h115-39 - 咲-Saki- 京太郎SSまとめ

京太郎「お願いします、パンケーキの作り方をおしえてください！」

栞「えっ、えぇ？　急にそんな……」

琉音「あ？　新手のナンパか？」ｼﾞﾛ

京太郎「違います！　咲と照さんが仲直りするために必要なんです」

蘭「宮永ちゃん？」

京太郎「はい。なんか照さん、咲に対してそっけないっていうか、壁を作ってるみたいで……」

京太郎「それで、すこしでも心を開いてもらおうと思って。なので協力してもらえませんか？」

栞「私でよかったらお手伝いします。でもどうして、わざわざ私に？」

菜月「美味しいパンケーキだったら、東京にはいくらでもあるよね」

京太郎「弘世さんに聞いたんですよ。照さんは宇野沢さんの手作りパンケーキが大好物だったって」

栞「そうなんだ。えへへ、嬉しいなぁ。それじゃあ、いつ持って行けばいいの？」

京太郎「いえ、できるだけ焼きたての美味しいのを食べてもらいたいので」

京太郎「当日は俺が焼きますから、レシピを教えていただければと」

琉音「あ？　お前が作んの？」

京太郎「はい」

琉音「お前さぁ、料理出来んのかよ？」

京太郎「それは……」

菜月「この子、なかなかの腕前だよ……もぐもぐ」

蘭「わぁ、コレ君がつくったの？　美味しい～」

琉音「は……？　え、何食ってんの……」

京太郎「お土産のタコスです。俺の作ったやつで恐縮ですけど」

栞「あっズルい、私も！」

琉音「お、おい」

栞「んー、おいしー！　これは上等だね」ﾓｸﾓｸ

京太郎「ありがとうございます。喜んでもらえてなによりです」

琉音「そうか、わざわざ宮永のために……わかったよ。マジなんだな？」

京太郎「はい！」

琉音「しょうがねぇ、これも後輩のためだ。私も力になってやる」

琉音「一応、しおり仕込みのパンケーキなら作れっから。なんなら私が教えてやるよ」

京太郎「え、いや、べつに渡辺さんに教えてもらえればそれで」

琉音「あ？　私じゃ不満だってのか？」ｽﾞｲ

京太郎「そ、そういうわけじゃ……」

琉音「私よりも、しおりの方がいいっつーのかよぉ？　やっぱナンパか？　オイ」

京太郎「だから違いますって！？」

菜月「……修羅場？」

栞「るねさん、ヤキモチですか？」

蘭「そ、そうなの……！？」

琉音「ちっげーよ！！」

琉音「チッ……コイツら、からかいやがって……おら、行くぞ！」ｸﾞｲｯ

京太郎「って、どこにですか？」

琉音「あぁ？　買い出しに決まってんだろ。早くしろ」

京太郎「ちょ、待って、そんな引っ張らないで」

ｳﾜｰｯ

蘭「行っちゃったね」

菜月「ついてかないの？」

栞「えー？　だってジャマしちゃ悪いよー」

カン