『――前半戦終了!!』

京太郎「よし!下ごしらえも済んだし」

京太郎「すいません。俺、優希のこと見てきます」

京太郎「頑張ってたけど、やっぱり南場では結構やられてたし」

京太郎「最強のタコス作ってやる!って元気づけてから控室まで連れてきます」

咲「あっ、待って京ちゃん」

久「咲、ここは須賀君に任せましょう」

久「せっかく優希が頑張ってくれたんだもの。私達は明るく出迎える準備をしましょう」

京太郎「ありがとうございます!すぐ戻りますから!」

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試合場外の廊下にて

優希(さすが咲ちゃんのお姉ちゃんだじぇ)

優希(かっちんこっちんに守ったつもりだったけど、思ったよりずっと取られた)

優希(もう一回東場があるとは言え、このままじゃまた南場で……)

京太郎「優希ー!」

優希「京太郎? なんでここにいるんだじぇ? 」

京太郎「なんだかんだ言って南場はやられてたからな。元気づけてやろうと思って迎えにきてやったぜ」

優希「率先して主人を迎えに来るとは、お前もだいぶ犬としての自覚が出てきたみたいだな」ウンウン

京太郎「……なんだ全然平気そうだな」

京太郎「落ち込んでるだろうと思ったから、せっかく俺史上最強のタコスを作って応援しようと思ったのにな~」

優希「京太郎愛してるじぇ!! さあ、傷ついた優希ちゃんを思う存分慰めるがいい!」

京太郎「全く都合のいいやつだな」

京太郎「さて、みんな待ってるし控室に戻るか」

照「」クイクイ

京太郎「へ?……ってあれ、照さん!?」

照「久しぶりだね。京ちゃん」

照「それより話は聞かせてもらったよ。一人だけ京ちゃんメシで回復するのは不公平」

京太郎「……はぁ(京ちゃんメシって何だ?)」

照「分かってくれた? じゃあ、はいこれ。美味しいプリンの作り方のレシピ」スッ

京太郎「はい?」

照「私も後半戦までまだ時間はある」

照「材料の領収書は白糸台につけてくれればいいから」

京太郎「え…えぇっと……」

京太郎「プリンは固まるまで時間かかりますから多分間に合いませんよ」

照「……」

照「……ならせめて簡単なものでもいいから!」

照「片岡さんや他の人たちもみんな強いけど、私は京ちゃんのお菓子があれば百人力だから!!」

京太郎「いや、あの、俺は清澄ですし、優希の応援をするためにーー」

優希「そうだじぇ! いくら咲ちゃんのお姉ちゃんでもーー」

咲「何やってるの、お姉ちゃん」

一同「咲!?」

咲「二人がなかなか帰ってこないから気になって見に来てみれば」

咲「ねえ。何やってるのかな。お姉ちゃん」ゴッ

照「しまった……ここは戦略的撤退」

照「またね、京ちゃん」



咲「……優希ちゃん」

優希「分かってるじぇ。この勝負、絶対に勝つ!」

優希「そのためにも、早くタコス食べなければ! 何やってるんだ京太郎、早く戻るじぇ!!」

果たして決勝の行方はーー

一方そのころ、白糸台の控室

テレビ『 照「一人だけ京ちゃんメシで回復するのは不公平」 』

テレビ『 照「私は京ちゃんのお菓子があれば百人力だから!!」 』

テレビ『 恒子「おおっと! チャンピオンの宮永照、前半終了後に他校の男子と何やら楽しげに会話している!」』

テレビ『 恒子「家に帰るまでがインターハイだぞ! これはチャンピオンの思わぬスキャンダルかー!?」』

テレビ『 健夜「よくないなぁ…こういうのは」ギリ 』

菫「まったく、何をやってるんだアイツは」ハァ

淡「菫先輩も心労が絶えませんね」アハハハ

菫「笑いごとじゃない!」


なお、全国放送でチャンピオンと東風の神から絶賛された『京ちゃんメシ』なるものを求めて、

インハイ終了後に全国の雀士から清澄への問い合わせが殺到することとなるのであった。

カン!

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最終更新:2019年10月09日 10:04