京太郎「……え、何ですかこれ」
京太郎「いやチョコレートって。これ完全に『お菓子の家』作ってますよね!いつの間に、てか何でこんなことに!?」
透華「この龍門渕透華から京太郎への贈り物なのですから凡庸なものにするわけにはいきませんもの。この日のために準備をしてきたのですから、さあ遠慮なく召し上がってくださいまし!」
京太郎「どこから食べるって言うんですか!?いくらなんでも無茶ですよ!!」
一「……まあ、頑張りなよ。透華ったら言っても聞かないんだから。そもそも気づいた時にはほぼ完成してて止める暇も無かったし」
純「だな。男なら黙って食え。高校生男子なんだからそれくらい行けるだろ」
京太郎「家一軒分ってのは流石に無謀じゃないですかねえ!?」
智紀「骨は拾ってあげる……カメラを回す用意もできてる。頑張って」
京太郎「勝手に動画撮らないでください!!」
衣「おーっ。これは何とも奇怪千万、御伽噺から飛び出してきたかの如きだ。透華、衣も食べて良いか!」
透華「もう仕方ありませんわね。……ですが、元は京太郎のために用意したもの。ちゃんと許可を取りませんと――」
京太郎「大丈夫です。いえ、寧ろお願いします。俺一人じゃ絶対食べきれませんって」
京太郎「……というか、いっその事皆さんで食べましょうよ。気持ちは十分受け取りましたし、こんなに立派なものを俺が独り占めするなんて悪いです」
透華「そうですの?京太郎が言うならそうしましょうか」
純「逃げたな」
一「逃げたね」
智紀「……根性無し」
京太郎「そりゃ逃げますよ!どこからどう見ても根性でどうにかなるような問題じゃないじゃないですか!!」
衣「わーい!チョコが沢山だー!!」
『お菓子の家』はこの後スタッフが美味しく……頂ききれずに、執事の手によって小分けに冷蔵保存されました。
最終的に全てが消費されるまでには数か月かかったとか。
――カンッ!
最終更新:2018年05月02日 20:43