京太郎「ふぅ、片付け終わりっと。ついでに軽く掃除しといたぞー」

白望「ありがと、京太郎」


京太郎「もうすぐ半袖の時期になるってのに、いつまで出しっぱなんだよ」

白望「お望みとあらば一年中」

京太郎「いや、さすがに無理だろ……夏でもこたつむりする気か?」

白望「クーラー付ければ楽勝」

京太郎「そこまでして使いたいのか!?」

白望「まさか。そんな贅沢してたらバチが当たるからやらないけどね」

京太郎「……普通にやりそうだけどな」ボソッ

白望「んー?」

京太郎「イエ、ナニモ」


白望「片付け手伝ってくれたお礼、お茶でも淹れようか」

京太郎「お、サンキュ」


数分後


白望「お待たせ」カチャカチャ

京太郎「お待ちしてました」

白望「お湯はいま持ってくるから、準備してて」

京太郎「オッケー」

白望「沸いたよ」

京太郎「はい、鍋敷き」

白望「あちち……」ゴトン

京太郎「これ、鉄瓶ってやつ? こんなのあったんだ」

白望「貰ったんだ。私にって」

京太郎「シロに? たしか、鉄瓶って手入れ大変なんじゃなかったっけ」

白望「うん。ちゃんと乾かさないとすぐサビる」

京太郎「大丈夫かー? シロにそんなものあげちゃって」

白望「大丈夫」


コポコポ

白望「ほら、お湯も透明でしょ?」

京太郎「おお、ちゃんと育ってるな」

カチャ ザッ サッ

白望「はい、一番茶だって」

京太郎「それはいいね。よく知らないけど」

ザァァ カチャ

京太郎「手際いいな。ちょっと慣れてない?」

白望「鉄瓶は毎日使うのが一番の手入れなんだってさ。だからかな」

京太郎「へぇ」


チョロロロロ

白望「…………」

京太郎「……なんかいいなぁ、こういうの」

ピチョン

白望「……ん。よし」

白望「粗茶ですが」

京太郎「ズズッ……ほう、結構なお手前で」

白望「でしょ?」


京太郎「それにしても、こんな特技があったんだ。知らなかったぞ」

白望「特技っていうか、まぁ」

京太郎「継続は力なりってことか。いや、意外だった」

白望「そんなに?」

京太郎「だってシロだし。今日も一人じゃ、こたつ片付けられなかったろ?」

白望「む」


京太郎「だから正直、見直した」

白望「……ふぅん」


白望「まぁ、せっかく貰ったんだし、使わないのも悪いかなって」

京太郎「道具としても、使われるのは本望だろうな」

白望「そういえば、昔はよく嫁入り道具として持たされたんだって」

京太郎「鉄瓶が?」

白望「うん。大事に使えば一生ものだから」

京太郎「へぇ……」ズズッ

白望「うん……」ズズッ

京太郎「じゃあ、シロはきっといい嫁さんになるな」

白望「っ! ……ケホ、ケホッ」

京太郎「はぁ、美味い」

白望「ん……まぁ、こんなのでよかったら」


白望「いつでも、家に来なよ」


京太郎「ああ、そうさせてもらおうかな」

白望「うん……きっとね」


カン



おまけ


エイスリン「ナニ シテルノ?」

京太郎「シロにお茶淹れてもらったんですよ。エイスリンさんも飲みますか?」

エイスリン「ノム!」

ゴクッ

白望「あ」


エイスリン「ッ……!?」oops

京太郎「ど、どうしたんですか?」

白望「エイスリンは砂糖いれないとダメなんだよ」

京太郎「えっ? 緑茶に?」

白望「海外ではわりとそうみたい。砂糖とってこなきゃ」

京太郎「そうだな。はやくしないとエイスリンさんが……!」


エイスリン「ウ、ウゥ……」

白望「…………」ダル

京太郎「…………」

エイスリン「シ、シブイ……」プルプル

白望「…………」ダルダル

京太郎「…………」


京太郎「……はいはい、オレがとってくるよ!」ダダッ

白望「いってら」



もいっこカン

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最終更新:2019年03月11日 01:11