咲「今日の花火、綺麗だったね」
京太郎「そうだな、これで咲が足をくじいてなかったら良かったのにな」
咲「もう、そんなこと言わなくったっていいでしょ」
京太郎「まったく、誰のせいでこんなに遅くなってると思ってるんだ?」
咲「そういいながらもおぶってくれる、優しい京ちゃんが好きだよ」
京太郎「はいはい、調子のいいお姫様なこった」
咲「……」
京太郎「……」
咲「なんだか変な感じだね。さっきまであんなに賑やかだったのに、ここまで来ると誰もいなくて、とっても静か」
京太郎「そうだな、明かりもあんまり無いし、虫の声しか聞こえない」
京太郎「そういえば咲、怖くはないか?」
咲「ちょっと、それどういう意味?」
京太郎「昔はよくこういうところで泣いてただろ? きょーちゃーんって」
咲「昔の話でしょ!? もう大丈夫だよ、今日は満月で明るいし」
咲「それに、京ちゃんがいるモン」ボソッ
京太郎「そういうもんか?」
咲「そういうものだよ」ハァ
京太郎「……月が綺麗だな」
咲「どういう意味?」
京太郎「なんだよ、そのまんまの意味だけど?」
咲「そっか……」
咲「私、死んでもいいわ」
京太郎「おいおい、いきなりどうしたんだ?」
咲「ふふっ、そのまんまの意味ですよー」
京太郎「何だよ、意味わかんねー」
咲「わからなくてもいいよ、今はまだ……」
咲「でもいつかはちゃんと気付いてね、京ちゃん?」
最終更新:2019年03月11日 01:40