京太郎「どうもこんばんわ、ラジオで須ー賀の時間となりましたっ」
京太郎「今回で53回目の放送になります」
京太郎「えーっと今回はラジオだけの放送になりますのでご了承ください」
京太郎「では、今回のゲストを紹介したいと思います」
京太郎「前回のゲストである、松実玄さんの
お姉ちゃん」
京太郎「松実宥さんです!」
宥「どうも~」
京太郎「相変わらず厚着ですねぇ...」
宥「えへへ...あったかいから」
京太郎(そんな格好してもとても重量感なんですね...)
宥「京太郎くん、あったか~い」
京太郎「え?」
宥「えへへー」
――妹と同じ人を好きになったらどうする?――
宥「玄ちゃんと...?」
京太郎「そうみたいです」
宥「どうしよう...」
宥「考えたこともなかったから...」
宥「でも、玄ちゃんとは争いたくないかも...」
宥「出来ることなら2人で共有できたらあったかいなって思うかな...」
京太郎(結婚しよ)
――京太郎と玄はどっちがあったかいですか?――
宥「玄ちゃんかな?」
宥「あ、でも前かがみになってる時の京太郎くんが一番あったかいよ?」
京太郎「」
宥「あのあったかさって結構好きかも...」
京太郎「」
宥「どうかした?」
京太郎「ナンデモナイデス」
――体温はどれくらいですか?――
宥「えっと...40はないとあったかくないって感じちゃうから...」
京太郎(それって常にインフルみたいな熱が出てるってことじゃ......)
宥「えへへ...ごめんね寒がりで」
京太郎(寒がりってレベルじゃないと思うますけど)
――充電されて下さい――
京太郎「」
宥「充電って...」
京太郎「知らないですよね?」
宥「ううん」
京太郎「え?」
宥「玄ちゃんが出来なくて残念がってたよー」
京太郎「」
宥「重たいと思うけど...やってもいいかな?」
京太郎「え、あ、はい」
宥「よいしょっと...」
京太郎「ひぅ!///」
宥「ふぇ!? 私、何かした?///」
京太郎「い、いえ...大丈夫です...ちょっと驚いただけなんで」
宥「そう?///」
京太郎(めちゃくちゃやらわけぇ...)
京太郎(なんだこれ...包まれてしまいそうなくらい柔らかいぞ...)
京太郎(なんかこのままずっとこの人の椅子でいたいくらいだ)
宥「あったか~い///」ホクホク
京太郎(いやまてこのままだったら暑さで死んでしまうのではないのだろうか...)
京太郎(しかしこの感触を味わえるのは今しかないんだし...)
京太郎(まさに天国と地獄)
宥「んっ......なんか前かがみしてた時みたいにあったかくなってきた...///」ポカポカ
京太郎(沈まれえええええええええええええええ)
京太郎「お疲れ様でした」
宥「お疲れ様~」
京太郎「これ、飲みます?」
宥「これは...おしるこ?」
京太郎「アツアツですよ」
宥「ほんとだ...あったかい」
京太郎「今日は宥さんのおかげでとても楽しく過ごせました」
京太郎「ありがとうございました」
宥「ううん、私もとっても楽しかったから大丈夫」
宥「帰ったら玄ちゃんに自慢しちゃお」
京太郎「悔しがる姿が目に浮かびますね」
宥「ふふっ...じゃあ、またね」
京太郎「はい、次もまたゲストに来てください」
宥「今度は玄ちゃんと一緒に来れるといいな...」
京太郎「俺は宥さんだけだとしてもとても嬉しいですよ」
宥「んもう...お世辞言っても何も出ないからね」
京太郎「本心っすよ」
宥「ばか...」ボソッ
宥「じゃあねっ///」
京太郎「はい、ではまた」
松実宥編 1
京太郎「こんばんわ、ラジオで須ー賀の時間となりました」
京太郎「今回で54回目の放送です」
京太郎「ではゲストの紹介をしたいと思いますね」
京太郎「二度目のゲストとなります、獅子原爽さんです」
爽「どもどもー」
京太郎「5週間ぶりですね」
爽「そうだねぇ」
京太郎「何かかわったことありました?」
爽「.........最近、トイレがちk「はい、ではいつものお便りに行こうと思いますね!」
爽「ちっ」
京太郎(......あっぶねー)
――今までで一番よかったトイレ――
爽「上○駅13番s「いわせねーよ!」」
京太郎「それ女の子が口にしちゃいけない単語だから」
爽「止めるってことは知ってるんだ」
京太郎「」
――今まで付き合った人の人数は?――
爽「何人だろう...」
爽「最初から数えてないからわかんない...」
京太郎「」
爽(何人と麻雀の練習付き合ったかなんてわからないって)
――かっこいい苗字ですね――
爽「そう?」
爽「あ、これダジャレだけど気づいた?」
京太郎「寒すぎて氷そうだよ!」
爽「ダジャレ言った」
京太郎「」
――お隣の殿方と一緒にトイレについて入れますか?――
爽「?」
爽「トイレについて? トイレに連れて?」
京太郎「さぁ?」
爽「ちなみに質問がなんであれ、答えはイエスだから」
京太郎「俺がノーなんですけど!」
爽「じゃあ13番s「もっと無理!」
爽「あっそう」
爽「ふぅ...満足満足...」
京太郎「こっちは止めるのに必死だったんですけど...」
爽「私は楽しかった」
京太郎「そうでしょうねぇ...あんだけ好き勝手出来たら楽しいでしょうね!」
爽「......」
京太郎「あ...すみません......言いすぎました...」
爽「いやいい...私がやりすぎた」
爽「でも一つだけ誤解しないでほしい」
爽「私は誰でもそういうことをいう女ではないと」
爽「須賀が止めてくれるって信じてたから......」
爽「じゃ、それだけ」
京太郎「......爽さんっ」
爽「なに?」
京太郎「あの...俺なんかをそんなに信じてくださってありがとうございます」
京太郎「これからもその信頼に答えられるように頑張りますねっ!」
爽「うんっ」ニコッ
獅子原爽編 2
京太郎「はい今週もこの時間がやってきました、ラジオで須ー賀!」
京太郎「今回で55回目の放送となります」
京太郎「55って言ったら何を想像しますかね」
京太郎「はい、というわけで今週のゲストを紹介したいと思います」
和「今週のゲストこと、原村和です」
京太郎「いつの間に、この番組は自己紹介式になったのさ...」
和「何度も紹介されるのは恥ずかしいじゃないですか」
京太郎「よくわからん...」
和(まるで親戚の挨拶に二人でしてるみたいで)
京太郎「今日はラジオドラマになるんだけど...」
和「前回の続きですか?」
京太郎「ま、そんな感じだけど...どうする?」
和「どうする...とは?」
京太郎「前回の続きをしてもいいし、新しい内容の台本でもいいってこと」
和「はぁ...なるほど...」
京太郎「で、和はどうする?」
和「私は......」
どうやら新しくきた執事と『京太郎』は同一人物だということが分かった。
分かったのだけど...。
彼にも仕事があって中々話せる機会がなかった。
しかし、今日。
彼の部屋に侵入することに成功した。
綿密な調査によって彼の部屋を割り出すことが出来た。
今、私は彼のベッドの中に入って今か今かと彼を待っているのだ。
(いい匂い...)
ベッドの中に入っていると肺の中いっぱいに彼の匂いが広がる。
幸福感に包まれながら、うとうとしているとガチャっと部屋の扉が開く音がした。
(どうしましょう...帰ってきてしまった...)
自分から入ったのはいいが、いざその場面になると緊張で逃げ出したくなる。
床を歩く音が私の方に近づいてくる。
「なにやってんだお前」
声をかけられてビクンと身体が跳ねる。
恐る恐る顔だけ外に出してみる。
「こ...こんばんわ...///」
自分からやったことだけど、とても恥ずかしい。
そんな私の姿を見て彼はため息をついた。
「百歩譲ってこの部屋にいるのはいいけどさ」
じっと私を見る彼の視線に耐えられず、目を逸らしてしまう。
「なんで俺のベッドの中に入ってるの?」
「なんで...って...」
なんでだろう。
よくよく考えてみると別にベッドに入らなくてもよかったのかもしれない。
「はぅぅ...」
「相変わらず、後先考えないな」
「京太郎君だっていなくなってしまったじゃないですかっ」
「......確かにそうだけど...こうやってまた会いに来たからいいだろ?」
「そういう問題じゃありません」
「私だってたくさん話したいこととかいっぱいあったんですよ?」
「それなのに突然いなくなってしまって...」
すらすらと言葉が出てくる。
あの時言えなかった言葉だって今の私だったら――。
「はい、ストップ」
話すのに夢中になっていて彼がいつの間にか私の目の前にいたことに気が付かなかった。
「それにしても和がこんなに成長するなんて思ってもみなかったな...」
「ど、どこ見てるんですかっ!?///」
同年代の他の子よりかなり発育のいい部分を隠すように毛布にくるまる。
「いや...身長のことなんだけど......」
「そ...そうです...よね」
なんだかちょっとがっかりというか、残念な気持ちになった。
「そういえば、京太郎君は彼女とか作らないんですか?」
先日、学校の友達とそういった話題になったので聞いてみたくなった。
「作らない」
ハッキリとした声でそう言った。
「何か理由があるんですか?」
「昔からずっと好きな人がいるから」
「好きな人......」
なぜか胸の奥が締め付けられたような、そんな気がした。
和「なんだか...切なくなる話ですね」
京太郎「そういう物語だからな...」
和「好きな人が自分以外の好きな人がいると思うと...ちょっと」
和「京太郎くんは好きな人いるんですか?」
京太郎「それって...」
和「ふふっ...どうでしょうね?」
和「本当にドラマみたいな展開だったらどうします?」
京太郎「どうって......え?」
和「では、今日はこのくらいで」
京太郎「はい今週も始まりましたラジオで須ー賀!」
京太郎「56回目の放送になりますねー」
京太郎「では早速ゲストを紹介したいと思います」
京太郎「元気な山ガールこと、高鴨穏乃プロです」
穏乃「しずのんだよ!」
京太郎「なにそれ...」
穏乃「なんかこの前ファン?の人に言われた」
穏乃「でもなんかかわいいよね、しずのんって」
京太郎「確かに...」
穏乃「試しに京太郎も呼んでみて」
京太郎「しずのん」
しずのん「うぇへへ///」モジモジ
ーー須賀さんとお二人で登山デートしているという目撃報告が上がっているようですが、お二人はお付き合いされているのでしょうか?ーー
穏乃「デート?」キョトン
京太郎「あーあの……あれだろ」
京太郎「黄○伝説」
穏乃「あ!」
京太郎「確かあの番組に穏乃のゲストとして出たんだよな俺」
穏乃「別の日にも一緒に登っふがっ!?」
京太郎「はい、お口ミッフィーしましょうねー」
穏乃「んーんー!」ジタバタ
ーー 例によって充電ーー
穏乃「今もやってるよ!」
京太郎「そんなに居心地いいのか?」
穏乃「最高だよ!」
京太郎「そういうもんか……」
穏乃「京太郎もやってみる?」
京太郎「遠慮しときます」
京太郎(なんかペットみたいなんだよな穏乃って)
ーー こないだ映画のチケット子供料金で買ってなかった?ーー
穏乃「……」
京太郎「おい」
穏乃「うぇひひ」テヘッ
京太郎「お前なぁ…………」
穏乃「だっ、だって京太郎が一緒に映画行くって約束したのに仕事でいけなくなったとか言うからじゃん!」
京太郎「」
ーー何で下着てないの?ーー
穏乃「てない?」
京太郎「履いてない、ってことだろ」
穏乃「え……履いてないって……え?」
京太郎「いや、どのアングルから見ても履いてないようにしか見えないんだけど」
穏乃「どのアングル……っ////」
穏乃「京太郎のえっちぃぃぃ////」バチィィィィィン
京太郎「いってぇぇぇぇぇ!!」
穏乃「お、女の子の下着見ようとするなんて変態さんだよ!」
穏乃「えっち!すけべ!変態!」
京太郎(あれ……穏乃に言われるとちょっといいかもしれない……)
穏乃「むー」
京太郎「そんなにむくれないでくれって……」
穏乃「京太郎がそんなに変態だったなんて……」ガルル
京太郎「いやその……あのな?」
京太郎「男がそう言うものを見るのはそれだけ相手が魅力的だってことなんだぜ?」
京太郎「確かに見られて不快かもしれないけどさ……その……悪気はなかったというか……見たくて見た……と言うか…………」
穏乃「魅力的?」
穏乃「私が魅力的なの?」
穏乃(憧に散々女の子としての魅力がないって言われる私が?)
京太郎「そ……そうだっての……じゃなきゃ見ないって……」
穏乃「ふひ……うぇひひ」
京太郎「ど……どうしたんだ?」
穏乃「な、なんでもないっ!」
穏乃「このあと用事があるからじゃあね!」
京太郎「どうしたんだ……穏乃のやつ」
高鴨穏乃編 3
京太郎「ラジオで須ー賀!」
京太郎「今週も始まりましたラジオで須ー賀です」
京太郎「今回の放送で57回目になります」
京太郎「今回のゲストを紹介したいと思います」
京太郎「二度目の登場となります、雀明華さんです!」
明華「どもうこんばんわ~」
京太郎「1年ぶりくらいの登場ですかね」
明華「中々呼んで貰えなくて寂しかったんですよ?」
京太郎「あはは……こればっかりは仕方ないですので……」
明華「ずぅっとプチプチ潰してました」
京太郎「え、ずっと……?」
明華「えへへ」ニコニコ
京太郎(どこまで本気なんだろうか……)
ーーフランス系朝鮮人とは面白いーー
京太郎「えっと……こういうのって……」
明華「いえ、慣れているので構いませんよ」
明華「それに私は今の自分をとても誇りに思ってます」
明華「私を育ててくれた父と母にも感謝してますよ」
京太郎「明華さん……」
明華「ところで話は変わりますが、京太郎くんの髪の毛って染めているんですか?」
京太郎「……地毛ですが」
明華「わぉ……すこし触ってもよろしいですか?」
京太郎「まぁ……別にいいですけど……」
明華「んー……私のと違って一本一本が強い感じです……」
明華「不思議と触ってたくなるような……」ナデナデ
京太郎「いやあの……そろそろ次にいきたいのですけども……」
明華「後五分だけ……後五分」ナデナデ
ーーエネゴリくんとにしこくんどっちが好きですか?ーー
京太郎「普通!?」
明華「エネゴリくんですよ」
京太郎「そして即答!?」
明華「だってずっと触っていたくなりますか」
京太郎「毛フェチ……?」
明華「口で男性器を「はいそこまでー!」
明華「?」
京太郎(あぶないってーの……)
京太郎(危うく放送中止からの放送打ちきりになるところだっての……)
ーー 彼氏いたことありますかーー
明華「彼氏……ですか?」
京太郎「英語で言うとボーイフレンドですね」
明華「あっ!」
京太郎「おや……この反応は……?」
明華「京太郎くんです!」
京太郎「!?」
明華「私の一番親しいボーイフレンドは京太郎くんですよ」
京太郎「いやあの……え?なにこれ……もしかして公開処刑?」
ーー 歌い手にとって一番大切な事は何だと思いますかーー
明華「聞いてくれる人がいること……ですよ」
明華「それさえいればいつだってどこだって私は歌えますから」
京太郎「奥が深いですね……」
明華「だって聞いてくれる人がいなかったらそれは歌じゃなくて独り言とかになっちゃいますよ」
京太郎「た…確かに……」
明華「だからちゃんと聞いててくださいね京太郎くん♪」
京太郎「お疲れ様でした、明華さん」
明華「京太郎くんとの時間はあっという間ですよ」
京太郎「俺も楽しい時間が過ごせましたよ」
明華「えへへー……それはよかったです」
京太郎「是非次も来てください」
明華「……仕事だけではなくプライベートでもたまには会ってくれます?」
京太郎「もちろん!」
京太郎「明華さんみたいな綺麗で(おもちが大きくて)可愛い人ならどこへでも付いていきますよ」
明華「嬉しいです……///」
明華「では……また連絡しますよ」
京太郎「お気をつけてっ」
雀明華編 2
京太郎「ラジオで須ー賀! 58回目!」
京太郎「はい、というわけで今週もこの時間がややってまいりましたね!」
京太郎「ではいつものごとく、ゲストを紹介ししますね」
京太郎「今週のゲストはこの方、狩宿巴さんです」
巴「どうも、こんばんわ」
京太郎「ではさっそくコーナーにいきますねー」
巴「まさか……またラジオドラマ?」
京太郎「そのまさかです」
巴「前回の続きとか言わないよね?」
京太郎「どうでしょう?」
巴「いや……前回の続きだったらやらないからね?」
京太郎「そんなぁ……」
巴「ほら、早くお題出して」
京太郎「しょーがないなー……」ハァ
巴「あからさまにため息つかない!」
「こっちだ!」
私は暗闇の中を走っていた。
目の前にいる彼の手を握りしめながら、離されないように、離れないように、必死に走った。
これは身分の違う者を好きになってしまった者同士の物語。
話は少し前戻る。
私は日課になっている神社の清掃をしていると、
「よっ」
と私に声をかけながら近づいてくる人がいた。
「京太郎様」
彼の名前を口に出す。
すると彼は罰が悪そうに頭をポリポリと掻く。
「あのさ……その『様』ってつけるのやめてくんない?」
彼は私の肩を寄せてそう言う。
「なりません。私は京太郎様の世話係ですので」
肩に乗っていた手を払って彼へ整体する。
「それに、京太郎様は姫様と婚姻を結んだばかりでありませんか」
そう、彼は姫様、つまり本家の跡取りと婚姻をしたのだ。
だから、たとえ世話係の私とて、彼に身体を許すということは本家の意思を否定し、さらには本家を乗っ取ろうという宣戦布告にも繋がってしまう。
「でも俺と巴ちゃんの仲だろ?」
そう言って彼は振り払われたはずの手を私の腰に回す。
初めから手を払われることなんて想定の範囲内だと、言わんばかりの行動には呆れてしまった。
「確かに婚姻はしたけど……正直本家の姫様だっけ?」
「よく知らないんだよね……。そんなよくも知らない相手と結婚するくらいならずっと一緒にいた巴との方が結婚したいっつーか、相手のこともよくわかってるしいいと思うんだよね」
「ば、バカなこと言わないでっ///」
私も酷い女だと思う。
彼に『結婚するならお前の方がいい』と言われて鼓動が早くなり顔は熱くなってしまうのだから。
そりゃ……昔からずっと御世話してきたのだから、役目云々より女の子としてこれかりもずっと一緒に居たかった。
あわよくば結婚して彼と子供を作って幸せな家庭を築く夢を見るまでに想いは強くなっていたのに。
本家が突然決めた婚姻のせいで、そんな儚い夢も塵と消えてしまったのだから。
納得なんて更々していない。
でも、今まで私を育ててくれた分家の人には迷惑をかけたくなかった。
だから納得してフリをする。
きっとこれからも……。
そう思っていた。
「なぁ……巴」
ふと気づけば、目の前には彼の顔が。
瞳を見つめていると吸い込まれてしまいそうになる。
とても真剣な目をしていた。
「な……なに?」
私は目を逸らしながらそう答えるのが精一杯だった。
「あのさ……こういうことって誰に聞いたらいいのか分かんなくて」
いつもの彼らしくない、歯切れの悪さ。
私は彼が全ていい終えるのを待った
「俺に……夜伽の仕方を教えてくれないか?」
彼はハッキリとそう言った。
その言葉の意味を理解するのにそう時間はかからなかった。
私も彼に『そういうこと』をするのを想像して自分を慰めていたこともある。
だが、それを良しとするのはまた別の問題だった。
彼は本家へ婿養子として行く身。
分家の私なんかが『そういったこと』をしてしまえば大問題になってしまう。
ここはやんわり断っておくのがベストだと。
でも……私の女の子としての気持ちはそう簡単には動いてくれなかった。
「………………だけ///」
「1度だけ……です///」
私の口はそう動いた。
1度だけ……1度だけの過ち。
終わったら彼との関係は世話係と本家の婿養子に戻る。
だから、最後に思い出だけでも。
と自分に言い聞かせる。
「今夜…………身体を清めておきます///」
私はそう彼に伝えると真っ赤な顔を袖で隠しながら自分の部屋へ走った。
後戻り出来なくなると分かっていても、この想いだけは止めることが出来なかった。
京太郎「…………」
巴「…………」
京太郎「あ……あのっ」
巴「あのっ」
京太郎「巴さんこらどうぞ……」
巴「京太郎くんからでいいよ……」
京太郎「いえ……なんでもないです……」
巴「私もたいしたことじゃなかったから……」
狩宿巴編 4
京太郎「ラジオで須ー賀! 59回目!」
京太郎「はい、というわけで始まりましたラジオで須ー賀」
京太郎「この番組はゲストを交えて色んなことをやったり質問したりする番組になっております」
京太郎「ではさっそくゲストの紹介をしたいと思います」
京太郎「解説でお馴染みの花田煌さんです!」
煌「こんばんわ、日本一の解説者の花田煌ですよ!」
京太郎「初めての出演ということはですが……この放送はご存知でした?」
煌「姫子からよく聞いてますよ」
京太郎「姫子さんから……?」
煌「ええ、なんでも大好きな放送だから是非聴いてみてほしい、と」
京太郎「わりとまともな感じ……」
煌「はて、姫子はまともな印象ですが……違うのですか?」
京太郎「いえ……その……はい……まともっす」
煌「私の大切な友人ですからね!」
京太郎「では、さっそくお便りの方にいきたいと思います」
ーーその髪型セットに苦労しそうですねーー
煌「これですか?」
煌「大変……といえば大変ですがこれも私の1つだと思えばなんの苦ではありませよ?」
京太郎「でも、この前街で見かけたときは髪の毛下ろしてませんでした?」
煌「なっ!? なんでそれを!?」
京太郎「下ろしてるのみたの初めてだったんで新鮮でしたよ?」
煌「あ……あのですね……それは……まぁ…………なんというか……えっと……そう! 他人の空似!」
京太郎「でも、隣の人に『すばらっ!』って言ってたんだけどなぁ」
ーー人助けが趣味だそうですね。すばらですーー
煌「情けは人のためにならず、と言いますし」
煌「それに人助けをすることはすばらなことですから!」
京太郎「確かにいいことした後って清々しい気持ちになりますもんね」
煌「え……?」
京太郎「俺なんかへんなこと言いました?」
煌「いえ……まぁ」
ーー後輩の原村さんと片岡さんをどう思ってますか?ーー
煌「どうって……私の自慢の後輩ですが……」
京太郎「んーと、もうちょい噛み砕いて教えてくれると嬉しいのですが……」
煌「噛み砕いて……ですか……そうですね……」
煌「ゆーきは元気があって人懐っこくて可愛いとてもすばらな女の子」
煌「和は落ち着きがあってしっかりと自分の芯をもっている女の子」
煌「ですよ」
ーーちゅーしたいですーー
煌「ふむ」
京太郎「あー……こういうのって無視してもいいんですよ?」
煌「いえ、せっかくなので」
京太郎「え……?」
煌「チュッ」
煌「ちゃんとマイクに入ってましたか?」
<オッケーデース
京太郎「どこでそんな技を……」
煌「それは秘密です」
京太郎「お疲れ様でしたっ」
煌「とてもすばらでしたよ?」
京太郎「この後の予定とかって何かあるんですか?」
煌「おやおや? 私をお誘いなのですか?」
京太郎「え……あ、いえ、違いますよっ!」
煌「そこまで強く否定されると……傷付きます」
京太郎「す…すみませんっ!」
煌「ぷっ……」
京太郎「え?」
煌「いえ、全然気にしてませんよ?」
煌「これから和とゆーきと会う約束してるので、お先に失礼します」
花田煌編 1
京太郎「ラジオで須ー賀! 60回目」
京太郎「さぁやってまいりました、今週もこの時間はこの俺こと、須賀京太郎と一緒に過ごしてもらえたらと思っています」
京太郎「この放送はいつも通りゲストを呼んでいろんなことをしていこうという話なんですけど...」
京太郎「うん、これは先にゲストを紹介するべきだな」
京太郎「では、今週のゲストはこの方!」
京太郎「原村和プロです!」
和「こんばんわ、京太郎くん、ラジオの前の皆様」
京太郎「はい、こんばんわ」
京太郎「えっと...この放送のゲストとして出るのが今日で5回目になるんだよな?」
和「そうですね...」
和「節目なので少しなにかあると嬉しいのですけど...」
京太郎「何かって......」
京太郎「和もそういうこと言うようになたんだなぁ...」
和「あ、いやでしたか?」
京太郎「全然」
京太郎「なんか、時代の変化っていうのか、人か変わった姿を目の当たりにすると結構吃驚するもんだなぁってさ」
和「でも、私ってあんまり変わってないと思うんですけど...」
京太郎「あーうん......そうだな」
和「そうやってすぐ胸を見る癖、変わってないですね」
京太郎「」
和「はい、では京太郎くんに代わって私が進行したいと思いますね」
麻雀部の練習が少し一段落ついた放課後。
「飲むか?」
そういって私の席にお茶を入れてくれた彼。
名前は須賀京太郎。
私と同級生だ。
金色の髪の毛を靡かせて彼は他の部員へお茶を運んでいく。
その姿を見て少し残念な気持ちになった。
中学からの知り合いだという女の子と少し喋って違う部員のところへ。
一人は申し訳なさそうに、そして一人はさも当然のごとく。
それぞれ違う顔をしていた。
彼以外全員女子のこの麻雀部は夏の全国大会で優勝することが出来た。
もちろん、それに便乗するような形で入部希望が沢山あったのだけれど...。
女子は京太郎くんで、男子は部長が。
それぞれに面接やら試験やらを出してクリア出来た人だけ入部させるつもりだったのだけれど。
どうやらその試験というのが難題らしく、今まで誰一人クリア出来ていないのだ。
部長は夏の大会後引退して、元の役職に戻っていったのだけれど。
暇があれば部室の方に顔を出して麻雀をしたり、皆をだべったりしている。
そんなことを考えていると、麻雀部のドアがガラガラッと音を立てて開いた。
「ごっめーん、会議がちょっと長引いちゃって」
開口一番、手でごめん、と形を作りながら中に入ってくるこの人こそ、我が麻雀部の部長である。
そのまま、部長専用となりつつある席に座ってため息をついた。
「ちょうど休憩してるんですけど、部長も飲みます?」
京太郎くんが部長にお茶を渡す。
「ありがと」
さらっとそれを受け取る。
「んくっ.........ん?」
「どうかしました?」
「須賀くん、あなた...」
「え、俺何かしました?!」
部長の顔が真面目な顔だった。
それを見て彼も緊張している様子だった。
「ほら、他の人のお茶はアツアツ...というか、湯気が出てるけど」
「どうして私のだけ湯気がないのかしら?」
「ああ......そういうことですか」
部長の問いに京太郎くんはホッとした顔を見せる。
「ほら、部長って今きたばっかりじゃないですか」
「会議で水も飲まず、終わってからすぐこっちに来たっぽかったので」
「すぐ飲める温度のお茶にしただけです」
「もしかして......余計なお世話でした?」
心配そうに部長の顔を伺う彼。
「うん、すっごく余計なお世話」
「」
それを聞いて京太郎くんは絶句していた。
「ぷっ...」
それを見ていた部長は肩を震わせて笑うのをこらえていた。
「ご...ごめんなさい.........あまりにも須賀君がいい反応するもんだから...ぷぷっ」
「え...え......?」
困惑する彼を見て、部長は更に笑った。
本当にひどいことをする人だと思う。
周りの部員は、またか、という反応をすると興味を失ったのか自分の時間に戻っていった。
「あー...笑った笑った...」
そう言って部長は椅子に深く寄りかかる。
「はぁ......俺、買い出し行ってきますんでメモ帳とかあります?」
「ん、あぁ...メモ帳? ないわよ?」
「じゃあ、今日は買い出しなしってことですか?」
「いいえ、須賀君には買い出しに出てもらうわ」
「でも、メモとかないんですよね?」
「ええ、そうね」
「あの......また俺に何かやらせようって魂胆じゃ...」
「あら、ひどいわ」
「ひどいって......自分の胸に聞いてみてくださいよ...それ」
「なに、触りたいの?」
「どうしてそうなるんですか!」
「だって須賀君には色々やらせちゃってるし...ここらへんでちょっと飴でもあげればもっと頑張ってくれるかなって」
「............」
「あらやだ、そんな目で見ないで頂戴。照れちゃうわ」
「だぁぁもう! 部長と話すとリズムっつーか、テンションつーか、いろいろおかしくなるんですけど!」
「あー須賀くんでからかうのっていうまでたっても楽しいわね」
「からかわれる身にもなてくださいよ...」
「それじゃあ、私の身体好きにしていいわよ?」
「え?」
多分、ほとんどの人は部長のただの悪ふざけだと思っただろう。私と、言った本人以外は。
言われた京太郎くんも冗談だと思っているのか顔が半笑いになっている。
「あ、買い出しの件だけど私も同行するから」
「明日は槍でも振るんですか?」
「貴方が私のことをどう思っているのかよくわかったから、再教育してあげる」
「げっ......藪蛇だ...」
「ほらグダグダ言ってないで行くわよ」
そういって、自然に京太郎くんの手を取って部室の外に出ていってしまった。
こういうとき、あの人の行動力は素直に羨ましいと思う。
その日、二人は部室に帰ってこなかった。
和「えっと......京太郎くん」
京太郎「ん? なんかあったか?」
和「いえ、この後、お時間ありますか?」
京太郎「俺は全然大丈夫だけど...和は?」
和「私も明日オフの日ですから」
和「それで...どうですか?」
京太郎「ああ、全然構わないぜ」
和「では、いきましょうか」ギュ
京太郎「...和さん? どうして手を?」
和「なんとなくです」
京太郎「なんとなくか...」
和「はいっ♪」ニコッ
京太郎「」
和「ひょれへれふねー」
京太郎「おい和...ちょっと飲み過ぎだっての」
和「きょーはろーふんもひょーゆーことゆーんでふね!」
和「わひゃひらってひゅきなひとといっひょにいはらこうなるんでひゅよー!」
京太郎「え、今好きって......んぶっ」
和「っぷはぁ......ずっとずっと前から好きだったんですよ?」
京太郎「あれ、さっきまで酔ってたんじゃ...というか今の...」
和「今のは私の気持ちです」
和「京太郎くんの気持ちを教えてほしいです」
和「やんっ///」
和「いきなり押し倒すなんて...///」
和「でも嬉しいです...///」
――朝チュン――
朝、目を覚ますと見慣れない天井が目に入った。
(あぁ...そういや、昨日和の家に泊まって......)
昨日のことを思い出して、顔が熱くなる。
「もう起きたんですね」
リビングの方から和の声が聞こえた。
声の方に視線を向けるとそこには、ワイシャツのみを身にまとった和の姿があった。
扇情的な姿に目を逸らしてしまう。
「ふふっ...昨日はあんなに激しかったのになんだか変ですね」
和はテーブルの上に淹れたてのコーヒーを置いて隣に座った。
昨日の光景がフラッシュバックするかのように思い出される。
(あの胸を好き放題したんだよな...)
(誰もがオカズにしたでだろう、この身体を...俺が)
思い出すだけで股間が元気になってしまいそうだった。
慌てて首を振って頭の中をクリーンにする。
「京太郎くん」
和は肩に頭を乗せてきた。
「な、なんだ?」
「ああいうことをした後に言うのはずるいことだと思いますけど...」
「私、京太郎くんの彼女でいいんですよね?」
不安なのか、拒絶されるのが怖いのか。
俺の腕をぎゅっと握ったままの和がそう聞いてきた。
「昨日、その返事をしたはずなんだけど」
「で、でも...行動だけで...その......言葉には...」
「それに男性はそういうことをする相手は彼女とは別枠だってよく聞きますし」
ああ、そういうことか。
俺がしっかり好きだと伝えてないからか。
「和」
「はい」
肩に乗る重さが増えた気がした。
「その...不束者だけど...これからよろしくな?」
「俺の彼女になってください」
「はいっ!」
その時見た笑顔だけは守りたいとそう思った。
――結婚式――
「汝、須賀京太郎は、この女、原村和を妻とし、良き時も悪き時も富める時も貧しき時も病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い妻を想い、妻のみに添うことを神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?」
「誓います」
神父は和を見る。
「汝、原村和は、この男、須賀京太郎を夫とし、良き時も悪き時も富める時も貧しき時も病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い夫を想い、夫のみに添うことを神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?」
「はい、誓います」
「新郎新婦、指輪の交換を」
俺は和の方に身体を向ける。
和も俺の方に身体を向け、左手の手袋を外した。
sのまま、和の左手の薬指に指輪をはめる。
俺も左手を出すと和は俺の薬指にすっと指輪をはめた。
「誓いのキスを」
俺は和の顔を覆っていたベールを持ち上げる。
和の目を見つめる。
(ああ...俺って本当に和と結婚するんだな...)
今更になって実感してきた。
実際、準備が忙しくて中々実感する機会がなかっただけに、ここにきて涙が出そうになる。
(あぁ...やっぱりお前もか)
どうやら俺だけじゃなかったらしい。
和も大きな瞳をうるうるとさせてた。
目を見て一度頷いてやると、伝わったのか、和は唇を上に向けて瞳を閉じた。
俺はゆっくりと、魅せつけるように和にキスをした。
「おつかれさん」
俺は披露宴を終えた和に話しかけた。
「京太郎くん...あっ」
和は目を逸らして一度深呼吸するとこちらを向いた。
「あ、貴方もお疲れ様っ///」
「きゃっ...///」
顔を真っ赤にしながらそんなことを言う和が可愛すぎてつい抱きしめてしまった。
「あうぅぅ///」
ドレス姿というのも中々あるものではないし...このまま。
なんて考えていると――。
「ごほん!」
と扉の方からわざとしたような咳が聞こえた。
「智葉さん?」
「ああ、久しいな、京太郎」
そこには智葉さんの姿があった。
実はこの人が一番招待状の返事が遅かった。
もしかしたら、来てくれないのかと思ったが。
「ああ、結婚おめでとう、京太郎」
すっと差し出される手をしっかりにと握る。
「ありがとうございます、智葉さん」
「幸せにな」
「智葉さんもいい相手、きっと見つかりますよ」
「あ...ああ、そうだといいな」
少しだけ声のトーンが落ちたような気がした。
「よっ、須賀」
智葉さんに気を取られていたがすぐ隣には爽さんの姿があった。
「あ、爽さん」
「なんか馬子にも衣装って感じだね」
「あはは...やっぱり似合ってないですかね」
「それはどうだろう」
「でも、きっと今この瞬間で一番カッコよかったと思うけどね」
それだけ言うと爽さんは同じ仲間がいるであろう席に戻っていった。
「あ、京太郎」
「巴さん!」
ここでも巫女服を着ている巴さん。
「結婚おめでとう」
「ありがとうございます!」
「あのさ...」
「なんです?」
「もし...鹿児島に遊びに来る時があったら声かけて」
「私が案内するから」
「と言っても何度も仕事で行ったことありますよ?」
「いいの、ね、お願い」
「巴さんみたいな美人さんにお願いされたら断れないですよ」
「うん、その言葉、違わないようにね」
それだけ言うと巴さんも同じ巫女服集団の中に入っていった。
「京ちゃん!」
後ろから声が聞こえるのと同時に何かがぶつかってきた。
「なんだ、咲じゃん」
「なんだとは失礼な...なんだとは!」
「咲じゃあ、仕方なくね?」
「全く...京ちゃんは相変わらずデリカシーがないよね」
やれやれと、首を横に振る咲。
「あ、結婚おめでとう。京ちゃん、和ちゃん」
「ありがとう」
「ありがとうございます、咲さん」
いつの間にか俺の横に和がいた。
「和ちゃんはわかるけど、まさか京ちゃん如きに先を越されるとは思ってもなかったよ...とほほ」
「俺は咲より先に結婚するって思ってたけどな」
「なんで!? 頭に変な虫でもわいちゃったかな...」
「だってお前、ずっと男の影なかっただろ?」
「.........あー」
「はぁ...」
「なにこの空気」
「いえ、知らぬは本人だけってことですね」
「俺が何かした!?」
「むしろ何もしなかったからこうなってるんじゃ...」
何が何だかわからないのだが、目の前の幼馴染みと妻が仲良く話をしている姿を見るととても安心する。
なぜだかわからないが、そう感じた。
「結婚おめでとっ」
背中を思いっきり叩かれながら挨拶をしてきたのは久さんだった。
「いった...いきなり何するんですか」
「いや...だって幸せそうだったからつい...」
「ついで紅葉作られる人の身にもなってくださいって...」
「なら私にも作る?」
「いやいやいや...女の人がそう易々と身体を許していいもんじゃないんですよ?」
「京太郎くんだったら...私......いいわよ?」
見れば久さんの瞳は涙をにじませ、俺を上目づかい見ていた。
ゴクリ、と唾を飲み込む。
高校を卒業して更に綺麗になった久さんからそんなことされたら目が離せなくなってしまう。
「なんてね」
ペロっと舌を出して顔をほころばせる。
「また引っかかったわね?」
「あぁぁぁぁもう!!!!」
いつもそうだ。
この人の悪ふざけにいつも引っかかってしまう。
これからは引っかからないようにしないといけない立場なのだが。
「ほら、早く新婦のとこに行ってやんなさい」
「え?」
久さんが指をさす方向を見ると、そこにはむくれたような表情の和がいた。
「あ、あなたっ!///」
ツンデレキャラよろしくこちらを見て指を刺す。
「私以外の女の人をみてデレデレしないでくださいっ!///」
「あにゃたは私のものなんだからねっ!///」
噛んでいた。盛大に。
顔はすでに真っ赤で。
突き出している指は羞恥に震えていた。
「......ああ、もちろん」
今すぐ抱きしたい衝動に駆られたが必死に堪えた。
ああ、なんで俺の嫁はこんなに可愛いんだろう。
――結婚後――
「ただいまー!」
玄関を開けて中に入る。
すると中からパタパタと足音が近づいてきた。
「おかえりなさい、貴方」
中からエプロン姿の和が顔を出す。
「和」
腕を広げていつでも抱きしめられる体制を作る。
「はいはい」
そう流しながら、しっかりと俺の腕の中にすっぽり収まる和。
「女の人の香水の匂いします」
くんくんと俺の服の匂いをかぐ。
「えっと...その、シロさんがおんぶしないと次の仕事に行かないって言ってきてですね?」
「仕方なく...おんぶしてたから...」
「......」
ジト目でこちらを見る和。
「許してください和様っ」
思わず謝ってしまった。
「じゃあ、キスしてください」
「ああ、わかった」
キスをしようと顔を近づける。
「?」
和の手に邪魔されてキスすることが出来ない。
「キスして......愛してるって言ってください」
あぁもうなんて可愛いんだ。
俺は強く和の身体を抱き寄せる。
「あっ...」
和の口から声が漏れた。
「愛してる、和」
「......はいっ///」
「そういえば...言ってませんでしたね///」
「なにを?」
「ご飯にします? お風呂にします?」
「それとも.........私にしますか?///」
「和でっ!!」
「あの...玄関でするのはちょっと非常識かなって...」
はい、あの後、興奮してしまいまして、玄関でことをなしてしまいましてですね。
玄関のカギをかけずにするもんだから、突然の来訪者が来てしまったわけでして。
その相手が咲だったわけです、はい。
「今度からは気をつけてよね...」
苦笑いしながら注意されてしまった。
きっとこんな楽しくも幸せな日々をいつまでも過ごしていけるとそう思った。
原村和end
京太郎「ラジオで須ー賀! 61回目!」
京太郎「この番組はゲストをよんでいろんなことをしていこうという番組です」
京太郎「では早速、ゲストの方を呼んでみたいと思います」
京太郎「今回で二度目の登場となります」
京太郎「松実玄さんです!」
玄「こんばんわー」
京太郎「こんばんわー」
玄「二回目だけどなんだか緊張するねっ...」
京太郎「そうは見えないんですけどね」
京太郎「はい、というわけで今回の一番最初の番組内容はこちら」
京太郎「プレゼントクイズー」
玄「え? え?」
京太郎「えーっと、なんかこの番組に来る前に欲しいものとか書かされなかったですか?」
玄「うん、書いたよ?」
京太郎「なんとクイズに正解するとその商品がもらえることになっているんですよ」
玄「え? え!?」
京太郎「まぁ、これは実際やってみた方が早いですよね」
※プレゼントの内容は京太郎も知りません
京太郎「えっと......まずこれですかね」
京太郎「荒川印のおもちの大きくなる薬って......玄さん...」
玄「.........//////」テレッ
京太郎「いやあの......はい...」
玄「私のおもちは残念おもちだから...その...///」
京太郎(そんなこと絶対ないのになぁ......)
京太郎「続いて、二品目!」
京太郎「あー...このちょっと端っこに書いてある感じがとても健夜さんっぽいですよね」
玄「うんっこれ欲しかったんだ」
京太郎「にしてもなんか可愛い字ですよね」
玄「お父さんも健夜さんのファンだから家に飾るんだー」
京太郎「なるほど...では次です」
京太郎「京太郎と1日デート券......え?」
玄「あの...はい...デートじゃなくてもいいから...一緒に出掛けたいかなぁ...って///」
京太郎「そんなのこんなプレゼントじゃなくても全然行くのに...」
玄「ほんと!?」
京太郎「ええ...本当ですよ?」
玄「やったっ」ボソッ
京太郎「四つ目のプレゼントは.....長野旅行ペアチケットですか」
玄「うん、県外ってあんまり親しみないから行ってみたくて」
京太郎「あー...和もいますもんね」
玄「..................うん、そうだね」
京太郎(なんだ今の間は)
京太郎「次で最後ですね」
京太郎「おっぱいマウスパッドって......玄さん!」
玄「だって好きなんだもん...///」
京太郎「はぁ......」
京太郎「ではプレゼントが決まったというわけでクイズの方に行きたいと思いますが準備はよろしいですか?」
玄「お任せあれ!」
※番組終了後です
京太郎「薬と扇子以外プレゼントですね」
玄「ごめんね、お父さん...」シュン
京太郎「まぁまぁ...」
玄「私ダメな娘だよね...」
京太郎「そんなことないですって...!」
玄「本当?」
京太郎「はい!」
玄「京太郎くんに言われると元気出てきたかも...」
京太郎「それなら嬉しいです」
玄「えへへ」
玄「あ、このデートっていつでもいいの?」
京太郎「はい、玄さんの都合のいい日でかまいませんよ?」
玄「じゃあ......明日、このチケットでデートしてくださいっ」
松実玄編 2
京太郎「染谷まこさんです!」
まこ「どうも……」
まこ「なぁ……京太郎」
京太郎「なんです?」
まこ「わしみたいな一般人がなんで呼ばれたんじゃ…………」
京太郎「俺がスタッフにまこさんのことを話したら……えへっ☆」
まこ「」
――眼鏡を取ると美人なのにコンタクトレンズにしないんですか?――
京太郎「高校のときはちょいちょいはずしてましたよね?」
まこ「気合いれんといけないときにしか外さないからのぉ」
京太郎「俺と買い出し行くときに外すのはそういう意味合いだったんですね」
まこ「!?」
京太郎「気合いいれて買わないと、的な?」
まこ(こいつがアホで助かったのぉ……)
―― 京太郎さんの膝の上に座る充電というのが流行っているそうです
試して感想をお願いします――
―― 充電ノルマをこなして貰おう――
京太郎「…………」
まこ「なんか言うたらどうじゃ?」
京太郎「え、知ってるんですか?充電の意味」
まこ「そりゃ……この番組聞いたことある人なら知っとろうよ」
京太郎「」
まこ「うちも久々に京太郎とあったさけぇ……」
まこ(ちぃとばかし……積極的でもええやろ?)
京太郎「 え?え?まこさんなんで!?なんで乗るの?!」
まこ「んっ…… やっぱし固いが……安心する固さじゃのぉ……」モジモジ
京太郎「モジモジしちゃらめぇぇぇ!!」ジタバタ
まこ「これ、京太郎! そんなっ……に激しゅう動いたら……ひゃっ!//」
京太郎「」
まこ「…………///」
京太郎「」
まこ「きょーたろー…?」ニッコリ
京太郎「ヒィッ!?」
―― 一般人とか言ってましたが、卒業後の進路は?――
まこ「家の仕事継いだからのぉ……」
京太郎「ちなみに俺も働いたことありますよ」
まこ「あぁ……女性客を増やそうと思っとった時のじゃな」
京太郎「またやりたいですねー」
まこ「今度はメイド服を用意しとくからのぉ」
京太郎「勘弁してください、なんでもしますんで!」
まこ「それはいいこときいたのぉ……」
まこ「ふぅ……緊張したわ…」
京太郎「そうは見えなかったですよ?」
まこ「そりゃそうじゃ」
まこ「一般人とは言え、わしはおんしの先輩なんじゃから」
京太郎「……まこさん」
京太郎「もしかして、後悔してます?」
まこ「……っ」
まこ「なんのことかわからん」
まこ「わしは先に帰る」
京太郎「…………まこさん」
染谷まこ編 1
京太郎「ラジオで須ー賀! 63回目!」
京太郎「はい、こんばんわ」
京太郎「今週もやっていりましたこのお時間」
京太郎「ラジオのお兄さんこと、須賀京太郎と一緒に過ごしてみてはいかがでしょうか?」
京太郎「この番組はゲストをお呼びして、色々話していく番組です」
京太郎「もちろん様々なコーナーもありますので、どんどんおハガキ送ってくださいね」
京太郎「では、今回のゲストを紹介したいと思います」
京太郎「今回で五回目のゲストとなります」
京太郎「辻垣内智葉さんです!」
智葉「こんばんわ、リスナーの皆様」
京太郎「五回目とあって慣れてますねー」
智葉「そりゃこんだけ出させてもらったら慣れるさ」
京太郎「あはは...」
智葉「ハガキ来てるんだろ?」
京太郎「ええ、来てますよ?」
智葉「では読んでいこうか」
――地震・雷・家事・おやじ…… どれが一番怖いですか?――
智葉「おやz......雷」
京太郎「もしかして怖がりです?」
智葉「だ、誰がっ///」
京太郎「大丈夫ですよ」
京太郎「俺が怖いものから智葉さんを守りますから」
智葉「......ッ///」
京太郎「なーんて...こういう台詞一度でいいから言ってみたかったんですよね」
智葉「死ねえええええええええええええ!!!!!//////」バキィ
※よいこは真似しないでね
――ダヴァンと明華、恋人にするならどっちがいい?――
智葉「そもそも女の子同士なんだが...」
京太郎「まぁまぁ」
智葉「それに私には......」チラッ
京太郎「?」
智葉「はぁ......」
京太郎「なんでため息!?」
智葉「苦労ばかりしているからな」
智葉「強いて言うなら、明華だな」
京太郎「なぜですか?」
智葉「あの歌はいつ聞いてもいいものだから」
京太郎「確かに綺麗な歌声ですよねぇ」
智葉「む......」ゲシッ
京太郎「いったぁぁぁぁっっ!!」
智葉「ふんっ」
――この間カラオケ行ったらすっごいノリノリでアイドルソング歌ってたのを見かけたんですが――
智葉「そ...そんなわけないだろ?」
京太郎「ですよねー」カチッ
<Du-Du-Wa DO IT!! アイドル活動 ※アイカツのOPです
智葉「Du-Du-Wa DO IT!! 明日へAye you ready? GO!!」
京太郎「.........」
智葉「はっ!?」
京太郎「お上手で」
智葉「殺せ!///」
京太郎「とんでもない」
智葉「いっそ殺してくれえぇぇぇ//////」
――京太郎との結婚おめでとうございます――
智葉「」
京太郎「いやだなー智葉さんみたいな人が俺を選ぶわけないじゃないですか」
智葉「そ...そうかな?」
智葉(なんでこの日に限って鞄の中に婚姻届入ってるんだ私の馬鹿ぁぁぁ......)
――京太郎を夫にするとしたらどんな妻になりたいですか?――
智葉「」
京太郎「今日はそういう質問多いみたいですねぇ」
智葉「あ、あぁ」
智葉(これはアタックしろという神の意志なのか?)
京太郎「で、智葉さんはどんな奥さんになりたいですか?」
智葉「どんな...か......」
智葉「お互いがお互いをずっと信じられるようなそんな妻になりたい」
智葉「それが私の望む妻の姿だ」
京太郎「ちなみに俺の理想は、俺が仕事から帰ってきたときに玄関で『ご飯にする? お風呂にする? それとも私?』ってやってくれるような奥さんがいいですね」
智葉「.........叶うといいな、それ」
智葉(覚えとこ)
智葉「そうだ、京太郎」
京太郎「なんです?」
智葉「今度の日曜、暇か?」
京太郎「ええ、仕事はなかったはずですけど...」
智葉「じゃ、じゃあ...私とデーt......遊びに行こう」
京太郎「はい、じゃあどこに集合とか決まったらまた連絡くださいね」
智葉「楽しみにしてくれ」
京太郎「はいっ!」
辻垣内智葉編 5
「はぁ......」
ため息を冷たくなった手に吹きかける
「なんで連絡の1つもよこさないんだ...」
待ち合わせは二時間も過ぎているのに
私の目の前をいつくものカップルが通り過ぎる
(私もあんな風になれるのだろうか...)
彼氏の腕にぎゅっとしがみついている女の姿を見て想像してみる
「......///」
顔が真っ赤になっていくのが分かった
(この程度で動揺するなんて...)
顔を振ってみる
けれども顔の熱は一向に冷めなかった
「ねぇそこの彼女」
ふと顔を上げると目の前に見知らぬ男性が立っていた
「誰だお前は」
彼と同じ金色の髪の毛をしている
ただ、違うとすれば彼のように綺麗だとは思わなかったこと
「さっきからずっと立ってるじゃん君」
「俺と遊ばない?」
はぁ...なんてこういう日に限ってこういうのに出会ってしまうんだろうか
「待ってる人がいるので」
こういうのは冷たくあしらって断るに限る
「おい!」
腕を掴まれてしまった
「ちょっと下手にでてりゃいいきになりやがって」
最近の若者は切れやすいな
まるで抜き身の刀みたいだな
なんて悠長に考えている暇はなく、私の身体は目の前の男の力に耐えることが出来なかった
「おい、離せっ」
言葉で拒否していても目の前の男は私を見ることなく街を歩く
彼と約束した場所から少しずつ離れていく
それが私と彼との距離を表しているようで少し寂しくなった
「はい、そこのお兄さん」
誰かが私たちに声をかけた
男の歩みが止まる
「お、お前......」
声が震えているようなそんな気がする
「その人、俺のツレなんだよね」
「だ、だからどうしたってんだっ」
「その汚い手を離せよ、クズ」
ドスの聞いた声が周りに響き渡った
いや、私の耳にそう聞こえただけかもしれないのだけれども
ふと気づくと、私を掴んでいた手の力はほとんどなく、これなら女の私も振りほどくことが出来そうだ
「お、覚えてろよっ!」
何を覚えていればいいのかわからないのだけど、男はそう言って来た道をそそくさと早足で逃げるように去って行った
「ふぅ......」
「お前でもあんなことを言うんだな」
「智葉さんのピンチとあれば」
そう言って私の手を取って一礼をする
「そういう割には待ち時間に遅れていないか?」
「え...?」
「私が何時間まったと!?」
「それには色々訳があったんですよ......あはは」
ポリポリと頬を掻く
「ま、なんにせよ、来てくれてありがとう」
「いえ、俺のそのつもりでしたから」
「じゃあ...その......なんだ......」
「これ、ですよね?」
ぎゅっと私の手を彼の手が包み込んだ
「ああ......あたたかいな」
「智葉さんの手は冷たいですね」
「ふんっ......お前が何時間も待たせるからだ」
「これからはずっと俺が温めますから」
「.........馬鹿め///」
私は彼の腕にぎゅっとしがみついた
「なぁ...」
「なんです?」
「私がお前のことを好きって言ったら驚くか?」
「え、むしろ違うんですか?」
「......」
「あの...その......なんていうか...その」
「京太郎」
「はい!?」
吃驚した様子で私の顔を見る彼の姿がなんだかいつにも増して愛しく見えた
きっと今から言わんとしている言葉のせいだと思う
「お前のこと大好きだぞっ」
多分、この時の彼の顔は忘れない
驚いた顔をしたと思うとすぐに顔を緩ませてこう言った
「知ってます、俺も智葉さんのこと大好きですから」
結婚式を終えて一息つく
「ふぅ……」
ちょっと疲れたかな…
泣いたり笑ったり、俺らのために色々尽くしてくれたのがとても感動的だった
「なに湿気た顔している」
そう言いながら俺の顔を近くで見たのはついさっき永遠の愛を誓った人の姿だった
「いいえ…なんというか……俺なんかと結婚してよかったのかなって……」
「馬鹿」
コツンと俺の頭を指で突く智葉さん
「私は『お前で』いいんじゃない」
「私は『お前が』いいんだ」
そう言いながら胸を張る智葉さん
なんだか無性に抱きしめたくなった
「おいこらっ……皆見てるぞっ!?///」
あたふとと慌てる智葉さんの身体を更にぎゅっと抱きしめた
すると、抵抗する気がなくなったのか、俺の背中に手を回してぎゅっと力を込めた
「私はお前のことが大好きだ」
「だから結婚したいと思ったし、全てをお前に捧げる覚悟もした」
「智葉さん………」
「............京太郎」
二つの影は次第に近付き、そして二人の距離は―――
「あの...お楽しみのとこ悪いんだけど......」
「なんでしょう!?」
「なんだ!?」
二人して声をかけてきた人の方に飛び跳ねて整体した
そこには呆れ顔の久さんの姿があった
「さっきからずっと声かけてるのに気づかないとか......」
やれやれと頭をふる久さん
「違う違う、私はこういうことを言いに来たわけじゃないのよ」
いつも通り真面目な顔をする久さん
「結婚おめでとう」
「須賀くん...っと...今はもう辻垣内だっけ?
呼びにくいわね須賀くんの癖に生意気だわ」
なんで俺がこんなに言われなきゃならないのかわからないが久さんは楽しそうだった
「この際京太郎くんでいいわね、うん、決定」
決まったらしい
「京太郎くん、結婚おめでとう。せっかくこんな綺麗な人を妻に出来るんだからちゃんと幸せにしてあげなきゃダメよ?」
「命に代えても、ですよ」
「ふふ...昔と一緒で口だけは達者なんだから......」
「誰の後輩だと思ってるんですか?」
「............あちゃー......こりゃ一本取られたわね」
「いつまでも昔の俺との思わないでくださいね」
「ふふ......期待しとくわ」
「ご結婚、おめでとうございます」
ペコリと頭を下げたのは和の姿だった
「ああ...和か、ありがとな」
「ふふっ...馬子にも衣装ですね」
「似合ってないことくらい分かってるっての」
和に言われるはなんだかむず痒い
「和のドレス、すげー似合ってるよ」
「この日のために新調しましたから」
そういってくるりと回って魅せる
「おっとと......」
転びそうになった和の身体を支える
「ありがとう...ございます...///」
「気にすんなって」
「ふふ...でもこうしてると私と京太郎くんが主役みたいですね」
「むっ...」
「......お邪魔虫は去ることにしますね」
和はそれだけ言い残すと人ごまの中に入っていってしまった
「おい京太郎」
後ろからドスの効いた声が聞こえた
ゆっくりと振り返ると顔を鬼のようにしている智葉さんの姿がそこにいた
そのままの顔でゆっくりと近付いてくる智葉さん
何かされると思って俺は目を瞑った
「私以外の女にデレデレするな.........っ///」
あぁもう、俺の嫁がこんなに可愛いなんて!
「京ちゃん!」
「その声は...咲か!」
「えへへ......京ちゃん、結婚おめでとう!」
「ありがとな、咲」
頭をぽんぽんしてやると咲は顔を緩ませてニヤニヤした
「そういえばなんか私、泣いちゃったよー」
「泣く要素なくね!?」
思えばコイツは涙腺が弱いような...
卒業式では泣き、クラス替えでも泣き
事あるごとに泣いていたような気がする
「だって…まさか京ちゃんがこんな綺麗な人と結婚するなんて...思わなくて......ヒック」
どうやらただ単にバカにされていたらしい
これはお仕置きが必要だな
「痛いっ痛いっ京ちゃっ痛いからっ!」
咲にはこのグリグリがよく効くんだよな
「んもぅ...京ちゃんの馬鹿!」
涙目になってた
こいつ年中涙目にじゃね?
「あ、そう言えばこういう話知ってる?」
とりあえず話を逸らすことにした
「なになに?」
どうやら女の子は噂話みたいなことには弱いらしい
特に咲は、な
「どうやら麻雀が強過ぎると婚期を逃すみたいだから咲も気をつけろよ?」
これは先輩から言われたことだ
ま、健夜さんもはやりさんも結婚してないところをみると割とオカルトとは言いきれないかもしれないが...
咲の様子を伺うと視線を下げて下を向いていた
「...............ちゃんの!」
「京ちゃんの馬鹿ぁぁぁぁぁ!!!」
「お疲れ様です、京太郎」
明華さんがポンッと俺の方に手を置いた
「俺の方こそ...なんか歌なんて歌ってもらっちゃって.........」
「いえ、京太郎の為ですから」
「嬉しくて言葉が出ないっす...」
「よしよし......京太郎は泣き虫さんですね」
ぎゅっと抱きしめられた
「え......ちょっと...明華さん!?」
「これ、向こうの感謝の伝え方ですから」
「えと......じゃあ、しばらくこのままで」
役得だしな
それからいつまで明華さんが俺に抱きついていたのだろうか
「では、京太郎、お幸せに」
明華さんはそれだけ言うと去っていった
まるで風のような人だと思った
「きょうたろう?」
振り向くとそこには妻の姿が...
「まったく......私以外の女にデレデレし過ぎだ」
「面目ない...はい......」
「ま、それでもお前は私の夫なんだから...その......」
「私のこと愛してくれなきゃ許さないからなっ///」
顔を真っ赤にしながらそう言うと智葉さんを抱きしめた
「ええ...もちろん!」
「うんっ!////」
辻垣内智葉 結婚式編 カンッ!
――新婚生活――
智葉「はい、あーん」
京太郎「あーん」
智葉さんと結婚してわかったことがある
まず、思ったより甘えん坊
智葉「んー......今日も疲れたな」
京太郎「そうですね」
そういいながら俺は智葉さんの頭をなでる
智葉「んふふー」
上機嫌になった
智葉「あ、そうだ」
京太郎「なんです?」
智葉「今日の京太郎分がなくなった」
これはいつもの誘い文句......というやつなのだろうか
智葉さんがこれを言うってことは...
智葉「充電させろ」
やっぱりか
ラジオで何度かやった充電――これは胡桃さんがつけた名前だが――がすっかり癖になっているようで、暇になるといつもしているような気がする
智葉「ふぅ......やっぱりここは落ち着くな」
どうやら俺の膝の上には治癒効果があるみたいだ
智葉「もぞもぞ...」
口で言う必要はないと思うんですけど
智葉「なぁ......京太郎?」
京太郎「なんです?」
耳が真っ赤になっているのは触れないでおこう
智葉「この前、父親に『そろそろ孫の顔が見たい』って言われてな...///」
智葉「私も出来れば早いうちがいいと思うんだが......京太郎はどうだろう?///」
智葉さんの肩は少しだけ小さく震えていた
まるで触ったら壊れてしまいそうなくらい脆く見えた
京太郎「あの......智葉さん?」
智葉「なんだ?」
京太郎「実は言うとですね、俺今すぐにでも智葉さんを襲いたいんです」
智葉「なっ!?」
京太郎「でも、手を出さないのはなんでかわかりますか?」
智葉「私に......魅力がないから...か?」
京太郎「それだったら俺、智葉さんと結婚しないですね」
智葉「.........」
京太郎「智葉さんが魅力的過ぎて俺が手を出していいのかわからないってのが本音です」
京太郎「こんなに綺麗な人を俺が汚してもいいのか、って」
智葉「なんだ......そんなことで悩んでいたのか」
京太郎「なんだって......こっちは真剣だったんですよ?」
智葉「馬鹿だな、お前も私も」
智葉「あのな...京太郎」
智葉「結婚式で私が『全てをお前に捧げる覚悟もした』って言ったろ?」
智葉「あの日からずっと覚悟している、私の身体も、操もすべて京太郎のものだ」
智葉「もっと深くお前と繋がりたい」
京太郎「」
その後の記憶は覚えていない
ただ、気が付くと生まれたばかりの姿をした俺と智葉さんが同じベッドで寝ていた
「この問題わかる人ー?」
「「「はーい!」」」
子供たちが一斉に手を上げてアピールをする
智葉「よしっ、がんばれっ」
ビデオカメラを持って我が娘の勇姿を撮ろうとしている妻の智葉さんの姿がそこにあった
あの日から毎日のようにしていたらすぐに子供が出来た
それからすくすくと成長してくれて今は小学6年生になった
智葉さんに似ていて可愛いんだこれが
俺の金髪はどうやら受け継がれることはなかったのだが...
どうやら授業が終わって俺たち夫婦の元に娘が駆け寄ってきた
「どう? 私頑張ったよっ」
智葉「えらいぞー」
そう言って智葉さんが娘の頭を撫でてやると
「パパにしてもらうっ」
そう言って俺の手を取って自分の頭に乗っけた
「えへへー」
どうやら上機嫌のようだ
智葉「ぐぬぬ」
悔しそうに俺を睨む智葉さん
やめてください眼力で死んでしまいそうです
「ママ! パパをいじめないでっ!」
智葉「ぐぬぬぬぬぬ...」
京太郎「あはは...」
乾いた笑いしか出なかった
こんな感じで幸せな日々を過ごしています
辻垣内智葉 END カンッ!
京太郎「ラジオで須ー賀! 64回目!」
京太郎「はい今日も始まりました、ラジオで須ー賀」
京太郎「いったい今日はどんなゲストが来ているのでしょうか」
京太郎「早速登場してもらいたいと思いますねー」
京太郎「どうぞ!」
漫「どうもこんばんわ、上重漫や」
京太郎「初めまして......ですかね?」
漫「なんでや! この前、一緒に仕事したやろ!」
京太郎「一カ月一万円生活のやつでしたっけ?」
漫「そうそう、あの時はほんま死ぬかと思ったわ......ちゃうわ!」
京太郎「はい、ノリツッコミも聞けたのでコーナーに行きたいと思いますね」
漫「」
――お好み焼きチェーン店大好評おめでとうございます 良く利用してます――
漫「ありがとな♪」
京太郎「俺もよく利用するんですよねぇ」
漫「ほんまか?」
京太郎「はい、安くて美味しいんで」
漫「なんや嬉しいこと言ってくれるやん」
漫「これからもお贔屓にな♪」
――定番の充電いってみよう――
漫「絶対せぇへんからな!」
京太郎「まだ何も言ってないんですが...」
漫「恥ずかしいやん...うち女っぽくないし」
京太郎(そのおもちを持ってといて何をいうか、ゆーきに謝れ)
漫「せぇへんからな!」
京太郎「とか言いながら腰を少しずつ落としていく漫さんであった」
漫「変なナレーション入れんでもええやろ!?」
漫「ていうか、やってないからっ!」
――京太郎の性癖についてどう思いますか――
漫「人それぞれやからなぁ」
京太郎「でも、漫さんって匂いフェチっぽいですよね」
漫「」
京太郎「はっはー冗談ですよ冗談」
――………どうぞ※ハリセン付属――
漫「」ニコニコ
京太郎「や、やだな―冗談って言ったじゃないですか」
漫「歯ぁくいしばれぇぇぇぇぇ」バシィィィィィィン
京太郎「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああ」
京太郎「お疲れ様でしたっ」
漫「大丈夫か?」
京太郎「ええ、おかげさまで」
漫「なら良かったわ」
京太郎「それに、音の割に本気でたたいてないですよね?」
漫「......っ」
漫「用事あるから帰らなあかんなーじゃあなスッガ」
上重漫編 1
京太郎「ラジオで須ー賀! 65回目!」
京太郎「今週もこの時間がやってまいりました、ラジオで須ー賀!」
京太郎「では早速ゲストの方に来てもらいましょうか」
京太郎「鶴田姫子さんです」
姫子「こんばんわー」
京太郎「えっと...今回で三回目になりますね」
姫子「回数たくさんなると?」
京太郎「番組特製の京ちゃん印のハンチング帽をプレゼントです」
姫子「あー......」
京太郎「はい、微妙な反応をいただいたので早速コーナーに行きたいと思います」
――京太郎が使ってるシャンプーを当ててください――
京太郎「これ誰得なのさ...」
姫子「んー.......ハーバルエッセンス?」
京太郎「すげー! なんでわかったんですか?」
姫子「女の勘...?」
姫子(実は同じ匂いしとるなんて言えるわけなか......うちは匂いフェチなんかじゃ...///)
京太郎「ま、正解しましたんでこちら」
京太郎「これをつけるだけで貴方もリザベーションな気持ちになれる哩アイマスクですね、どうぞ」
姫子「あ、ありがと......」
京太郎「はい、でじゃ次の問題も頑張ってくださいね」
――哩のスリーサイズは?――
姫子「そ、そんなの知らんばいっ!!///」
京太郎「では不正解ですねー」
姫子「せ、正解は?///」
京太郎「内緒です」
京太郎(俺が聞きに行ったら顔を真っ赤にして答えてくれなかったんだよなぁ...)
――京太郎は巨乳好きか貧乳好きか――
姫子「んなっ!」
京太郎「姫子さんはなんだと思います?」
姫子「そりゃ......」
姫子(うちもそげな大きくなか...)
姫子「小さいほう...?」
京太郎「残念ながら違います」
姫子(やっぱり大きい人がよか......)
京太郎「偉い人は言いました『おっぱいに貴賤なし』と」
京太郎「それに女の人の価値を胸だけで判断するのはよくないですから」
京太郎「俺はおっきいおっぱいも、小さいおっぱいも両方好きです!!」
姫子(嬉しか...嬉しくなか...わからんけん)
姫子(でも...胸で好きになっちもらえなかなんてことはないってわかったけん)
姫子(ちょー安心したばい)
――京太郎の和了った最高役の形は?――
京太郎「これ、姫子さんなら簡単に答えられるんじゃないんですか?」
姫子「うぇ!?」
姫子(確か前にうちが京太郎に振り込んだんは...)
姫子「国士無双13面待ち...?」
京太郎「当たりです!」
姫子「やっぱり......」
京太郎「では、プレゼントの方ですが...」
京太郎「『京太郎との1日デート券』......え?」
姫子「///」
姫子「うちっちはいかん?///」
京太郎「いえいえ、姫子さんみたいな可愛い人なら是非行きたいくらいですっ」
姫子「やた...っ」ボソッ
――哩の弱いところは――
姫子「首筋から耳にかけてやね」
京太郎「即答ですね...」
京太郎「これも正解です」
姫子「えへへー」
姫子「というか、聞いたんか!?」
京太郎「ええ、普通に聞いたら教えてくれましたよ?」
京太郎「でも、その後なぜか首筋とか耳をよく見せてくれたんですけどなんだったんですかね?」
姫子「」
京太郎「では、これをプレゼントです」
京太郎「龍門渕開発の『好きな声を出せる蝶ネクタイ』です」
姫子「これ今試してみてもよか?」
京太郎「おもちゃ貰った子供じゃないんですから」
姫子「」
京太郎「お疲れ様でしたっ」
姫子「お疲れー」
京太郎「駅まで送りますよ」
姫子「ありがとね」
京太郎「そうだ、デートはどこがいいですか?」
姫子「もう決めてあるからよかばい」
京太郎「あはは...楽しみにしてますね?」
姫子「うんっ」
鶴田姫子編 3
京太郎「はいどうも、ラジオで須ー賀! 66回目!」
京太郎「今回もゲストと一緒に進行していこうと思います」
京太郎「では、ゲストに登場してもらおうと思います」
京太郎「どうぞっ」
ハオ「どうもこんばんわです」
京太郎「こんばんわ、ハオさん」
ハオ「京太郎もこんばんわです」
京太郎「今どんな気持ちですか?」
ハオ「ちょっと緊張してます」
京太郎「大丈夫です、2人で頑張りましょうね」
ハオ「はい...です///」
――中国ルールでも勝てないと思う相手はいますか?(グランマ除く)――
ハオ「えっと......」
京太郎「ああ...中国1位ですもんね、ハオさん」
ハオ「そうですね」
ハオ「あの時はとても嬉しかったです」
京太郎「では、今は負ける気がしないと?」
ハオ「ええ、もちろんです」
ハオ「誰にも負ける気は、負ける訳にはいかないので」
――充電! 充電!――
京太郎「」
ハオ「ああ、これですか」
京太郎「え、知ってるんですか!?」
ハオ「ああ、智葉がから何度も聞いたことがあります」
京太郎「」
ハオ「聞いてみて私もしてみたかったんです」
京太郎「えぇ......意外と乗り気なんですね...」
京太郎「役得ですけど」
ハオ「ふふっ...京太郎は素直ですね」
ハオ「では、失礼します」
京太郎(あぁ...すっげーいい匂いするしめっちゃ柔らかい)
ハオ「んっ......これは」
京太郎「どうかしました?」
ハオ「いや、何でもないですから」
ハオ(自然と顔が熱くなってしまう...)
――普段言えない愚痴ってありますか?――
ハオ「言えない愚痴?」
京太郎「ええ、もしよければ聞きますよ」
京太郎「と言ってもリスナーが聞いていて言いにくいでしょうけど」
ハオ「ん......」
ハオ「恋爱故事希望就要原谅」
京太郎「え? なんて?」
ハオ「ふふっ......内緒です」
――京太郎と結婚したらどんな事をしたい?――
ハオ「なぜ京太郎と?」
京太郎「えっと...番組のパーソナリティーだからじゃないんですかね?」
ハオ「そうですか」
ハオ「でも、考えたことないですよ」
京太郎「え、結婚生活ですよ?」
ハオ「ええ、私には麻雀しかありませんでしたから」
京太郎「なるほど...」
ハオ「恋愛ごとはあまり興味がなかったってのもあります」
京太郎「こんなに綺麗なのにもったいないですよ」
ハオ「お世辞でも嬉しいものですね」
ハオ「お疲れ様です」
京太郎「今日はありがとうございましたっ!」
ハオ「いえ、私も楽しかったです」
京太郎「そういってもらえると光栄です」
京太郎「では、また」
ハオ「さよならです、京太郎」
最終更新:2026年01月20日 21:02