京太郎「先輩達遅くないか?」
泉「そ…そうやな…」
京太郎「まったく…泉の誕生日だから遊ぼうって言ったのは先輩達なのに…」
泉(ほんまはよ来てくださいよ…須賀くんと2人きりとか心臓に悪いです…)ドキドキ
京太郎「もう待ちあわ……」プルルルルル
泉「電話…もしかして先輩達?」
京太郎「もしもし…怜さんですか…えっ? はい……そういうことなら…」ピッ
泉「なんて言うてた?」
京太郎「なんかみんな急に用事ができたとかなんとかで来られないらしい」
泉「えっ…えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
京太郎「なんかよくわからんが2人きりになっちまったな」
泉「ちょちょっ! 私園城寺先輩に電話してみます!」ピポパ
「やっほー! 楽しんどるか?」
泉「やっほーやないです! 一体どういう…」
「まあまあ、せっかく2人きりにしてやったんやしちょっと勇気出して頑張りや」
泉「そんないきなり無理ですって! 私にも心の準備が…」
「ほな頑張ってなー」ブチッ
泉「ちょっと先輩!?」
京太郎「なんだって…?」
泉「…とりあえずみんな来ないことだけはわかりました」
京太郎「これからのこと話すにしても外は寒いな…あそこのスタバ行こうぜ」
泉「はっ、はい! わかりました!」カチコチ
京太郎「……なんで敬語?」
泉「きっ…気にしないでくらはい…//」
泉(ふぅ…少しは落ち着いてきたわ)
京太郎「とりあえず今日どこで遊ぼうか」
泉「須賀くんエスプレッソとかよく飲めますね…大人やなぁ…」
京太郎「俺からしたらコーヒーにそんなクリームやナッツトッピングするほうがわからんけど…しかも高いし」
泉「ええやん、甘くておいしいんやし」
京太郎「ここのエスプレッソも十分甘いと思うけどな」
泉「へぇ…今度試してみよかな?」
京太郎「飲みたいのか? 今度と言わずちょっと試してみるか?」スッ
泉「えええぇっ! ええんか!?」
京太郎「別にちょっとくらいならいいぞ」
泉(でもこれ須賀くんが飲んでて…さっきまでここに唇が…)ドキドキ
泉「……//」ゴクッ
京太郎「なっ? エスプレッソだけど甘いだろ?」
泉「うん…めっちゃ甘いわ…//」カァァ
京太郎「んじゃ俺もちょっともらうぞ」グビッ
泉「あっ…ああぁぁぁぁぁぁあっ!?」ビクッ
京太郎「女の子ってこういう甘いのほんと好きだよなぁ…俺も嫌いじゃないけど」
泉「すすす須賀くん今私の口つけたところに…!?」
京太郎「あっ、泉ってそういうの気にするタイプ?」
泉「そそそそんな乙女の唇をそんな扱いですかっ!!」
京太郎「まあ誕生日だし今日は色々奢ってやるからこんくらい許せって」グビッ
泉「ってまた飲んでる!!」
京太郎「しかし映画とはまたベタというかなんというか…」
泉「ええやん、外は寒いしちょうど見たい映画あったんやし」
泉(それに映画ってなんかデートっぽいやんか…//
京太郎「ちなみにこれってどんな映画なんだ?」
泉「主人公の女の子が鈍感な同級生の男の子と恋人になろうと頑張る話や」
京太郎「恋愛ものか…俺には縁のない話だな」
泉「主人公の女の子が鈍感な同級生の男の子と恋人になろうと頑張る話や」
京太郎「…なんで2回言った?」
泉「大切なことやからな」
京太郎「確かにどんな話かくらいは知っておかないとな」
泉「そういうんやないんやけど…」
京太郎「そういえばさ、映画館の席とかってどっちの肘置き使えばいいか悩まないか?」
泉「あっ、確かに! 端っこの席でもないとちょっと考えるわ」
京太郎「まあ今回は両隣空いてるからそこまで気にしなくてもいいんだけどさ」
泉「この真ん中のは本来どちらのものなのか…」
京太郎「あと片手だけ肘置き使ってもう片方はフリーってのもなんか変な気がするよな」
泉「なら……こうしてみるか?」ギュッ
京太郎「…いきなり手を握ってどうした?」
泉「こっ、こうすれば1つの肘置き2人で使えるやん!!」
泉(うわぁ…須賀くんのあったかくて大きい…//)
京太郎「……そんなに肘置き使いたいなら譲るけど?」
泉「そうやないっ!」
京太郎「じゃあなんだ…俺の手を握りたかったとかじゃないだろうし…」
泉(いや…その通りなんやけどな…)
泉「とにかくこれでええの!」
京太郎「今日は楽しかったか?」
泉「ええ、楽しかったですよ」
泉(でも今日一日色々アピールしたのに普段と変わらんかった…)
泉「私って魅力ないんかなぁ…」ボソッ
京太郎「それじゃあ最後にプレゼントを渡しておかないとな」ゴソゴソ
泉「……なんですかこれ?」
京太郎「それ泉に似合うと思ってな、それ帰ったら開けてみてくれ」
泉「うん…ありがとな」
京太郎「それじゃあ今日はもうこのくらいにしておくか」
泉「あっ…その……」
京太郎「どうかしたか?」
泉(好きって言わないと…せっかく先輩たちが機会作ってくれたんやし…)
泉「あんな…す……や…」
京太郎「……?」
泉「いや…今日は楽しかったで…」
京太郎「おう! 俺も楽しかったぜ!」
泉(うわーーーっ! 私のへたれーーっ!)
京太郎「じゃあ気を付けて帰れよ、それじゃ!」
泉「…せめて家まで送ってくらい言えばよかった」
泉「はぁ…結局好きって言えへんかった…」ボスッ
泉「……あっ、そういえばプレゼントまだ空けてないやん」ゴソゴソ
泉「……ネックレス?」
「それ泉に似合うと思ってな」
泉「私に似合うか…」カチャカチャ
泉「……」
泉「うん、今はまだこれで十分やな……今は」
カン!
最終更新:2014年11月16日 07:54