A「宮永咲さん、僕と付き合ってください」
咲「え、えと……いい、よ?」
―――
京太郎「ほーん、Aと付き合いだしたんだ?」
咲「えへへ、私もインターハイで活躍したからかなあ」(ニヘラ
京太郎(単に押しに弱いと判断された気がするけど、本人がいいなら言わない方がいいよな)
咲(でもなんだか違和感みたいのがあるんだよね。ねんだろ?)
―――
A「なあ咲、俺たち付き合って3週間経つしさ、そろそろ」
咲「え?」
頭を掌で抱えられるように引き寄せられながら咲とAの顔が近づいて、キスをされようとしてるのだと咲は悟る
だが、その恋人同士なら当然の行為に咲の脳裏をよぎったのは金髪の――
咲「やだっ!」
ドンと両手で咲がAの体を突き飛ばす
咲「ご、ごめんなさい!」
自分で自分の反応が理解できなくて衝動に任せて咲は走り出す
―――
京太郎「で、迷子の捜索に俺を呼び出したと?」
咲「あははは、ごめん。でも京ちゃんなら暇でしょ」
京太郎「勝手に決めつけんな。まあ暇だったんだけどさ」
咲「ねえ京ちゃん、キスってしたことある?」
京太郎「俺に喧嘩を売りたいのか? 彼女いない暦年齢の俺に」
咲「そういう意味じゃないよぉ。あ、京ちゃん頭にごみついてる、かがんで」
京太郎「へいへい」
かがんだ京太郎の顔を見て、咲は幻視した光景を照らし合わせて
チュッと、唇と唇の距離をゼロにした
咲「あ、やっぱりだ」
京太郎「おま、彼氏いるくせに何してんの!?」
咲「いいの、もういいんだ、分かったから」
京太郎「俺にはさっぱりわからんのだが? お前の考えも何もかも」
咲「じゃ、これから教えてあげるね」
咲の足取りは軽く、悩みから解放されて晴れた笑顔だった
カン
最終更新:2019年10月09日 10:37