透華「わたくし、家出してきました。これからお宅でお世話になりますわ、京太郎」

京太郎「いっくら許嫁でも、嫁入り前に男の家へ転がり込むのはアウトですよ!?」

透華「少しばかり早い嫁入りだと思いなさい。心配しなくても須賀家の許可はあります」

京太郎「龍門渕家の了解はどうしたんですか!そもそもハギヨシさんや衣さんたちは?」

透華「…実家の縁者とはもう絶縁したので、わたくしが何をしようと無関係ですっ!」

京太郎「ヤバい。事態が俺の予想をはるかに越えて深刻…!!」

───────

ハギヨシ《…実は京太郎くんとの婚姻について、一族の皆様と揉めてしまいまして》

ハギヨシ《当家は婿入り前提で動いていたのですが、透華お嬢様が嫁入りを希望したのです》

ハギヨシ《その上、衣様たちにも「お前だけで京太郎を独り占めする気か」と詰られ…》

京太郎「…ツッコミどころは色々あるんですが、元を辿れば俺が原因ですねこの騒ぎ」

京太郎「分かりましたハギヨシさん、こっちで何とかします。みんなにもそう伝えて…」

透華「京太郎!電話で何をコソコソと話していますの!」

京太郎「いや、何でも無いですよ透華さん!それで何故昼間っからネグリジェに」

透華「子作りに決まっているでしょう。さあ京太郎、わたくしを孕ませなさい!」

京太郎「俺たちはまだ高校生なんですよ?!」

透華「わたくしだって恥ずかしいけど、嫁入りするには既成事実でもないと…!」

京太郎「落ち着いて。既成事実があろうと無かろうと嫁入り云々には関係無いです」

京太郎「そもそも、どうしてそんなにウチへの嫁入りに拘るんですか?」

透華「だ…だって、わたくしは貴方を婿として迎え入れたいんじゃないですもの」

透華「次期当主になる龍門渕京太郎の、数居る女たちのひとりになるんじゃない」

透華「ただひとりの須賀透華として京太郎のお嫁さんになって、隣に寄り添いたい…」

京太郎「…俺は透華さんの事が好きですよ。今までも、そしてこれから先もずっと」

京太郎「貴女がいれば、他の女の子なんて目に入りません。だから安心して下さい」

京太郎「例え俺が婿入りしようが透華さんが嫁入りしようが、それは変わらないから…」

透華「とっ……と、とと年下のくせに、上から目線で慰めるなんてナマイキでしゅわ!」

京太郎「格好付けたのに理不尽な反応…!ま、俺なんかが二枚目気取っても滑るだけかー…」

透華(死ぬほどカッコいいんですわよ…!ああもう嬉しくて恥ずかしくて顔から火が出そう…!!)

京太郎「でも、透華さんを心配してる大切な人たちには、心配かけちゃ駄目ですよ」

透華「…………うん」

こうして頭を冷やした透華は、衣やハギヨシ、関係各所に謝罪して仲直り出来たとさ。


透華「…でも衣たちだろうが誰だろうが、京太郎は分けてあげませんからねっ!!」

京太郎「俺は浮気なんてしませんよ?!」

透華「貴方は男を捕まえ損ねた喪女雀士の執念深さを解ってないんですのよ!!」

しかし彼女はこの後、京太郎を狙う衣たちや自称幼なじみと死闘を繰り広げることになったとか。

カン!

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最終更新:2018年04月29日 23:06