京太郎「憧、好きだぞー」
憧「はいはい、私もよ」
幼馴染といってもこっちははすげない。穏乃なら顔赤くなって慌てるのに、面白みがない
憧「今更惚れたの腫れたの関係でもないでしょ」
鏡を見ながら服装を整える辺り、本当に俺に気を使ってないな。
京太郎「……ベッドでは人が変わるくせに」
憧「そりゃまあ気持ちいいからね。今日は妙に絡むわね、生理?」
京太郎「男にんなもんあるか」
憧「ならいい加減私と練習ばっかりしてないで本命攻めたら?」
京太郎「アタックしても欠片も靡かないんですよ、芽がないのかねえ」
なんでこうもニブチンなのか。何度肌を合わせて好意を口にしようが、本気と全くとられない。
そもそも恋愛的に好きでもない相手と関係を持つわけ……目の前に例外の女がいたか。
憧「てかいい加減本命が誰なのか教えてくれてもいいんじゃない? 手伝ってあげるわよ」
京太郎「お前の助けほど頼りにならんものはない」
当の本人が恋の手助けって意味が分からん。こっちこそいい加減気付いてほしい。
憧「なら諦めて近くの人間で妥協したら。私は全く困らないわよ」
京太郎「そりゃお前さんは困らないでしょうよ」
この会話も一体何度目なのか。進展のなさに泣けてくる。
京太郎「憧、好きだー」
憧「はいはい、本命に言いなさいね」
やっぱ完全に相手にされてない。憧の言う通り大人しく諦めた方がいいのだろうか。
憧「……早く妥協しなさいよ」(ボソ
京太郎「んあ? 今何か言ったか?」
憧「べっつにー。んじゃ、私シズと出かけてくるから、じゃーね」
気心の知れすぎた相手に恋心を抱いても、物語ほど簡単には進まないもんだ。
カン
最終更新:2016年11月28日 21:59