す、須賀咲ちゃんです。
今日は京ちゃんが落ち込んでます。仕事でミスしちゃったみたい。
なんとかしてあげたいな、と思うけれどこういう時は無理に気を使うのも難しい。
京ちゃんって精細なんだよね……。
特に自分以外に迷惑をかけちゃうようなことだと落ち込むんだ。
だから変に気を使うとまた落ち込んじゃう。
全く、京ちゃんは面倒臭いんだから! もー!
「はい、京ちゃん」
「咲?」
「ホットミルク。私が飲むから入れたけど、京ちゃんの分もどうぞ」
私の場合、何も聞かないで一緒にいてあげる。
なーんにもしないであげるってのもいいと思うんだ。
特に京ちゃんの場合は、ね。
嫁さんはなーんでも知っている!
「咲」
「なぁに、京ちゃん」
「……ありがとな」
「別にー。私が飲みたかっただけだもん」
本当はもっと何かしてあげたい。
京ちゃんが辛い思いをしていたら変わってあげたい。
でもそれはできないし、その、私が働くっていうのも……。
大学時代に内定一つも貰えなかったのはちょっとトラウマだよ……。
それに今は子供もいるし、私は私に出来ることで京ちゃんを元気にしてあげたい。
……よ、よし!
「京ちゃん、もうちょっとちゃんと座って!」
「え、何する気?」
「いいから!」
ちょ、ちょっと恥ずかしいけど仕方ないよね!
今日はサービスなんだから!
京ちゃんをソファーに座らせ、そのまま京ちゃんに腰掛ける。
「ふふーん。京ちゃん椅子はなかなか心地いいね。
ちょっと固いけど!」
「咲」
「今日は特別に、私をぬいぐるみ代わりにしていいよ!
……あれ、抱き枕って言うのかな」
「……咲」
京ちゃんが私を抱きしめる。
やっぱり、男の人の力で強く抱きしめられると女の子じゃ身動き取れない。
ちょっと痛いくらい。……いや、女の子だしちょっと興奮するのは許してね! 我慢だ、私!
「ありがとう」
「どーいたしまして!
こちらこそいつもありがとう、『お父さん?」」
須賀家のために毎日汗水垂らしている京ちゃん。
そのためなら私だってなんだって出来るもん。
今日はせめてゆっくり休んでね、京ちゃん! カン!
最終更新:2015年10月05日 19:32