- 事情があって麻雀部に入らなかった咲ちゃん&個人戦大活躍の京ちゃん
アナウンサー『このIHでこのような試合をだれが想像したでしょう!? 初めてわずか数か月にして優勝争いをする1年生!
清澄高校、須賀京太郎! その独特の打ち方から『眠りの須賀』と呼ばれる選手です!』
解説『このスタイルは永水女子2年、神代小蒔と似たところがあります。二人の間に何か関係があるのか、それともただの偶然か気になるところですね』
京太郎「俺がこんなところにいるなんて実感ないなあ。というか打ってる時のこと何も覚えてないし」
A「ふん、その背中の膨らんだ変なパーカーで出るなんてな。なめてやがる」
B「おれも3年としての意地がある。負けるわけにはいかないな」
C「はっ、いいから始めようぜ。誰が強いかなんて結果で示せばいい」
京太郎「よろしくお願いします。はー、すぅ」
チク
京太郎「……すやぁ」
A「ち、なめやがって」
京太郎?『あ、それポン』
B「こんな序盤から早仕掛けか」
京太郎?『カン。うんしょ、うんしょ。タンヤオ嶺上開花』
C「安い上がりで親つぶしやがって。直撃食らわせてやる」
アナウンサー『激戦を制したのは脅威の1年生、須賀選手! 目を閉じながら卓上に勝利の花を何輪も咲かせました!』
解説『完全に男子のレベルではありません。まさに牌に愛された子と言うべきでしょう』
京太郎「……はっ。終わったのか? うーん、やっぱり記憶が」
膨らんだ京太郎のパーカーの中からこっそりと一人の文学少女は抜け出し、いかにも今歩いてきましたといった顔で彼女は幼馴染に抱き着く
咲「えへへ、京ちゃん優勝おめでとう。とってもかっこよかったよ」
京太郎「そう言われても実感がなあ。ていうか咲、東京まで応援に来てたのか?」
咲「うん、どうしてもしなくちゃいけないことがあって。京ちゃんのこと間近で応援したかったもん」
男は何も気づくことなく幼馴染の手を握り、一緒に歩きだした
咲「京ちゃん、私は何時でも京ちゃんの力になるからね」
毎回持ち込まれる変な道具やコスチューム、それらが台頭しているIH故の盲点。
想い人を薬で眠らせて二人羽織で代わりに打つ、そんなありえない事実に誰にも気づかれることは結局起きなかった。
咲「私には京ちゃんの役に立つ以上に大切なことなんてないんだよ」
女子団体戦に清澄高校が出られずとも、そんなことは宮永咲にとってどうでもいいことであった
カン
最終更新:2019年03月11日 01:36