今日は部活もなく、久々に友人と遊ぼうと思っていた矢先、友人は体調を崩し一人でデパートに頓挫。
イベントホールでは休日だし何かやっているだろうと赴くも、イベントスタッフが来れないために急遽代役として、出演することに。

 そして、今俺は、子供たちに囲まれている。

「わー、エトペン写真とってー」
「エトペーン、握手してー」
「エトペンにだきつくのー」
「はうぅ、お持ち帰り~」カァイイヨー
「エトペンさんは世界で一番カワイイこのボクに次いでの可愛さですね」フフン
「ねぇねぇ、私みたいな小さな娘に囲まれて興奮したりするの?そうなら嬉しいなぁ」ハァハァ

(あぁー子供ってかわいいなー。色んな意味で危ない子もいたりするけど。
それにしてもぬいぐるみの中って結構暑いんだな。これは大変だわ。)

「おー、のどちゃんエトペンのイベントやってるじぇ。」
「くっ。私としたことがエトペンのイベント情報を見逃してしまうとは何たる失態でしょう
いえですがまだ慌てることもありません ここから挽回すればよいのです
やはり最初は握手でしょう次に写真撮影その後は思いっきり抱きつきましょう
しかし小さな子たちを優先させなければいけません 」
「のどちゃーん。よく一息で言えたじぇ。」
「それでは、ゆーきは此処で待っていてください。」

(休憩まであとどれくらい時間があるんだ?)

「すいません。握手してもよろしいですか?」
(こ、この声は和!?何で此処に?
そういえばエトペン好きだし来てても不思議じゃないか)ハネヲダス
「ありがとうございます」ニギニギ

「あの、抱きついても良いですか?」
(マジか、マジかっ!?)コクン
「それでは失礼します。」ダキッ
(ヒャッホーウ、生きてて良かったーありがとう神様―。)


(前言撤回、生地が厚すぎて何も感じない、何たる生き地獄。
目と鼻の先にはあの、原村和がいるというのに、抱きついているというのに何も感じれないなんて、くたばれ神様。)


その日、人知れず一人の男が涙した。

カンッ

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最終更新:2017年10月20日 00:49