古いしきたり、因習。
 須賀の家に産まれた俺は逃れられない業を背負い生きていかなければならない。

「麻雀か…」

 インドアよりもアウトドア。
 体を動かすことが得意であり、好きだった。将来はスポーツ選手に、欧州のプロハンドボーラーとして活躍する。
 そんな幼い頃からの夢も捨てなければならない。そんな沙汰に憤りを感じてしまう。
 だけど、逆らうことは許されない。
 将来を決められてしまった俺に自由はない。

「遊戯の中で運に流れや縁、それらを見極める一種の修行として高校から始めろってさ…」

 そう命じられた。
 進学先として長野で麻雀の強豪校である龍門渕を薦められたが、せめてもの反抗で近所の清澄を選んだ。

「まあ、あれで正解だったと思う」

 麻雀部の皆と出会えた。
 儘ならない人生の中、大切な仲間と絆を結べた。その思い出は俺の財産だ。

「好きな人も出来たしさ……」

 恋は良いもの。
 結ばれることがないと分かっていても人を好きになり、ちょっとしたことで喜び、悲しみ、苦しみ、あの躍動する心がもたらす幸福感や充足感は忘れられない。

「なあ、何で俺なんだ?」

 どうして、何故、幾度自問したか忘れてしまった。

「そう生まれてしまったからだと思います。私が私であるように、あなたがあなただから、こうなった」

 霧島のお姫様はそう言った。
 彼女も俺と同じように悩んだことがあったのだろうか。

「そっか、あんたは既に受け入れているんだな……」

「ええ、私はこうなるように言い聞かせられて育ってきましたから。……私とあなた、どちらの方が恵まれているのでしょうね?」

 俺は大きく育ってから教えられた。
 彼女は生まれた時から知らされていた。

「私は恋をしたこともありません。何をするにも決まりごとがあり、世間知らずだと思います。あなたから見ればつまらない女性に見えますか?」

「さあ? それが分かるほど俺はあんたのことを知らないからな」

「私は色々とあなたのことを聞き知っていますよ。ずっと、小さな頃からあなたのお嫁さんになると言われていましたから」

 はにかむ彼女に迷いは見えない。
 ここに至っても未だ折り合いのつけられていない俺と違い、普段のぽわんっとした雰囲気と異なりずっと大人びて見えた。

「京太郎さんは私のことが好きじゃないかもしれません。それでも、いつか、少しでも良いので愛して頂けませんか?」

 身を寄せられ、預けられた身体。
 上目遣いに俺を見る彼女は小さく、華奢だ。霧島の姫、その名の重さ。このか細い肩にはどれだけの重圧が乗せられているのだろうか。
 不安げに、少し震えていた。

「……二人で育んでいこうか」

 そう言って口を重ね、体を重ねた。

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「大丈夫か?」

「変な感じがします……まだ入っているような違和感がありますね」

 俺には分からないその感覚の何がおかしいのか彼女はくすくす笑う。細い綺麗な指が伸びて俺の頬をゆっくり撫でる。

「まだ頑張れますか?」

「俺は問題ないけど、血もいっぱい出たし無茶しない方が良くないか?」

 痛々しい鮮血でシーツは汚れている。拭い取ったが俺の下腹部や彼女の股間も酷い有り様だった。

「早く子供が授かりたいので京太郎さんには頑張って欲しいです」

「俺もあんたもまだ高校生じゃないか……」

 常識的に考えて早すぎる。
 彼女と言うよりも家の意向だろうか。そんな疑念が伝わったのかむっとした表情を浮かべられた。

「むむ、もちろん家からも早く子供を成して外堀を完全に埋めよ、最悪、子供があれば問題ないとは言われています。でも、子は鎹、きっと私たちを強く結んでくれると思うから私は欲しいんです」

 ああ、敵わないな。
 彼女は強いよ。
 身体を重ねて情が湧いたのだろうか、初めて知った女の色香に魅せられたのか、分からない。ただ、義務だからとかじゃなく、少し良いなって思たんだ。

「小蒔さん」

「はい」

 元気な返事が返ってくる。

「覚悟してくれ」

「はい?」

「誘ったのはあんただからな」


カンッ!






-おまけ-

霞「情けないわね」

初美「ダメダメなのですよー」

春「……失望」

京太郎「くっ、俺は頑張りましたよ! あんなの反則なんだ!!」

巴「狡いかもしれないけれど、須賀くんが姫様よりも先に根をあげている事実は変わらないよ」

京太郎「うぅぅ……」

小蒔「私の京太郎さんを虐めないで下さい。何時も凄く頑張ってくていますし、何度も私は達しています。まあ、もっと頑張って欲しいのも事実ですが……」

京太郎(小蒔さんが凄すぎなんだよ……普通でも底なしだし、イかせて気を失ってからが神降ろしで本番とか、俺に勝ち目ないから……)

霞「小蒔ちゃんにこんなこと言わせるなんて……」

初美「はあ、ちゃんとXXXXはついているんですかねー、ピーピーなんですか?」

巴「初美ちゃん、口が汚いよ」

春「……精力剤いる?」

京太郎(毎回、一滴も出なくなって、前立腺を刺激されてもフニャフニャになるまで搾り取られてヤバイんだよ!!)


もう一個カンッ!!

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最終更新:2017年10月12日 21:38