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【九年前 宮永家】

幼京「おーい、咲! 照!! 学校行こうぜー!!」

幼照「京ちゃーん!!」トテトテ

幼咲「待ってー!!」トテトテ

 私と京ちゃんが出会って、一年が経った。
 京ちゃんも咲も小学校に入学して、同じクラスだ。

 私は学年が違うから・・・いつも一緒というわけにはいかないけど・・・

幼京「やっべ! 宿題やってねーよ!」

幼咲「もう、京ちゃんったら仕方ないなぁ」エヘヘ

幼京「さっすが、咲様! ありがたいぜ!」

幼照「・・・京ちゃん、ちゃんと自分でやらないとダメだよ」ムスッ

幼京「照はうっせーなぁ。角も生えてて鬼ババアだー!」

幼照「なんですってぇ!!」ギュルギュル

幼京「うぎゃああああ!!」バキバキッ

幼咲「お、お姉ちゃーん!!」アセアセ

 京ちゃんは私が年上だと分かってからも・・・何も変わらなかった。
 むしろ、気にしないでいてくれる。

幼京「いででっ、やったな! それっ!!」バサッ

幼照「きゃっ!?」クマサーン

幼京「だっせー!! 小三になってもクマさんパンツかよー!!」グヘヘ

幼照「京ちゃぁぁん!!!」ゴゴゴッ

幼京「ぱ、パンツ履いてるお前がわりーんだよ!!」ビクビク

幼照「うぅっ・・・小学生はみんな履いてるもん!!」バシッ

幼京「ぐほっ!!」ソゲブッ

 ちょっとスケベなのが玉にキズだったけど、それでも京ちゃんは優しい。
 それに、その屈託のない明るさは・・・私には眩しいくらいだった。

【宮永家】

幼咲「えへへ、お母さん!! これ見て!!」つテスト

宮永母「あら、咲。凄いじゃない、90点も取ったのね」ナデナデ

宮永父「へぇ、それじゃあ今日はお祝いだな」ニコニコ

幼咲「わーい!! やったー!!」

幼照「・・・・私も、これ」スッ

宮永母「照はいつも通り100点ね。ふふっ、そんなに頑張らなくてもいいのよ?」

宮永父「勉強ばかりじゃ、将来疲れちゃうぞ?」アハハ

幼照「うん・・・そうだね・・・」グシャッ

 あいかわず、両親の咲贔屓は変わらない。
 悪意が無いのは分かってる。それでも・・・子供の私に納得できるはずもない。

幼照「・・・・」ポイッ

 100点なんて意味が無い。
 咲の90点に負ける100点なんて・・・


【翌日 通学路】

幼咲「ふふん、見てみて京ちゃん。90点だよー!」ニコニコ

幼京「なんだよ、昨日も見せてきただろ?」ゲンナリ

幼照「・・・・・」

幼咲「だって、すっごく嬉しいんだもん!」

幼京「ふーん・・・。でも、照は100点なんだぞ」

幼照「・・・・え?」ピクッ

幼咲「むぅ・・・お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん・・・」ムスッ

幼京「だったら、もっと頑張らないとなー」

幼咲「うん・・・」

幼京「照、すげぇな。今度俺にも勉強教えろよー」ナデナデ

幼照「・・・・うん」カァッ

 京ちゃんだけは、私を見てくれる。
 京ちゃんだけが、私を正しく見てくれる・・・

 この世界で私に必要なものは京ちゃんだけ・・・・
 京ちゃんだけなんだ・・・

幼咲「・・・・・」ギュッ

【一年後】

 あれからは、特に変わったこともなく日々が過ぎていった。
 京ちゃんは以前と変わらず、私と咲を区別しないでくれた。

幼咲「ううっ、ぐすっ・・・だって・・・お姉ちゃんが・・・」ウツムキ

幼京「おい咲、照さんだって嫌なことたくさんあるんだぞ」プンプン

幼照「京ちゃん・・・」

幼京「ほら、ちゃんとあやまれって」ムスッ

幼咲「・・・お姉ちゃん、ごめんなさい・・・」ペコリ

幼照「ううん。いいよ」ニッコリ

幼京「よーし、んじゃ仲直りに握手だぜー!!」ニギニギ

幼咲「う、うん・・・・//」カァッ

幼照「うん・・・・//」カァッ

 京ちゃんがいれば大丈夫。
 私達をつなぐのは・・・両親でも、体を流れる血でもない。

 京ちゃんは・・・私たちにとって、無くてはならない存在なんだ。

幼京「おっ、あのブランコにいる奴・・・いいおモチだな」ギラリ

モモ「・・・・」キーコキーコ

幼京「今からかくれんぼな!! んじゃ、俺が隠れっから!!」スタコラサッサー

幼咲「あっ、京ちゃーん!?」

幼照「うえっ!?」ビクッ 

 無くてはならない・・・

幼咲「ふぇぇぇん!! 京ちゃんがいなくなったぁぁぁ!!」ビエーン

幼照「京ちゃぁぁぁん!!」エグエグッ

 存在なんだよなぁ・・・・。


【三年後】

 その違和感に、初めて気がついたのは・・・いつからだろうか?

中学生照「京ちゃん、おはよう」ニッコリ

小京「あっ! おっ、おはよう・・・」プイッ

中照「どうしたの?」キョトン

小京「な、なんでもない!」アタフタ

小咲「京ちゃん・・・なんだか変」ジーッ

小京「そ、そんなわけねーだろ!!」アタフタ

中照「・・・・」

小京「うぅ・・・//」チラッ

 中学生になった私と、小学生の京ちゃん。
 もう、お互いに童心のままというわけにはいかない。

中照「・・・京ちゃん?」キョトン

小京「お前の貧相な胸なんか、み、見てねーよ!!」アタフタ

小咲「・・・・・・ふーん」ジトッ

 京ちゃんが前以上に性を意識するのは当然だし、仕方のないことだ。
 それに、当の私は嬉しくて仕方なかった。

 京ちゃんが私に女を感じてくれる。私を意識してくれる・・・

中照「・・・・ふふっ」ニコニコ

 今まではずっと悔しくてたまらなかった、二年の歳月。
 それが、咲と私を隔てる圧倒的な壁だった。

小京「・・・っ、うぅ・・・」チラチラ

小咲「むむぅ・・・・」ムスッ

中照「京ちゃん、顔真っ赤だよ?」ツンツン

小京「ば、ばっかじゃねーの!? んなわけあっかよ!」アタフタ

 これは、埋められない差。咲には不可能なこと。
 私だけが京ちゃんに女として見てもらえる・・・。

 そう・・・思っていたのに。 


【二年後 照中三 京太郎中一】


中照「今・・・なんて言ったの?」

中京「いや、だから・・・もう、呼び捨てにはできないなって」ポリポリ

 入学式の翌日、京ちゃんは唐突にそう言った。

中照「どうして・・・?」ブルブル

中京「いや、照さんは先輩ですし・・・ほら、周りに変な噂が立ったら・・・」

 照さん・・・?
 どうして? 私と京ちゃんは幼馴染なのに・・・?

中京「とにかく! これからは後輩として頑張ります!」ニコッ

 後輩? なんで・・・?
 私は、京ちゃんにとって・・・なんなの?

中咲「京ちゃーん! もう、HR始まるよ~?」トテトテ

中京「おう、咲。わりーな」ハハッ

中咲「京ちゃんったら、もう中学生なんだからしっかりしないと!」プンプン

中京「へいへい・・・咲はいい嫁さんだなぁ」ナデナデ

中咲「よ、嫁さん違いますから・・//」カァッ

中照「・・・・・」

 ねぇ・・・?
 どうして咲は・・・前と変わらないの?

 私は・・・、私は・・・

【一日前 入学式当日】

上級生A「おーい、お前たち・・・終わったか?」スッ

上級生D「ああ、終わったぜ」ニヤリ

中京「・・・・・」ボロボロ

上級生Y「こいつも、馬鹿だよな。あの、宮永に擦り寄るなんてさ」ペッ

上級生A「なんだよこれ? 全然殴ってねぇじゃんか」

上級生B「ばーか、顔を殴ると宮永にバレるだろ」ゲシッ

中京「がはっ!?」

上級生A「なるほどな。だからこうやって見えない部分を痛めつけるのか・・・」ニヤリ

上級生R「いいか、クソガキ。もうこんな目に遭いたくないなら、分かってるな?」

中京「・・・・・」

上級生T「宮永はみんなのアイドルなんだ。お前みたいな奴には・・・渡せない」

上級生U「まぁ、これで十分身の程をわきまえただろ」クククッ

中京「・・・・・・」

上級生I「もしお前が約束を守らないと・・・どうしよっかな~?」ニヤニヤ

上級生O「なんか、宮永の妹が入学したらしいぜ。こっちは地味で可愛くねーけど」ゲラゲラ

中京「・・・・・っ!!」ギリッ

上級生P「お前みたいなのは、おこぼれで満足しとけよ?」ハハハッ

上級生T「じゃあな、もし約束破ったら・・・その妹がこんな目に遭うかもな」ヒヒヒ

中京「・・・・・・照・・・ごめんな・・・」ボソッ

中咲「京ちゃん・・・先に帰ったのかなぁ?」キョロキョロ

中照「うーん・・・?」アタフタ


【宮永家】

中照「・・・・」フラフラ

 京ちゃん・・・私のこと、嫌いになったの?
 なんで・・・? 私、何かしたのかな・・・?

中照「京ちゃん・・・」ボソリ

 ソレデモンクナイデショ? イヤ、シカシダナ・・・

中照「この声は・・・?」スッ


宮永母「とにかく、私はこの家を出るから」

宮永父「ああ、それはいいが・・・」

宮永母「それじゃあ、咲は私が連れて行くわ」

宮永父「ま、待て! まだ咲は中学に入ったばかりだぞ!」

宮永母「まだ咲は子供よ? 母親が必要じゃない」

宮永父「照なら、もう高校進学だ。東京で進学させればいい」

宮永母「それはそうだけど・・・」

宮永父「それとも、照を連れていくのは嫌なのか?」

宮永母「貴方の方こそどうなのよ!!」



中照「・・・・・」

 両親が、私を押し付け合ってることなんかどうでもよかった。
 むしろこれは・・・好都合と言ってもいい。
 そう、これは一つのチャンス。

中照「・・・・ふふっ」ニヤァ

 そう、これなら・・・私は京ちゃんと・・・

中照「一緒にいられるね・・・京ちゃん」ニッコリ


 運命の【あの日】まで・・・あと、一週間。



【長野県大会二日目 会場】

京太郎「・・・・」スッ

 ついに・・・今日が決戦の日だ。

京太郎「咲・・・そして照さん」スッ

 俺は、貴方達を見捨てたわけじゃありません。
 いつか絶対、二人の心を取り戻してみせます。

京太郎「だけど今は・・・引き下がるわけにはいかないんです」ザッ

 優希、染谷先輩・・・あとおまけに池田先輩。
 モモ、加治木先輩、衣・・・そして師匠。

京太郎「俺・・・戦います。必ず、戦います」ユウナー

 皆の分も・・・俺が必ず・・・!!

???「ちょっと待つんだじぇ!!」バーン

京太郎「えっ・・・?」

??「あの程度で、わしらがリタイアするとでも?」ニヤリ

京太郎「あ、あぁ・・・!!」

?「ええ、その通りよ」ニッコリ

京太郎「みんな!!」ニカッ

優希「へへっ、待たせたじょ!」ニッ

まこ「心配かけたようじゃな」ニカッ

京太郎「よく・・・無事でいてくれました」グスッ

久「あの程度で折れるような面子じゃないわよ」クスクス

??「その通りっすよ!!」バーン

京太郎「この声は・・・!?」バッ

ゆみ「やぁ、須賀君」ニコッ

モモ「呼ばれて飛び出てジャジャジャーンっす!!」ニッ

京太郎「二人共・・・!!」

衣「二人だけじゃないぞ、きょうたろー」ニヤッ

華菜「これくらいでへこたれる華菜ちゃんじゃないし!!」ニャーン

京太郎「衣!!・・・・あと、おまけに池田さん」ボソッ

衣「あれぐらい、きょうたろーに比べればなんともないぞ!!」フフ

華菜「なんだか納得いかないし!! ちょーむかつくし!!」ウニャー

京太郎「みんなが無事でよかった・・・・」グスッ

久「だから言ったでしょ、貴方のやることは一つだって」ニッコリ

京太郎「でも・・・まだ師匠が・・・」ウツムキ

衣「ああ、あの化物のことか。それなら心配無い」ニヤリ

京太郎「えっ・・・?」

まこ「みんなを代表して、決着を付けに行ったようじゃな」フフッ

優希「お局様はお冠だじぇー!!」ニヒヒ

京太郎「そいつはまた・・・くくっ、派手になりそうだ」ププッ

久「骨くらいは残してくれてるといいけど・・・」クスクス

華菜「一日であの怪我を治すなんて・・・化物だし」ウプププ

京太郎「あいつら、どうなっても知らねーぞ」ニヤリ

 師匠。俺の代わりに・・・ありがとうございます!
 そのお礼に・・・必ず勝ってみせます!!


【????】

健夜「ううん、いいんだよ。これは、私の意思でやることだから」ニコニコ

照「な、なんでお前が・・・!?」

咲「そんな・・・あれだけの怪我を負って・・・」

和「・・・・・」ブツブツブツ

健夜「あのねぇ、咲ちゃん。正妻は貴女かもしれないけど・・・・」

咲「ひっ!?」ビクッ

照「!?」ゾクゾクッ

健夜「リーダーは・・・私だよ?」ゴゴゴゴッ

和「」チーン



【長野県大会 男子個人の部 最終卓】

ルル「来たか・・・須賀京太郎」

士郎「よぉ、待ってたぜ」ニヤリ

京太郎「ああ。来たぜ・・・!」フフッ

ルル「・・・まだ、最後のひとりは来ないようだな」

士郎「あぁ、なんだか前の卓が長引いてるらしいぜ」スギヤマヴォイス

ルル「・・・・いい声だ」ボソリ

士郎「えっ?」

ルル「いや、君の声が悪友に似ていてな・・・」ククッ

士郎「そうなのか? なんだか少し照れるぜ」ムズムズ

京太郎「とにかく、あと一人を待たないとな・・・」

ルル「・・・それなら、俺が面白い話をしよう」フッ

京太郎「面白い話・・・?」

ルル「お前たちは・・・コードギアスというアニメを知っているか?」

士郎「知っているもなにも・・・あの国民的アニメだろ?」

京太郎「ああ。事実を元に作られたアニメだよな?」ウン

ルル「・・・その事実とは何か? それは分かるか?」

京太郎「確か・・・ブリタニアの悪名高い皇帝ルルーシュの真実だとか」ウーン

士郎「俺はアニメをよく見ないんだ。桜とかなら知ってるかな・・・」ワカラン

ルル「なら、その真実を話そう」ニヤリ

京太郎「真実・・・? お前の名前がルルーシュなのと、関係あんのか?」

ルル「黙って聞いてくれ。退屈はさせないさ」フッ

士郎「まぁ、別にいいけど」

ルル「さっき言った通り、コードギアスは本当にあった話だ」

京太郎「ノンフィクションって奴だな」

ルル「とは言っても、今から100年以上前の話だがな」

士郎「100年以上前? コードギアスってロボアニメじゃなかったか?」アヤフヤ

京太郎「ああ、確かにナイトメアってロボットが出てくるけど・・・」

ルル「あれは現代風にアレンジされただけだ。あんなもの、実在するわけないだろう」ヤレヤレ

京太郎「そりゃそうだ」キッパリ

ルル「(似たようなモノはあったがな・・・)」

ルル「その中で主人公のルルーシュは、最後・・・自ら死を選ぶ」

京太郎「ああ、世界から争いを無くす為だろ?」

士郎「(ルルーシュって、こいつの名前じゃないのか?)」ウーン

ルル「ああ。そして、その死後・・・真実を知る者がコードギアスを作った」

京太郎「原案の、ジェレミア・オレンジさんのことか?」

 確か、130歳くらいの高齢脚本家だったよーな・・・

ルル「ああ。だが、あの脚本には一つだけ重要なミスがある」

士郎「ミス?」

ルル「ルルーシュがもし・・・生きていたとしたら?」ニヤリ

京太郎「えっ・・・?」

ルル「不老不死のコード・・・それを継承し、今も生きているとしたらどうする?」

士郎「お、おいおい・・・それがまさか、お前だって言うのかよ?」ビクッ

ルル「さぁ、それはどうだろうな・・・」ククッ

京太郎「でも、なんでお前がそんなことを知ってるんだ?」キョトン

ルル「それはどうでもいい、それよりも・・・」チラッ

京太郎「ん?」

ルル「ルルーシュに子供がいたとしたら・・・、面白いと思わないか?」

ルル「その子供が、さらに子供を産み、それからさらに子供が産まれ・・・今も生きている」

京太郎「そ、それはまた・・・・驚きだな(童帝的な意味で)」

ルル「不老不死の両親は、子供を信頼出来る者に預けて別れた」

士郎「悲しい話だな・・・」ヨクシランケド

ルル「遠くから子供成長を見守り、さらにその子供を見守り・・・」

京太郎「・・・・」

ルル「それで幸せだったんだ。たとえ、名乗りでれなくてもな」トオイメ

士郎「だった・・・?」

ルル「ああ、どういう経緯かは知らないが・・・孫の子供に・・・ギアスが宿った」

士郎「ギアス?」

京太郎「超能力みたいなもんだよ」

ルル「最初は驚いたさ。ギアスが遺伝するなんて、聞いたこともない」

京太郎「ギアスが・・・遺伝」ボソリ

ルル「その子供に・・・自分と同じ道を進ませたくはない。王の力は・・・人を孤独にする」ボソッ

士郎「ルルーシュ、まさかお前・・・!!」

ルル「その為に俺は・・・うぐっ」ズキン

京太郎「お、おい!? 大丈夫か!?」バッ

ルル「大丈夫だ・・・(やはり、あんな作戦は無謀だったか・・・?)」ズキズキ

ルル「ただの憶測話だ・・・本気にしなくていい」

京太郎「で、でもよ・・・」

ルル「とにかく、俺の話はこれまでだ」スッ

士郎「おい、いいところで切るなよ」

ルル「残念だが、面子は揃ったようだぞ」

京太郎「!?」

氷太郎「やぁ、お待たせ!!」ニコニコ

士郎「須田!? お前も来てたのか!?」ビックリ

京太郎「本当だよ!! お前がここまで来てるなんてビックリだぜ」

氷太郎「いやぁ、俺も須賀と同じ趣味を持ちたかったというか、なんというか・・・」ゴニョゴニョ

ルル「御託はいい。早く始めるぞ」

京太郎「・・・俺が勝ったら、本当の話を聞かせろよ?」

ルル「・・・ああ、勝てたらな」ニッ

士郎「おいおい、人を差し置いて勝利宣言はやめろよな」ニヤリ

氷太郎「・・・・(え、なにこれ?どういう状況なの?)」キョトン

京太郎「それじゃあ・・・始めるか」スッ


【解説室】

稔「皆さんご覧下さい!! これが、これが男子の最終卓です!!」

靖子「随分と見ごたえのある対局ばかりだったな」

咏「本当に高校生かっての」フリフリ

はやり「盛り上がりましたねー♪」

良子「なんで私が・・・」ズーン

咏「アラサーの代わりじゃね? しらんけど」ニヤニヤ

良子「まぁ、別に嫌なわけじゃないですけどね・・・」

稔「それではまもなく、試合が始まります!!」

靖子「さぁ、須賀君。その真価を見せてくれ・・・」ニヤリ

【長野県大会 男子個人の部 決勝卓】

ルル「まずは親決めか・・・」

京太郎「さて、どうなっかな」ウーム

氷太郎「・・・・・」ジーッ

士郎「(須田ってなんかホモ臭いんだよな・・・)」ゾクッ

氷太郎「(うまそうな卓じゃねぇか・・・・)」ジュルリ

ルル「では、サイを振るぞ」

京太郎「(必ず・・・勝つ!! )」ゴッ


【東一局 京太郎の親】

京太郎「お、俺の親か・・・」ニヤリ

氷太郎「くそっ・・・おしかったな」

ルル「・・・・」

士郎「俺はラスか・・・なんでさ!!」

京太郎「それじゃ、さっそ・・・!?」ゾクッ

ルル「悪いが・・・これはオレにも止められない・・・」キィィィィン

士郎「この感じ・・・!?」ゾワッ

京太郎「まさか・・・お前も!?」

ルル「さぁ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる・・・」

ルル「このオレに、勝ちを譲れ!!」キュィィィィン

京太郎「!?」ゾクッ

士郎「ぐぁっ・・・・」グワングワン

氷太郎「あぁあぁぁん♪」ゾクゾクッ

京太郎「これはマズイ・・・でも、防げな・・・」

「京ちゃん・・・・」フワッ

ルル「・・・・!?」

京太郎「ああ、俺にはお前がいたな・・・」フフッ

 例え離れていても・・・心は繋がってる。
 そんなことも忘れるなんて・・・俺もまだまだだぜ。


【全て遠き理想郷】 発動!!!


京太郎「うぉぉぉぉお!!!」ガキーン!!

ルル「なっ・・・!! 馬鹿な!?」

京太郎「ハァッハァッ・・・・ど、どうだ?」ニヤリ

ルル「・・・なるほど、流石に一筋縄ではいかないか」

京太郎「一騎打ちか・・・」

ルル「まだだ、ここから和了へ導くパターンは36通りある」スッ

京太郎「デジタル打ちなんてな!! 俺の女が既に通った道なんだぜ!!」ゴッ

ルル「ほう・・・」ニヤリ

京太郎「とは言っても・・・俺はできねーんだけど・・」ポリポリ


士郎「くそっ・・・身体が!?」

氷太郎「ルルーシュ様ぁ・・・須賀ぁぁ・・・ハァハァ」ビクビク

士郎「(コイツと一緒にノーテンは嫌だな・・・ )」ドンビキ

京太郎「さぁ、勝負だ!!」ゴッ

京太郎「よし、この感じなら・・・・」ニヤリ

ルル「ツモだ」

京太郎「うわっ、まじかよ!」ウギャー

氷太郎「・・・あふん」ゾクゾク

士郎「1300か。安くて助かった・・・」ホッ

京太郎「・・・・次はそうはいかねぇぞ!!」ギリッ

ルル「(我ながら情けない手だな・・・ )」フッ

氷太郎 25000→24200
ルル  25000→26500
京太郎 25000→24600
士郎  25000→24600



【東二局 ルルの親】

ルル「さて、オレの親だな」スッ

士郎「くそっ!! 身体さえ動けば・・・」グググッ

ルル「(ギアスを受けてここまで抵抗するとはな・・・)」オドロキ

氷太郎「・・・・あぁ~^」ニコニコ

ルル「(コイツは気持ち悪い)」キッパリ

京太郎「おい、よそ見してんじゃねぇよ」スッ

ルル「ん・・・?」

京太郎「お前の相手は俺だぜ・・・?」ゴゴゴゴッ

ルル「ふん、いいだろう・・・」グッ

ルル「お前にオレを倒せるかな」ニヤリ

京太郎「さぁ、ここからが勝負だ!!」

ルル「くっ・・・・」グヌヌ

京太郎「どうだ・・・!?」ニヤリ

ルル「流石だな・・・だが、果たして無事に和了れるかな?」

士郎「そうだぜ、安心するのはまだ早いな」スッ

氷太郎「・・・なんか夜中腹へんないすか?」

京太郎「てめぇら・・・後で吠え面かくなよ!!ゴッ

氷太郎「なんかこの辺にぃ、ウマイラーメン屋の屋台、来てるらしいんすよ」

ルル「・・・・・」

氷太郎「じゃけん、夜行きましょうね~」ニヤニヤ

士郎「うぜぇ・・・・」イライラ

京太郎「(残り点を考えても・・・これが決まれば!!)」ニヤリ

ルル「(中々に大きい手のようだな・・・)」スッ

士郎「これに当たるわけにはいかない・・・」

京太郎「無駄だぜ衛宮。お前の振込は決定済みだっての」

士郎「・・・それなら、俺も奥の手を使うだけだ!」グッ

京太郎「!?」

士郎「(悪いな遠坂・・・使うぜ )」スッ

京太郎「これは・・・アイツのアレと同じ!?」ゾクッ

士郎 「―――With stood pain to create weapons. waiting for one's arrival」

 ゴゴゴゴッ

京太郎「なんて、オーラだ・・・!!」

士郎「――I have no regrets.This is the only path」スッ

 これが・・・正真正銘の魔術、固有結界!!

京太郎「ははっ・・・この化物め」ギリッ

士郎 「―――My whole life was “unlimited blade works”」カッ

ルル「!?」

氷太郎「ファッ!?」デデドン

士郎「待たせたな・・・・」スッ


京太郎「確かに固有結界はちと厄介だけどな・・・」スッ

ルル「・・・?」

京太郎「それでも、コイツを受けたらどうだ!!」ゴッ

士郎「――――I am the bone of my sword」スッ

京太郎「くらえ!!」ゴッ

ルル「(さて・・・どうなるか?)」ゴクリ

氷太郎「・・・・」ドキドキ

京太郎「くらえぇええええ!!」カッ

士郎「ロー・アイアス!!」カッ

京太郎「鉄壁の守りだな・・・」

ルル「(俺の絶対守護領域と似ている・・・)」

京太郎「だけどな!! 俺にだって・・・」スッ

士郎「(アイアスの守りを突破できるのはただ一つ・・・)」

京太郎「・・・」

士郎「(まさか、須賀は持っているのか!?)」

京太郎「――――投影、重装」スッ

ルル「・・・?」

京太郎「――――I am the bone of my sword.」ゴゴゴゴゴッ

士郎「やっぱり、これは・・・!?」

京太郎「―――“偽・螺旋剣”」カッ

士郎「うぉぉぉぉおお!!!」

京太郎「はぁあああああああ!!!」

士郎「ぐっ・・・・・!?」

京太郎「まだまだ!!」グッ

士郎「頼む・・・こらえてくれ!!」ギリッ

士郎「あっという間に残り一枚に・・・・!!」

京太郎「無駄だぜ!! こいつの恐ろしさは、お前が一番知ってるだろ!!」ゴッ

士郎「うぐっ・・・・!!

京太郎「いっけぇええええええ!!!」

士郎「ぐあぁああああああああ!!!」ドーン

京太郎「やったか・・・!?」グッ

ルル「いや、あれは・・・・」

氷太郎「まさか・・・!?」

士郎「ま、まだまだだな・・・須賀」ボロボロ

京太郎「アレを喰らって・・・まだ立てるなんて・・・」ゾクッ

士郎「しつこいのが、性分なんだよ・・・」ニヤリ

氷太郎 24200
ルル  26500
京太郎 24600→48600
士郎  24600→600


【東三局 京太郎の親】

京太郎「俺の親だな」スッ

士郎「・・・・」フラフラ

ルル「(恐るべき強さだ。・・・須賀京太郎)」

氷太郎「(ここは抑えておくべきか? だが・・・ )」スッ

京太郎「それじゃあ、行くぜ」

士郎「ああ・・・来い」グッ

京太郎「衛宮・・・終わりにしよう」ギュッ

京太郎「よし、いい感じだな・・・」スッ

士郎「(くっ・・・ギアスにさえかかってなければ・・・)」ギリッ

ルル「(これは非常にまずい状況だな)」スッ

京太郎「さぁ、覚悟はいいか?」スッ

氷太郎「須賀の真面目な表情・・・セクシー! エロい!」ドキドキ

ルル「お前は黙っていろ」

氷太郎「イエス! ユアマジェスティ!!」キリッ

京太郎「・・・これで最後だな」


【解説室】

靖子「決着が着きそうだ」フーン

咏「つーか早くね? しらんけど」フリフリ

はやり「ルルーシュ選手は、自分で自分の首を絞めましたねー」

靖子「ああ。あの力を使わなければ、まだ勝機はあった」

稔「力・・・?」キョトン

咏「わっかんねー、なんであんな能力の使い方してんの?」アキレ

靖子「どうやらコントロールできないようだな」キリッ

はやり「詳しいんですね・・・」カンシン

靖子「いや、そんな気がしただけですよ(ギアスを見てるからとは言えない・・・)」ドキドキ

はやり「・・・・?」

京太郎「・・・・」スッ

ルル「むっ・・・」

京太郎「・・・・・・・」スッ

ルル「(なぜだ? なぜ能力を使わない?)」

氷太郎「たまげたなぁ・・・」ドンビキ

士郎「・・・・」ピタッ

京太郎「どうした衛宮、お前の番だぜ?」ニコニコ

士郎「同情のつもりなのか・・・?」フラフラ

京太郎「・・・バーロー。そんなんじゃねぇよ」フッ

士郎「じゃあ、なんで・・・?」

京太郎「・・・ちょっと、懐かしくなってさ」スッ

ルル「懐かしい・・・?」

京太郎「ああ、高校生になって最初に対局したのは・・・部室だった」フフッ

士郎「・・・・・」

京太郎「あの時はまだ弱くて・・・ボロ負けだったな」ハハ



咲「カン!!」

京太郎「發でカンか。別にカンなんてしなくても・・・」

咲「・・・もいっこカン」ハクヲカーン

久「えっ!?白?」ビクッ

咲「そして、もいっこカン!」

まこ「今度は・・・中じゃと!?」ゾゾッ

京太郎「ま、まさか咲・・・?」

咲「ごめんね、京ちゃん」

 その時、俺はただぼんやりと咲の動きを眺めていた。
 山から牌を積もるだけのその動作がどこか神々しくて、
 ただ、美しくて・・・
 本当は恐怖とか、もっと違う感情があったのかもしれない。

 だけど、俺はなにもできなかった。
 俺はその美しさにただ、呆然としているしかなかったんだ。

京太郎「綺麗だ・・・」

咲「リンシャンツモ、大三元・字一色・四槓子」ゴッ

久「な、ななっ・・・」ワナワナ

まこ「こ、こんなことがありえるのか!?」ビクビク

咲「48000オールです」




士郎「そんなことが・・・・」

京太郎「そして、その次の日・・・新しい仲間が増えて。みんなで対局したんだ」

氷太郎「・・・」

京太郎「初めての勝利は、なんだか今思い出しても恥ずかしいぜ」フフッ


和「対局中に私語はよくないですよ・・・」ツモロウトテヲノバス

京太郎「なぁ、和。麻雀の弱い人間が、強い人間に勝つにはどうすればいい?」ニヤリ

和「!?」ビクッ

咲「京ちゃん?何言ってるの?」

和「さぁ。麻雀は運の要素が大きいですから、状況によるのではないでしょうか?」

京太郎「そうか、そう思うならその山から積もればいいさ」

和「・・・」テヲトメル

京太郎「どうした? 打たないのか?」

和「あ、あぁ・・・」ガクガク

京太郎「それとも気づいたか・・・?」

京太郎「打っていいのは、打たれる覚悟のある奴だけだと!!」キュピーン

優希「な、なんか体が寒く・・・」ゾクゾク

京太郎「須賀京太郎が命じる・・・」

京太郎「さぁ、自らの運命を受け入れろ!!」シュイーン!!

和「!!」キュイィィィィイン


和「ええ、分かりました」ツモギリ  

京太郎「ロン」ゴッ

久「す、凄い・・・」ブルブル

京太郎「タンヤオトイトイ・三色同刻・ドラ3・・・倍満だな」バーン 

咲「京ちゃん・・・すごい!!」

京太郎「・・・あれ? 俺・・・今どうやって和了ったんだ?」ポカーン


京太郎「思えばあの時から、俺には不思議な力が宿ったんだ」

ルル「・・・・」

京太郎「そういえば、俺・・・学校でゼロダンスも踊ったっけ」アハハ

ルル「」

京太郎「清澄の生徒諸君・・・私は・・・帰ってきた!!」

和「ゼロっ!ゼロっ!!!」ワー

モブA「ゼロっ!ゼロっ!!」ワー

京太郎「見ろ!!これが世界を壊すダンスだ!!!」ニッポンポーン

和「あああっ、ゼロ!!ゼロォォッォ!!!」ビクビク

咲「な、なんかわかんないけど、凄い!!」ゴクリ

ジョージ先生「まさに、カオスの権化!!」ドキドキ

京太郎「世界を壊し、世界を創る!!!」腰をフリフリ クイックイッ

和「ゼロっ! ゼロぉぉぉ!!」ワー  優希「な、なんなんだじぇ!?」ノドカヲサガシニキター

久「な、なんなのこの騒ぎ!?」ビックリ まこ「校舎まで響いとるぞ!」ビックリ

モブ「ゼロっ!ゼロっ!!」ワー

咲「凄い、これがゼロ!!」

和父「やはり、ゼロは素晴らしき逸材!!」カメラマワシナガラ

京太郎「これで、チェックメイトだ!!!」デーン

咲「」ジョバジョバ
和「」ジョボジョボ
久「」ドバドバ
まこ「」ビショビショ
優希「」ビチョビチョ

ジョージ&和父「」ボッキーン

教職員「」ガクガク

全校生徒「らめぇ、もうらめぇ・・・」ビクビク

京太郎「本当にみんな馬鹿だよな」クスクス

ルル「・・・・・」

士郎「楽しそうだな・・・」

京太郎「ああ。でも楽しい思い出ばかりじゃないさ。中には辛い対局もあった・・・」

京太郎「(弱い俺が、力を求めて何が悪いんだよ・・・)」ギリッ

和「・・・」スッ

久「うーん、来ないわねぇ」スッ

まこ「(須賀の奴、何を悩んでおるんじゃ・・・)」スッ

久「あ、それよ!まこ、ロン!」バンッ

まこ「なっ!?」ヌカッタ

久「えーっと、リーチ、約牌、三暗刻、ドラ2に裏が二枚乗って・・・倍満で飛びね、まこ」ニコッ

まこ「んな・・・」ブルブル

和「ふぅ、なんとか逃げ切りました・・・」アセアセ

久「あー、原村さんから直撃取りたかったわよー」ザンネン

まこ「わ、わしは・・・人気も無くて、麻雀も弱ければ・・・」ガクガクプルプル

 ヤイノヤイノ イヤータノシカッタ
 ホントデスネー ユウキチャンモウチタイジェー

京太郎「オーラス・・・最後の大逆転・・・か」ハハッ

京太郎「そんなの・・・全部夢じゃねぇか・・・」ギリッ

咲「・・・京ちゃん」ギュッ

ルル「・・・」

京太郎「その時の俺は、自分の目的のことばかり考えて・・・周りが見えていなかった」

士郎「お前の気持ち・・・なんとなくわかる気がする」

京太郎「今思えば・・・なんであんなに焦ってたんだろうな」

咲「京ちゃんっ!!」バシャバシャ

京太郎「咲・・・?」

咲「はぁっ、はぁっ・・・探したんだよ?」ゲホッゲホッ

京太郎「な、何やってんだよ、お前・・・ずぶ濡れじゃねーか」

咲「きょ、京ちゃんだってずぶ濡れじゃん・・・」

京太郎「・・・そうだな、俺は・・・ずぶ濡れだよ」

咲「そんなに・・・強くなりたいの?」ボソッ

京太郎「・・・あ?」

咲「いいじゃん、強くならなくたって・・・」ギュッ

京太郎「今・・・なんつった?」ブルブル

咲「いいじゃん!! 強くならなくたって!!」

京太郎「咲、てめぇ・・・!!!」バッ

咲「ひうっ!」ミヲカガメル

京太郎「あっ・・・・」チラッ

京太郎「これが・・・俺?」ガクガク


京太郎「咲がいなければ、俺は今頃・・・」

京太郎「そういや、その後に龍門渕のみんなと対局したんだな」ウンウン



京太郎「うーん、中々こねぇなぁ・・・」ポリポリ

透華「ハコは嫌ですわ、ハコは嫌ですわ・・・」ブツブツ

智紀「手が進まない・・・」ションボリ

一「大丈夫だよ透華!! ここから逆転できるって!!」ウンウン

透華「そ、そうですわ。ここから一位になってこそ、龍門渕透華ですわー!!」オーッホッホッホ

衣「あっ、ツモ。1300・2600だ」キッパリ

透華「」ピシッ

京太郎「あー、終わりかー。でも、一位だぜ!!」ニッコリ

衣「衣が二位とはな。・・・透華。飛ばなければまだ続けたかったのに」チラッ

透華「」チーン

智紀「透華、息してない」アワワ

一・純「とうかああああああ!!」ダダッ

京太郎「ま、まじかよ!?」ビックリ

衣「やれやれ、徹頭徹尾。最後まで締まらないな、トーカは」アハハ

透華「ブクブクブク・・・」ビクンビクン

最終結果

1 京太郎 70600
2 衣   28200
3 智紀  2100 
4 透華  -900


京太郎「あの時から、透華さんはネタキャラなんだよなぁ」アハハ

 ドウイウイミデスノー!?  トウカウルサイヨー

京太郎「それから・・・」

ルル「おい、いつまで自分語りを続ける気だ?」

京太郎「おっと、わりぃな。つい、長く話しちまった」テヘペロ

士郎「それで、須賀。お前は何が言いたかったんだ?」

京太郎「俺の言いたかったこと。それはな・・・」

ルル「それは・・・?」

京太郎「俺は!! 死ぬほど麻雀が大好きだってことだよ!!!!」カッ

士郎「須賀の体が・・・光ってる・・・」ゾワッ

ルル「これは・・・!?」

氷太郎「・・・これは間違いありませんね」

ルル「知っているのか?」

氷太郎「ああ。まさか・・・須賀が扉を開くとはな」フッ

士郎「それはなんなんだ?」

氷太郎「つまり、言えるのは一つだけさ」


京太郎「・・・・・」ゴゴゴゴッ


氷太郎「オレ達の負けってことさ」フッ

ルル「なんて・・・奴だ・・・」

京太郎「・・・」ゴゴゴゴッ

ルル「まさか・・・このオレが振り込むとはな」スッ

京太郎「ロン」ゴッ

ルル「ふっ・・・どうせ、オレの守護領域も通用しないんだろう?」アキラメ

士郎「・・・・かなわないな、全く」ポリポリ

氷太郎「美しい・・・ハッ!?」

京太郎「・・・・」

氷太郎 24200
ルル  26500→2500 ダウン
京太郎 48600→72600
士郎  600 ダウン




【東三局 一本場 京太郎の親】

ルル「(これはかなりマズイ状況だな・・・)」

士郎「(だけど、身体の感覚は戻ってきた)」

氷太郎「(後1ターンで縛りは解ける・・・なら)」スッ

京太郎「なんだか、しゃべりすぎて喉が渇いたな・・・」

氷太郎「・・・・・!!」


 【サッー】発動!!


京太郎「ん・・・?」

野獣と化したSD「ごめん、アイスティーしか無かったけど・・・いいかな?」

京太郎「おう、わりぃな・・・」ゴクゴク

SD「・・・・・」


(マジでアカン)


京太郎「あれ・・・なんだか眠く・・・」ウトウト

氷太郎「・・・」ニヤリ

ルル「なんだか知らないが・・・チャンスのようだな」スッ

士郎「おいおい、これはちょっと露骨すぎないか・・・?」ドンビキ

氷太郎「あのさぁ・・・」

ルル「なんだっていい。このチャンスを活かさない手は無い」スッ

京太郎「・・・・」Zzzzz

ルル「ここで態勢を立て直す!!」ゴッ

ルル「条件は全てクリアされた・・・!!」カッ

士郎「(マズイ・・・ツモ和了じゃ俺が飛ぶ。かといって流すわけにも・・・)」

京太郎「・・・・う、うーん」ムニャムニャ

氷太郎「須賀・・・可愛い・・・寝てる須賀も可愛い・・・」シコシコ

士郎「」

ルル「」


【お茶の間】

氷母「」

氷妹「」

氷姉「」

氷従姉「」

氷従妹「」

氷幼馴染「」

氷委員長「」

氷先輩「」

氷後輩「」

氷家庭教師「」

氷ストーカー「」

氷許嫁「」

氷婚約者「」

氷奴隷「」

氷女騎士「」

氷メイド「」

氷ナース「」

氷アイドル「」

氷巫女「」

氷魔女「」

氷妖精「」

ルル「慌てるな・・・こんなイレギュラーくらいで・・・」ブツブツ

氷太郎「うっ、ふぅ・・・」ドピュッ

ルル「ほわぁっ!?」

氷太郎「さぁ、続けようか」キリッ

士郎「もう帰りたい・・・」ウツムキ

京太郎「うーん・・・ムニャムニャ」

ルル「この変態が!! くそっ!! 予定と少し違うがこのまま和了る!!」ゴッ

京太郎「うーん・・・そうは・・・いかんざき」ムニャムニャ

ワールド「・・・・」ドドドドドドドドドドドドッ

ルル「!?」ビクッ

京太郎「・・・・」ドドドドドッ

ワールド「・・・・・」スッ

士郎「なんだこのオッサン!?(驚愕)」

ルル「なんだ・・・これは・・・!?」ドキッ

ワールド「・・・・」スッ

氷太郎「どうやら、寝ている須賀の代わりに潜在意識が戦っているんだろう」

士郎「なるほどな・・・通りで寝てる須賀が普通に麻雀を打てるわけだ」ビックリ

ルル「須賀京太郎の腕を、こいつが動かしているのか!?」マサカ

ワールド「自分、不器用っすから」ニッコリ

士郎「」

ルル「だが、ここはオレの勝――」

京太郎「・・・・!!」カッ

ワールド「・・・」ドーン

ルル「・・・」ピタッ

士郎「・・・・」ピタッ

氷太郎「・・・」ピタッ

ルル「・・・・」

ワールド「えっと、このままだと、次で和了だから山を切り替えて・・・」アセアセ

士郎「・・・・」

ワールド「この子もそろそろ聴牌だから有効牌を山の最後に隠して・・・」アタフタ

氷太郎「・・・・」

ワールド「・・・・・・」

氷太郎「・・・・・」

ワールド「URYYYYYYYYYYY!!!!」ドカバキドカバキ

氷太郎「・・・・」

 そして、時は動きだす・・・・・

氷太郎「うぼろっぴあぁぁぁぁああ!!!!」ズザアアアアアアアア!!!! ドゴーン!!

氷太郎「うげぇぁ・・・・・」ピクピク

士郎「なっ!? 何が起こったんだ!?」ドキッ

ルル「馬鹿な・・・オレの計算ではここで和了の筈!?」

京太郎「はっ!? 俺は今まで何を・・・!?」

ワールド「後はオナシャス!」スーッ

京太郎「へっ・・・?」

ルル「・・・くっ、聴牌だ」ギリッ

士郎「・・・ノーテンだ」

氷太郎「」チーン

京太郎「・・・・・・・え?」

(試合終了ー!!)

氷太郎 24200→23200
ルル  2500→5500
京太郎 72600→71600
士郎  600→-400


氷太郎「」チーン

ルル「俺たちの負けだな・・・」

京太郎「いや、俺にも何がなんだか・・・」

士郎「楽しかったぜ、須賀。やっぱ俺には麻雀向いてないかもな」ハハハ

京太郎「衛宮・・・」

士郎「というよりお前、麻雀より正義の味方目指さないか?」キラキラ

京太郎「えっ、何それは・・・・?(ドン引き)」

士郎「お前となら、俺も正義の味方になれると思うんだよ!!」

京太郎「いや、遠慮するよ・・・」ウワァ

士郎「なんでさ!?」

ルル「・・・・・」スタスタ

京太郎「あ、アイツ!! 待て!!」

記者A「いやぁ、凄い試合だったね須賀君!!」ガシッ

記者H「県大会一位おめでとう!!」ダキッ

京太郎「あの、ちょっと・・・!!」

記者R「ねぇ、どのプロとできてるのかしら?」ニヤニヤ

記者Y「これもうわかんねぇな・・・」

京太郎「お、おーい!! 待てよルルーシュ!!」


【長野県大会会場 本部】

偉い人「これで、よろしかったでしょうか」

ルル「ああ、もうこのことは忘れろ。ルルーシュという人間は大会に参加していない」

偉い人「かしこまりました・・・」スタスタスタ

 ガチャ・・・バタン

ルル「ふぅ・・・・これで、もう大丈夫だな」ドサッ

C.C.「久しぶりのギアスだというのに、随分と手際がいいな」フフフ

ルル「そうでもない。やはりブランクのせいか、以前よりもかなり疲れる・・・」フラッ

C.C.「もうバテたのか?」スッ

ルル「黙れ魔女。これでも・・・マシになった方だろう?」

C.C.「まぁな。以前のお前なら予選で倒れていたさ」クスクス

ルル「・・・なぁ、C.C.」

C.C.「ダメだ」キッパリ

ルル「・・・まだ何も言ってないだろう?」

C.C.「これは二日だけの約束だ」スッ

ルル「まさか、本当に可能だとはな・・・」

 C.C.の胸に刻まれたコード。
 それは、額と合わせて二つ・・・オレとC.C.の物だ。

ルル「そのお陰で・・・オレは二日とはいえ人間に戻れた」フッ

C.C.「全く、最初にコードを移すなんて言った時は驚いたぞ」


ルル「・・・このまま、オレを楽にさせてくれないか?」

 永遠とも言える長い時間を・・・オレは生きてしまった。
 ナナリーも・・・スザクも、誰もいなくなった。 

ルル「オレも、みんなの場所に行かせてくれ・・・」

C.C.「ダメだと言っただろう。お前は・・・私にとって必要な存在だ」ギュッ

 C.C.の柔らかな髪がそっと顔に触れ・・・次第に唇が重なる。

 キィィィィィィィン

 これで、コードがオレの中に戻ってきた。
 不老不死の・・・忌まわしき呪いが。

C.C.「愛しているぞ、ルルーシュ」

ルル「おい・・・・・初めて聞いたぞ、そんな台詞」フッ

C.C.「そうか? そんなことは気にしたことがないからな」ククッ

ルル「C.C.・・・お前は京太郎をどう思う?」

C.C.「さぁな。孫までならまだしも・・・子孫なんて気にならないさ」

ルル「・・・・オレは、アイツがうらやましかった」

C.C.「羨ましい?」

ルル「王の力を持ちながら・・・アイツは孤独に打ち勝った」

C.C.「・・・・」

ルル「俺とは違う、正しい力の使い方を知っていたんだ」ボソリ

C.C.「それで・・・戦ったのか?」

ルル「ああ、アイツは間違っていると・・・証明したかったのかもしれん」

 長年の孤独を・・・消したかった。
 自分という存在を、誤魔化したかった。

 ただ、それだけだったんだろう・・・

ルル「答えなんて、自分で手に入れるしかないのにな」ククク

C.C.「・・・・・・答えは見つかったのか?」

ルル「ああ、見つかったよ」ギュッ

 オレは・・・知らず知らずのうちに逃げていたのかもしれない。
 答えを知っていながら、認めようとしなかっただけだ。

C.C.「お、おい!! 急にどうした!?」アタフタ

ルル「・・・ここにはしばらく人が来ない。なら、分かるだろう?」ガシッ

C.C.「ちょ、ちょっと待て!! 最後にしたのは、五十年前で・・・今日はその・・・//」カァッ

ルル「俺は今、したいんだ」ダキッ

C.C.「でも、歯も磨いてないし・・・下着だって今日は・・・せめてシャワーだけでも」アタフタ

ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる・・・・」スッ

C.C.「ぁ・・・//」マッカッカ

ルル「これからもオレと一緒にいろ。死ぬまでだ」

C.C.「う、うん・・・・//」ドキドキ

 オレは孤独じゃない。
 この愛しい共犯者がいる限りはな・・・ 

C.C.「待て、上は私だ」

ルル「た、たまにはいいだろう!?」

C.C.「これだけは譲れんな」キッパリ

ルル「・・・・・・この魔女め」グスッ


【???】

健夜「ツモ。・・・・・・これで三人とも飛びだね?」パタン

和「」チーン

咲「そんな・・・・」ガックリ

照「私達が・・・負けるなんて」ガクッ

健夜「いい線は行ってたよ。でも、それだけじゃ勝てない」スッ

照「くっ・・・!!」

健夜「ほら、君も正気に戻って!」ペシペシ

和「はっ!? ここはどこですか!?」ガバッ

咲「・・・」

和「咲さん? あれ、私はどうしてここに・・・?」キョロキョロ

健夜「あっちも、決着が着いたようだね・・・」チラッ

テレビ君『試合終了!! 予選を制したのは須賀京太郎だー!!』デデーン

健夜「よしっ!」ニコニコ

照「どうして・・・? 京ちゃん・・・なんで来てくれないの・・・?」フラフラ

咲「お姉ちゃん?」

照「あははっ、おかしいよ? こんなの絶対に・・・」ギリッ

健夜「・・・・」

照「そっかぁ・・・あの女達のせいだよね? だから私のことを・・・」ブツブツ

咲「お姉ちゃん・・・・」ギュッ

健夜「まだそんなこと言ってるんだ・・・」

咲「お姉ちゃん・・・もう、やめようよ」グスッ

和「えっ? この人咲さんのお姉さんなんですか!?」ジュルリ

照「京ちゃんは私を選んでくれる・・・そうだよ、あの時だって・・・」ブツブツ

咲「・・・」

和「あ、あのですね! 私は咲さんと仲良くさせてもらってる原村和といいます!!」アタフタ

健夜「少し黙ってて!」アテミ

和「うっ・・・!!」バタリ

照「京ちゃんはアイツらとは違う!! 違うんだ!!!」クワッ

咲「お姉ちゃん!!」

照「あはははははははははっ!!! 京ちゃん、京ちゃん!!!」ダダッ

健夜「まだあれだけ動けるなんて・・・!?」

照「京ちゃん・・・会いたいよ、京ちゃん・・・!!」ダダダッ

咲「待って!!」ダッ

健夜「ストップ!!」ガシッ

咲「えっ!?」ビクッ

健夜「君が追いかけてどうにかできるの?」

咲「それは・・・」

健夜「自分でも分かってるんでしょ、もう手遅れだってこと」

咲「でも、私は妹だから・・・」

健夜「二人の間に、一体何があったの?」

咲「っ!?」ドキッ

健夜「あの子の心の闇。それは並大抵のものじゃない」

咲「・・・」ウツムキ

健夜「教えて。どうしてあの子はあんなにも・・・」

咲「全て、私が悪いんです」ブルブル

健夜「えっ?」

咲「私が・・・全部・・・・」ボソリ

 お姉ちゃんのことを追い詰めて、苦しめて。
 こんなことになってしまったのは・・・全部。

咲「お姉ちゃんを、追い込んだのは私なんです・・・」 


【三年前 通学路】

中京「お祭りですか・・・?」

中照「うん。一緒にどうかな?」ニコニコ

中咲「それって、今度の土曜日のお祭りだよね?」

中京「あー、そういや毎年やってるな。季節外れのあの祭り」

中照「二人共中学生になったんだし、お祝いに・・・ね?」ニッコリ

中京「勿論俺は照・・・さんが誘ってくれたならOKっすよ」

中咲「うん!! 三人で楽しもうね!」ニコニコ

中照「・・・・」ニヤリ

中京「おっと、俺はこっちだな」

中咲「それじゃあ、また明日だね」

中京「おう、じゃあな」スタスタ

中照「ばいばい、京ちゃん」ニコニコ

中咲「あーあ、行っちゃった・・・」ションボリ

中照「ふふっ、本当に咲は京ちゃんが好きだね」

中咲「そ、そんなことないよ!!」カァッ

中照「隠さなくてもいいよ? バレバレなんだから」アハハ

中咲「うぅ・・・・//」モジモジ

中照「・・・・・」イライラ

 テクテクテク

中照「ねぇ、咲。知ってる?」

中咲「知ってるって・・・何を?」キョトン

中照「・・・・ごめん、なんでもない」ウツムキ

中咲「どうしたの? 気になるよ?」

中照「でも・・・咲が傷付くから」

中咲「えっ? それって・・・・」

中照「実はね。京ちゃん・・・東京に転校するんだって」ブルブル

中咲「えっ!?」ドキッ

中照「昨日、おばさんから聞いたの。まだ、京ちゃんにも伝えてないって」グスッ

中咲「そんな・・・・」ガタガタ

中照「私も悲しいよ、京ちゃんと離れ離れだなんて」ポロポロッ

中咲「お姉ちゃん・・・・」ウルウル

中照「だから私、今度のお祭りを最後の思い出にしたいの・・・」

中咲「・・・・うん。そうだね」グスッ

中照「・・・・帰ろっか」ギュッ

中咲「・・・・」ギュッ

 この時、私がちゃんと確認をしていれば・・・
 そしたら、あんなことにはならなかったはずなのに・・・


【宮永家】

中咲「ただいま・・・」フラフラ

中照「ただいまー」スタスタ

宮永母「あら、お帰りなさい。ちょっと、咲・・・いいかしら?」

中咲「何・・・?」

宮永母「大事な話があるのよ。少しだけだから」スッ

中咲「うん、分かった・・・」ウツムキ

中照「私は部屋に戻っておくね」スタスタ


宮永母「・・・それじゃあこっちに来なさい」

 お母さんに手を引かれて居間へと連れて行かれる。
 今はそれどころじゃないのに・・・

中咲「・・・・」

宮永母「咲、単刀直入に言うわね」

中咲「何を・・・?」

宮永母「私と一緒に東京に来ない?」ニッコリ

中咲「・・・・・えっ?」

宮永母「お父さんと別居して、東京に行くのよ。だから、咲を連れていきたいの」キッパリ

中咲「東京に、私を・・・」ドクン


宮永母「まだ中学に進学したばかりで、友達も出来てないんでしょう?」

中咲「それは・・・そうだけど」ボソリ

宮永母「東京はいいわよ、長野と違って都会だし」ウンウン

中咲「で、でもお姉ちゃんは・・・?」

宮永母「残念だけど、長野に残ることになるわね」

中咲「そんな・・・・」ワナワナ

宮永母「照は大丈夫よ。あの子は、強いんだから」ニコニコ

中咲「・・・」

宮永母「いいわね?」

中咲「・・・・・」ブルブル

宮永母「何を悩む必要があるの? それとも、私に付いてくるのは嫌?」

中咲「・・・ううん、そんなことないよ」

宮永母「なら・・・!」

中咲「うん・・・東京に行く」コクリ

宮永母「そう!! それはよかったわ!!」ニコニコ


中照「・・・・」ジーッ


 やっぱり、そういう子なんだね咲。
 少しは期待してたけど・・・・

中照「でもね、その醜い心が命取りになるんだよ」クスクス

 後は待つだけ。
 直に咲は自滅するんだから・・・


宮永母「ふふっ、これで心配事が減ったわ」

中咲「・・・・」ブツブツ


中照「・・・・」クスッ

 バイバイ、咲。
 私はもう、アンタを妹だとは思わないから。

中咲「お姉ちゃん・・・ごめんね、ごめんね」ブツブツ


【二日後 通学路】

中咲「・・・・」

中照「それでね、昨日のことなんだけど・・・」ニコニコ

中京「そうなんですか? 俺も見たかったなぁ」アハハ

中咲「・・・」ウツムキ

中京「ん? どうしたんだ咲」キョトン

中咲「う、ううん! なんでもないよ!!」アタフタ

中照「・・・・」ジーッ

 無様だね咲。
 それとも、そうやって黙っているのは勝利宣言のつもりなのかな?

中照「(このまま東京に行くといいよ・・・そのまま、孤独に生きていくんだから)」

中京「・・・?」

 私は今までずっと・・・孤独だった。
 京ちゃんだけが、私の孤独を癒してくれている。

中咲「・・・・」ウツムキ

中京「そういや、祭りは明日だったな」

中照「うん! そうだね!」ニコニコ

中京「待ち合わせは現地でいいですよね?」


中咲「・・・・」

中京「それじゃあ、俺はこっちなんで」スタスタ

中照「うん、ばいばい」ニコニコ

中咲「・・・・・」

中照「もう、どうしたの咲? 京ちゃんとはもう会えなくなるんだよ?」

 まぁ、会えなくなるのは咲だけどね。

中咲「あっ、えっ・・・?」

中照「だから、今の内にたくさん思い出を残さないとダメじゃない」ニッコリ

中咲「・・・でも、お姉ちゃんは寂しくないの?」

中照「それは・・・寂しいよ。だけど、だからって逃げちゃいけないよ」ギュッ

中咲「うん、分かった」

中照「咲は強い子だね。きっと・・・大丈夫だよ」ニコニコ

中咲「(私は、お姉ちゃんを裏切ってるのに・・・)」ズキン

 今更後悔しても遅いよ。
 もう、後戻りはできないんだから・・・

中照「さぁ、帰ろうか・・・」クスクス



【宮永家 照の部屋】

中照「あともう少し・・・もう少しなんだ」フゥ

 もうすぐ咲はいなくなる。
 そしたら、京ちゃんは私を見てくれる筈・・・
 だって、京ちゃんのことを一番好きなのは私なんだから。

中照「うふふっ、楽しみだなぁ・・・」ガリガリ

 首が痒い・・・。
 なんだか、体が熱い・・・私、どうしちゃったんだろう・・・?

 でも、そんなことはもうどうでもいい。

中照「さぁ、どうなるのかな? かな?」クスクス


【咲の部屋】

中咲「後三日で、お別れなんだ・・・」

 お父さんやお姉ちゃんと・・・会えなくなる。
 このまま、長野にも戻ってこれなくなるのかなぁ・・・

中咲「でも、京ちゃんがいるなら・・・」ギュッ

 京ちゃんが入れば、私は強くなれる。
 今までの弱い自分を捨てて、きっと・・・

中咲「だけど、お姉ちゃんは大丈夫なの・・・?」

 表向きは強く振舞ってるけど、きっと辛いはずだよね。
 なのに、私を不安にさせないように明るく振舞ってくれる。

 その優しいお姉ちゃんの気持ちを、私は踏みにじった。
 裏切ったんだ・・・


中咲「・・・私が我慢すればいいんだ」ボソッ

 そうだよね、今までお姉ちゃんはずっと我慢してきたんだから。
 私の為に、お姉ちゃんが辛い目にあっていたのも知ってる。

 お父さん達が、私を贔屓してくれているのも・・・知ってる。

中咲「だから、今回だって私が我慢すれば」

 お姉ちゃんはいつも強くて、優しくて・・・私の憧れだった。
 京ちゃんと一緒にいるべきなのは私じゃない・・・

中咲「そうだ、私じゃないんだ・・・」フラフラ

 謝らなきゃ・・・お姉ちゃんに。

中咲「謝って、お姉ちゃんが東京に行けるように・・・」

 でも、本当にそれでいいのかな?
 私がお姉ちゃんに東京行きを譲ったら、きっとお姉ちゃんも同じことをするよね。
 そうしたら、結局私が東京にいくことになる・・・

中咲「・・・・だったら、内緒にしておこう」

 お母さんとお父さんには、黙っていてもらえばいい。
 まだ、お姉ちゃんには知らせていないはずだから。
 それで、引越しの準備を済ませれば・・・

中咲「よし!! これなら・・・」

 ごめんねお母さん、やっぱり私は行けないよ。
 だけど、それが一番正しいことなんだよね・・・ 

中咲「お姉ちゃん、これが私にできる・・・精一杯の恩返しだよ」



【翌日 祭り会場】

中咲「京ちゃーん!」トテトテ

中照「お待たせ。ごめんね、遅くなって」ニッコリ

中京「おう、そこまで待ってないけどな」ニシシ

中咲「早く行こうよ」ニコニコ

中京「テンション高いな、お前。昨日まで落ち込んでたクセに」

中咲「えーっ? そうかなぁ」フフッ

中照「・・・・」

 咲ったら、急に開き直ったね。
 それとも、それが本性なのかな・・・?

中照「ねぇ、そろそろ行かない?」スッ

中京「お、そうだな。よし、いっぱい遊ぼうぜ!!」ニヒヒ

中咲「・・・・」

 咲、これが最後だよ。
 存分に・・・楽しみなさい。

中咲「・・・・」グッ

中照「ふふっ・・・」ニヤリ

中京「ぐあぁぁ!! 破れちまったぁ!?」

中咲「やった! 取れたよ!」ニコニコ

中照「・・・・」ギュルギュルギュル

中京「照さん・・・コークスクリューで金魚すくいはどうかと」アキレ

中咲「というか、よく破れないね・・・」スゴイ

中照「コツを掴めば簡単だよ?」フフ

中京「ええい!! 次は輪投げじゃ!!」バッ

中咲「今度も負けないよー?」

中京「うるせー!! とにかく勝負じゃ!!」

中照「・・・・」

中咲「あははっ。じゃあ、負けたら罰ゲームだからね!」

中京「えっ、いやそれは・・・」

中咲「もー、京ちゃんったら」クスクス

中照「・・・・・?」

 咲の様子が明らかにおかしい。
 勝ちを確信しているから・・・? それとも、何か別の理由があるの?


中京「どれ一つ勝てなかった・・・」ガックリ

中咲「情けないなぁ・・・」アキレ

中京「う、うるさい!」カァッ

中咲「さーて、罰ゲームは何にしよっかなぁ~?」ニコニコ

中京「うっ・・・」

中咲「それじゃあ・・・」

中照「あっ、あれがいいんじゃない?」スッ

中京「えっ?」

 照さんが指差したのは、くじ屋。
 あの、一等や二等は入ってないことに定評のあるくじ屋だ。

中京「いや、あれはちょっと・・・」

中照「京ちゃんの運試しってことで・・・ねっ?」フフッ

中京「・・・何が欲しいんですか?」ハァ

中照「察しがいいね、京ちゃん。アレが欲しいの」ニコニコ

中京「あれって・・・アレ?」

 五等のコーナーに置かれている小さな箱。
 中身は・・・おもちゃの指輪?

中京「中三にもなって、あんなのが欲しいんですね」クスクス

中照「むぅ・・・いいじゃん別に」

中京「まぁでも、五等なら狙えるかな・・・おじさん、1回お願い」スッ

おじさん「おじさんじゃなくて、お兄さんだろぉ!?」バンッ

中京「す、すいません・・・」ビクッ

平野店長「こら! 何を驚かせている! すみません、お客さん」ペコリ

中京「なんだこの店は・・・たまげたなぁ・・・」

平野店長「お代は結構ですので、一度だけお引きください」スッ

中京「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」ススッ

 とは言っても、狙って五等が出せれば苦労しないんだけどなぁ・・・

中京「えっと・・・五等です」

 わーお、ミラクル。

平野店長「おめでとうございます。では、これをお受け取りください」スッ

ひで「おじさーん、くじ1回引かせちくり~」トテトテ

おじさん「・・・・・」イラッ

中京「なんとか、手に入りました」オドロキ

中照「京ちゃんすごいね!」ニコニコ

中京「それじゃあ・・・」

中咲「待って!!」バッ

中照「!?」ビクッ

中京「どうしたんだ急に・・・」

中咲「あ、あの!! それ・・・私にくれないかな?」オドオド

中照「・・・は?」

中咲「お願い、京ちゃん・・・!」

中照「ちょ、ちょっと待ってよ!!」

 どういうつもりなの咲?
 アンタはもう、京ちゃんと一緒に東京へ行くつもりのくせに!!

中京「・・・・・・?」

中咲「お願い・・・」グスッ

中京「そこまで言うなら・・・」

中照「ダメ!!」バッ

中京「照さん?」

中照「絶対に・・・ダメ!!」グッ

 どうせ咲と京ちゃんは離れ離れになる。
 だけど、この指輪を渡したら・・・きっと嫌なことが起きる筈・・・。 

中照「お願い!! それは私に頂戴!!」

中京「・・・・」

中咲「・・・・京ちゃん」ウルウル

中京「俺は・・・」スッ

 一体、どうして咲はこんなことを言い出したんだ?
 こんなおもちゃの指輪くらいで・・・

中京「・・・・」

中咲「(もう、京ちゃんには会えないかもしれない。だから・・・)」ギュッ

中照「・・・」

中京「じゃあ! あと一個手に入れれば・・・」チラッ


ピンキー「やった、指輪が手に入ったわよ!」

平野店長「それが最後の指輪ですね・・・」


中京「Oh・・・・」

中咲「お願い、もうワガママ言わないから・・・」ポロッポロッ

中照「咲・・・!! あんたって子は!!」

中京「・・・・分かった。咲にやるよ」スッ

中照「・・・・・・えっ?」 

中京「咲は妹だもんな。照さんは、お姉さんだから我慢できますよね?」

中咲「京ちゃん!! ありがとう!」ニコッ

中京「こんなおもちゃくらいで、大げさだな」ハハッ

中照「・・・・はっ? えっ? 何? どういうこと? 意味が分からない?」ブツブツブツ


 なんで? どうして? 京ちゃんは・・・今なんて言ったの?
 お姉さんだから? 私が? 誰の・・・? 咲の?

中照「違う、違うよ・・・私はお姉ちゃんじゃない・・・」ブツブツブツ


中咲「これ、ずっと大事にするね!」ニコニコ

中京「へいへい。全く、お前ってやつはいつまで経ってもガキだな」ナデナデ

中咲「うん・・・・」


中照「やめて・・・どうして咲なの? なんで・・・私じゃダメなの?」ブツブツ

 京ちゃんのことちゃんと見てるのは私だよ?
 私のことをちゃんと見てくれるのは京ちゃんだけだよ?

中照「二人は・・・離れちゃいけないのに? なんで?」ブツブツブツ

 京ちゃんはあんなこと言わない!! なのに、どうしてあんなことを?
 誰・・・? 京ちゃんを誑かしたのは・・・・?


中咲「えへへ、京ちゃん・・・」


 お前か・・・・!!! 咲、お前なんだね・・・・・!!!


中京「咲、お前は昔から・・・」


 京ちゃんが私を避けるようになったのも・・・!! あんたが!!!


中照「ふ、ふふふふっ・・・・・」ブルブル

 許さない・・・・許さないよ咲ぃ・・・・・

中照「アンタだけは・・・絶対に・・・!!ギリッ!」

中咲「それでね、お姉ちゃん・・・って、あれ?」

中京「ん? そういや、照さんがいないな・・・」キョトン

中咲「お姉ちゃん・・・怒っちゃったのかな?」ウツムキ

中京「また今度謝ればいいさ。一緒に謝ろうぜ?」

中咲「うん・・・そうだね。今度・・・・謝ればいいよね」

 ごめんね、お姉ちゃん。
 だけど・・・これが、本当に最後だから・・・

【宮永家】

 ガチャリ

中照「ただいま・・・」フラフラ

 咲への復讐はまだ考えなくていい。
 どうせ明後日には咲は・・・ふふっ。

中照「どうせ、私の勝ちは揺らがないんだから・・・」クスクス

宮永母「・・・・お帰りなさい」

中照「ああ、お母さん。引越しの準備は進んでる?」ニヤリ

宮永母「あら、咲から聞いたのね?」

中照「うん・・・驚いたけど、別にいいよ」クスクス

宮永母「そう、それじゃあアンタもしっかり準備しときなさいね」

中照「・・・・準備?」

宮永母「全く・・・咲ったら自分で言わないでって言ってたのに・・・」ハァッ

中照「・・・・・・・・・・・えっ?」

宮永母「そうそう。アンタの転入手続き済ませておいたからねー」スタスタ

中照「・・・・どういうこと?」

宮永母「だから、東京への転入の手続きよ」

中照「ど、どうして私が!?」

宮永母「何って、東京に転校する準備よ」

中照「なんで私が転校なの!? 咲は!?」バッ

宮永母「咲が東京行きは照にして欲しいって泣きながら頼むのよ・・・」ハァ

中照「え・・・?」

宮永母「なんでも、照を東京に行かせたいとかなんとか・・・」ウーン

中照「・・・・」

宮永母「あと、あんたには内緒にして欲しいとか言ってたわねー」スタスタ

中照「・・・・・・咲が?」

 私を東京に行かせたい・・・?
 私に内緒・・・・?

 私を裏切って、東京行きを決めたのに・・・急に考えを変えた?
 しかも、私に内緒で・・・?


中照「く、ひひひひっ」ブルブルブル

宮永母「・・・? 気持ち悪い子ねぇ・・・」スタスタスタ


中照「あっひゃっひゃっひゃひゃははははっはは!!」ゲラゲラ

 咲、あんたって子は・・・本当に汚いねぇ!?
 全部、全部あんたの手のひらの上だったんだ・・・!!

 まんまと、まんまと渡した騙されたよぉ!!!

中照「咲ぃっ!! さき、さきさきさきさきぃぃぃい!!!」ガリガリガリガリ

 殺す・・・!! 絶対に殺す!!
 アンタだけは・・・何をしても・・・殺してやる!!

中照「ゆるざない!! あんだだげは!! なんどじでも!!」

 あっひゃひゃひゃひゃひゃ!! 
 咲・・・!! 咲、咲、咲、咲!!!!!!


【宮永家 玄関前】

中京「ここまででいいか?」

中咲「うん、送ってくれてありがとう」ニッコリ

中京「・・・・・・」ジーッ

中咲「・・・どうしたの?」

中京「なぁ、お前・・・何か隠し事してないか?」

中咲「うぇっ!?」ドキッ

中京「おい、どうなんだよ?」ズイッ

 すごいや、京ちゃん・・・。なんでも分かっちゃうんだね。
 でも・・・、もう手遅れなんだ。
 京ちゃんはもうすぐ・・・転校しちゃうから。

中咲「ううん、なんでもないよ!」ニッコリ

中京「本当か?」ジトッ

中咲「もう、京ちゃんったら心配性だなぁ」クスクス

中京「うっせー。それならもう帰るぜ」スタスタ

中咲「・・・あっ!」

中京「うん? どうし・・・」

 ダキッ

中京「・・・咲?」

中咲「京ちゃん」ギュウウ

中京「おいおい、どうしたんだよ急に」ドキドキ

中咲「・・・なんでもないの。なんでも・・・」グスッ

 京ちゃんに会えなくなる。
 そんなの、嫌だよぉ・・・

中咲「うぅっ・・・なんでも・・・ないよ・・・」ポロポロ

中京「咲・・・」ナデナデ

中咲「京、ちゃん・・・?」

中京「悩みがあるなら、いつでも言えよ。俺は、どんな時でもお前の味方だからな」ニカッ

中咲「いつでも・・・?」

中京「ああ。例え、何があっても・・・離れていても」ギュッ

中咲「あっ・・・//」

中京「俺はお前を守ってみせる、絶対にな」

中咲「京ちゃん・・・私、私ね・・・」ボソッ

中京「おう、なんでも言ってみろ」

中咲「ずっと言いたかったことがあるの・・・」カァッ

中京「ん・・・?」

中咲「私ね、京ちゃんのことが・・・・!」

中照「さぁきぃ~?」ヌッ

     !?

中咲「えっ?」

中照「ダメじゃない、こんなに遅くなっちゃ」ニコニコ

中京「あっ、照さん!」

中咲「お、お姉ちゃん!?」ビクッ

中照「ごめんね、さっきは。先に帰っちゃって」ニコニコ

中京「もう、本当に驚きましたよ」プンプン

中照「あはは、ちょっと用事を思い出してさぁ」クスクス

中咲「お姉ちゃん・・・?」ブルブル

 なんで・・・?
 お姉ちゃんはこんなに、笑っているのに・・・

中照「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴッ

中咲「(な、なんでこんなオーラが・・・!?)」ゾクッ

中京「んじゃあ、咲。さっきの話はまた今度な」ニヒヒ

中咲「う、うん・・・」

中照「(また今度・・・やっぱり、もう嘘はバレてるんだ)」フーン

中京「よーし、帰ろっかな」スタスタ

中咲「京ちゃん、待っ・・・!!」

中照「ダ~メ」ガシッ

中咲「お、お姉ちゃん?」

中照「ふふっ・・・ダメだよぉ? 咲はこれから私とお話しないとね?」ニコニコ

中咲「話? 話って・・・」

中照「東京って、言えば分かるよね?」クスクス

中咲「えっ・・・?」

中照「酷いよ、咲・・・あんなことするなんて・・・」

中咲「えっ・・それは・・・」

中照「もう、私・・・長野に残れないんだって・・・」ポロポロッ

中咲「で、でも!! 私は・・・!」

中照「うるさいっ!!!」

中咲「ひっ!?」ビクッ

 ガシッ

中照「咲ぃ・・・私はアンタのこと勘違いしてた」ギリギリギリ

中咲「痛い、痛いよぉ!!」ブンブン

中照「こっちに来て・・・・早く!!」スタスタ

中咲「お、お姉ちゃん!?」ビクビク



【宮永家 照の部屋】

ガチャッ

中照「ほらっ!! 入って!!」

中咲「ど、どうしたのお姉ちゃん? 怖いよ!?」ビクビク

中照「いいから、対面に座って」スッ

中咲「えっ・・・?」

中照「今から麻雀を打つの。二人だけで・・・いいでしょう?」

中咲「で、でも・・・!」

 バァン!!

中咲「ひぅ!?」ビクッ

中照「打つでしょ・・・?」ニッコリ

中咲「だ、だけど・・・!」

中照「打つでしょ?」ゴゴゴゴゴッ

中咲「・・・・・うん」

中照「なら座って」スッ

中咲「・・・・・」スッ

中照「今からゲームをしようよ・・・」ニコニコ

中咲「げ、ゲーム?」ビクビク

中照「うん、一つのゲーム・・・賭けをするの」

中咲「な、何を賭けるの?」ドキドキ

中照「私達の、一番大事なモノって言えば・・・分かるよね?」ニッコリ

中咲「えっ・・・?」

中照「京ちゃん。負けた方が諦めるの・・・」

中咲「京ちゃんを!?」ドクン

 ふふっ、動揺してるね・・・咲。

中照「負けた方が綺麗さっぱり、京ちゃんへの未練を捨てるの」クスクス

中咲「そ、そんなことできないよ!!」

中照「やっぱりね。そう来ると思った・・・」

 自分に有利な状況だから、こんな賭けに乗る必要はない。
 なるほど、チャンスすらも与えてくれないんだ。
 用意周到だねぇ、咲。 

中照「でも、勝負に乗らないと・・・」ニヤリ

中咲「っ!?」ゾクッ

中照「私、京ちゃんに何するか分からないよ?」クスクス

中咲「そんな!?」バッ

中照「だったら、勝負受けてくれるよね?」ニッコリ

中咲「・・・・うん、いいよ」ギュッ

中照「そう、それはよかった」ニコニコ

 バーカ。私が京ちゃんに手を出すわけないでしょ?
 手を出すとしたら・・・アンタだよ咲。

中咲「だけど、本気なの?」ブルブル

中照「うん。私が負けたら京ちゃんのことは綺麗さっぱり忘れるよ」

中咲「それじゃあ、私が負けたら・・・」

中照「当然でしょ?」

中咲「・・・・・」ウツムキ

 咲、アンタはお母さんのお気に入りで・・・才能豊かかもしれない。
 だけど・・・これだけは絶対に負けない。

 私が京ちゃんへの愛以外で、誇れるモノはこれしかないから・・・

中照「さぁ、始めようか?」フフッ

中咲「(どうしよう・・・どうしたら・・・?)」

中照「ここで、私が引導を渡してあげるよ」

 本当に京ちゃんに相応しいのは・・・咲じゃない。
 それを、証明してみせる・・・!!

中照「勝負は半荘1回でいいよね?」

中咲「うん・・・」

中照「ふふっ、京ちゃん・・・待っててね。今、私が・・・」ブツブツブツ


【数十分後 照の部屋】

 私は今まで、京ちゃんの為に何ができるかを考えて生きてきた。
 私に生きる意味を教えてくれた・・・生きる喜びを教えてくれた京ちゃんの為に・・・
 今度は、自分が何をできるのか?
 京ちゃんの為に何をしてあげればいいのかを・・・

 ずっと考えていた。

 だから私は勝つ。絶対に・・勝ってみせる。
 そうすればきっと・・・私は胸を張って京ちゃんに好きだって言える筈だから・・・

 きっと・・・きっと・・・・

中照「・・・・・・」ブルブルブル

中咲「・・・ツモ。これで・・・半荘終わりだね」

中照「咲・・・」

中咲「それじゃあ、おやすみなさい。お姉ちゃん・・・」スクッ

中照「待って・・・・・」

中咲「・・・」スッ

中照「待てって言ってるでしょ!!!」ダァン!

中咲「っ!?」ビクッ

中照「アンタ・・・どういうつもり?」

中咲「ど、どういうって・・・私は何も・・・」

中照「何も・・・? じゃあ何? アンタは精一杯真面目に打ったとでも?」ブルブルブル

中咲「うん・・・本当に・・・」

中照「嘘だっ!!!」

中咲「っ!?」ビクッ

中照「嘘なんてつかないでよ・・・」

中咲「・・・・」ウツムキ

中照「何? 情けのつもり? それとも・・・勝者の余裕ってやつ?」グッ

中咲「それは・・・」

中照「今まで、ずっと実力を隠してきたんだね・・・」

中咲「・・・・」

中照「私が勝って喜ぶ姿を見て、腹の中では嘲笑っていたんでしょ?」ブルブル

中咲「そんなこと!!」

中照「じゃあ!! なんなのよコレは!!!」バンッ


咲 25000

照 25000


中咲「・・・・・」ビクッ

中照「偶然だとでも言うつもり・・・?」ビキビキ

中咲「違うよ、私はただ・・・」

中照「引き分け・・・だね」フラフラ

中咲「あの、お姉ちゃん?」

中照「その傲慢さが・・・いずれ咲を殺すよ?」クスクス

中咲「えっ・・・?」

中照「これは自分への戒め。アンタなんかに負けた自分への・・・罰」ガリガリ

中咲「お、お姉ちゃん!?」ビクッ

中照「中学時代の京ちゃんは咲にあげる・・・」フラフラ


 もっと、強くならないと・・・もっと、もっと・・・・!!
 誰も私から京ちゃんを奪えないように・・・もっと力が欲しい・・・!!


中照「京ちゃんが高校生になったら・・・私が取り返す。絶対に・・・」ギロッ

中咲「そんな、だって京ちゃんは・・・!」

中照「咲、私が東京に行ったら・・・二度と顔を見せないで」

中咲「えっ?」

中照「もう、私はあんたを妹だとは思わないから・・・」スッ

中咲「ちょ、ちょっと待ってよ!」ガシッ

中照「触るなっ!!!」バシン

中咲「きゃっ!?」バタッ

中照「今度私の前に姿を現したら・・・殺すからね」ギロッ

中咲「お、お姉ちゃん・・・」ブルブル

中照「約束したからね・・・ふふっ、破ったらどうなるか・・・」クスクス

 バイバイ咲、京ちゃん。
 私はもう・・・人間をやめる。

 京ちゃんの為なら私、悪魔に魂だって売ってみせるから・・・


【現在 ???】

咲「そして、お姉ちゃんは引っ越していきました・・・」

健夜「・・・」

咲「京ちゃんの転校が嘘だと知ったのは・・・それから一週間後」グスッ

健夜「そう、そうだったんだ・・・」

咲「全部すれ違いだったんです。私が、お姉ちゃんを追い詰めたせいで」ウツムキ

健夜「でも、悪いのは咲ちゃんだけじゃ・・・」

咲「だけど、私のせいでお姉ちゃんは・・・!!」ポロッポロッ

健夜「二人共、本当に京太郎くんが好きなんだね」フフッ

咲「えっ・・・?」

健夜「姉妹で争ってまで・・・一人の男を取り合える。なんだか、羨ましいな」

咲「どうして・・・ですか?」

健夜「だって、普通ならそのまま絶縁になってもおかしくないよ」クスクス

咲「・・・そうですね。現に、私達みたいに・・・」

健夜「違うよそれは。大間違い!」ニッコリ

咲「・・・?」

健夜「普通の男なら・・・ね?」ニコニコ

咲「あっ・・・」

 そう。彼ならきっとなんとかしてくれる。


【長野県大会 廊下】

照「はぁ、はぁ・・・京ちゃん・・・京ちゃん!!」

 だって、京太郎君は・・・

照「会いたいよ・・・京ちゃん・・・」ブツブツブツ

 深い闇に堕ちようとしていた私を救ってくれた・・・

京太郎「・・・・」スッ

照「えっ!?」

京太郎「よう、照」ニカッ

 王子様なんだから。

【長野県大会 廊下】

照「京・・・ちゃん?」フラフラ

京太郎「なんかボロボロだな、負けたのか?」ニヤリ

照「あ、えと・・・」

京太郎「師匠だろ? 強いなぁ、あの人」ハハッ

照「う、うん・・・」ウツムキ

京太郎「でも、俺は勝ったぜ?」ニィ

照「・・・凄いね。私は、ボロ負けだったのに・・・」

京太郎「あったりめーだ。俺を誰だと思ってんだよ」スッ

照「・・・・」

 京ちゃんはやっぱりすごい。
 私なんかより、ずっと・・・ずっと強くなって。

照「私ね・・・うすうす気づいてたんだ」

京太郎「・・・」

照「京ちゃんが本当に好きなのは咲。私のことは・・・そんな目で見てないって」グスッ

京太郎「・・・・」スタスタ

照「だから、私は京ちゃんに相応しくないよ・・・」

 雀力も咲に負けて・・・
 京ちゃんへの想いも、きっと・・・・

照「ごめんね、京ちゃん。私なん・・・」 

京太郎「黙れよ・・」ボソッ

照「えっ・・・・?」

京太郎「黙れって言ったんだよ・・・!」ドンッ

京太郎「俺がいつ・・・麻雀強い女が好きって言った?」スタスタ

照「・・・・」

京太郎「俺がいつ! 俺のことを想ってくれる子が好きって言った!!?」バンッ

照「あっ・・・」

京太郎「ふざけてんじゃねぇ!! 俺が好きになる女を決めるのは、俺自身だ!!」

照「あぅ・・・」ビクッ

京太郎「確かに、俺は・・・おモチの大きい女が好きだ!」

照「うぅ・・・」ペターン

京太郎「えっちなことを許してくれる女が好きだ!!」

照「それは、ちょっと・・・」

京太郎「馬鹿でスケベで、どうしようもない優柔不断なダメ男だ!!」

照「うん・・・」

京太郎「だけどな!! 好きな女だけは絶対に守りぬくって決めてんだよ!!」

照「・・・・」

京太郎「だから、その俺がずっと、十年以上もずっと好きだった女の・・・」

 ダキッ

京太郎「価値を下げんなよ・・・!」ギュウウ

照「・・・うぇ?」

 遠回りもした。すれ違いもあった。
 でも、ようやくこの手に照を抱きしめることができたんだ・・・

照「きょ、京ちゃん!?」アタフタ

京太郎「照。俺は・・・俺は!」グッ

京太郎「照!! お前が好きだ、お前が欲しい!!!」バッ

照「え? えっ? えぇっ!?」カァッ

京太郎「ダメか?」ギュッ

照「だ、ダメじゃない!! ダメじゃないけど!!」ドキドキ

京太郎「なら、なんだ?」

照「私は・・・今まで酷いことをしてきたんだよ?」ウツムキ

京太郎「・・・」

照「関係ない人たちに・・・酷いことをしちゃったんだ」グスッ

京太郎「照・・・」

照「そんな私が!! 幸せになっていいわけないよ!!」

京太郎「照、それは・・・!」


「おいおい、関係無いとか言ってるじぇ?」ヤレヤレ

「へぇ、それは聞き捨てらないわねぇ・・・」クスクス

「わしらだって、立派な当事者じゃな」ウンウン

「全くだ。例え好感度表に無くても、衣は立派なきょうたろーの嫁だ!」バーン

「何を勝手に嫁宣言してるっすか!? 子供は帰って寝てればいいっす!!」フンガー

「モモ、歳は関係ないだろう?」フフフ


照「・・・え?」

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最終更新:2026年01月23日 00:01