• 京太郎大学生編、先輩:怜、同期:穏乃&淡、バイト先の友人兼お目付け役:憧

その日、たまり場になりやすい俺の部屋には怜先輩、淡、穏乃が上がりこみ、憧は呆れた目で3人を見ながら飲んでいた。
そうして全員が酒にある程度酔ったころ、元気娘は唐突に口火を切った。

穏乃「『王様ゲーム』、したい!」

憧「まーたシズが変なこと言いだした」

淡「えー、いいじゃん面白そうだし。ま、負けるの怖ければ逃げてもいいけど?」

怜「こんなこともあろうかとくじ作っといたでー。あ、京太郎は参加強制な」

京太郎「ちょ、勝手に上がり込んだ上に好き勝手やり過ぎでしょあんたら」

淡「あーあー、聞こえなーい。んじゃみんなくじ引いてね。はい、『王様だーれだ!?』」

多数決という無情な掟により家主の声を聞く者はおらず、それぞれが引いていく

怜「お、うちやん。えっとなー、じゃあ3番が2番の頬にキスな」

京太郎「ちょっ、怜さん!?」

淡「京太郎当たったのバレバレじゃん、で、される側はどっち?」

穏乃「私2番……ええい、女は度胸、さあやって京太郎!」

俺が躊躇している間も怜さんと淡は「きーす、きーす」などと囃し立ててくる。逃げ場はない

京太郎「わ、分かった。ちょんっとだけだからな。動くなよ?」

一言断ると、命令通りに頬に軽く口づけをする。なんていうか、近寄ると穏乃もいい匂いがして女の子だと思い出せば鼓動が止まらない

穏乃「う、うひゃ~っ、これ、恥ずかしい! 次、次いこう!」

ちゃちゃっと集めなおしたくじをそれぞれが引いていき

淡「おっ、私が王様、いやむしろ女王様? 1番は王様を膝にのせて抱きしめること!
  時間は次の命令になるまでね」

京太郎「……俺の運の悪さ、ここで発揮しなくても」

怜「いやいやむしろご褒美やんか、ほれ淡ちゃん、いきや」

淡「ふ~ふふ~ん、うむくるしゅうない」

やばい、なにがやばいって柔らかいところが、当たって、息が耳元でくすぐったくてっあったかくて!

憧「……次ね」

ゲームが始まって以来一言もしゃべってなかった憧は、淡がくじをまとめるなり一番早く引いて俺たちへくじがいきわたるまで待ち

憧「2番の京太郎は自分でくじを作り直しなさい」

そんなよく分からない言葉に俺は首を傾げ、憧を除く他の3人はピシリと固まった。

憧「まだ分かんないの? こいつらはくじに印付けてんのよ、その上で自分たちに都合がいいような命令を回し続けるつもりだったわけ」

怜「あっちゃー、こんなはようにばれたか。こんなんなら一発目からもっと過激にすべきやったなあ」

京太郎「これ以上過激ってあんたら何する気だったんだよ!?」

淡「え? そんなのピーで、ピーをピーして」
穏乃「責任とらざるを得ないようにするとか」
怜「お嫁に、いやこの場合婿に行けん体に」

ずざざっと、憧大明神様の後ろに隠れて肉壁にする。こいつら可愛いかと思えば肉食にもほどがある。
俺は今まで無防備にこいつらと話していたが、実は綱渡りだったとでもいうのか?

憧「じゃあ私は幼馴染とその悪友たちにお話し(物理)があるから片付けはよろしくね」

怜「うちはまだいい思いしとらんのに~」

情けない声を上げながら引きずられている怜さんを見ながら、俺は一つの真実に到達した。


『女って、怖い』カン

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最終更新:2018年05月02日 20:50