<京太郎に他で彼女ができていたらどうしますか?>
宥「へえー、彼女、できたんだ? 私も知ってる人かな?」
彼の口から漏れたのは知らない人の名前。仲間だったらまだよかった。
彼女らなら邪険には扱わないし、温もりを私に向けてくれる。
京太郎「へへ、実は家も近くてですね」
宥「そうなんだ……」
こんな、冬に寒い気持ちを抱くこともなかった。
翌日、私は学校を休んだ。寒くて寒くてたまらない。体と心の芯がどんどん冷たくなっていく。
意識しないままに私は彼から聞いたお家の傍にいて、あまりの寒さに体を温めたくて
ボッ
宥「あは、あったかい……そうだ、もっと早くにこうすればよかった」
翌日、京太郎の顔は浮かない顔だった
宥「どうしたの?」
京太郎「ああ……そのえっと、彼女の家が全焼したらしくて。
昼間で皆出かけていたから、誰も怪我とかなかったのは幸いだったんですけど」
宥「そっか……大変だね。でも無事だったんならそれが一番かな」
京太郎「ええ、でもちょっと遠くに引っ越すみたいで、学校も……」
宥「それは、仕方ないよ。応援、してあげよ」
家が焼けて忙しくなった彼女さんは京太郎くんに構う時間なんてあるはずもなく、ろくに連絡も取れずに二人の関係は自然消滅していって
宥「……あはっ、あの大きな火、とてもあったかかったなあ。京太郎くんも戻ってきて、もっと暖かくなれるよね」
彼女の歪みは誰にも知られることなく、今日も柔らかな笑みが部室にこぼされる。
カン
最終更新:2018年04月28日 23:02