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「これは……アルバム?」

 彼と同棲するようになって初めての大掃除。
 そこで私は臙脂色のやや高級そうな装丁がされた本を見つけました。
 金糸でALBUMとあり、その下に黒いペンで“高校1年生”と書かれています。
 ……いえ、正確には1年の部分には横線が何重にも引かれているのですが。

「思ってたより写真が少なかったのかな」

 そう呟いて無造作にアルバムを開きました。
 すると最初の見開きには、清澄高校麻雀部6人の集合写真。
 それを盛り立てるようにスナップが数枚。
 (いつ撮ったのか脱衣麻雀の様子が含まれているのは後で問い詰めましょう)

 その明るい雰囲気に軽い羨望を覚え頬がピクリと揺れ、
 それを誤魔化すように次のページをめくりました。
 すると次はインターハイ団体決勝後のものだろう写真。

 小柄で快活そうな少女がど真ん中で歯を剥くように満面の笑みで胸を張り、
 その両肩に手を置いて今にも泣きそうな、何かを堪えるように笑み崩れた赤髪の女性。
 その女性の脇腹を肘で突くようにしてニヒルに笑い、目元を眼鏡で隠した緑髪の女性。
 澄ましたように、さも当然という表情……と思いきや上気した頬の紅が裏切る桃髪の少女。
 少し影のある微笑みを浮かべた、優勝盾を抱えた茶髪の少女。

 そんな5人が映った写真だけがありました。
 あの光景は今でも脳裏に浮かびます。
 そしてその光景にも、写真にも、彼の姿はありませんでした。

 首をひねって次のページ……には何もなく、
 いくらかページを繰るとようやく“2年目”と書かれた白紙を境に写真が貼られていました。

「こっちは終わったぞ。そっちは――って全然終わってない!?」

 頭が真っ白になっていた私を我に返したのはそんな声でした。

 慌ててアルバムを隠し。

      滲みそうな視界に活を入れて堪え。

           ゆっくり、それでいて急速に固まっていく気持ちを自覚しました。

 そして気付けばその意志が口から零れていました。


                   「絶対、幸せにしますから」


                    想い出を増やしていこう


カンッ

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最終更新:2018年04月29日 21:44