はじめて会った時はあまり印象に残ってない。
「ふーん。あんた須賀って言うの?同じ金髪のよしみで覚えておいてあげる」
二度目に会った時はしつこい奴だと思った。
「まったく弱っちいねー須賀は。え?まだやるの?暇だからいいけどー」
三度目は…ちょっと見直したかな。
「なーにー?いっちょ前に落ち込んでるのー?」
「はじめたばっかでそうそう勝てるわけ無いでしょー?天才の私は別だけど!ふふー!」
「…え?付き合ってもらった私に悪いって?初心者がそんなこと気にしてちゃ禿げるよー?」
「…また、暇なときは付き合ってあげるからさ」
四度目は見かけによらず優しい奴だと思った。いや、見かけ通りかな。
「…なんだ、須賀か」
「何、アンタもわたしを笑いにきたの?」
「生意気な一年生が生意気にもレギュラーに選ばれたのに準決勝で大失点して2位降格。あげくに優勝を逃す。馬鹿だよね、ホント」
「…何か言いなよ」
「…ぷっ、何それ。変なの」
「あはは、確かに元気出てきた。ありがとね、キョータロー」
五度目は…
「ねえ、キョータロー。私、多分アンタのことが好き」
「仕方ないでしょ?こういうの初めてなんだから」
「あはっ、麻雀以外で嬉しいって思えたの初めてかも」
「…にひひっ♪もう絶対に離してなんかやんないんだから、ね!キョータローのばーか!」
最初はきれいな髪だなーってぐらいだった。
「大星、だっけ?俺は須賀。これからよろしくな」
二度目にはこいつにゃ血も涙もないのか
と思った。ホント鬼かと。
「んだぁー!もう少しだったのにまたトんだー!!クッソもう一回!!!もう一回オナシャス!!!!」
三度目は不器用っつーかなんつーか、優しい奴だと思った。
「落ち込んでちゃ悪いかよ」
「わかってるよ、初心者じゃ勝ちようがないって。恵まれてない限りはさ。でも、一矢くらいは報いたかった。白糸台の、大星の顔に泥を塗っちまった。なによりも、それが悔しいよ」
「いくら気にするなって言われてもこれは性分だからさ。譲れないんだ。後俺は禿げねえ。絶対にだ」
「おう、そん時はよろしく頼む」
四度目はコイツでも落ち込む時はあるんだなって思った。
「よう、大星」
「笑わねーよ。つか笑うところあるのか?」
「ふーん…」
「…何も言えねーよ。俺は天才だって言われたこともなければ一年でレギュラーになったこともない。二位にもなったこと無い。優勝なんて夢のまた夢だよ。大失点はあるけどな」
「俺の麻雀人生笑ってんじゃないよこん娘は。…ま、笑う元気が出てきたのは良いことだがな」
「気にすんなよ。前は俺が淡に元気付けてもらったしな」
五度目は…
「…多分ってなんだよオイ」
「そっか、初めてか…まぁ、うん…俺も、お前が好きだよ…うん…クッソなんかハズいわ!」
「ハイハイ分かった!恥ずかしいついでに言ってやるよ!俺だって一生離してやんねーよ!バーカ!」
カンッ
最終更新:2015年03月24日 01:52