがとうござました……よっと」ヒョイ
はやり(イエス!)
京太郎「ん?」
はやり「スヤァ」
京太郎「気のせいか……さてと、大宮の控室はどっちかなーっと」
京太郎「……ここかな?」コンコン
靖子「はい」ガチャッ
京太郎「あっ」
靖子「…………なにしてるの、君は」
京太郎「いえ、大宮の控室に用が……」
はやり「スヤァ」
靖子「なぜ瑞原プロは狸寝入りしてるのかな?」
京太郎「えっ、起きてるんですか!?」
はやり「寝てるよぉ……」スヤァ
京太郎「起きてるじゃないですか!」
靖子「むしろなぜ気づかないのか……はいはい、瑞原プロも降りてください」
はやり「もーっ、せっかくお姫様気分だったのに! やっこちゃんは意地悪だよねっ」
靖子「それにしては、今日は地味な格好ですね」
はやり「デートで目立つと大変でしょ☆」
靖子「ほう……」チラッ
京太郎「デートです」
靖子「まぁ私がどうこう言うものでもないか……で、今日はそちらの応援かな?」
京太郎「ですね」
靖子「野依プロのときはやられたが、今回はそうはさせないよ」
はやり「え、理沙ちゃん?」
靖子「福岡との対戦カードのとき、そちらに連れてこられていたようです」
京太郎「」
靖子「おっと、言わないほうがよかったかな」ククッ
はやり「……ど、動揺させようったってムダだもんね★」
京太郎(オーラが黒い!)
京太郎(うーん、なんとかフォローを……)
京太郎「あのときは……部活の指導に来ていただいて、そのあと試合に呼ばれたんでしたっけ」
靖子「私は知らないが……」
京太郎「あ、やばっ……あの、そんときたぶん、テスト前だったんで……いまのは内緒で」
はやり「あー、いっけないんだ~」
京太郎「いや、俺もこっち帰ってきたばっかで、スケジュール把握できてなかったんですって!」
はやり「これ報告したら、清澄の予選出場は禁止?」
靖子「でしょうね」
はやり「どーしよっかな~?」
京太郎「堪忍してつかぁさい」
靖子「ふふ……私からもお願いしておきます。清澄が出られないとなると、衣がショックを受けるので」
はやり「天江さん?」
京太郎「そうですっ、衣様も悲しまれます! はやりさん、何卒っ……」フカブカー
はやり「……様?」
靖子「……龍門渕の従妹らしいし、その関連かと」
京太郎「師匠のお仕えするお嬢様なんですっ、どうかっ……」ドゲザッ
はやり「えっ、ちょ、ちょっと京太郎くんっ!?」
「……あれ、あそこ……」
「大宮の瑞原プロ? と、うちの靖子……」
「なんか男の子に土下座させてるんだけど……」
「お、京太郎やんけ。なにしてんねん、あいつ」
靖子「!? わ、私は無関係だぞ!」
はやり「はやっ!? やっこちゃん、裏切らないで!」ヒシッ
靖子「放してください! 関与を疑われます!」
京太郎「お二人ともお願いします、どうか内緒に!」
はやり「わ、わかったからー! 早く立って! 控室行くよっ」
京太郎「ありがとうございます!」ガバァッ
はやり「んひぃっ!?」ビビクンッ
「こ、今度は抱きついたー!?」
「こらぁっ、京太郎ぉっ!?」
「……これは修羅場ね、わかるわ」
「くくく、力を…… (そろそろ試合前のアップですけど……)」
靖子「もう、なんでもいいですから……さっさと帰ってください」キリキリキリ
はやり「きょ、京太郎くんっ、落ち着いてっ……」
京太郎「大丈夫、俺は冷静ですから!」
はやり「ほ、ほんとかな~?」
靖子「明らかに取り乱してますよ……いや、もうほんと帰ってくださいって」
はやり「京太郎くん、ほら……やっこちゃんもこう言ってるし、移動しよ、ね?」
京太郎「はい、お任せください!」ダキアゲッ
はやり「はやぁっ!?」
京太郎「それじゃ、失礼します靖子さん」
靖子「あー、はいはい、お疲れ」
「どうやら瑞原プロ勝利で決着したらしい」
「あちゃー、靖子フラれちゃったかー」
「マジすか、そういう話なんすか!? こ、こら絹に電話しとかんと……」
京太郎(なんか知ってる人の声がしたような……気のせいかな?)
はやり「あー、疲れたぁ……」
メグ「お疲れさまです、今日は間に合わないかと」
京太郎「すいません、間違って佐久のほうに行っちゃってたので」
はやり「しかもあんな大勢の前で抱きつくなんて……はやり、お嫁に行けないよぉ……」シクシク
メグ「HAHAHA! 心配いりません、ハヤリ! そんなことがなくともお嫁には――」
はやり「えい☆」ヒュッ ザクッ
メグ「……きょ、キョウタロウがもらってくれるでしょうから」ダラダラ
はやり「え~☆ そっかな~?」チラッ
京太郎「俺よりも素敵な人から選び放題だと思いますよ、はやりさんなら」キリッ
はやり(強敵!)
メグ(天然でこの回避……やはりあなどれませんね)
京太郎「で、試合前っていつもどうしてるんですか? 飲み物とかは、淹れないほうがいいんでしょうか」
メグ「普通でよいのでは? 私はいつも、カップラーメンを食べていますし……」
京太郎「はぁ、なるほど……」
京太郎(匂いとか、気にされないのかな……)
「メグ、あんたラーメン食べんのやめなー?」
「特にカレー、あとシーフード!」
「こってり系の店のとんこつもね……匂いつくのよ、衣装にさー」
メグ「おお、ソーリー」
京太郎(まぁそりゃそうか……)
京太郎「では皆さん――」
京太郎(そういえば、部長はよく試合前にバナナ食ってたな……糖分がどうこう、お腹にものをどうこうって……)
京太郎「では皆さん――試合前に、お茶などいかがでしょう。お茶請けもご用意しますが」
はやり「わ~い」
「いやいやいや、はやりさん! 試合前ですよっ?」
「お茶だけならともかく、甘い物は……」
はやり「え~? でも京太郎くんのはおいしいし、糖分ないと頭回らないよ?」
メグ「一理あります。明華もよく、試合前に和菓子をかじっていました。懐かしい……」シミジミ
はやり「ねっ☆」
「いや、ねっではなく……」
「そもそもですよ? 執事かなんだか知りませんけど、素人が作ったものが、そんなおいしいわけ――」
はやり「ほ、ほんとだよっ! 京太郎くんのお菓子は、世界で一番おいしいんだから~☆」
はやり「ねっ?」
京太郎「いえ、一番は師匠のお菓子です」キリッ
はやり「」
メグ「……そこは空気を読んで、はい、でいいでしょうに」
京太郎「師匠を貶めるようなことはできません」キリキリッ
はやり「あ、うん……ごめんね?」
京太郎「いえ。はやりさんは師匠のお菓子を召し上がったことがありませんので、仕方ありません」
はやり(そういう問題なんだ……)
京太郎「――ですから、はやりさんがその中で一番は俺とおっしゃってくださるなら、それ相応のものを振る舞いたいと思います」
「いや、だからいいんだけど……」
「試合前にあんまりお腹に入れると、逆に回らなくなるっていうか……」
「まぁラーメンよりはマシだと思うけど……」
メグ「なんということを!」
京太郎「普段、夕食は試合後ですか?」
はやり「うん、そうだね~。長引くときは、休憩挟んで軽く取ったりするけどね☆」
京太郎「なるほど……」
「それがなに?」
京太郎「いえ……試合時間から考えても、試合後の食事の場合は、女性の方なら気にされるかと思いまして」
「!!」
「そ、れは……」
「わわわ、私太ってねーし! ノーカンだし! カロリー使ったあとだし!」
京太郎「先に少しでも入れておけば、遅い時間帯の分を減らせるのではないかと愚考いたしますが」ニコッ
「ぬ、ぬぅ……」
「一理ある」
「……そ、そこまで言うなら作ってもらおうじゃん!」
京太郎「――かしこまりました」ニッコリ
はやり(……京太郎くん、ちょっと怒ってる?)
メグ(自分のことというより、お師匠の教えを否定されたと感じていそうです)
京太郎(さて――時間もないし、簡単に作れるものでいこう)ギュッ
京太郎「――できました。一口サイズのプチシュー、クリームはカスタード、生クリーム、チョコ、フルーツ各種とご用意しております」
「ふーん、まぁまぁのクオリティかな」
「見た目だけはね」
「問題は味よ、味」
京太郎「どうぞお召し上がりください。こちら、カフェインを取りすぎないようご用意しました、ハーブティーになります」
メグ「たまにはラーメン以外にしてみましょうか」
はやり「わ~、おいしそっ☆」
全員「はむっ」モグモグ
「」ビビクンッ
「」ビクッビクッ
「」トローン
はやり「んっ、おいし~い♪ やっぱり最高だね、この短時間でよくできてる☆」
京太郎「ありがとうございます」
メグ「上品で繊細な甘味ですね。ハヤリの舌が認めるわけです」
京太郎「恐縮です」
「も、もういっこぉ……」トローン
「取るな! 私のよ!」ババッ
「おい、ひぃっ……もっとぉ、おかわりぃ……」ビクンッビクンッ
はやり「……試合前に、大丈夫かなぁ?」
メグ「だからラーメンのほうがいいとあれほど」
京太郎「……先鋒って誰ですか?」
はやり「この子だぞ☆」
「あむぅ……んちゅっ、れろぉぉ……」
メグ「必死になってクリームを舐めていますね」
京太郎「これは放送しちゃうとまずいと思うんですが」
はやり「京太郎くんのせいだね☆」
京太郎「」
――先鋒の人は南場入ってから、ようやく正気に戻りました。
京太郎「しかしひどいもんですね」
「あんたのせいだぁっ!」
「うっ、うっ、あんな顔で放送されるなんて……」
「もうお嫁にいけないわー、マジつらいわー、料理上手な男子に責任取ってもらうっきゃねーわー、っべーわー」
京太郎「メグさん、お疲れさまでした」
メグ「いえ、結局は微減ですし……天王寺の今日の副将はキレてますね」
京太郎「洋榎さん、冴えてましたねー」
はやり「ま、あとははやりにお任せ☆」
京太郎「大丈夫ですか? トップと4万差ほどありますけど」
はやり「役満2回でいけるって☆」
メグ「ラーメンどんぶり勘定ですね」
京太郎「ラーメンいりません……まぁ、直撃なら倍満以上で逆転ですね」
はやり「りょ~うかいっ♪ それじゃ、行ってきま~っす☆」
京太郎(大丈夫かな……)
京太郎「……俺もお送りしますよ」
はやり「わっ、嬉しいぞ☆ それじゃ、試合場の入り口までお願いしよっかな?」
京太郎「えと、できれば中までと――」
はやり「う~ん、そうしてくれるのは嬉しいけど……やっぱりだめかな?」
京太郎「……だめですか」
はやり「そうだね……試合場は、基本的に選手だけが上がれる、神聖な場所でもあるからね☆」
京太郎「たしかに、そうですね……」
はやり「それにいまさらだけど、密着してテレビに映るのもいけないからねっ☆」
京太郎「そうですね……えっ」
はやり「えっ」
京太郎「いや、えと……密着?」
はやり「お姫様抱っこ、だよね?」
京太郎「……いえ」
はやり「」
京太郎「なんか、すいません……普通に、お見送りして中までご一緒できれば、と」
はやり「あ……あ、あははは……それじゃ、行ってくるからね☆」
京太郎「ご、ご武運を!」
メグ「……うーむ、これは大丈夫でしょうか……?」
――まぁ普通に勝ちました。やっぱはやりんって神だわ。
京太郎「お疲れさまです、はやりさん!」
はやり「うんっ、ありがと☆」
「お疲れさまでした!」
「ありがとうございます!」
「信じてました!」
メグ「……やはり、強いっ……ですが、個人タイトルのためには勝たねばならない相手っ……」グヌヌッ
京太郎「そんなはやりさんと、健夜さん、理沙さん、レジェンドが入ってた伝説の卓……高校生だったとはいえ、見てみたいですよね」
はやり「お、連絡して集めよっか?」
京太郎「……いえ、レジェンドが気の毒ですから」
はやり「む~……京太郎くん、晴絵ちゃんにだけ、特別優しくないかなっ?」
京太郎「え、そうですか?」
はやり「いまだって、晴絵ちゃんだけ気にかけてるし~」
京太郎(ほか三人は、普通にプロになってたしなぁ……レジェンドは、トラウマ抱えてたのに)
メグ「まぁまぁ、学校の先生ですからね。学生からすればプロより、教師のほうが関係が近く、親身になるかと思いますよ」
京太郎(メグさんナイスフォロー!)
はやり「……そういえば、臨海の監督とも……だったよね?」ジトー
メグ「あっ……」
京太郎(――でもなかった!)
「臨海の監督って、あの人でしょ? アレクサンドラ・ヴィンドハイム!」
「あの人もすごい選手だよねー」
京太郎「へぇ、サンディ――監督って、有名な選手だったんですか」
はやり(サンディって言った!)
メグ(あの監督がそう呼ばせるとは……まさか、本当に……?)
「知らないのぉ、京太郎くん?」
「よしよし、その辺もみっちり教えてあげるから、私らのホテルにいらっしゃいな」
「痛くしないからねー、安心していらっしゃーい」
はやり「ちょちょちょ! どうしてそんな親しげになってるの! 最初は邪険にしてたのにっ!」
「いや、そこはそれ、女子の矜持といいますか」
「最初からがっついたらみっともないですし」
「あとはお菓子で籠絡されました」
メグ(すでに十分みっともないです……)
京太郎「もう少し時間と設備があれば、もっとよいものをご馳走できるんですけどねー」
「ならホテルの厨房貸したげる」
「大宮が遠征で使うとこだから、それくらいは融通してくれるよー」
「反省会するから、おつまみ作ってよー」
京太郎「かしこまり――」
はやり「!?」
京太郎「――と言いたいところですけど、一応、家に確認しますね。未成年ですし、遅くなると心配かけますから」
「うーん、真面目」
「だがそこがいい」
「連れ込みさえすればこっちのもんよ……」
京太郎(聞かなかったことにしよう……)
はやり「あ、あの、京太郎くん? 無理しなくっていいんだよ? ほら、明日も学校……部活? あるんだろうし、ね?」
京太郎「ええ、まぁ。けど休日ですし、多少遅くなるくらいは許されるかと……とりあえず、確認しますね」
はやり「で、でも、あの――」
京太郎「……なにかあれば、はやりさんが大人として守ってくれるって、信用してますので」
はやり「えっ……」
京太郎「なら、大丈夫ですよね?」
はやり「――もうっ、ずるいなぁ。そういうとこだけ、子供の特権使っちゃうなんて」
京太郎「すいません、まだ高二なので」
はやり「ん、わかったよ。なにかあったら、私がちゃーんと守ってあげる☆」
京太郎「ありがとうございます、では――」
須賀母『了承』
京太郎「はえーよ! あのなぁ、酒盛りするかもって場所に、息子が行くのにさぁ……」
須賀母『なに、飲む気?』
京太郎「飲まねーよ! 給仕に徹するわ!」
須賀母『ならいいでしょ……いい年して、なんでもかんでも親の許可求めないの』
京太郎「……万が一なんかあったら、迷惑かかんだろ?」
須賀母『まぁ素行が悪かったら、絶対帰れって言うけど……あっちこっちで一人暮らししてても、問題起こってないみたいだし、それくらいは信用するわよ』
須賀母『やむなくなにかあったら、それくらいは責任取ってあげるつもりだし』
京太郎「……サンキュ」
須賀母『まぁ中退したくなかったら、避妊だけはしっかり――』
京太郎「そういう場じゃねーっつってんだろ!!」
~ホテル
『かんぱーい!』ガチャーン
京太郎「……いまさらですけど、これだけ食べて飲むなら、事前に食べた意味ないですよね、お菓子」
「そ~ゆ~こと言うなよ~、きょうちゃ~ん」グデー
京太郎(酒癖ひでぇっ……いや、はやりさんの後輩だからか……)
はやり「なにか考えたかなぁ?」ニコッ
京太郎「め、滅相もない……」
「あれはお菓子、これは心の栄養補給、食事じゃないから肉にならん!」グビビッ プハーッ ドンッ
「そゆことそゆこと~」
「ほ~れ、きょうちゃんも呑め~。あ、コーラでいい? ジンジャー? オレンジ? 私?」
はやり「レッドカード! 退場!」
メグ「先輩、こちらへ」ズッ
「イヤダーシニタクナーイ」
京太郎「……大宮の飲み会はいつもこうなんですか」
はやり「あっはははは……ま、まぁたまにね、たまには羽目を外したりするよ、うん☆」
京太郎「たまに、ですね?」ジー
はやり「う、うん、たまにだよ?」
京太郎「まぁいいですけどね。当時のはやりんさんを見てますから、どんななのかは想像つきますし」
はやり「うぅっ……うわぁぁぁ~~~~~~~~~んっっ! 京太郎くんがいじめゆ~~~~」
京太郎「いじめてませんから!」
はやり「なんちゃって☆」テヘッ
京太郎「……はやりさん、飲んでましたっけ?」
はやり「サイダーだよ、四谷サイダーは最強だね☆」
京太郎「シラフでも、皆さんのノリに合わせてるんですね」
はやり「まぁはやりがこうしちゃったようなものだからね、一人だけ真人間になるのはずるいかなって」
京太郎「いや、この人たちの素がこれでしょ、絶対」
はやり「そうかも☆」
「ンなことないよぉ~」
「ぜ~~~~~~~~~~~~んぶ、はやりんのせいっ! これ、じょーしき!」
「私らに彼氏ができんのも、はやりんのせいらぁっ!」
はやり「それは無関係かなっ★」
メグ「なにを騒いでるんですか……」
はやり「メグちゃんはどんな彼氏が欲しいのかなっ?」
メグ「ラーメン作りの得意な人ならどなたでも。とはいえ、できれば私より背が高く、かっこよく、紳士で、優しくて、スポーツ万能で、麻雀が強くて――」
京太郎「理想たっけぇ……」
「っていうか、それきょーちゃんじゃーん」
メグ「!?」ブホッ
京太郎「全然違うと思うんですが、それは……」
はやり「……むしろ全部満たしてるよね?」
京太郎「いえ、ラーメン作れないですよ? スープはともかく、麺が……」
「そこかよ!」
「ほかは満たしてるっていう、確固たる自信を感じる……」
「まぁ背は高いよね、メグちゃんより」
「あとかっこいい」
「執事だけあって紳士」
「優しい」
「麻雀強いよね、チャンプだし」
京太郎「強いって言っても男子ですし、女子とは比べるべくも……」
メグ「いえ、キョウタロウは強いです。わかりますよ」
京太郎「えっ……いや、メグさんとはまだ――」
メグ「サトハや後輩と話すときに聞きます、キョウタロウは強いと」
京太郎「…………」
メグ「私と彼女らは、同じくらいの強さだったと思っています。その彼女らが、歯が立たないくらいというのであれば、それは強いということでしょう」
京太郎「……だとしたら、嬉しいです」
「なるほど、メグちゃんの好みに一歩近づくからだね」
京太郎「!?」ゴフッ
メグ「!?」ブフゥッ
はやり「は、はやりんはまだ早いとおもうのっ!」
「はやりさんはもう遅いというか――ごふっっ!」
「メディーック! 一人やられたぞ! 治療を急げ!」
メグ「は……はは、HAHAHAHA! まぁ、仮に私が……その……好意を持っても、相手にも選ぶ権利がありますから……」
京太郎「メグさんに言われて、断る男はいないと思いますけど」
メグ「~~~~~~っっ!?」
はやり「一般論だよねっ?」
「反応はやっ」
「がっついてますなぁ」
「けどまぁ、普通にそうだとは思うけど……あ、メグちゃん断らないだろってことね」
京太郎「ですよね」
メグ「はぁ……あのですね、それは考えが甘いというものです。まずは縁の問題をクリアしても――」
メグ「色気より食い気の私では、そうそう気を惹けたりしませんよ」
メグ「そもそも、私より色気のある人間が何人、魚を釣れていないと思っているのですか」
「むぎゅっ」
「た、確かに……」
「私たちは、なんて無駄な時間を……」
はやり「無駄じゃないよ! はやりのアイドルとしての時間は、む、無駄なんかじゃ……」
京太郎「もちろん、そこは無駄じゃないですよ……というか、皆さんもあっさりと、自分たちが色気あるって認めますよね」
「あるでしょ!?」
「はやりさんほどじゃないにしても、このおもちを見よ!」
「お腹は見ないでぇ!」
京太郎(なんか三人目の人がモブ子っぽくて困る……)
京太郎「ま、まぁそれは俺も否定しませんけど……」
「いーや、わかっとらん!」
「ちょっとそこ座れぇ!」
京太郎(もう座ってるんですが、それは……)
「で、ここに美女が大勢おるじゃろ?」
京太郎「はぁ……」
「これを」
「こうじゃ」
京太郎「並びましたね」
「さぁ、選ぶがよい!」
「一番色気あるのを!」
「早い話、おったつのを!」
京太郎「ゲスぅい!」
はやり「……そろそろ、帰る?」
メグ「タクシー呼びますよ」
京太郎「うぅ……確かにそのほうがいいでしょうね……」
京太郎「そりゃ、はやりさんですよ」
はやり「!?」
メグ「残当」
「残念なの!?」
「なぜだぁ!」
「アラサーに後れを取るなんて……おかしい、こんなことは許されない」
はやり「あ、え、あ……あの、あのあのあのっ……」
京太郎「いや、あのゲッスい言い方を真に受けないでくださいね!?」
はやり「ふぇ……あ、う、うんっ、もちろん☆」
京太郎「そうでなくて、えーっと……まぁ、普通に考えて、やっぱアイドルやってるだけあって、ズバ抜けてるんですよ、はやりんさんの魅力は」
はやり「//////」
京太郎「美人で、スタイルよくて、麻雀強くて、頭よくて……あとは、面倒見もいいですし――」
はやり「う、うん……ありがと……」カァッ
「ええい、ンなことは聞いておらん!」
「問題はおったつかたたんか――」
「色気だぞ、色気! みよっ、このスカートから見えるモモチラを――」
京太郎「あと、はやりさんは品があります。男子はみんな、上品な方が好きなんです」キッパリ
「」
「」
「」
メグ(よく言いました、満点です……)
はやり「え、えへへへぇ……そ、そうかな?」
京太郎「もちろん、はやりさんはとても魅力的です……ですから――」
京太郎「――お近づきになれて、光栄です」
はやり「京太郎くん……うん、私も……京太郎くんと知り合えて、とっても嬉しいよ」
京太郎「はやりさん……」
はやり「京太郎くん……」
「ぐっっ……ぐぬぬうぅぅっ! ええい、こんなもん無効だ! ノーカンだ!」
「っていうかこれ、スキャンダルじゃねっ?」
「マスコミを呼べぇ! リークしろ!」
メグ「……そろそろ潮時ですね。退きましょう、キョウタロウ」
京太郎「えええ!? いいんですか、これほっといて!」
はやり「大丈夫だいじょうぶ、いつものことだぞ☆」
京太郎(マジでいつもこうなのかよっ……あー、まぁ先輩のはやりさんに、すげー失礼なこと言ってても慣れてるみたいだし、そうなんだろうなぁ……)
はやり「ほら、タクシー呼んだから、降りたらこれで乗って! チケットと、試合会場までの分のお代も入ってるから」
京太郎「あ、はい! ありがとうございます!」
メグ「色々楽しかったです、ありがとうキョウタロウ。次は――麻雀もしたいですね」
京太郎「ええ、俺もです……それでは、失礼します!」
――後日、酔っ払ってた選手一同からお詫びのメッセージと品物と、試合のチケットが届いた。
~デート終了
~5月連休初日、終了
~二年目五月、第二週連休 朝
京太郎「はよーっす……」
須賀母「おはよ。で、昨夜はやった?」
京太郎「だから違うって言ってんだるるぉっ!?」
須賀母「………………はぁぁ」
京太郎「息子が高校生で親父になったら、普通ショックだろ……なんでがっかりしてんだよ、安心しろよ」
須賀母「いや、本当にあんた、彼女できなかったらどうしようかと思って」
京太郎「真剣に言うなあああああああああ! くそおおおおおおおおおおお!」
須賀母「真面目に考えなさいよ、あんたこそ」
京太郎「考えてるけど、いまはそれどころじゃねーんだよ!!」
須賀母「テストも終わったってのに、なにがあるってのよ」
京太郎「来月予選だからな!?」
須賀母「あー、そういえばそうだったわね……で、どこで予選出るの?」
京太郎「わからん……」
須賀母「ま、どこ行っても身体には気をつけなさいよ」
京太郎「へいへい……」
カピー「キュキュイ! (ボクもご一緒します!)」
京太郎「気持ちだけもらっとくよ、ありがとナス」ナデナデ
~部室
京太郎「うぃーっす」
咲「あ、京ちゃん、おはよー」
京太郎「おう、はえーな、咲」
和「おはようございます、京太郎くん」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
京太郎「お、おう、はよ……え、なにこれ」
優希「てめーはのどちゃんの逆鱗に触れたじぇ」
京太郎「なんでェ?」
ムロ「それはですね――」
和「言わなくていいんです! というか、別に怒ってませんから!」
和「そもそも、そういう立場でもないわけですし……まだ……」ブツブツ
京太郎「?」
ミカ「せーんぱい、おはよーございまーす」
京太郎「おう、ミカちゃん」
ミカ「昨夜はお楽しみでしたね」
京太郎「!?」
まこ「あほう、なに言うとるんじゃ」
ミカ「いや、けどいまの反応は結構……」
久「え……う、嘘でしょっ?」オロオロ
京太郎「なんの話かわかりませんけど、昨夜は某所で執事したあと、ちゃんと帰りましたよ」
咲「某所って?」
京太郎「偉い人の宿」
優希「ほう、財界人か……タコスは売り込んだんだろうな?」
京太郎「しねーよ……ってか、それより部活始めましょうよ!」
久「一番遅かったあんたが言わない」
京太郎「」スマセン
京太郎「いったいなんなんだ……」
「それがですね、先輩」
「先輩が昨日、女子部の誘い断ったじゃないですか」
「それで色々と勘ぐってるらしいっす。要注意っす」
京太郎「はぁ? マジかよ……っていうか、女子部男子部でわかれてないだろ?」
「まぁわかりやすく言っただけです」
「とにかく先輩、やましいことがあっても、隠し通したほうがいいっす」
京太郎「いや、別にないし……」
「首筋にあざがありますけど……」
京太郎「え、マジで? どっかでぶつけたか……虫か?」ポリポリ
「……あっ」
「これはシロっすね」
「それとなく、先輩たちに言っとくか……」
京太郎「なんか女子の対応が柔らかくなった。よくわからんが、一安心だな」
久「……こっちとしてはむしろ心配になってきた」
和「これ、私たちも押し切れないってことですよね」
咲「そ、そういうことがあったかわかんないし!」
まこ「はいはい。そういう話は、休憩中か部活後にでもやりんさい」
京太郎「んー……ま、いいか。とにかく打とうぜ、打とう打とう」
ムロ「では対局相手を選んでください」
京太郎「なんかゲームの選択画面みたいだな……」
咲「はいはい! 私!」
優希「くくく、リベンジさせてもらうじぇ……」
久「よーし、ここは私の本気を……」
和「あの、えっと……私も……」
ミカ「よろしくおにゃーしゃー」
まこ「まぁ、強いもんと打てるなら、それが一番じゃ……」
京太郎(選択画面ではこんなアピールしてこないなぁ……)
久「いよっし!」
和「っ! っ!」イエスッ イエスッ
ミカ「やたーっ!」ガッツポ
京太郎「俺が選ぶまでもなくクジが引かれてた」
まこ「うーむ……咲と優希に指導させるんは心配じゃの……」
京太郎「……ま、まぁ大丈夫でしょ」
咲「うん、麻雀の楽しさを知ってもらうだけだから」
優希「私らの任せておけばいいじぇ」
まこ「……まぁわしもいるしな、うむ」
京太郎「つーことで、よろしくお願いします」
久「はいはい、よろしくー」
和「どうしましょう、半荘で大丈夫ですか?」
咲「東風戦でいいんじゃないかな! 回転早くなるし!」
京太郎「お前に聞いてないからな?」
ミカ「私はどっちでも。できれば長く打ちたいですけど」
京太郎「ミカちゃんは控えめで、いい後輩だなぁ」シミジミ
ミカ「へ、そ、そうですか?」///
優希「こらぁ! ミカに色目使ってんじゃねーじぇ!」
京太郎「はいはい、してないしてない」
和「で、どうします?」
京太郎「んー……」
京太郎「――まぁ半荘でいいだろ、うん」
久「オッケー、それじゃ、始めましょうか」
ミカ「よろしくお願いします!」
和「よろしくお願いします」
久25000→
和25000→18600→
ミカ25000→31400→
京太郎25000→
ミカ「……おっ」
ミカ「……おっ、おっ」
ミカ「……おおおおっ!?」
京太郎「なに、どした?」
ミカ「え? いえいえいえ、なにも」
和「…………う」
久「和~? 手止まってるわよ~」
和「……わかってます」トン
ミカ「ロン!」
京太郎「げっ、マジか!」
久「あのねぇ、気配気づいてないの?」
京太郎「いや、じゃなくて……和でも振り込むんだなって思って」
和「そりゃあ……インハイでも、役満振ったりしてますし」
京太郎「ああ、初美先輩の……」
ミカ「あのー、褒めてくださいよー」
京太郎「おっと、偉いえらい。その調子でな」
ミカ「はいっ♪」
久「あら、あざとい」
ミカ「えへへ、まぁそれなりに」
和「……次はさせません」ゴッ
久25000→19000→
和25000→18600→6600→
ミカ25000→31400→25400→
京太郎25000→49000→
京太郎「お――」
久「むっ」
和「引かれてしまいましたか……」
ミカ「1000ですか、2000ですか」
京太郎「俺を侮るなよ、ミカちゃん……っと、裏も乗って、これは久々だな」
京太郎「ツモ、三倍満で12000、6000」
久「たかっ!」
和「……これは厳しいですね」
ミカ「うぇー、先輩容赦ないよぉ……ふぇぇ……」
京太郎「はいはい、弱音吐かない。あとでコツ教えてやるから」
ミカ「三倍満の?」
京太郎「ああ」
久(なにそれ、そんなんあるの?)
和(大物手狙いはクセがつきますから、一年生への指導にはどうなんでしょうか……なんて、京太郎くんに言える立場でもないですね……)
ミカ「えへへ~、習ったら先輩みたいに強くなれますかね?」
京太郎「さぁ」
ミカ「冷たいです!」
久「はいはい、とにかく最後まで気を抜かないで、京太郎は」
京太郎「うっす!」
久25000→19000→
和25000→18600→6600→5600→
ミカ25000→31400→25400→
京太郎25000→49000→50000→
和(とにかく、一歩ずつですね――)スッ
和(よし、テンパイ……これで――)トンッ
京太郎「ロン」
和「――っっ!」
京太郎「タンヤオのみ」
和「はぁ……京太郎くん、いやらしいです」
久「知ってた」
咲「知ってた」
まこ「知っとった」
優希「知ってたじぇ」
ムロ「周知です」
ミカ「知ってます」
京太郎「」
和「打ち方の話ですよ?」
京太郎「あ、うん……そうか?」
和「相手が弾みをつけようとするところで、絶妙に切って落としますよね……」
京太郎「相手が強いとなおさらな」
和「……もう、そういうお世辞には乗りません」デレー
ミカ(乗りまくってます、先輩!)
久(素直すぎでしょ……)
京太郎「さて、これでラストか……気合入れないとな!」
京太郎トップ、終了
京太郎「ロンです。お疲れさまでした」
久「あーっ、もう! お疲れさま!」
和「そんな危ないところ切るからですよ……」
久「いや、普段だったらこれで通るんだってば」
京太郎「そのクセっていうか、打ち方が割れてるからですよ」
久「えー? それでも美穂子とかゆみには通るもの」
まこ「ちゃんと働いてくれとるんじゃろか……」
ミカ「先輩せんぱい、それよりさっきの、三倍満のコツを!」
京太郎「ん? ああ、そうだった……じゃ、ちょっとこっちで」
ミカ「はい♪」
「では私たちも」
「よろしくお願いします」
ミカ「ちょっと!? 邪魔しないでよっ……」コソッ
ムロ「いや、麻雀のことは全員で分かち合おうよ」
「そうそう、それがチームってもんでしょ」
「抜け駆け厳禁」
京太郎「おお、なんか増えたな……ま、いいや。それじゃ教えるぞー」
「さて、俺らはお茶の用意でもしておくか」
「だな」
京太郎「あほ! お前らも聞いとけ!」
「ぐぬぬ……」
京太郎「それに――お茶ならすでに俺が淹れている」カチャンッ
「!?」
「い、いつの間に……」
「さすが先輩っ……」ウルウル
京太郎「というわけで、飲みながら聞けよー。まず――」
咲「京ちゃんがどんどんおかしなことに……」
まこ「とはいえ、部の雰囲気をようしとるんは事実……」
久「ほんっと、頼りっきりね」
和「むー……」
優希「のどちゃん、先輩らしく余裕で構えとくべきだじぇ。後輩に妬くのは見苦しいからな……」
和「べ、別にそういうのではっ」
京太郎「で、こうすれば――はい、三倍満。な、簡単だろ?」
『無理です』
京太郎「あれー? 俺はこう教わったんだけどなぁ……」
京太郎「俺は指導者に向いてないのかもしれない」
久「……それ、皮肉?」
京太郎「そういうわけでは!」
久「ふふっ、じょーだんでーす」
まこ「タチ悪いわ……」
久「ま、咲たちよりは向いてるし、自信持ちなさい」
和「そうですよ。その、お師匠さんのご指導がよかったのか、お教えするのもお上手ですから」
京太郎「ま、まぁな……なにせ師匠は、夏休み半月ほども、つきっきりで指導してくれたくらいだし!」
久「」
咲「せ、先輩、しっかり!」
優希「のどちゃんは悪気なく言ってるだけなんだじぇ!」
まこ「あと京太郎もじゃ……」
ムロ「……むしろ京太郎先輩は、前部長を尊敬してると思うんだけどなぁ」
ミカ「だよね。なんていうか……飼い主を見る犬の目してるし」
久「マジで?」
咲「なんてタイミングで復活するんですか……」
和「すっごいいい笑顔してますね」
優希「やはり犬……」
京太郎「あれ、なんかすごい風評被害受けたような」
咲「大丈夫、なにも変わってないから」
京太郎「ならいいけど……さて、そろそろ次のことを――」
京太郎「お、そろそろだな……すいません、ちょっと調理室に――」
まこ「ん……おお、そうか。ええぞ、行ってきて」
京太郎「ありがとうございます。よし、男子集合、行くぞ!」
「うっす!」
「了解です!」
「お任せあれ!」
京太郎「……お前、それどこで聞いた?」
「へ?」
京太郎「いや、なんでもない……」
久「普通に男子だけ連れて行ったわよ」
咲「こういうの、まず女子に声かけませんかっ!?」
ムロ「まぁ、その……向き不向きってありますから」
「じょ、女子は団体人数足りてるし、気を遣われただけですよね?」
「そ、そうですよー、練習しなきゃですし」
「けして女子力に劣るとかそういうのでは……」
和「……単純に、男子の後輩に指導できるのが楽しい、ではないでしょうか」
優希「妥当な線だじぇ。よそはだいたい、女子校だしな」
まこ「……なんにせよ、時間くれたんじゃけえ、練習しとくかの」
京太郎「さーて、そんじゃ始めっか」
「今日はなにを?」
京太郎「シンプルにどら焼きなんてどうだ?」
「いいですね!」
「和菓子ですか」
京太郎「生地と餡、並行して作業するからな。時間ねぇぞ!」
『はいっ!』
京太郎「――と、これが生地の作り方だ。簡単だろ?」
「ですね。思ったより、わかりやすい材料でした」
「なるほど、あの甘さと光沢はハチミツだったのか……」
「餡はどうしましょう」
京太郎「材料もあるし、粒餡とこしあん、白餡と抹茶餡にする」
京太郎「鍋は見てるし、指示はだすから、お前らも一つずつ担当してくれよ」
「はい!」
~○分後
京太郎「――で、この生地を焼いて、餡を挟めば完成だ」
「ふおおおおおおおおおおお! 超うめえええええええええ!」
「な、なんちゅうもんを食べさせてくれるんや……」
「やばいっす! これはお菓子じゃないっす、芸術品っす!」
京太郎「さて、運ぶぞ。茶の用意は大丈夫だな?」
「ほうじ茶オッケーです!」
「玄米茶、大丈夫です!」
「麦茶、沸いてます!」
京太郎「よし――行くぞ、お嬢様方がお待ちだ!」
『イエッサー!』
咲「……なんかすごい声が聞こえたんだけど」
和「気のせいですよ」
久「甘い匂いが……」
まこ「だーら、気のせいじゃと……」
優希「この匂いは……タコス!?」
ムロ「それだけは幻嗅だとわかります」
ミカ「はぁー、小腹が……」クー
「うわ女子力ひっく」グギュー
「へごってんなー」
「先輩、早くぅ……」
京太郎「お待たせいたしました、お嬢様方!」
『いっただっきまーす』
京太郎「どうぞ、お召し上がりください」ニッコリ
咲「あむっ……くふぅっ!」ビクッ
和「はむ……んぅっ!」ビクンッ
優希「ほう、いけるじぇ」
久「だからどうして優希は余裕なの……んぁっ!」ビクゥッ
まこ「っっ……くっ、ふぅっ……」ビビクンッ
ムロ「っっ……~~~~~~っっ!」ビクッビクッ
ミカ「はぁ、和菓子もおいっしぃ……すっごい上品」ハフゥ
「」ジュワァ…
「」チーン
「」33-4
京太郎「……勝ったな」
「今回は会心の出来でしたからね」
「が、これで慢心することないよう、腕を磨きます」
「俺たちの目指す頂は、まだまだ上にありますから」
京太郎「ああ、そうだな……明日も頑張るぞ!」
『はい!』
久「……たのし、そうねぇ……っ……」ビクッ
まこ「ま、まぁ、望んで……しとる、ことなら……ぁくっ……」
和「んっ、はぁ……」トローン
咲「こ、んなの……絶対、おかしっ……」ビクッ
優希「そろそろ口直しにタコスが欲しいじぇ」
ミカ「それは片岡先輩だけですってば」
ムロ「ふっ、きゅっ……」ガクガクッ
京太郎「さて、お前らも休憩してていいぞ。あとは俺がやっとくからな」
京太郎「えーっと、誰から……」
京太郎「……まぁみんなは落ち着くまで待ったほうがいいだろ」
ミカ「そですね」
京太郎「どうだった?」
ミカ「さいっこうです!」キラキラ
京太郎(なんか淡っぽい)
ミカ「どうしてあんなおいしく作れるんですか? なにか秘訣とか、隠し味とか?」
京太郎「うーん、そういう小手先のではなくて……根本的なものっていうか……」
京太郎「あー、なんか説明しにくいな……」
ミカ「えー、教えてくださいよー」
京太郎「そうだな、つまり――」
京太郎「――好きだから、かな」
ミカ「…………えっ」
京太郎「好きだから」
ミカ「」
ミカ「」
ミカ「……えっ」
ミカ「……えっ、なっ、なにっ……えっ!?」
京太郎「結局は、そういうことなんだと思う……好きだからだ」
ミカ「はっ、あっ……え、でも、私っ……まだ、二週間くらいしか……あのっ……」カァァァッ
京太郎「そうなのか? まぁでも、時間なんて関係ない。要はどれだけ好きか、夢中になれるかってことに尽きるだろ」
ミカ「そ、う……です、か……あぅ……/////」
京太郎「ああ、そうだ。好きで好きで、だから時間も忘れて取り組んで、もっとうまく作れるようになるんだ」
ミカ「で、ですか! もっとうまくつく――はい?」
京太郎「それだけ好きなんだよ、料理がさ」
ミカ「」
京太郎「料理初めて二週間でも、毎日好きで練習してれば、上手くなる……麻雀と同じだ」
京太郎「それがさらに上達すれば、無意識に手が動いて料理できる、なんてことにも――ん?」
ミカ「………………せ」
京太郎「せ?」
ミカ「先輩の……ば、ばかあああああああああああああ!!!!」
京太郎「………………えっ」
ミカ「最初っから主語つけてくださいっっ、ちゃんとっっっ!」
京太郎「え、あ、はい……すいません?」
ミカ「はぁぁぁぁ……もうっ、最悪の恥かいたじゃないですか……」
京太郎「えーっと……なんだかよくわからんが――」
京太郎「ドンマイ!」b
ミカ「先輩のせいでしょ! 責任取ってください!」
京太郎「えええええ……俺なんかしたか? ってか、責任ってなんだよ……」
ミカ「頭撫でてください! いーこいーこして!」
京太郎「あ、うん……よしよし」ナデナデ
ミカ「…………えへへ。あ、もっと気持ち込めてください」
京太郎「なんなんだいったい……」
ミカ「……ふふ、いいですね、これ。ほら、背が高いとあんまりされないんですよ」
京太郎「ああ、そういえば……俺もそうだった気がする」
ミカ「先輩がおっきくてよかったです」
京太郎「……ま、これくらいでいいなら、いつでもしてやるよ」
ミカ「んー、嬉しいですけど、こういうのはご褒美かお詫びでだけにします。ありがたみが薄れるので」
京太郎「霊験あらたかなアイテムかなんかかよ……」
~部活終了
京太郎「なかなかよくなってきてるぞ、三人とも」
「あ、ありがとうございます!」
「この調子で続けていきたいですね」
「明日はなににしましょうか……」
咲「私たち何部だったっけ……」
和「なんとか雀部だったと思います」
優希「タコス部……」
まこ「お前ら」
久「はいはい私のせい私のせい」
ムロ「あいつら……麻雀する気あるのかな」
ミカ「まぁまぁ、普段は真面目にやってるんだしー」
ムロ「そういえば日和のミカ見て、ちょっとキャラ変えていくみたいよ」
ミカ「はっ!?」
ムロ「これまでみたいなあざとかわいい後輩キャラはできないみたい」
ミカ「おかしい、こんなことは許されない」
京太郎「んじゃ、とりあえず片づけたら今日は終わりで」
「はい!」
京太郎「で、居残りで麻雀の練習するから」
「えっ」
京太郎「執事たるもの麻雀もできないとな」
「はい……」
咲「逆! 京ちゃん逆!」
和「いや、逆というのもおかしいんですけど……」
優希「執事が先か、麻雀が先か……」
まこ「戸締りはしっかりして帰りんさい」メソラシー
久「はいはい私のせいだからもうやめて」
京太郎「まぁ一時間だけだから安心しろって。昼飯くらい奢ってやるから」
「!! 頑張ります!」
「京太郎先輩の昼飯っ……」
「テンションあがってきた!」
咲「私も残りたい……」
和「咲さんはやめておいたほうが……」
優希「後輩のためにならんじぇ」
まこ「おまいう」
久「……それじゃ、私はバイトだし、お先に」
ムロ「あ、お疲れさまです」
ミカ「先輩が残ってるの見ると、ちょっと帰りづらいよねー」
~一時間半後
「こ、これが先輩の飯……」
「うまい、うますぎる」
「風が語りかけてきた……」
京太郎「はっはっは、大袈裟だっての……まぁこれからも、休日の部活後はこうやって、特打ちしていくぞ」
『はいっっ!』
京太郎(ただしデートがない日に限る)
京太郎「じゃ、今日は解散だ。お疲れさん」
『お疲れさまでした!』
京太郎「さて――午後はどうするかなぁ」
京太郎「んー、そうだな……よし! 久々に雀荘(ルーフトップ)で腕を磨くか!」
~ルーフトップ
京太郎「こんちはー!」
まこ「お、いらっしゃい」
久「なにしにきたの、バイト?」
京太郎「冷たい! 麻雀に決まってるじゃないですか!」
美穂子「まぁまぁ、久は照れてるだけですから」
久「なっ……か、勝手なこと言うな!」
ゆみ「あれだけ不満そうにグチっといて、よくも言えるな……」
まこ「まぁ、今日は珍しい人らもおるし、ええと思うわ……」
京太郎「はぁ……」
はやり「やっほ☆ 昨日はお疲れさま☆」
理沙「やみのま!」
咏「そういや、変なアイドルと番組やってましたよね、野依さん」
靖子「京太郎くんか……助かったよ……」
京太郎「」
京太郎「な、なんで咏さんと理沙さんが……」
咏「いーじゃんよー、ヒマだったんだからさー」
理沙「休養!」
京太郎「今日は試合ないってことですか」
靖子「私はあるんだよ……(絶望」
京太郎「お、お疲れさまです……」
はやり「それなら京太郎くんが代わってあげればいいんじゃないかな☆」
咏「いっすね~。久々に、腕を見てあげようかねぃ」
理沙「歓迎!」
京太郎(あかん)
京太郎(できれば靖子さんにも入ってもらって、中和したいとこだが……)チラッ
靖子「…………」
京太郎(かなりのダメージのようだ……)
靖子「……心配するな、このくらい……」ググッ
京太郎「む、無理しないでくださいっ……」
久「……ここって地下闘技場かなにかだっけ」
まこ「失礼なこと言うんじゃないわい」
京太郎「と、とりあえず入りますね、それで――」
の、のよりダイーン!
京太郎「――で、白、ハツ、中の人が入るってことで。順番に引いてください」
理沙「んっ!」つ東
理沙「」
はやり「……ど、ドンマイ☆」
靖子「おぅふ……」
咏「ま、まぁそういうこともありますよ」
京太郎「……それじゃ、理沙さんは俺と組みましょうか」
理沙「!!」
京太郎「横で見ててください。で、気になるところがあったら、あとからご指導いただけたら、と」
理沙「任せて!」ニコニコ
はやり(そっちのがいいかも……)
咏(京太郎が変に気ぃ回したせいで、むしろ羨ましいことになってるっ……)
靖子(そろそろ帰りたい……)
京太郎「それでは、よろしくお願いします」
はやり「で――本気でいいのかなぁ?」
咏「だよねぃ? そっちは野依さん背負ってるわけだし~?」
京太郎「ヒェッ……」
靖子「む、無理はするな……」
京太郎「……し、指導麻雀でお願いします(震え声」
靖子(ほっ……)
咏「あー、はいはい……ま、しゃーねーか」
はやり「うんうん、優しく教えるからね☆」
理沙「大丈夫っ」グッ
咏「で、半荘?」
はやり「だよね?」
理沙「むぅ……」
京太郎「やっぱり半荘ですね。試合と同じ形で」
咏「あいよ~」
はやり「よ~し、がんばっちゃおっかな☆」
靖子「まぁ、打つからには真面目に打つか……」
京太郎「では改めて、よろしくお願いします!」
はやり25000→19300→
靖子25000→
咏25000→
京太郎25000→32700→
京太郎「ロン――」
はやり「ふふふ、そうなると思ってたよ……」
京太郎「なっ……」
はやり「まぁ特になにも対策してないんだけど……何点かな?」
京太郎「えと、7700です」
はやり「はーい」
京太郎(あー、余裕であしらわれてる……勝ってるのに負けてる感じが……)
靖子「あまり気にしないほうがいい。十分打てているからな」
咏「と、上がり損ねた靖子が言ってんねー」
靖子「うるさいよ、お前!」
京太郎「な、なんかすいません……」
靖子「謝らなくていいから!」
理沙「次!」プンプン
京太郎「あ、すいません」
はやり25000→19300→20600→
靖子25000→23700→
咏25000→
京太郎25000→32700→
はやり「あー、安いほうかぁ……ま、いいや。ローン☆」
京太郎「はやっ!」
靖子「この人はそういう人なんだよ……」
京太郎「いや、まだ三順目って……」
咏「んー、やっぱ遅れたか……」
はやり「ふぅ、危ないあぶない☆」
京太郎「……まさか、咏さんが張ってたから、警戒して……?」
はやり「えー、偶然だぞ☆」
咏「そもそも張ってねーかんねー、知らんけど」
京太郎(絶対嘘だろ……手加減されてても、こええなぁ……)
靖子「だらしないプロですまない……」
京太郎「そんなこと思ってませんよ!」
理沙「疲れてる?」
靖子「まぁ、少し……」
京太郎「今夜、試合なら無理しないでくださいね?」
靖子「……ありがとう。学生時代に思いやりを置いてきた人たちとは違うなぁ」
久(靖子がそれ言うんだ、咲たちベッコベコにへこませたくせに……まぁ助かったんだけど)
はやり「置いてきてないよ!」
理沙「風評!」
咏「プロが甘えたこと言ってちゃ世話ないねぃ、知らんけど?」
靖子「あーっ! もう、わかってるってば!」
京太郎(かわいい)
はやり25000→19300→20600→19100→
靖子25000→23700→25200→
咏25000→23500→
京太郎25000→32700→34200→
京太郎「――テンパイです。ってか、上がれねぇ……」
咏「不思議だねぃ。あ、ノーテンね」
はやり「まぁそういうこともあるよ☆ あ、私もノーテン」
靖子「――とまぁ、二人がやってくれる分、私は楽ができたよ。テンパイだ」
京太郎「靖子さん、うまいですね。勉強になります」
靖子「そうか? まぁ人読みってやつだ、何回も同じ相手とやれば、行動が見えてくることもあるよ」
京太郎「それをちゃんと覚えてないと、なかなかうまくはいかないですよね。集中力が違うんでしょうか」
靖子「私もそこまで集中してはいないけど……まぁ慣れだよ、結局は」
咏(……くそう、裏目に出た……仲良くしやがってぇ……)
はやり(潰す★)
理沙「……気をつけて」ボソッ
京太郎「あ、はい」
理沙「靖子」
靖子「……えっ、私?」
理沙「…………」コックリ
靖子(私を、じゃないよな……ってことは――)チラッ
咏「」ゴゴゴゴゴゴ
はやり「」ゴゴゴゴゴゴ
靖子「ヒェッ……」
はやり25000→19300→20600→19100→
靖子25000→23700→25200→
咏25000→23500→
京太郎25000→32700→34200→
京太郎「くっ……手が進まない……」
はやり「んー、もうちょっとかなぁ……」
咏「……よし、降りるか」
京太郎「ちょっと!?」
咏「いやいや、これ追いつけねーって。あと、次で靖子が振る」
靖子「黙れ! そううまくはっ……」
はやり「ロン☆」
靖子「」
はやり「裏はめくらないよ、ピッタリ倍満で逆転だね☆」
京太郎「」
咏「はいはい、お疲れー」
京太郎「お、お疲れさまでした……」
はやり「お疲れ様ー。やっこちゃん、随分調子悪かったね」
靖子「はぁ、まぁ……」
咏「いつものはどしたん?」
靖子「いや……なんとなく、追わないほうがよさそうだったからな」
京太郎「二位か……手加減してもらったってのに、情けないです」
咏「それ、本気でやって負けたら、私らが情けないってことになんねぃ」
京太郎「っと……そんなつもりでは」
咏「あっはは、わ~かってるっての」
はやり「さて、反省会だねー」
理沙「ラスト!」
靖子「まぁ、そうだな。まくる側がいうのもなんだが、最終局トップなら、きっちり早抜けして終わればいい」
京太郎「そう簡単には……」
はやり「焦っちゃうもんね」
京太郎「そうなんです!」
咏「それを焦らねーようにすんのが、練習なんだろ?」
京太郎「仰る通りです……」
理沙「いじめない!」
理沙「そ、そう?」///
はやり「それ以外だと、その前に飛ばせてれば~っていうことかな☆」
京太郎(無茶言うなぁ……)
咏「いや~、実はできてたろ? 順番に見ていくかねぃ」
京太郎「えええ、そんな……」
――できました。
京太郎「なんでやねん……」
京太郎「ちなみに、逃げ切りじゃなくて追いかけるときだと――」
靖子「まぁ……そういうときは、意識しなくても集中が増して、勘も冴えるものじゃないか?」
京太郎「たしかにそうですけど……」
靖子「要は心構えだ、と私は思ってるよ。それと、誰から上がるか決めるというのも重要になる」
京太郎「なるほど……」
靖子「観察しながら加速して大きく上がる、全部するのは難しいが……私のやり方でよければ、少し教えておこうか?」
京太郎「お願いします!」
久「はーい、お疲れさまです」
まこ「コーヒーです、どうぞ」
美穂子「お熱くなっていますので、お気をつけて」
ゆみ「冷えたものもご用意できますが、いかがいたしましょう」
理沙「ありがと!」
はやり「うぅ、若い子がいっぱい……」
咏「ほうじ茶ねーの?」
靖子「久、相変わらず似合わんな……」
久「ほっとけ!」
京太郎「どうぞ、ほうじ茶です」スッ
まこ「お前もすーぐ用意しおって……」
美穂子「ああ、遅れちゃったわ」
ゆみ「美穂子も負けてないな……」
京太郎「とりあえず、休憩したらもう一局ってことで」
はやり「そうだね☆ じゃ、いまのうちにメンバー決めちゃおっか」
理沙「やった!」ニコニコ
咏「うしっ」
靖子「……はやりさん、どうぞ」
はやり「オッケ☆ ふふ、こっちだよね!」つ東
はやり「」
靖子「」
咏「どっちも落ち込んでんだけど……」
理沙「ドンマイ!」
京太郎「まぁまぁ……あ、これカステラです。お昼に焼いたんで、よかったらどうぞ」
靖子「いただくよ……はぁ」
はやり「うぅぅ、悔しいよぉ……」
咏「ま、これ食べたら打ちますか……おー、やっぱンまいねぃ」
理沙「美味!」
京太郎「次も半荘にしましょうか……どうします?」
咏「まー、いいっしょ。ね、はやりさん?」
はやり「は、反対とかしないよっ」
靖子「また加減するかな? というか正直、本気でもキツい気がする……」
理沙「ファイト!」
京太郎「えーと……」
京太郎「えーっと……せっかくなので、本気で勉強させていただけたらなー、と」
はやり「えー、ずるいぞ☆」
咏「んー、そう言うならいいけど……大丈夫かねぃ」
理沙「倒れない?」
京太郎「……ああ、前みたいにはならないと思います」
靖子「良子たちのときのか」
まこ「そう言うたら、戒能プロ、小鍛治プロ、大沼プロと打っとって、倒れた言うとったのう」
久「ちょっと! 京太郎!」
京太郎「うっ……だ、大丈夫ですって」
ゆみ「本人が言うんだ、OGがいちいち止めるな」
美穂子「信じてあげましょう、久」
久「……わかったわよ」
京太郎「……すいません」
久「いいわよ、もう。京太郎が麻雀バカで、執事バカなのはわかってるから」
久「倒れたら膝枕くらいしてあげるから、無茶してればいいわ」
京太郎「……うっす!」
靖子「……お前の発言は多大な影響を与えたぞ」
咏「」ゴッ
理沙「」ゴッ
はやり「」ゴッ
靖子「……いや、はやりさんは打たないでしょ」
京太郎(……はぁ、さっきでも勝てなかったのに、無茶してるよなぁ、これは……)
京太郎(まぁ、なんとか食い下がっていくかっ……)
京太郎「さて――それじゃ、始めましょう!」
靖子「…………」フゥ
咏「~♪」パタパタ
理沙「……っ……」フンスッ
京太郎(迫力あるなぁ……よし!)パンッ
靖子25000→21000→
理沙25000→23000→
咏25000→33000→
京太郎25000→23000→
咏「ロン――満貫だねぃ、ちっと安いかぁ」
京太郎(高いっすよ)
靖子「初っ端親かぶりは痛いな」
理沙「これから!」
京太郎(……俺、上がれんのかなぁ)
靖子25000→21000→20200
理沙25000→23000→25400
咏25000→33000→32200
京太郎25000→23000→22200
理沙「――ツモ、800オール」
咏「うへっ、届かないか~」
靖子「うん、まずいな」
京太郎「まずいですね」
靖子「普通に上がれないな、これは……」
京太郎「最終局でもですか?」
靖子「……あんまり言いたくないが、分が悪すぎる」
京太郎「……がんばります、最後まで」
靖子「ああ、それがいい……」
はやり「こら! 情けないこと言ってちゃダメだぞ☆」
京太郎「う……すいません」
京太郎(とはいえ、本気できついな……)
靖子25000→21000→20200→16200→
理沙25000→23000→25400→21400→
咏25000→33000→32200→44200→
京太郎25000→23000→22200→18200→
咏「ほい、ツモだぜぃ! 4000オールでー」
京太郎「どっかで聞いたような……どこだっけ」
咏「んー、わっかんねー。越谷の一年とかだったかも。あ、去年の一年ね」
京太郎「へぇ……(越谷ってどこだ?)」
理沙「うぐっ……痛い」
靖子「絶好調だな」
咏「いやー、京太郎の前で本気とか、テンション上がっちゃって」
はやり「私がいたら止めてたよっ、京太郎くん!」
京太郎「じゃあ止め方教えてください」コソッ
はやり「終わってから教えてあげる☆」
京太郎「だったら意味ないんですよぉ……」
咏「これはもらったかもねぃ」フフン
久「ちなみに、勝ったからって特典はありませんからね」
咏「……へいへい」
靖子「お前仕事しろよ」
久「わかってるわよ、いたいけな後輩を守りにきただけだってば」
京太郎「大丈夫です……俺も、最後まで諦めませんから!」
靖子25000→21000→20200→16200→10200
理沙25000→23000→25400→21400→45400
咏25000→33000→32200→44200→38200
京太郎25000→23000→22200→18200→6200 最下位落ちー……
理沙「トップ!」
咏「はぁ……あり得なくね? 三倍満とか考慮してねーって……知らんけどー」
靖子「…………なぁ、京太郎くん――」
京太郎「はい?」
靖子「…………いや、なんでもない」
はやり「………………」
はやり「さて――それじゃ、恒例の反省会~」
京太郎「いや、反省するとこっていうか、そもそも実力が……」
咏「まぁ精進しなね」
理沙「がんばれ!」
京太郎「押忍!」
京太郎「もうちょっと……なんとかなるかと思ったんだけどなぁ……」ショボーン
はやり「……やっこちゃん、やっこちゃん」
靖子「はい?」
はやり「京太郎くんの……」
靖子「ああ……まぁ、私の実力不足のせいではあるんですけど」
はやり「それはそうなんだけど」
靖子「」
はやり「でもやっぱり、そうだよねぇ……やっぱり逸材だなぁ」
咏「もうちょい強くなったら、食べごろだねぃ」ジュルリ
理沙「自重!」
久「落ち込んでるわねー」
ゆみ「勝つ気ではなかっただろうけどな、ある程度の自信はあったかもしれない」
美穂子「ここで慰められば、京太郎くんの支えになるんじゃないでしょうか」
まこ「ははは、久には無理じゃけえ、そういうんは」
久「」イラッ
久「や、やったろーじゃないの!」
久「ちょっと、京太郎!」
京太郎「あ、はい!」
久「あのね……」
京太郎「はい……」
久「えーっと……」
京太郎「…………」
久「……しゃ」
京太郎「しゃ?」
久「しゃきっとしなさい!」
京太郎「っっ!」
久「顔上げて!」
京太郎「う、うっす!」
久「背中伸ばして!」
京太郎「はい!」
久「笑いなさい!」
京太郎「えーっと……はい」ニッコリ
久「」キュン
京太郎「?」
久「じゃなくて!」
久「……元気だせ、バカ……あんたもアラサーになれば、あれくらいになってるわよ」
京太郎「……はい」
久「私がいうのもなんだけど……部活中は、そういう顔しないようにね」
京太郎「――はい」
久「……わ」
京太郎「……?」
久「……私の前でだけなら、許すから」
京太郎「――はいっ!」
久「顔洗ってきなさい!」
京太郎「押忍!」
久「はー……」
まこ「やるのう」
ゆみ「乙女か!」
美穂子「久、かわいかったですよ!」
久「やめて!!」
――なんやかんやで元気になりました
~5月連休二日目、夜
京太郎「あー……なんか今日はすげー疲れた」
須賀母「なにやってたのよ、部活だったんじゃないの?」
京太郎「いや、部活……まぁ午後は違ったけど」
須賀母「ふーん……ま、避妊はしなさいよ」
京太郎「そういうことしてねーよ! っつか、親がそういうこと言うな! なんか生々しくていやなんだよ!」
須賀母「あら、失礼……で、なにしてたの?」
京太郎「いや、たいしたことは……部活の延長っつーか、プロと麻雀してたくらいで」
須賀母「それってたいしたことじゃないの? まぁよく知らないんだけど」
京太郎「……冷静に考えたら、そうなんだよなぁ」
カピー「キュキュッ、キュゥ (無理しないでくださいね、ご主人様!)」
須賀母「ほら、カピーちゃんも心配してるじゃない」
京太郎「うっす……」
京太郎「……ふぅ、風呂入ったら少しはさっぱりしたかな」
カピー「キュッッ! (お休みください!)」
京太郎「あー、わかってる。あとで遊んでやるからなー」
カピー「キュゥ…… (違いますよぉ……)」
京太郎「さて、その前にっと――」
京太郎「ふむ――」
京太郎「なんか最近、女子のみんなが優しい気がしてるんだ」
カピー「キュイ (はい)」
京太郎「……ちょっと頑張って誘ってみても、大丈夫だよな?」
カピー「キュキュ! (もちろんです!)」
京太郎「よし、頑張るか!」
京太郎「………………」
京太郎「いや、さすがに…………」
京太郎「………………」
京太郎「はぁ…………」
京太郎「なぁ、カピー」
カピー「キュイ? (なんでしょう?)」
京太郎「俺ってさ、結構未練がましいのかな」
カピー「キュキュイ…… (そんなことは……)」
京太郎「この期に及んで、咲……か……」
京太郎「まぁ――つっても、咲がそういう風に考えてはいないだろうしな、うん」
京太郎「軽く、遊びに行く感じで……そうそう、軽くかるーく」
京太郎「軽くだぞ、軽く……」ブツブツ
カピー「キュウ (重いです)」
京太郎「――出るかどうかもわかんないしな、うん」
プルルルルル プルルルルル
咲『はいもしもし!』
京太郎「うおっ!」
咲『えっ、なんで驚いてるの? かけたの京ちゃんでしょ……』
京太郎「いや、心の準備が――じゃなくて」
咲『?』
京太郎「……お前が携帯出るとは思わなかったんだよ、うん」
咲『なにそれ、ひっどーい!』
京太郎「悪いわるい、イメージってことで」
咲『それなら……って、よくないからね!?』
京太郎「んーでさ、ちょっといいか?」
咲『話進めないでよ……なに。一年の指導のこと?』
京太郎「それだけはお前に相談しない」
咲『』
京太郎「いや、えーっと……」
京太郎「明日――って、予定あるか?」
咲『うん、あるけど』
京太郎「」
京太郎「そ、そうか……すまん――」
咲『え、部活でしょ? なに、休むの?』
京太郎「そっちじゃねええええええええええ! 午後だよ、午後!」
咲『ものまね?』
京太郎「ゴゴじゃねええええええええええ!」
咲『冗談だって、じょーだん……で、午後?』
京太郎「明日の午後空いてるかって……」
咲『…………えっ』
京太郎「あぁ、予定あんのか」
咲『い、いや、ないけどっ……えっ、なに? あ、バイト? バイトのシフト代わってとか、そういう――』
京太郎「いや、バイトとか俺……あ、そういやルーフトップでバイトしてることになんのかな、俺」
咲『さぁ……』
京太郎「ま、いいや……とにかく、明日の午後なんだけど、ヒマだったらどっか行かね?」
咲『…………の、和ちゃんとかも?』
京太郎「あー……いや、たまには二人で、とか……?」
咲『……っ……う、うんっ、いい……けど』
京太郎「けど?」
咲『ううんっ、いいよ! 部活のあと、だよね?』
京太郎「あぁ、そうなるよな」
咲『わ、わかった……じゃあ、あの……忘れないでね?』
京太郎「お前じゃねーっての……じゃ、よろしくな」
咲『あ、うん……おやすみ』
京太郎「おう、おやすみー」ピッ
京太郎「ふぅ……はは、すげぇ手震えてるし……しかも汗びっちょり」
カピー(ご主人様、がんばって……)
咲「やったああああああああああ!!」
界「うるせぇぞ、咲ぃ!」
咲「お父さん! 明日どっか行ってて! できれば帰ってこないで!」
界「」
~連休二日目終了
~5月連休最終日
京太郎「………………」ボー
須賀母「……ほら、しゃきっとする!」
京太郎「うお!」
須賀母「なーにフラれた女と会うような男の顔してんのよ」
京太郎「!?」
須賀母「あら、図星?」
京太郎「ちっげーし!」
須賀母「あ、そ。なら間の抜けた顔してないで、さっさと食べて学校行きなさい」
京太郎「わかってんよ!」
カピー「キュイー (咲ぃ……)」
京太郎「……大丈夫だよ、カピー」ポンポン
須賀母「私に言いなさいよ、息子」
京太郎「オフクロは心配してないだろーが」
須賀母「んまっ、親の愛を知らない子ねー」
~学校
京太郎「ちはーっす」
和「おはようございます、京太郎くん」
京太郎「おっす、和」
京太郎(……うむ、今朝も素晴らしい)アリガタヤアリガタヤ
和「……見すぎです////」ボソッ
京太郎「!?」
和「京太郎くんじゃなければ、法廷でお会いするところですからねっ」
京太郎「あ、はい……すいません」
優希「ったく、朝からこのセクハラ犬は……なー、咲ちゃん?」
咲「…………」ポー
優希「咲ちゃん?」
咲「ふぇぇ!? な、なにかなっ、カン!?」
優希「なに言ってんだじぇ……」
京太郎「……朝から寝ぼけてんなよ、咲。変なモンでも食ったか?」
咲「えっ……ち、違うよ! 寝ぼけてないもん!」
咲(……もしかして、あれって……夢?)ギュー
咲「いたた……」
和「咲さん、どうしたんですか?」
咲「う、ううん、なんでも……」ヒリヒリ
京太郎「…………はぁ、いいからもう卓に座ってろ。ほれ、こっちだ」ヒョイ
咲「わっ! ちょっと引っ張らないでよ!」
京太郎「……午後の、あんま気にすんな」ボソッ
咲「!! あ、う……うん!////」
和「………………」ピーン
優希「じぇ?」
久「ほほう、これは面白そうね……」
まこ「はいはい、OGは余計なことするなら、帰ってくれんか」
ムロ「……?」
ミカ「ふふふ、すごいことが起こってるよ……今日の午後は嵐かも」
京太郎「……と、とにかく練習始めますか、まこさん!」
まこ「……そうじゃな。さて、全員集合ー」
京太郎「――っていうかさ」
和「はい?」
京太郎「ボーっとしてて呼ばれて、カン? ってないよな、普通」
咲「う、うるさいなぁっ」
和「咲さんらしくていいんじゃないでしょうか」
優希「私だってつい、タコスって言うときくらいあるじぇ」
京太郎「お前もお前でおかしい」
ミカ「私はつい、京太郎先輩って言っちゃいますけど」
久「私もつい、ダーリンって言っちゃうかも」
まこ「高一相手に大学一年がなに張り合っとるんじゃ」
ムロ「練習しないんですか?」
「室橋は真面目だなぁ」
「だがそこがいい」
「異議なし」
ムロ「な、なに言ってるの、あんたたちはっ」
京太郎「はっはっは、ムロちゃんモテるじゃん」
ムロ「………………」ハァ
京太郎「えっ」
京太郎「ため息の理由がわからない……」
和「ああいうこと言うとセクハラになります、気をつけたほうがいいかと」
京太郎「マジか! 怖いなぁ、発言には注意しよう……」
優希(こいつ、まーた騙されてるじぇ……ま、そのほうがいいか)
京太郎「……いったん調理室に避難しておくか」
咲「えー、打とうよー」
ミカ「そーです、私と練習してくれる約束じゃないですかぁ」
京太郎「あとでするから……よし、行くぞ!」
「お任せあれ!」
「お任せあれ!」
「お任せあれ!」
京太郎「………………」
和「なんでしょうね、この影響力は……」
京太郎「お前ら、なにがどうした」
「京太郎先輩に近づこうと!」
「おもちソムリエールなるサイトを覗いていたら!」
「いつの間にかうつってました!」
京太郎「……あの人なにやってんだ」
和「京太郎くん、まさか……」
京太郎「俺は無実だよ!」
~調理室に避難
京太郎「お前らのせいで妙な疑いをかけられただろ」
「でも件のサイトには……」
「ある執事からの情報を参考にしているって」
「電話やメールで、色々聞いてるから、と」
京太郎「……ちゃうねん」
「まぁなんでもいいですけれど」
「せっかく来たんですし、作業しましょうか」
「今日はどうします?」
京太郎「……大福とか饅頭とか考えてたんだけど」
「やめたほうが無難ですね」
「和菓子二日連続になりますし」
「飲茶か洋菓子にしておくべきでは」
京太郎「だよな……よし、それならクレープにしとこう。クレープシュゼットのやり方覚えとくと、パーティなんかで使えるぞ」
『はい!』
京太郎「良質のグランマニエがないと、こうはできない……色と香りと炎、これがア・ラ・ミニュートで菓子を魅せるってことだ」
「きれいで……」
「香りがよく……」
「うまい」
京太郎「そういうことだ。さて、ワゴンとコンロ台を一つ使おう。これで作りながら提供する。お前らは配膳を任せた」
『はい!』
~再び麻雀部
京太郎「…………っ」
咲「わぁ……」
和「綺麗です……」
久「幻想的ね」
優希「果物の匂いが濃いじぇ」
まこ「これは店で……いやいや、さすがに難しいか」
ミカ「はぁ……ね、これって夜、部屋で二人のときとかだったら、もっといいと思わない?」
ムロ「スイーツ脳か、あんたは……」
ミカ「理想の話だってば、理想の」
ムロ「まぁロマンチックではあるよね」
京太郎「ふぅ……あの、ずっと見てないで、練習しててくれよ」
「そうですよ、こっちで配りますから」
「息抜きがてら、という意図もありましたけど……」
「こっちメインにされては、京太郎先輩がお困りになります」
京太郎「……まぁ、困りはしないけど、時間もったいないしな」
久「はいはい、そういうことだからみんな練習」
まこ「あんたはなんでそこに残ってるんじゃ」
久「みんなが練習してる間、ヒマだし」
まこ「練習付き合わんなら、邪魔じゃけえバイトに戻ってくれんか」
久「うわ、きっつい……えーん、きょうたろー(棒」
まこ「こらっ、お前は……」
咲「京ちゃん、もう一回!」
和「私も見たいです!」
優希「次はタコスで頼む」
京太郎「お前のはなんかおかしい……はいはい、いいからできたのから食ってってくれ。紅茶も淹れるから」
京太郎「……ほれ、あったかいうちに食え」
優希「この赤さ……サルサか!」バクッ
優希「……甘いじぇ」
京太郎「お前は洋菓子をなんだと思ってんだ……さくらんぼだよ」
優希「なんだ京太郎か」
京太郎「黙れぇ!」
京太郎「……っていうか、お前意味わかって言ってんのかよ」
優希「ま、そこはかとなくな」
京太郎(あー、こいつはっきりとわかってねーな……まぁそのほうがいいか)
優希(ここで言ったら、どっちも恥ずかしくなることくらいわかれっっ! まったく、これだからチェリーは困るじぇ)
京太郎「んで、どーすか」
優希「うまいことはうまいじぇ……けど、これじゃ私のタコス力は満たされねーじぇ」
京太郎「厳しいねぇ」
優希「む、そうか? これでも褒めてるんだじぇ……まずいものはまずいって言うタチだからな」
京太郎「マジか、それで褒めてたのかよ……で、いままでで、まずいって思ったもんはなんだ?」
優希「ないじぇ」
京太郎「褒めてない!」
優希「だー! だから、うまいものはうまいって言うようにしてるんだじぇ! ほかは普通ってことだ!」
京太郎「……ちなみに、いままででうまかったもんは?」
優希「うむ、タコスだじぇ」
京太郎「知ってた!」
優希「バカもの! その程度でタコスを知った気になるなぁ!」
京太郎「そういうこっちゃねぇよ……って、ん?」
優希「なんだじぇ」
京太郎「えっと……タコスはうまいんだよな?」
優希「当然だじぇ」
京太郎「で、俺のお菓子も……それには及ばないけど、確かにうまいのか」
優希「――――あ」
京太郎「……そうか」
優希「ち、違うじぇ! そういうことじゃ――」
京太郎「ならタコス以外のうまいものを教えろぉ! そいつを練習してやる!」
優希「――ぁ、うっ……え、えっと、えと……」アワワワ
淡「はっ、誰かに呼ばれた予感」ピキーン
尭深「いいから練習して」
誠子「終わったら一年とも打って」
淡「おにー!」
優希「えっと、だからそれは……」
京太郎「……そっかぁ、俺のお菓子はうまいかぁ」ニヤニヤ
優希「ちょ……調子に乗るんじゃないじぇ! タコスに比べれば、まだまだまだまだなんだからなぁ!」
京太郎「へいへい。追いつけるよう、腕を磨きますよ」
優希「ぐぬぬっ……これで勝ったと思うなよ」
京太郎「――思うわけないだろ。思うのは、タコスよりうまいって言わせたときだ」
優希「――っ……ば、バーカ! バーカ!」
京太郎「小学生かよ、お前は……」
京太郎「よーし、練習するぞ!」
優希「あれだけ言っておいて、麻雀するのか……(困惑)」
京太郎「それはそれ、これはこれ」
咲「まぁまぁ、本当に練習するつもりかわからないし」
和「そうですよ。どこかに出かけて打ったり、どこかで買い物してきたり、自由なんですから、京太郎くんは」
ミカ「買いだしだったら、一年に言ってくれればいいんですけど」
ムロ「そうですよ。っていうか、町でほかの高校に京太郎先輩見られたら、なんて言われるか……」
「せめて一年を連れて行ってください」
「私とか」
「私とか」
「私も」
「いや、俺だ!」
「俺だって!」
「お願いします、俺も!」
まこ「うーんこの」
久「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
和「久さんは、そろそろ立ち直りましょうよ……」
まこ「とはいえ、反省せんわけにもいかんしな……わしら含めて」
和「それはそうですけど……」
咲「京ちゃんが頼ってくれるのを待つしかないんだよね……」
京太郎「れ、練習するから(震え声)」
京太郎「――あー、わかったよ! ンなに言うなら、一年に指導してやる!」
ミカ「やった♪」
ムロ「は、はい! よろしくお願いします!」
「お買い物かな」
「お料理かも」
「なるほど、お菓子じゃなく料理か……これもしっかり仕上げないと」
「麻雀(小声)」
「いやー、さすがにそれは……」
「掃除もあるよね」
「勉強かな? 来月いらっしゃらないかもだし、期末に向けて……」
京太郎「くそぉ……」
和「こ、このままでは一年生が間違った認識をしてしまいます……」
咲「間違ってもいないんだよねぇ……」
優希「私らのせいだじぇ……我慢するしか」
久「もういいわよ、好きなの教えなさい。それで私を責めなさい」
まこ「いや、そこまで気にせんでも……」
久「それで落ち込んでる私を慰めなさい」
まこ「前言撤回じゃバカもん」
京太郎(外野うるせぇ……)
京太郎「――コホン! いいか、お前ら……俺がこれから教えるのは、全部だ!」
京太郎「前にも何回か教えたな? 掃除と料理、勉学の基礎も、叩き込んでやる!」
ミカ「はい♪」
ムロ「期待した私がバカだった……」
「やったぜ。」
「和食かな」
「そっちは辻か松実館の親方に許可取らないとだろ、たぶん」
「じゃあ洋食か……京太郎先輩も、最初は洋食だったし、そこが基礎だな」
「勉強いやー」
「掃除きらいー」
京太郎「はいはい、丁寧に教えるから」
最終更新:2026年01月18日 23:44