私は宮永咲。今日から高校生です。私はどうしても姉と仲直りがしたくて無理を言って東京の学校に入学しました。
ただそれには一つ条件が付いていたのです。

「おーい咲、はよ食え。冷めるぞ」

トーストを焼いて6つ切りにし、ツナと玉ねぎをマヨネーズで和えたツナマヨソース・ゆで卵をみじん切りにして胡椒多めでスプーンで潰した卵ソース
これを好きな分量だけのせて食べる、非常に簡単な朝食です。

その朝食を作ってくれているのが目の前の男の子。中学の同級生にして私が東京暮らしをする条件、それがこの須賀京太郎。
なぜか彼は私の親から絶大な信頼を得ており「須賀くんがいるなら大丈夫だな」としみじみとしていました。

血の繋がりもない男の子と一つ屋根の下で安心するなんてなんだか納得がいかないのだけれども、仕方がないので諦めたよ。

私が過去に思いを馳せていると彼は身を乗り出して手を伸ばす。男の子の大きな手が頬を包んでくるのに私は咄嗟に目をつむって

「おべんとついてるぞ、バーカ」

ひょいっと唇の端を拭ってハンカチで指を拭きました。その顔は完全に平静を保ってて、イラついた私は机の下で足を蹴ってやります。

「なにムームー言ってんだ、いいから学校行け。俺も出るから」

まだ東京に出てきて間もない私は彼に学校前まで送ってもらいます。これは私が迷いやすいわけじゃなくて単純に慣れてないだけだから。

「それじゃ行ってきます、京ちゃん」

「おう、またな」

これは私がお姉ちゃんと仲直りするまでのお話。そして京ちゃんとの学校には内緒の生活の日々。
宮永咲、今日から白糸台高校1年生、部活志望は麻雀部です。知り合いがいないのは怖いけど頑張ります!

カン

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最終更新:2019年10月09日 10:44