憧「やっちゃった……」
二日酔いで痛む頭に手を当てて、周囲に転がった酒瓶を見て自己嫌悪に浸る
最大の頭痛の種は酒そのものじゃなくてベッドで隣に寝ている金髪の男との昨夜の痴態
酒に飲まれていたとはいえ、親友の慕う男と一晩を濃密にすごしたなんてことがばれたら、さすがに絶交物だろう
憧「でももっと最悪なのが……」
鮮明に残る快感の記憶、口走った強請り、蕩けるような甘い時間、そしていまだに消えない胸の動悸
憧「やばい、こんなのはまっちゃうじゃない」
『ばれなきゃいいんじゃないのか、別にあの子は正式に付き合ってるわけでもないし、きっかけはどうあれ好きになっちゃったんだし』
次々に浮かぶ言い訳に、次回への期待が押し殺せない
憧「私、こんな嫌な女だったんだ」
嫌な女でも、親友を裏切っても、それ以上に一晩を過ごしたアレとの魅力に参ってしまってる
憧「ごめん、ごめんね……」
口先では謝りながらも、私の女の部分はあいつを求めて素面のまま、記憶を上書きしようとしている
寝ている男に唇を重ねて、もう止まらなくなっていく
後に待つのは修羅場であることを分かっていながら、私はもう止める気がなくなってる
もう、取り返しは付かない。だったらこのままいっそ……突き進んでもどうせ変わらない
カン?
最終更新:2018年01月27日 20:54